気分は宇宙旅行 ~アルトゥーロ旋風(1)

 ペルージャの新しい交通機関、ミニメトロ(il Minimetrò)(詳しい説明はこちらの記事にあります)のことを、うちの夫はいつも「navetta spaziale」(スペース・シャトル)と呼んでいます。確かに銀色に光る車体が宙を走る様子は、宇宙船のようです。
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 男の子は、乗り物が大好き。というわけで、わたしとバルバラ(前日の記事参照)は、アルトゥーロにミニメトロ乗車体験をさせるべく、ピアン・ディ・マッシアーノ駅を訪れました。
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 ピアン・ディ・マッシアーノの駐車場を降りて、レールの上を行き交うミニメトロを見たアルトゥーロは、案の定大喜びです。そして、母から「今からミニ電車(trenino)に乗りましょうね。」と聞いて、また大はしゃぎ。

 ちなみに、上の写真でミニメトロのすぐ後ろにある大きな建物が、ペルージャ県警察本部(Questura di Perugia)です。
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 最初の問題は、改札口で発生。バルバラと一緒に改札口(上の写真)をいったん通り抜けたアルトゥーロは、何を思ったのか、その後再び扉から後ろに逆戻り。しばらくすると透明な扉が自動的に閉まってしまいました。

 幸い駅の係員が一部始終を見ていて、「今度はよく気をつけるように」と母子に言い聞かせながら、駅員用のカードを使って、アルトゥーロが駅に入れるように、改札口の扉を開けてくれました。

 小さいお子さんと一緒に利用される方は、ご用心。
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 いよいよミニメトロの車両が到着です。右手に見える青いスクリーンには、ミニメトロの利用法や利用時間などの情報が代わるがわる映し出されます。
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 扉が開きました。外側はすべて銀色なのに、車内は一面赤い色をしています。ミニメトロの上方には、矢印のあとに「市の中心街」を表す記号があり、続いて「ピンチェット方面行き」と書かれています。中心街にあるピンチェット駅に向かって、ミニメトロが出発するからです。

 始発駅や終着駅では、方向を間違えて乗ってしまうことはありえないのですが、途中駅から乗るときは、行き先に十分ご注意ください。

  わたしは時々うっかりしていて逆方向行きのミニメトロに乗り込んでしまうことがあります。すぐに気づいて一駅後に乗り返しはするのですが、そもそもプラットフォームの案内からして、デザインを優先しているからでしょうが、行き先を薄い灰色や透明なガラスの上に白い文字で書いているために、字が自然にぱっと目に飛び込んでくるわけではなく、利用者が注意してよく見ないと、どちら行きかをしっかり見きわめることができないのです。

 今日5月14日も(イタリアでは、まだ14日の夕方です)、大学の授業を終えた後、中心街のピンチェット駅からミニメトロに乗ったのですが、フォンティヴェッジェ駅で途中下車して、近くのスーパーで買い物をしたあと、うっかりして再び中心街行きに乗ってしまいました。乗り継ぎのミニバスに間に合わないと思って慌てていたせいもあるのですが、同じ間違いがこれでもう3、4度目です。わたしだけではないと思いたいのですけれども…… 幸い無事、予定通りミニバスに乗り換えることができました。
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 いよいよミニメトロが動き始めました。アルトゥーロはすっかり興奮して、反対方向に向かうミニメトロとすれ違うたびに、食い入るような目でじっと見つめています。
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 幼い男の子がはしゃぐのを、他の乗客も皆、ほほえましそうに見守っています。上の写真は、カメラを携えた紳士(写真右)がアルトゥーロに名前と年齢を尋ねているところです。恥ずかしそうに、名前を言ったあとで、「2歳」と答えるのですが、指で2という数を示すのに、親指と人差し指の2本を使っていました。
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 この写真では、ミニメトロは、高層マンションに囲まれたマドンナ・アルタ駅に停車しています。向こう側に続くレールは、徐々に上へと登りつつ、大きく左へと曲がっているのですが、このカーブを曲がり始めたあたりが、絶好の撮影ポイントです。
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 カーブを曲がり始めると、こんなふうに、遠景にペルージャ中心街の町並みが見えてくるからです。

 景色に感嘆して写真撮影に夢中になっていたバルバラとわたしは、このときしかし、大きな問題があることに気がつきました。

 反対線を走るミニメトロをじっと見つめていたアルトゥーロが、しばらく前から、「ぼくもミニ電車(trenino)に乗りたい」と言い出していたのですが、この頃になって、わたしたちはようやく、「アルトゥーロが、すでに自分たちもミニメトロに乗っていることが分かっていない」ということに気づいたのです。

 言われてみれば、銀色の外装と真っ赤な内装には、かなりの差があります。

 アルトゥーロがすれ違うミニメトロを見つめていたのは、近くで見られるのがうれしかったからではなく、自分も乗りたい、いつ乗れるのだろうという期待感からだったのです。

 「わたしたち、もうミニメトロに乗っているのよ」と、バルバラと二人で繰り返し言ったのですが、どうにも納得がいかない様子です。

 そこで、一度停車したしたときにミニメトロから降りて、自分たちが乗っているのもミニメトロだということを、本人に自分の目で確かめさせるしかないということになりました。
 
 次のフォンティヴェッジェ駅で、停車中に3人とも外に出ました。

「ほら、わたしたちもミニ電車(trenino)に乗っていたんだってことが、分かったでしょう。」

「うん。」

「じゃ、もう一度中に入りましょう。」

「このミニ電車は不細工(brutto)だから、別の電車に乗りたい。」

と、アルトゥーロが駅に到着しつつある次の車両を指差したので、わたしたちもこれまでのミニメトロは見送って、次の便を待つことにしました。

 内装の赤い内側からしか見ていなかったので、美しく銀色に光る他の車両と比べて、見劣りがしたのでしょうか。
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 ミニメトロが、終点ピンチェット駅まで続く長い長いトンネルにさしかかりました。
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 このトンネルの入り口付近にあるのが、次のクーパ駅。実は、バルバラが学生時代に初めて住んだアパートは、このクーパ駅のすぐ近くにあります。緑に囲まれた静かな環境と小さくても居心地のいいアパートが気に入っていたバルバラはしかし、入居後1年半経ってから始まったミニメトロ建設工事の騒音に堪えきれずに、やがて引越を余儀なくされました。至近距離で1日24時間ぶっ続けに工事が続き、完成予定日が何度も何度も延期されたのですから、無理もありません。

 当時は彼女にとって、大きな苦しみの種であったミニメトロ。今回、便利な乗り物だと分かり、息子も大喜びなので、「ペルージャに、もう一つすてきなものが増えた」と喜ぶバルバラでありました。
Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-05-15 02:12 | Viaggi in Umbria | Comments(0)
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