ペルージャ大冒険 ~アルトゥーロ旋風(2)

 トンネルに突入したミニメトロは、やがて終点、ピンチェット駅に到着しました。ミニメトロ初乗車にすっかり満足したアルトゥーロ(記事はこちら)は、車両から出たあとも、しばらく感嘆のまなざしで、ミニメトロを見つめ続けていました。
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 丘の中腹にあるピンチェット駅から、頂上にあるペルージャ中心街までは、エスカレータあるいはエレベータで登ることができます。ガラス窓からの見晴らしが最高のエレベータ(上の写真)は、実は、「お年寄り、妊婦、体の不自由な方、ベビーカー専用」で、扉の前にこう書かれているため、今までわたしは利用したことがありませんでした。今回は幼い子供も一緒ではあるものの、少々後ろめたい気分でドアの前で待っていたのですが、到着したエレベータから降りてきた人が皆健康な20代から30代の人だったので、少し気が楽になりました。

 写真の下方に見えるのは、もちろんアルトゥーロの頭です。パノラマとぐんぐん登るエレベータに、何度も感興の声を上げています。
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 ピンチェット駅からペルージャ中心街に出てすぐのところに、ペルージャ市の観光案内所(詳しくはこちら)があります。久しぶりにペルージャに戻ったバルバラが、学生時代の他の友人たちとここで出会うことにしたのは、うち一人が観光案内所で研修(stage)をしていて、残念ながら仕事中で外出ができないからです。
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 これが、観光案内所の入り口から正面に見える風景を撮った写真です。突き当たりに見える大きい建物が、プリオーリ宮殿(Palazzo dei Priori)。向かって正面に見える、宮殿の大きい扉は、国立ウンブリア美術館(Galleria Nazionale dell'Umbria)の入り口です。
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 美しい装飾の施された扉から、大勢の観光客が美術館に入って行きます。
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 一方、アルトゥーロはと言えば、母親が旧友たちとの再会を喜ぶ傍らで、観光案内所の椅子の座り心地(歩き心地?)を見ているようです。
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 観光案内所は、マッテオッティ広場(写真中央)に面する中世の奥ゆかしい建物(写真左手)の中にあるのですが、この同じ建物内には、他にもバールにパン屋から雑貨屋、化粧品店まで、さまざまな店があります。ちなみに、上の写真で左手に見える大きな建物は、ペルージャ中央郵便局です。夕方まで開局しているので便利なこの郵便局は、大きなアーチが三つ並んだところが、正面入り口になっています。そして、郵便局のすぐ前、正面入り口の右側に、小さい緑色のブースが見えますが、これがポルケッタの街角販売店です。おいしいポルケッタ入りのパニーノを頼んで、昼食を軽く済ませるのもおすすめです。
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 観光案内所を出たわたしたちは、おなかをすかせたアルトゥーロのために何か食べるものを、と近くのパン屋の中に入りました。
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 バルバラが、初めてペルージャを訪れる息子に見せたかったのは、まずは中心街のシンボルである大噴水(Fontana Maggiore)(詳しくはこちら)。ただ、アルトゥーロは噴水そのものよりも、むしろ噴水の水を飲みに来る鳩たちに関心があるようです。上の写真でも、噴水の礎の上に上がって、柵の間から、パンを持っている方の手を、鳩たちに向かって差し出しています。どうやら、「エサをあげるから、ぼくのところにおいでよ。」と呼びかけているようです。
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 鳩と友達になろうと噴水の柵から離れない息子を、バルバラが写真に収めようとしています(写真右)。左手に見えるのは、プリオーリ宮殿の側面。正面に見える大きな扉の中には、壁面のフレスコ画の美しい広間、Sala dei Notariがあり、この広間は、コンサートや会議など、さまざまな催し物の会場としてよく使われています。

 プリオーリ宮殿(Palazzo dei Priori)は、ペルージャが都市国家として栄えていた中世に建設されました。priore(prioriは複数形)は、中世の都市国家で政治を担った「執政官」のことで、この宮殿は当時その政治舞台となっていたわけです。

 大きな扉の上にある像は、中世からの町のシンボル、ライオン(leone)とグリフォーネ(grifo, grifone)。この像は複製で、本物の像は宮殿の中にあります。

 宮殿の前にある階段を登ると、バルコニーの上で、少し高い位置から大噴水を眺めることができます。大噴水の下の位置からは見えにくい噴水上の彫像が、このバルコニーからはよく見えます。
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 ただし、アルトゥーロがこのバルコニーまで登ったのは、大きな鳩がいたので、その鳩を近くから見たかったからです。写真は、鳩が逃げてしまった後、がっかりして踵を返したところです。
 
 大噴水の周囲に、修学旅行生がたくさんいるのがお分かりですか。大噴水の向こう側に見えているのは、ペルージャの大聖堂(cattedrale, duomo)です。

 プリオーリ宮殿と大聖堂に囲まれ、大噴水のあるこの広場は、名を11月4日広場(Piazza IV Novembre)と言い、コンサートや民族舞踊など、多彩な催し物の会場としても、使われています。
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 再び鳩が来るのを待って、いつまでも動かない息子を見て、お母さんが迎えに行きました。
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 ようやく11月4日広場を離れ、目抜き通りのヴァンヌッチ通りを歩き始めたと思ったら、プリオーリ宮殿の前を通り過ぎる前に、アルトゥーロの足がはたと止まりました。

 この大通りには、ここかしこで音楽家が演奏をしたり、ピエロが芸を披露したりしていることがよくあるのですが、この日は長いひげのおじいさん(写真左)が、ギターを奏でながら、朗らかな歌を歌っていました。陽気な歌声と明るいメロディーに魅かれて、アルトゥーロは足を止め、立ち止まってじっと歌い手を見つめ、歌に耳を傾けています。(写真前方、中央よりやや右)
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 母親が渡してくれた小銭を、おじいさんの前に置かれているギターケースまで投げ入れに行って、戻ってきた後、もう一度歌に耳を傾けていたアルトゥーロは、やがてギターのメロディーに合わせて、ゆっくりと踊り始めました。
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 両手を前後左右に振り、音楽に合わせて、体や頭も左右にゆっくりと動かしていきます。目を閉じてにっこり微笑む様子から、どんなに音楽とダンスを楽しんでいるかが分かります。
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 しばらくこうして夢中で踊った後、母に手を引かれて歩き始めたアルトゥーロでしたが、名残惜しそうに時々立ち止まっては振り返って、歌い続けるおじいさんの方をじっと見やっています。おじいさんの方も、今はアルトゥーロの方を見ながら歌ってくれています。

 ちなみに、上の写真で中央に見える通りは、ヴァンヌッチ通りから、プリオーリ宮殿を通り抜けて、かなり急な下り坂へと続いていて、その名も、プリオーリ通り(Via dei Priori)。以前にご紹介したピザ屋、La Cambusa(記事はこちら)は、このプリオーリ通りを歩いて5分ほど下って行くと、道の左手にあります。

 しばらくすると空がかき曇り、雨が降り始めた上、アルトゥーロも前日からの長旅や次から次に出会った新しい顔や物事に疲れ果てた様子だったので、散歩はおしまい。

 大人や慣れた目には何ともない風景や物事が、子供の目を通すといかにも新鮮なものに思えて、わたしにも興味深い1日でした。
Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-05-15 19:52 | Viaggi in Umbria | Trackback | Comments(0)
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