マルケ州の3小村を訪ねて ~祝3周年の小旅行1

 6月16日水曜日の結婚記念日を祝って、2日間の小旅行を楽しみました。わたしは大学が試験期間中なので、自由が利きます。夫は2日間の有給休暇を取りました。

 以前、夫が出張中に道を間違えて偶然見つけたという美しい平原(piano)をさがしながら、風景や散歩を楽しもうということになりました。
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 ウンブリア州の西、マルケ州との境にあるコルフィオリート(Colfiorito)の村のバールで、飲み物・トイレ休憩。コルフィオリートは、皮が赤みがかったジャガイモ(patate rosse)を始めとする農業のさかんな地域で、コルフィオリート平原には、様々な農作物の花や畑の間に咲く野の花が美しくさいています。上の写真は、バールの外で、この平原を撮影したものです。

 夫が見たという「幻の平原」は、ウンブリア州南東にあるカステッルッチョ(Castelluccio)によく似ているけれども、それほど大きくなく、このコルフィオリートの西側付近にあるということです。

 そこで、コルフィオリートから州境を越えて、マルケ州に入りました。セッラヴァッレ・ディ・キエンティ(Serravalle di Chienti)で左折し、北方のセーフロ(Sefro)の町を目指していて、行き当たったのが、下の写真に見える平原です。
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 山に囲まれた平地のところどころに、赤やピンクの美しい花が一面に咲いています。左手、奥の方にうっすらと赤く見える部分には、ヒナゲシ(papaveri)が咲いています。
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 トレッキング・コースや地名を案内する標示がないので、しばらく周囲を散歩してから後にしたこの平原は、モンテ・ラーゴ平原(Piano di Monte Lago)という名だと、後で分かりました。

 正午頃に、マルケ州南西にある小村、セーフロ(Sefro)に到着しました。村の中心を、澄んだ清らかな小川、スカルツィート川(Fosso Scarzito)が、勢いよく流れています。(下の写真)
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 川の中には、マス(trota)の姿も見えました。川の左手の石壁に窓のように開いたところが、2か所あります。その昔、村の人々が、川で洗濯をするために、洗濯物を持っては訪れていた洗濯場す。この村や近隣の村、ピオーラコを散歩していると、川沿いのあちこちに、こうした洗濯所が、いくつもありました。

 しばらく川の流れに沿って歩いていくと、この川の水が、大きく美しい滝となって、勢いよく流れ落ちる様子を見ることもできます。
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 歩道から、階段を下りて行くと、流れ落ちる滝の水を、至近距離から見ることもできて、圧巻です。このすぐ近くには、他にも二つ滝があります。

 この小村、セーフロの歴史は8世紀に遡り、15世紀に当時地方を治めていたヴァラーノ家によって、城も建造されました。
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ヴァラーノ家の城の名残(resti del castello dei Varano)


 セーフロの村にはまた、イタリアの守護聖人であるアッシジの聖フランチェスコにゆかりの深い場所があり、そのため10年ほど前には、アッシジ(Assisi)とセーフロを含む地域の巡礼・トレッキング用の地図も、作成されています。
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 福者ベルナルド(Beato Bernardo)は、若き聖フランチェスコが改悛して神の教えに従って生きることを志したとき、聖人と共に信仰の道を歩むことを初めて決意した人物です。

 聖フランチェスコの死後、フランチェスコ会では、聖人の定めた規則に従って生きようとする者と規則の厳密な遵守を厭う者の間で、激しい闘争があり、結局は、後者が優勢となって、生存の聖フランチェスコに同行した最初の僧たちを多く含む前者を迫害し、アッシジから追放したり、牢獄に入れて、死に追いやったりしました。

 福者ベルナルドがこの迫害を逃れて、潜み暮らしたのが、セーフロ村の外れにあるクレスタイオ山(Monte Crestaio)の岩間にある洞窟でした。
 昼食後、わたしたちは、福者ベルナルドが過ごしたという五つの洞窟を目指すトレッキング・コースを歩くことにしました。
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 けれども、観光情報を尋ねたセーフロの村役場で、「道を知っている人がいないと洞窟を見つけるのは難しい」と聞いていたため、目的地は洞窟ではありません。昼食をとったレストランで、洞窟行きのトレッキング・コース沿いに流れる川の水源(sorgente)が美しいと教えてもらったので、この小川に沿って、水源まで歩いて行くことにしました。

 残念ながら、コースの出発地点には案内図や説明があったものの、歩いて行く道筋には、コースの案内も印もないため、「歩いて40分で行ける」と聞いていた川の水源は、1時間以上山道を登っても見つかりませんでした。
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 この大きな岩山のどこかに、福者ベルナルドの洞窟があるはずです。ちなみに、岩肌に生えている緑の草は、香辛料として料理で使うオレガノ(origano)で、写真は、夫が手にとったオレガノの香りをかいでいるところです。

 この岩に出会ったあたりから、登り道がひどく急になり、道が小川からかなりそれてしまったため、ここからしばらく歩いたところで、わたしは休憩。夫が一人で様子を見に、急な山道を登って行きました。しばらくして引き返した夫は、福者ベルナルドの洞窟らしきものは見つけたけれど、小川の水源は見つからず、川水の流れもまったく聞こえないので、今回はここで引き返そうと提案。
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 水源の風景こそ見られませんでしたが、道の傍らには、木陰で涼しいためか、まだランの花が咲いているところがここかしこにあり、花を眺め、小川のせせらぎを聞きながら、山登りを楽しむことができました。

 散歩の後は、セーフロの近くにあるピオーラコ(Pioraco)の村を訪ねました。
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 そびえ立つ険しい岩を背後に立ち並ぶ家が印象的な、美しい町で、アイスクリーム(gelato)を食べてから、散歩を楽しみました。

 村を流れるポテンツァ川(Fiume Potenza)も美しく、澄み切った水が勢いよく流れる小川沿いには、やはり、昔人々が川の水で洗濯をしていた洗濯場(下の写真)がいくつかありました。
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 川では、白鳥や野ガモが、のんびりと泳いでいます。村の人や観光客が、パンくずなどのエサをやることが多いからか、人の姿を見かけると、白鳥たちが近寄ってきます。
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 中世の教会や石造りの家の並ぶ町並みが美しく、周囲にそびえる岩をうまく取り込んで、家や階段の一部として使っている様子が興味深かったです。

 この日は、ピオーラコのすぐ近くにあるフィウミナータ(Fiuminata)の村のアグリトゥリズモ、ラ・カスタンニャ(Agriturismo "La Castagna")に宿泊しました。
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 花に飾られた石造りの建物が美しく、緑の山に囲まれた美しい自然の中にあります。
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 車での長距離の移動や散歩ですっかり疲れていたわたしたちは、宿に着いてすぐに、7時半頃から夕食を取りました。

 タルトゥーフォを使ったパスタに肉料理。野菜のつけ合わせには、地方独特と聞いたので、ジャガイモとチリメンキャベツを一緒にフライパンで調理したものを、いただきました。

 朝食込みの宿泊が、一人18ユーロ。夕食は、フルコースに、ワイン250mlとデザートを二人で一つ頼んで、合計29ユーロ。部屋の設備も夕食の味もそこそこではありましたが、値段が安いわりに、心地よく過ごし、十分に食べることができた上に、周囲の緑が美しいので、わたしと夫は、なりゆきで決まったこの宿に満足しました。
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 アグリトゥリズモには、プールもありました。宿泊料金は、時期によって異なります。興味のある方は、こちらのページ(Agriturismo "la Castagna" home page)をご覧ください。

 今回、幻の平原をさがしていて訪れることになったこの三つの村、セーフロ、ピオーラコ、フィウミナータは、澄んだ川の流れや町並みが美しく、緑の山々に囲まれたとてもすてきな場所です。

 マルケ州では、観光でも産業でも、海辺の市町村が優遇されるとのことで、過疎化の進むこれらの村では、もらった観光案内や地図も、10年前に作られたものでした。逆に言えば、たくさんの観光客でごった返すことのない静かな美しい町で、おいしいものを食べながら、あまりお金をかけずに、ゆっくりと過ごすことができる場所だと言えます。

 観光について質問した村役場や店の人も皆親切で、いろいろと村のみどころやおいしい店、宿泊先などを教えてくれました。

 以下に、観光に役立つリンクをいくつか挙げておきます。

・セーフロ村、観光案内    Turismo - Comune di Sefro
・ピオーラコ村、観光案内   Turismo - Comune di Pioraco
・フィウミナータ村、観光案内 Turismo - Comune di Fiuminata

 この旅行の2日目については、こちらの記事をご覧ください。

《参考資料》
・"Il Beato Bernardo Quintavalle da Assisi e le grotte del suo esilio, in Sefro. Ricordando il primo compagno di S. Francesco, esule nel nostro paese."
(Umberto Picciafuoco, agosto 1988, a cura della 《Pro Loco》di Sefro)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-06-21 13:36 | Marche | Trackback | Comments(0)
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