猛暑対策と宿・レストランの選び方

猛暑対策と宿の選び方

 イタリア中部や山岳地帯にあって普段は夏でも涼しい地域では、一般の住宅や安く利用できるホテルに、エアコンがない場合がよくあります。

 2002年4月から半年わたしが語学留学していたマルケ州の小村では、親しい友人もできたので地元の方の家庭をたくさん訪れたのですが、夏がどんなに暑くても、エアコンのある家庭は一つもありませんでした。マルケ州を発ってから現在まで、8年近くも暮らしている、ここウンブリア州ペルージャでも、事情は似たようなものです。

 2005年秋に外国人大学を卒業して、同時に同学で日本語を教えると共に、夫と共に暮らし始めたのですが、それまでの3年間、わたしはペルージャで家を転々としました。ホームステイを6か月経験したあと、他の学生や社会人との共同アパート生活を、二つのアパートで、さらに、非常に小さいワンルーム住まいも経験しました。この中に、エアコンのある住居は一つもありませんでしたし、現在住んでいる二世代住宅にもエアコンはありません。

 義父母にせよ、わたしと夫にせよ、エアコンを設置・維持できるだけの経済力がないわけではないのですが、義父母に言わせると「夏は暑く、冬は寒いのが当たり前」であり、また、実際に、暑くても工夫を凝らせば、何とか快適に過ごせるのです。

 食物、旅行先、そして人生においても「自然」を大切に考える夫は、エアコンだけではなく扇風機にも目くじらを立てます。扇風機はとても安い値段で売っています。けれども、わたしにしても、仕事のため、学生の作文、授業プリントや試験問題、参考資料など、とにかく紙をたくさん机に並べ立てている場合が多いので、扇風機が回っていると、一々紙が飛ばないように注意しなければいけないのが厄介でもあり、結局、今のところは、扇風機も購入していません。

 それでは、どう工夫すれば、エアコンや扇風機がなくても、うまく猛暑を乗り切れるかをご説明しますが、これはイタリアで暮らし始めたばかりの方、あるいは暑い時期にエアコンのないホテルに滞在することになった方へのアドバイスです。すでに何年も暮らしている方にとっては、当たり前のことも多いかと思いますので。


1.早朝と夜寝る前の涼しい時間帯に窓をすべて長時間開け放して、涼しい空気を屋内に
 取り込むこと、

2.暑くなり始める午前10時頃には、屋内の窓およびよろい戸やブラインドをすべて閉め
 て、暑い空気や屋内を一気に暑くしてしまう日光が入らないようにすること、

に気をつけてください。

 1については、たとえばペルージャでは最高気温と最低気温にかなり差があるので、効果があるのですが、わたしたちが2週間前に旅行で訪れたリグーリア州では、この差がわずか3度くらいしかなく、こういう場合には、あまり効果が期待できません。

 旅行先の町ごとの最高気温や最低気温の天気予報については、メルマガ第8号の記事(リンクはこちら)を参考にしてください。

 2については、住んでいるのが広いアパートである場合も、一人部屋である場合にも、部屋の向きによって、事情が変わってきます。北向きの部屋は夏は1日中涼しく、日光が差し込むことがないので、朝・晩に涼気を取り込み、外気の方が暑くなってきたら窓を閉めることは必要ですが、よろい戸やブラインドを閉める必要はありません。

 というわけで、夏に短期の留学をして共同アパートで暮らすなら、涼しく過ごせる北向きの部屋がおすすめです。ただし、冬は日光が差し込まず、イタリアの家屋は得てして暖房効率が悪いため、寒さに苦しむことになります。

 わたしと夫が住んでいる家には、東・南・西に面した窓があります。それで寝ている途中、6時前後に目が覚めると、泥棒侵入の恐れのない場所については、窓およびよろい戸をすべて開け放してしまいます。これで、窓を開けた午前6時ごろには29度であった室温が、午前8時ごろには26度前後とかなり涼しく、過ごしやすくなっています。ただ、東向きの窓には、9時頃から日が強く差し込み、東側は暑くなるので、窓もよろい戸も閉めてしまいます。南向きの部屋は午後10時頃から外気の方が暑くなり、日光が差し込むために、窓とよろい戸を共に閉めてしまいます。一方、西向きの窓については、午前11時あるいはそのあとで、外気の方が暖かくなってきたなと感じる頃に、窓もよろい戸も閉めてしまいます。こうして日によって違いますが、夕方8時頃になって、外気の方が室温よりも低く、涼しくなった頃に、再び窓とよろい戸をすべて開け放して、空気を入れ替えるわけです。

 というわけで、夏語学学校に短期留学される方には、北向きだけではなく、東向きの部屋も過ごしやすいかと思います。というのは、日が部屋に差し込むのは、まだ涼しい、あるいは学校の授業がある午前中である上、窓とよろい戸を閉めておけば、それほど部屋が暑くなることがないからです。と言っても、ここまで申し上げたことは、周囲に他の高い住宅がない場合であって、たとえば、たとえ南向きの部屋であっても、30センチ離れたところに、他の高い住宅やビルが建っている場合には、日中に暑くなる程度がかなり軽減されます。

 そして、夏も冬も避けたいのが、アパートの最上階です。1階や中間階だと、地面や他の階に挟まれているため、寒さも暑さも軽減されるのですが、最上階は、夏は太陽がすぐ上の屋根に照りつけるので、非常に暑くなる上に、冬は、暖房効率が非常に悪く、暖房をつけてもなかなか温まりません。

 以上の部屋の向きについては、旅行中に、飛び込みで宿を探す場合にも、まずは部屋を見せてもらって、部屋の設備や窓の景色と共に、夏にはどの方角を向いているかを確認してください。エアコンのない西向きの部屋は、午後いっぱい強い日差しが当たりますので、外出時には、窓もよろい戸も閉めておくのが無難です。たとえ部屋にエアコンがあっても、南向きの部屋では、夕食後から部屋で過ごしてエアコンをかけ始めても、なかなか涼しくなりません。

 そして、旅行の際には、最も暑い時間帯は美術館などの屋内で過ごす、食べ過ぎに注意し、水を多くのみ、できるだけ野菜・果物を食べるなど、体調管理に気をつけてください。猛暑対策についての詳しい情報は、メルマガの第9号(リンクはこちら)を参考にしてください。

 特に7月、8月に旅行される方には、そして、そうでない方にも、イタリア旅行では、できるだけあらかじめ宿泊先を決めておかれることをおすすめします。

 インターネットであらかじめ調べれば簡単に分かるホテルの設備・サービスや料金の比較が、現地に行って、その場で飛び込みでとなると、難しくなります。近所にホテルだけが立ち並んでいるわけでもなく、重い荷物を抱えて、いくつも宿を訪ね、部屋を見せてもらって値段を聞いてから選ぶとなると、無駄に体力も使いますし、他にいい宿が安くあるのに、ひどい宿に高い料金を払って泊まることにもなりかねません。

 7、8月にはイタリアでは国内、外国からの観光客が多いため、手頃な値段で快適なホテルから満室になってしまいます。今月10日ほど夫と旅行をした際には、旅先で宿を決めたことが多かったために、そうと知らずにB&Bで狭いシングル・ルームに二人で押し込まれて、しっかりダブル・ルーム用の料金を取られたり、夕方なかなか空室のあるホテルが見つからずに、日暮れ前にようやく見つかったホテルの空室は、当日の朝かび取り作業が終わったばかりで、匂いもひどいし、掃除もできていなかった、などということもありました。

 そして、イタリア旅行のホテル選びに、とても便利なのが次のサイトです。

 Hotel Comparior(リンクはこちら

 何が便利かというと、宿泊したい場所・時期・人数などを入力すると、空室のある宿の一覧が分かる上に、Booking.com、venere.com、Expediaなど比較的安い宿も含む多くの宿泊先情報を有する複数のサイトで、同じ宿泊先の料金がそれぞれいくらになるかが、一目で分かるようになっているからです。これは、それぞれのホテル検索サイトで、一々同じ情報を打ち込むのに比べて、はるかに楽です。

 イタリア語だけではなく、英語やドイツ語、フランス語などにも対応しています。サイトの右上にある国旗のアイコンをクリックすれば、希望する言語で、ページを読むことができます。

レストランの選び方 ~ ぼったくり対策

 レストランについては、ウンブリア州では、値段も書かれたメニュー一覧を店頭に掲げている上に、席に着くと、給仕がすぐにメニューを持ってきてくれる場合がほとんどです。
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 たとえば、上のレストラン、Risotrante L'Osoは、トラジメーノ湖に浮かぶマッジョーレ島(詳しくはこちら)にあって、美しい眺めを楽しみながら、湖で獲れる魚の料理を中心としたおいしいものが、たくさん食べられるのですが、メニューと値段の一覧が、店頭に掲げてある上に、客が席につくと、給仕がすぐにメニューを運んでくれます。
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 おいしい魚料理を扱う店にしては、値段も手軽で、おすすめです。ただし、この値段表は昨年、2009年6月に撮影しましたので、現在は値上がりしている可能性もあります。友人たちとレストランで撮った上の写真は、やはり2009年の10月に撮影したものです。

 けれども、これまでに旅先で利用したトスカーナ州、ラッツィオ州のレストランには、客にメニューを運ばずに、給仕が口頭で、どういう料理ができるかを説明するという店もかなりありました。

 こういう場合、一品ごとの値段を聞くのも憚られるので、つい分からぬまま注文して、あとで多額の領収書を見て驚くこともあれば、単に毎日店で用意できるメニューが異なるのでメニューを置いていないだけで、おいしいわりに、料金が安かったり、良心的だったりする場合もあります。

 山中の小村のレストランでは、確かにメニューを常に多く用意し、客のあらゆる注文に応じられる新鮮な食材を確保するのも大変で、仕方のないところもあるかもしれません。

 ただし、本当は法律では、レストラン側は客に頼まれれば、メニューを提示する義務があることになっていますし、店によっては、メニューを客に出しておいて、「このうち、今日は、こちらとこちらは食べられません。」、あるいは、「こちらとこちらの品だけが準備できます。」というところもあって、その方が良心的だと思います。

 とにかく日本からイタリアに旅行される皆さんには、念のために、店頭にきちんとメニューと料金の一覧がある店を選んで入り、かつ、給仕に必ずメニューを運ぶように頼むことが、ぼったくり被害に遭わないために、大切かと思います。

 昨年ローマで起こったぼったくり事件の詳細とぼったくり対策については、メルマガ第15号「ローマのぼったくりレストラン」(リンクは こちら)と第16号「ぼったくり事件」その後 & ぼったくり対策の手引き」(リンクはこちら)で、イタリア語の記事を取り扱って、説明してあります。

 これからイタリアに、個人手配で旅行をしようという方は、ぜひお読みください。

 というわけで、エアコンの恩恵を受けるのは、試験日に大学を訪れる際やスーパーで買い物をするときくらいですから、幸い夏かぜの心配だけはまったくありません。うちの夫の働くウンブリア州庁の建物にしても、外国人大学の教室にしても、窓が非常に大きく、日ざしがたっぷり差し込むために、エアコンがかかっていても、暑さがなかなか退去しないという状況です。
Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-07-24 13:01 | Viaggi | Trackback | Comments(0)
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