高山は夏もキノコ三昧

 ウンブリア州では、ポルチーニを初めとするキノコの季節は概ね秋です。
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 たとえば、上の写真は、2006年の秋に、夫の弟、マルコが、友人とレスキオ(Reschio)で大量のポルチーニ茸(funghi porcini)を収穫したときのものです。

 一方、標高が高いため、夏でも涼しく、雨の多い地域では、6月から10月まで、かなり長い期間、キノコを収穫することが可能です。これまでに旅行やトレッキングで、しばしばアッペンニーニ山脈の、そうした地域を訪れました。
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 こちらは、2009年7月12日に、マルケ州のネローネ山(Monte Nerone)の山頂近くから、ピオッビコ(Piobbico)の村まで歩いたときの写真です。美しい見晴らしに目もくれずに、夫やフランコが夢中になって、何やら大きな白いものを集めています。そして、この白い物体は、野原のあちこちに散らばっています。
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 拡大した写真でお分かりのように、二人が集めているのは、20センチから30センチはあろうかという巨大なキノコです。夫が散歩中に、巨大キノコが密集しているのに気がついたのですが、写真でも、ここかしこに白い円形のものが散らばっているのがお分かりかと思います。

 こちらの写真では、フランコがこの巨大なキノコが虫に食われていないかどうか、丹念に点検しています。
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 このキノコは、ハラタケ(イタリア語では、prataiolo)と言って、実はテッツィオ山(Monte Tezio)の山頂(詳しくはこちら)近くにも生えていて、採って食べることもよくあるのですが、普通に見かけるものは、ずっと小さくて、Wikipediaにもあるように、直径5~10センチほどの大きさです。
 
 昔からハラタケをよく野山で採って食べていた義父母も、こんなに大きいものは見たことがなかったので、味がどうかを疑問に思ったほどなのですが、網焼きにして、パセリ(prezzemolo)、ニンニク、オリーブ・オイルと塩、こしょうで味つけをして食べると、ふつうの小さいものより、ずっとおいしかったです。

 7月の週末に友人たちとチンクエ・テッレ(記事はこちら)を訪れた後、休暇中のわたしたちは、その後も1週間ほど、アッペンニーニ山脈の小村を訪ねて回ったのですが、特にパルマ地方では、登山中に、大きな籠を背に背負って、ポルチーニを探す人々を見かけることが、しばしばありました。
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 このナヴェルト山(Monte Navert 、1654m)の頂上を目指して歩いていたとき、わたしたちは、単純に山登りを楽しんでいたのですが、何人もの方に、「キノコは見つかったかい。」と尋ねられました。

 レストランでも、ポルチーニを使った料理がたくさんある店が多く、しかも、普通はポルチーニを使った料理は他の料理に比べて値が高いのですが、こういう地域では、ポルチーニがふんだんに採れる間は、新鮮なポルチーニを使った、おいしいパスタや肉料理を、手軽な値段で、食べることができます。
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 こちらは、アプアーノ・アルプス(le Alpi Apuane)の小村、ヴァッリ・ディ・ソットのレストランで食べた、ポルチーニ・ソースを添えたスカロッピーナ(scaloppina ai porcini)です。ふんだんに使ったキノコの味が肉にもしっかり染み込んでいて、とてもおいしかったです。この村を散歩していた途中に、ポルチーニでいっぱいの籠を手にしたおじいさんに会ったのですが、籠にたくさんのキノコがあるにも関わらず、「今日は収穫が少ない。」と嘆いていました。
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 店の外に、たくさんのポルチーニを細切りにして並べ、日に干して乾燥させているところもありました。写真は、百の湖自然公園(Parco dei Cento Laghi)にあるラゴーニの山小屋(rifugio Lagoni)のテラスです。ラゴーニ(Lagoni)と呼ばれるのは、美しい大きな湖)がすぐ近くに二つあるからです。登山をしていて頼りになるのがこの山小屋(rifugio)で、食事や宿泊ができる上に、トレッキングに必要な地図が置いてあったり、登山の情報をくれたりします。
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 ちなみに、こちらがその二つの湖の一つで、山小屋のすぐ前にあるものです。もう一つの湖は、この湖の奥にあるため、しばらく歩いていかないと見えません。

 また、夏に採れる黒トリュフ(tartufo nero)も、収穫できる地域では、今の季節に新鮮な素材を使った料理を食べることができます。8月に黒トリュフの村祭りを行うところもいくつかあるようです。
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 こちらは、黒トリュフ・ソースのラヴィオリ。マルケ州の山間にある小村(詳しくはこちら)で6月に食べたものです。ソースはおいしかったのですが、ラヴィオリだと、中のチーズの味が強くて、黒トリュフの味を十分に感じられないため、夫と二人で、タッリャテッレ(tagliatelle)など、他のパスタを頼むべきだったと、少し後悔しました。

 今年7月の旅行中には、「黒トリュフ・ソースのパスタ」と言いながら、黒トリュフがほとんど目に見えないほどしか入っていないパスタを出すひどい店にも、行き当たりました。一方、この旅行の最後に立ち寄ったトスカーナ州、ベッチャ(Beccia)のレストランでは、店の主人が、たくさんの採れたての黒トリュフを見せてくれたりもしました。

 イタリアの高い山では、夏も新鮮なおいしいポルチーニの料理を食べられるところが、たくさんあります。

 昨年、7月下旬に訪れたアブルッツォ州のチェッポ(Ceppo)では、夏もふんだんにポルチーニが採れるために、ポルチーニを採りに来る客用に建てられたホテルがあったりしました。宿の主人の弟さんが、駐車場でポルチーニを見つけたり、わたしたちが友人と山登りをしている途中にも、いくつか見つけたりしたくらいです。
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 写真は、2009年7月20日に、チェッポ近くの山を登ったときのものです。グラン・サッソ(Gran Sasso)の巨大な岩の峰が、眼前にくっきり見えて、皆で感嘆しました。

 というわけで、夏に旅行でイタリアの山を訪れる際には、事前にポルチーニなどのキノコ料理がおいしい地域や店を確認してみてください。もちろん、現地で地元の人に聞いて、おいしく食べられる店を見つけるという手もあります。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-08-02 12:45 | Gastronomia | Trackback | Comments(3)
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Commented by mihodiary at 2010-08-04 14:24
なおこさん、こんにちは!
今回の記事は、私にとって、大変タイムリーだったので、びっくりして、さっそくコメントを書かせていただいています。
実は先日、父の知り合いのキノコ農家の方から、とても希少な、生のキクラゲを頂いたのです。乾燥したものしか食べたことのなかった私は、その美味しさとプリプリの食感に感激しました。
そんなことがあった数日後、スーパーで食料品を物色していたとき、乾燥ポルチーニを見ていて、ふと思ったのです。
日本では、(...少なくとも私は)乾燥ポルチーニしか、めったに食べることはできないけれど、本場では生のポルチーニを食べるのかなぁ、やっぱり乾燥したものよりおいしいのかしら...なんて。
そんなときに、なおこさんの記事に出会って、偶然を喜んでいたところです(笑)
そんなわけで、ポルチーニ。イタリアでは、乾燥と生と、どちらがポピュラーなのでしょうか?そして、生のポルチーニって、やっぱり美味しいのですか?...乾燥してても、あれだけ美味しいから、さぞや...なんて思うと、食べてみたくなりますね。
ぜひ、教えてください!
Commented by milletti_naoko at 2010-08-04 15:44
ウンブリアでは秋、夏でも涼しく雨の多い地域では、夏から秋にかけて、生のポルチーニを使った料理を、あちこちのレストランで味わえる上、わたしたちは、義弟のマルコや友人のフランコが、ポルチーニ茸を探すのを趣味にしているために、家でも食べることがあります。

夫やフランコも含め、わたしの周囲の人には、やはり新鮮なポルチーニの方が、歯ごたえもあり、おいしさも格別だという人が大勢いて、レストランでも、ポルチーニの季節には、グリルで焼いてオリーブ・オイルをかけて出したり、パスタや肉のソースにしたり、リゾットにしたり、あるいは、衣をつけて揚げたりと、さまざまなメニューがあります。

ただ、今回7月に、おいしいポルチーニ料理を出してくれた宿の主人が、乾燥ポルチーニの方が、味が凝縮し、そして、栄養価も高くなる上、料理人の腕次第で、とてもおいしく食べられるのだと言っていました。夏からポルチーニが収穫できて、老人も若者も、皆がポルチーニを山に出かけては採りに行くような地域に育った方なので、そういうことなのかもしれません。シイタケも、乾燥シイタケの方が高価で、味わいが深く、栄養価も高かったように覚えています。
Commented by mihodiary at 2010-08-04 16:17
なおこさん、早速にお返事をありがとうございました!
新鮮なポルチーニのグリルなんて、贅沢ですねぇ!
そして、揚げたお料理も...、ますます食べてみたくなりました。
そういえば、舞茸の天ぷらも美味しいので、ポルチーニもおいしいだろうなぁ...と、日本のキノコ料理と比べつつ、いま、頭のなかで、ポルチーニがぐるぐるしています(笑)
でも、たしかにそうですね。乾燥しいたけは味わい深いです。そう考えると、乾燥ポルチーニも同じことが言えるのかもしれませんね。
イタリアに行く機会があったら、生のポルチーニ料理をぜひ味わってみたいと思います。
それまでは、日本で手に入る乾燥ポルチーニの味を、存分に堪能することにしますね(笑)
いつも「なるほど! 」な情報をありがとうございます!


日本語教師・通訳・翻訳家。元高校国語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより


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