ケッパーとその花

 うちの夫は、ケッパーが好きです。ピザやパスタの具だけではなく、野菜を料理するときでも、ケッパーを入れてほしいと頼まれることが多く、わたしも本来作りたかった料理の風味を損ねない範囲では、時々、ケッパーを加えたりします。
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 ちなみに、我が家ではピザ作りは夫の仕事です。仕事、というよりは、もともとピザやパン、ケーキなどを自分で作ってみるのが好きなので、時々、急に「今日は、ピザを作るからね。」と言って、台所を占領し、作業に没頭します。ちなみに、写真は、2009年1月9日に、我が家の台所で撮影したものです。
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 イタリア語で、ケッパーはcapperiと言います。料理に使う食品としては、普通は二つ以上を使いますから、このように複数形を使うのですが、植物の一株や食品一粒について言うなら、capperoと単数形を用います。上の写真の右手にある香辛料などの棚を拡大すると、この時我が家には、なぜか塩漬けのケッパーの瓶が二つもあります。
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 左端と右端にあるのがケッパーの瓶で、右端の瓶のラベルには、見にくいのですが、capperi al sale marino(訳すと、「海塩漬けのケッパー」と書いてあります。

 7月半ばに、チンクエ・テッレの五つの漁村の間を歩いたとき(記事はこちら)、花盛りのケッパーを時々見かけました。このケッパーは石壁の上に生えていました。
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 チンクエ・テッレはリグーリア州ですが、ウンブリア州やトスカーナ州でも、町を取り囲む城壁や古い家の石の壁に、ケッパーが育っているのを、よく見かけます。ペルージャの中心街を取り囲む城壁にも、ケッパーのあるところが、あちこちにあります。冬になると枯れてしまって分かりにくいのですが、今の時期は、緑の葉が生い茂り、白い花も咲いていて分かりやすいと思います。イタリア中部を旅行される方は、城壁を注意して見るようにしてみてください。
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 チンクエ・テッレを歩いたときには、こんなふうに、地面から生えているケッパーも見つけました。シチリア州のパンテッレリーア島は、地面に植えたケッパーの畑が一面に広がり、おいしいケッパーで有名です。5年前に旅行で訪れましたので、その時の写真が見つかったら、後から追加するつもりでいます。
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現在、我が家で使っているのは、そのパンテッレリーア島のケッパーです。
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 上の写真で左手に見える二つの花の下方に、緑色の小さいつぼみがいくつか見えるのですが、食品として食べるケッパーは、このつぼみを花が咲く前に摘み取って、塩ないしは酢に漬け込んだものです。

 数年前、夫と二人でトスカーナとの州境に近いレスキオ(Reschio)という村に暮らしていたとき、家の石壁にケッパーが生えているところがいくつかありました。夏になると、夫と二人でケッパーのつぼみを摘み取り、瓶の中に、粗塩とケッパーのつぼみの層を交互に重ねていって、塩漬けのケッパーを作っていました。

 ケッパーは、花のつぼみを食用として使う場合が多く、ピザの具としても、夫の好きな具の一つです。ペルージャやその近辺のピザ屋では、ふつうメニューの具の説明にcapperiとあれば、ケッパーの花のつぼみのことなのですが、一軒だけ、ケッパーの実を使うピザ屋があって、驚いたことがあります。
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 ペルージャの町にある、このポンペイというピザ屋です。(記事はこちら)ただし、今はケッパーのつぼみを使っているかもしれません。というのは、わたしたちが最後にここでケッパー入りのピザを食べたのは、もう何年も前の話だからです。ナポリ風のピザがおいしい店なので、今も時々ピザを食べに行くのですが、ケッパーの実は、つぼみほど風味もなくおいしくないため、ケッパーの実のあるピザを食べて幻滅して以来、わたしも夫も、ここでは、ケッパーのないピザを頼むようにしています。

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Belli i Fiori di Capperi.
A Reschio raccoglievamo i boccioli dei fiori
per fare i capperi sotto sale.
Le piante di capperi crescono sui muri vecchi anche nel Centro di Perugia,
le abbiamo viste pure alle Cinque Terre.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-08-05 13:58 | Fiori Piante Animali | Comments(4)
Commented by ゆん at 2010-08-10 16:45 x
こんにちは^^

ご主人のエプロン姿、決まってますね。
ナイフを持つ手も慣れたものという感じで
出来上がるピザの美味しさが想像出来そうです。

ケッパーは日本にもだいぶ浸透してきましたが
やはり一般的な調味料ではないと思います。
私も自分で調理に使ったことはありません。

それにしてもケッパーの花というのは
こんなに愛らしく、可憐な花なのですね。
初めて見ました。

Commented by milletti_naoko at 2010-08-10 18:02
ピザもデザートも、いつもとてもおいしくできています。特に、甘いものについては、昔むかしに凝ったことがあるようで、誕生日などに美しいケーキを作ってくれたりして、感動することがあります。

ケッパーはイタリア料理では、いろいろおいしく食べられるものが多くて、わたしも好きなのですが、困るのは、特に日本料理や中華料理を作っているときに、入れてほしいと言われることです。

わたしはケッパーには癖があるので気になるのですが、というわけで、リクエストに答えて、肉じゃがや麻婆豆腐もどき(こちらで手に入る素材を使って)にも入れたりします。

ケッパーについては、わたしは花の方を先に知ったのですが、ケッパーにしてもオリーブにしても、可憐な白い花が美しいとわたしも思います。コメントをありがとうございます。
Commented by piyopiyonist at 2010-11-03 21:24 x
こんにちは。
中高生の頃、叔母の家にあった「家庭画報」や「暮らしの手帖」などの料理記事や食に関するエッセーに取り上げられていたケッパー。それは花の酢漬けのほうでしたが、お花のつぼみのピクルスってどんな味だろうと想像を巡らせておりました。

大人になってレストランやホテルのダイニングでスモークサーモンに添えてあったりサラダに散らしてあるのを食べて以来、私の大好物です。ブッフェなどでケッパーだけ別容器に添えて提供されていたりするとちょっと多めにすくってお皿に取りピクルス代わりにそれだけいただくこともあるくらいです。笑

食べるときフォークの先でつついてみたりして「いったいどんな花が咲くのだろう。食用にされる位だから地味な花なのかしら」と想像しておりました。

こちらで写真を拝見して初めてこのような清楚で美しい花と知りました。ずっと知りたかった事ですのでとても嬉しいです。
清楚ではありますが内に包まれた紫のしべの華やかで上品なこと。

旦那様のお気に入りなのですね。
きっとnaokoさんもケッパーのお花のような可憐な女性なのでしょうね。
Commented by milletti_naoko at 2010-11-03 22:06
piyopiyonistさんへ

「家庭画報」や「暮らしの手帖」という名前が懐かしいです。わたしも母が読んでいたので、やはり中高生の頃、時々手に取ったことがあり、伝統を大切にした堅固な雑誌というイメージがあったのですが、当時すでに、ケッパーを扱っていたとは、ハイカラなものにもちゃんと注目していたんですね。

昔読まれた頃から、ずっとどういうものか想像されていた、そのpiyopiyonistさんの繊細な好奇心がすてきです。他の方のブログで、つぼみだと知らなかったと読んだので、ツイッターでも再度ご紹介したのですが、読んでいただき、ケッパーの花も予想以上に美しいと思っていただけて何よりです。

インターネットって不思議ですね。文章から、ケッパーが本当にお好きな様子とpiyopiyonistさんの細やかな感性と好奇心が伝わってきます。すてきなコメントをありがとうございました。「花のように可憐」になれるようにダイエットをしなければ。
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