ラグデイと聖湖

 ラグデイの山小屋(Rifugio Lagdei)は、アッペンニーニ山脈の山あい、標高1250mの高さにあります。パルマ川に注ぎ込む渓流の一つであるTorrente Parma del Lago Santo(訳すと、「聖湖のパルマ川」)の水源や泥炭地(torbiera)が近くにあり、周囲にいくつもの小川が流れる水の豊かな地域です。聖湖(Lago Santo)も近く、山道をしばらく登れば、見晴らしのすばらしいアッペンニーニ山脈の尾根にたどり着けます。

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 こうして、美しい山と川、そして湖に囲まれた場所であるため、ラグデイと聖なる湖は、国立トスカーナ・エミリア地方アッペンニーニ自然公園、州立百の湖自然公園の二つの自然公園に属しています。

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この池は、かつてラグデイの平地すべてを覆っていた湖の名残

 ラグデイの山小屋(1250m)から、聖湖(Lago Santo、1535m)までのトレッキングは、地図や観光案内には、「約1時間で誰でも楽しめる」と書いてありますが、わたしたちは、急な山道を、苦労しながら1時間半ほどかけて登りました。

 ラグデイの山小屋と聖湖を結ぶトレッキング・コースには二つあります。わたしたちは723A番コースを通って聖湖まで登り、727番・723番コースを下って、ラグデイの山小屋まで戻りました。

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 最初は、高い木々が立ち並ぶ森の中を歩きます。1時間半で300mの高さを登るために、坂道がだんだん急になっていきます。途中、わたしたちとは逆方向に散歩をして、聖湖から下ってくる人々に大勢あったのですが、中には、10歳くらいの子供もたくさんいました。

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 坂道を登りつめたあたりから、森を出て、石がごろごろと転がっている山道を歩くことになります。地図を見ると、地名もSassaia(意味は、「石(sasso)だらけの道」)となっています。

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 後ろを振り返ると、下方にたった今抜け出たばかりの森が見えます。遠くの山々も見えるのですが、霞がかかっています。水の多い地域だからでしょうか。高山だというのに、登っていると、蒸し暑さのために、汗が流れてきます。

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 石だらけの道に出くわしてから、さらにしばらく歩いたあと、ようやく聖湖(Lago Santo)が見えてきました。山の高みにあり、山と木々に囲まれた広い湖には、神秘的な雰囲があります。湖の名前ですが、「サント湖」と訳してしまうと、人々がこの湖に寄せてきた思いが表現できないような気がするし、「聖なる湖」と訳しては、固有名詞らしくないため、この記事では、「聖湖」と訳しています。

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 澄んだ湖水が、日の光にきらめいています。湖畔は水が浅いのですが、最深部では水深が約22.5mに達すると、イタリア語版、Wikipediaの解説(リンクはこちら)にあります。

 同じくWikpediaによると、このパルマ県の聖湖は、面積が81,550 m2で、エミリア・ロマーニャ州で最も大きな氷河湖(lago glaciale)であり、かつ、アッペンニーニ山脈北部にある天然湖(lago naturale)としても、最も大きい湖だということです。ちなみに、氷河湖は、氷河が削り取った地面のくぼみに、氷河が後退して解けたあとに、形成される湖です。聖湖は今でも、12月から4月にかけては、数メートルの厚い氷に覆われるそうです。

 実は、聖湖(Lago Santo)は、同名の湖が、エミリア・ロマーニャ州のパルマ県にも、モデナ県にもあるために、この二つを区別する必要があるときには、それぞれ、Lago Santo Parmense、Lago Santo Modeneseと、「パルマの、モデナの」という形容詞をつけて呼びます。

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 聖湖の湖畔には、G・マリオッティの山小屋(Rifugio G. Mariotti)があって、食事を取り、宿泊をすることができます。暑い日で、アイスクリームがほしかったのですが、ないとのことで、代わりにケーキを食べました。この手作りらしいアーモンド・ケーキ(torta alle mandorle)が、思いがけずとてもおいしかったのを覚えています。

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 こちらは、山小屋(rifugio)の前からの、聖湖の眺めです。湖畔から、さらに200メートルほど山道を登れば、アッペンニーニ山脈の尾根を歩むトレッキング・コース、il sentiero CAI 00に合流して、すばらしいパノラマを楽しむことができるということです。

 連日チンクエ・テッレを長時間散歩した(記事はこちら)翌日で、わたしが疲れていたこともあり、わたしたちは、山登りをここで中断し、ラグデイの山小屋まで引き返すことにしました。

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 聖湖の北岸は、こんなふうに木々に覆われています。

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 来たときとは別の道、723番コースを通って、山を下り始めたときに、出くわしたのが、こちらの蛙です。その名は、 ヨーロッパアカガエル(rana temporaria)。高い山の森に住んでいるけれども、見かけることが難しいんだ、と蛙との出会いを喜んだ夫が撮影したのが、上の写真です。

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 ラグデイの山小屋近くに、この蛙の説明が書かれていました。夏は落ち葉の間、冬は泥の中で過ごす習性を持つとのことです。

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 聖湖から723番コースを降りていくと、やがてトレッキング・コースの分岐点(bivio)に出くわします。私たちは、右の727番コースを下って、ラグデイの宿まで戻ったのですが、道の傾斜が急である上に、石がごろごろしていて、歩くのは大変でした。上の写真は、降りて来た山道を、振り返って撮影したものです。CAI(Club Alpino Italiano、イタリア山岳クラブ)のトレッキング・コースは、こんなふうに、木の幹や大きな岩に、赤と白の大きな横線を引いて、コースの道しるべにしています。

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 昼食後、部屋でゆっくり休んでから、午後4時ごろに聖湖を目指して山を登り始め、湖の周囲を散策したり、景色を楽しんだりしてから宿に戻ると、もう午後7時近くになっていました。

 夕食は午後7時半。朝食・夕食つきの宿泊の場合は、メニューに並ぶ前菜・プリモ・セコンドの中から、自由に二つ選んで食べていいということでした。料理はどれもとてもおいしかったのですが、量が非常に多かったので、小食のわたしたちには一品で十分で、たくさん残して、申しわけない気持ちになりました。野菜を十分に取りたいという方には、豆類とたっぷりの野菜をじっくり煮込んだ料理があって、こちらがおすすめです。

《参考》
・ラグデイの山小屋の宿泊・食事情報
 ⇒記事、「百の湖自然公園1」の後半(リンクはこちら
・ラグデイの山小屋前にある自然学習公園
 ⇒記事、「ラグデイで自然を学ぶ」(リンクはこちら
・百の湖自然公園
 ⇒記事、「百の湖自然公園2」(リンクはこちら

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-08-14 18:15 | Emilia-Romagna | Trackback | Comments(0)
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