イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ナヴェルト山登頂

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 カサローラ(Casarola)村から出発する散歩コースは三つあります。自然の小道、農業の小道(記事はこちら)、文化の小道。

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 7月15日木曜日は、このうち自然の小道(Sentiero Natura)を歩きました。散歩コースを記した地図(上の写真)には、自然の小道を歩くと、百の湖自然公園(記事はこちら)のさまざまな動植物の生息地を訪れ、パノラマを楽しみ、イヌワシ(aquila reale)を観察できる可能性があると書かれています。

 自然の小道は、カサローラ村から南に向かい、ナヴェルト山の頂上(1654m)まで登ってから、眺めのいい別の山道を通って、カサローラ村に戻る散歩道です。

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 ただし、今回わたしたちは、カサローラよりやや南にあるリアーナ(Riana)の村から出発し、指示された順路とは逆向きに歩きました。歩き始める前に、まずはリアーナ村の給水場(上の写真)で、水を補給します。出発は、午前11時25分。

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 村の人にナヴェルト山までの道を尋ねてから、少しずつ坂道を登ると、道端の花に色とりどりの蝶が止まっているところがありました。

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 道沿いに、野イチゴの実がなっているところもありました。時々、足を休めては、甘い熟した野イチゴを摘んで食べます。午後1時頃に、昼食のパニーノを食べました。

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 比較的なだらかな山道を3時間ほど登ると、小道は森を出て、それは見晴らしのいい尾根を進んでいきます。天気がいいので、遠くの山々まではっきりと見えました。ここまでの道は、長くはありますが歩きやすく、眺めもいいのですが、問題は、自然の小道の標示が途中から、なくなってしまったことです。ちなみに、前日歩いた農業の小道は、迷いそうなところにきちんと行くべき道筋を記した案内がありました。

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 散歩道は広くて分かりやすいのですが、道が二つに分かれるときに、それぞれどこに向かう道かを示す標示がないので、時々途方に暮れました。幸いラグデイで購入した詳しいトレッキング用の地図(記事はこちら)があったので、地図を頼りに、ナヴェルト山の頂上を目指して進んでいきました。

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 上の写真で中央よりやや奥に見える台形の山がナヴェルト山のはずです。左側が草原、右側が緑の森に覆われています。これまで見てきたナヴェルト山の写真は、頂上の周囲が広く平らな草原になっていたため、「方向や高さから言って、この山に違いない」と確信して、歩いて行きました。そこで、分かれ道では、この山の方へと向かう道を選びました。

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 ブルーベリー(mirtillo)の実がなっているところもあります。

 幸い、歩いていた道が、途中でナヴェルト山頂まで行く他の道、CAIの739番トレッキング・コースと合流したので、赤と白で道筋をしっかり示してあるCAIの739番コースを進むことにしました。

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 午後4時に、もう4時間以上も歩いたあとで、急な登り道に出くわし、くじけそうになりましたが、もう山頂が近いはずだと、気を強く持って、一歩一歩登っていきます。

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 先に登り口に出会ってから、40分ほど木々の間を歩き、森から出ると、ようやく写真で見慣れていたナヴェルト山頂の広い草原が眼前に広がりました。山頂にあたる地点に十字架が立っています。

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 わたしは、山道を5時間半登って来て、疲れ果てていたので、一直線に十字架へと向かったのですが、まだ体力に余裕がある夫は、草原の右端に向かいました。双眼鏡で何かを見ているようです。イヌワシを見つけたのでしょうか。

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 午後4時45分に、ようやくナヴェルト山(Monte Navert) の頂に到着しました。標高1654メートル。眺めがすばらしく、四方の山々を遠くまで見渡すことができます。苦労して、ここまで登ってきたかいがありました。

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 十字架の先は、と言うと、ご覧のように切り立った崖になっています。夫が草原を歩き回って、さまざまな場所から景色を眺めている間、わたしは十字架の傍らにじっと腰を下ろし、ゆっくり休みながら、眺めを楽しんでいました。

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 頂上からリアーナ村に戻るのに、自然の小道を行くとすれば、再び先ほどの急斜面を下らなければならない上、道の標示がない恐れがあります。というわけで、自然の小道ではなく、CAIの737番コースを通って、山を下ることにしました。737番コースは、上の写真の手前に見えるゆるやかな尾根を下り、やがて自然の小道と合流します。

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 そこかしこで、マルタゴン・リリー(giglio martagone)が、美しい花を咲かせています。

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 やがて小道は森の中に入り、山を下っていきます。森の中で、大きな籠を背にポルチーニを探している人を数人見かけました。

 CAI737番コースを通って、ナヴェルト山を下って行くと、道はやがて、再び自然の小道(Sentiero Natura)と合流します。737番コースをそのまま進むと、別の村に行ってしまうため、そこからは、カサローラ村へと向かう自然の小道を進みました。幸い、この後は、小道の案内標示がきちんとされていました。

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 山をかなり下り、カサローラが近づいてくると、道端に見える野イチゴの数が増えてきました。立ち止まっては、おいしい野イチゴを味わい、そうして、疲れた足を休めます。

 しばらく行くと、自然の小道は、文化の小道(Sentiero Cultura)と合流します。自然の小道はカサローラへと進みますが、わたしたちはリアーナに車を置いて出発したため、文化の小道を通って左へと曲がり、リアーナ村へと向かいました。

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 ようやく出発地点のリアーナに戻ってきました。右手に教会の鐘楼、左手に、朝水を汲んだ給水場が見えます。到着は、日が傾いて、薄暗くなり始めた午後8時頃です。

 約8時間半という長い登山になりましたが、すばらしい景色や美しい花をたくさん見ることができました。そこで、二人とも満足しながら、車で帰途につきました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-08-20 16:59 | Emilia-Romagna | Comments(0)