ネコ、ネコ、子猫

 遠い昔、今は亡き祖母が飼っていた猫たちは、みそ汁をかけたごはんや身の残った魚の骨を食べていました。イタリアに来てから、猫がパスタやケーキの残りを食べるのを見て、初めは驚きました。

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 人間が日本ではごはんで育ち、イタリアではパンとパスタで育つように、残飯を食べることが多い猫たちも、それぞれの土地で、よく口にするものを食べ慣れて、愛するようになるのでしょう。我が家では残飯がパスタやローストチキンの骨になります。オーブンで肉を焼いたときに、オーブン皿に残る肉汁を、パンでふきとって猫たちにやることもあれば、おなかがすいたようだと、トルコロ(記事はこちら)を一切れやることもありますが、猫たちは、どれも喜んで食べています。

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 イタリアの家庭では、食事の際には布製のテーブルクロスを使い、食事の後には庭の土の上に、パンくずを払い落とします。小鳥たちにえさとしてやるわけです。初めてこれを知ったときに、ようやく「ヘンゼルとグレーテル」の中で、なぜ小鳥たちがパンくずを食べてしまったかに合点がいきました。雀は米つぶを食べるもの、ハトは豆を食べるものと思い込んでいたからなのですが、イタリアでは、ハトもうれしそうに地面に落ちたパンくずを食べています。さらには、パンくずが落ちる前から、ベンチでパニーノを食べる人の周囲で準備態勢を整えていたりもします。このパンくずのおかげもあってか、我が家には、ツグミを始めとする鳥たちが大勢やってきて、朗らかな歌声を聞かせてくれます。

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 動物を愛する夫は、庭の草刈りをしていて、たまにツグミの頭を見つけて、憤慨することがあります。まずはツグミを殺したこと、そして命を奪ったくせに食べ残しをしていることに怒るわけです。上の写真の猫が、わたしたちが一番愛着を抱いている猫です。最近、義弟が鶏小屋を開けに行ったら、この猫がすごい早業でネズミをしとめるところを目撃したそうです。なぜか孤立していて、他の猫が一緒に群れて行動しているのを離れて眺めていることが多く、子猫を産んでしばらくは子供の面倒を見ていたものの、再びスナフキンさん的な孤高のふるまいを見せるようになりました。

 近所を歩くとたまに見かけるトカゲが、我が家の周囲にはまったくいないので、猫たちは、小鳥やネズミと並んで、トカゲも捕まえては食べているようです。お義母さんは「周囲にいては気持ちが悪いし、家に入らないから助かる」と言い、夫は「でも、トカゲがいると、ハエや蚊も食べるのに。」と残念がっています。イタリアのトカゲは、小ぶりで薄緑色をしていて、わたしも「触れ」といわれたら触れませんが、日本のトカゲに比べて、愛嬌があって、かわいい気がします。

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 我が家では猫は飼っていませんが、周囲に常住している猫が10匹ほどいます。近所に住むお義母さんの従姉妹の家で、猫が増えて困っていたのが数年前。「ネズミ対策になるから、残飯があれば猫にやるようにするわ。」と、義母が助けを申し出たのが、事の発端です。

 なぜか雌猫ばかり生まれるので、この猫たちが増える一方です。人が7人住む二世代住宅に、常住の猫が9匹、うち生まれたばかりの子猫が4匹。さらに、時々近所からやってくる猫も何匹かいます。

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 最近では誰かが時々キャット・フードを飼ってやったりもするのですが、「ネズミやトカゲを捕まえられなくなる」とお義父さんは自重を促します。と言いつつ、一番よく餌を買うのはお義父さんとお義母さんです。お二人は、どの猫もミンモ(mimmo)と呼び、皆を呼ぶときは、ミンミ(mimmi)と複数形で呼んでいます。ちなみに、猫をあらわすイタリア語はgatto。読みは「ガット」です。昔懐かしい漫画かつアニメの『キャッツ・アイ』のイタリア語での題名は、『Occhi di gatto』です。

 時々うっかり開いた窓やドアから入る猫もいるものの、基本的には家の中には入れていません。特に子猫は愛らしく、わたしたちのお気に入りの猫も人懐っこくて、かわいらしいのですが、最近は猫が増えすぎて、餌の問題と共に、雌猫ばかりなので、さらに数が増える恐れ、そしてフン害も派生してきており、悩みの種にもなってきているのでありました。

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 さて、昨日ローズマリーの写真を撮ろうと外に出たら、ドアの音を聞いて、「餌か!」とばかりに、猫たちの集団がやって来ました。しばらくすると、「食べ物はない」と分かったようで、去っていきましたが、このミンモ君、小鳥並みに高い鉄柱の上にいすわっています。鉄柱は結わえている紐でお分かりかもしれませんが、物干し台として活躍しています。

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 せっかくだから猫の写真も、と思ったのですが、集合写真どころか個別写真も、これだと思う瞬間に逃げられてしまって、撮影できませんでした。

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 乳離れしたばかりの4匹の子猫(上の写真はその一部)については、現在誰か引き取ってくださる方を探しています。電気技師の方が子猫がほしいと言っていたのですが、なかなか捕まえられなくて、どうもあきらめたようです。というわけで、どなたかペルージャ近くにお住まいで、4匹一度に面倒をみよう、猫を捕まえるのはお手のもの、という方がいらっしゃったら、ご連絡くださいませ。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-11-04 15:35 | Fiori Piante Animali | Trackback | Comments(10)
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Commented by ムームー at 2010-11-05 09:52 x
なおこさん
まぁ、こんなに猫ちゃんがいるのですかぁ、居心地がいいのでしょうね。
私も猫ちゃんに好かれて何匹も餌をあげていました。
今は猫がそばにいなくて寂しいです。
ネズミ退治にいるのね、みんなゆったりと過ごしていますね。
どなたか飼って下さるといいですね。
Commented by misoji at 2010-11-05 10:06 x
なおこさん、おはようございます!

私、猫、大好きなんです♪

猫の餌が、パンにパスタ、びっくりしましたが、
仰る通り、その土地の身近な食材が餌になりますよね。

そういえば、以前、飼っていた猫にラーメンを少し上げたら
食べたのを今、思い出しました(w)
うふふ

子猫ちゃん、早く、飼い主が見つかるといいですね♪
Commented by Acui at 2010-11-05 11:44 x
すごい数の猫ですね!
江の島を思い出してしまいました…
私は子供の頃に買っていた鳥を猫に殺された経験があり、今でもペルシャ猫だけは大嫌いなのですが、猫は食べるためでなくただ狩るだけみたいですね。
私もなおこさんのパートナーに賛成です、殺すなら食べる、残すべきじゃないです;;
ケーキやパスタを食べて育つ猫ときくと、まるまる太っているイメージがありますが、そこまでではなくて安心しました。笑
Commented by milletti_naoko at 2010-11-05 17:01
ムームーさんへ

半分飼い猫、半分野良猫なので、やはり触れようとすると逃げてしまうのですが、野菜畑に野菜を採りに行くときに、集団でついてくることもあります。わたしたちお気に入りの猫だけはなでさせてくれるのですが。
Commented by milletti_naoko at 2010-11-05 17:05
みそじさんへ

猫がお好きなんですね!特に子猫は見ていてかわいらしいですし、いつも見ていると愛着もわいてきます。

初めてわたしが残ったごはんと身のついた魚の骨を猫にやろうとしたら、夫は「そんなもの食べないよ」と言っていました。わたしたちがパスタを食べ、夫も和食を食べるように、猫も慣れるといろんなものを食べるようになるみたいです。
Commented by milletti_naoko at 2010-11-05 17:09
Acuiさんへ

江の島ってそんなに猫が多いんですか!ヴェネッツィアの鳩みたいな感じでしょうか。遠い昔に学校遠足で行って以来なので、地名がとても懐かしいです。

あまり餌をやりすぎると住みつく猫がさらに増えてしまう可能性もあり、猫がネズミをとらなくなってしまうからと、基本的には残飯だけ与えています。ただ、窓際でみゃあみゃあ鳴かれるとついつい仏心が…… 自分たちで自活できる力を奪っているのかもしれないとも思いながら。

Commented by かや at 2010-11-05 22:45 x
こんばんは☆
あら?ムームーさんがいらっしゃってますね。

神奈川県の「江ノ島」には確かに猫が多く、ボランティアの方が募金をつのって去勢手術などさせているそうで、僕が行った時は噂に聞いていたほど多くは見かけませんでした。

猫の楽園といえば、宮城県の田代島も猫ファンの間では有名です。猫が神様の島なので、多くの猫たちが自由に暮らしています。去勢などされないので、今は島の人口より猫数のほうが多いです。

元々、猫はネズミを退治してくれるので有益ということで、大陸から日本に入ってきたらしいですよ。

ネズミは食べろ、小鳥は食べるな、と言っても、彼らは本能で食べてるだけでしょうし、あまり人間の感情でネコを怒ってもかわいそうな気がします。
人間だって魚や鳥の頭は食べませんよね。

凸d(^ー^)応援pochi!
Commented by ank-nefertiti at 2010-11-06 01:32
こんばんは!
私、猫すごく好きなんですよ!
ああ、近かったらいただきにあがるのに・・・
我が家には3匹家の中にいます。
全部、のらちゃんだったの。

どの子もかわいいですねぇ!
写真見ているだけで顔が自然にほころんでしまいますよ~

早く飼い主が見つかるとよいですね^^(本当に近かったら、よかったのに・・・)
Commented by milletti_naoko at 2010-11-06 02:13
かやさんへ

なるほど、江ノ島には、そこまで猫が多かったんですか。猫が神様の島までいるとは、おもしろいですね。ちなみに、トラジメーノ湖に浮かぶマッジョーレ島には、ウサギとキジがたくさん住みついています。

確かに猫も本能だから仕方ないというところもありますよね。それでも、以前はよく庭で見かけたツグミたちが、最近少なくなったのが残念です。応援ありがとうございました!
Commented by milletti_naoko at 2010-11-06 02:15
杏さんへ

猫が本当にお好きなんですね。遠いのが残念です。かわいいのは本当にかわいいんです。わたしたちの住む2階から、野菜畑へ降りていくお義母さんに「大名行列」のように従ってついていく猫たちを見ると、思わずほほえんでしまいます。


日本語教師・通訳・翻訳家。元高校国語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより


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