アメーリアとプレゼーペ1

 アメーリア(Amelia)は、ウンブリアの誇る美しい町のひとつです。

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 緑に囲まれた、なだらかな丘の上に築かれたこの町は、ウンブリア州のほぼ最南端、ペルージャのはるか南方にあります。

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 町の周囲を取り囲む城壁は、紀元前6世紀から4世紀にかけて、建てられたものです。左手に見える門は、レオーネ門(Porta Leone、訳すと「獅子門」)。

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 レオーネ門の内側に広がる町並みも風情があります。アメーリアの町では、古代ローマ時代から、18世紀に至るまでのさまざまな建築様式や芸術作品を見ることができます。

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 アメーリアの町へと入る門として、最も重要なのは、こちらのロマーナ門(Porta Romana、訳すと、「ローマ[の]門」)です。

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 ロマーナ門の右後ろに見えるのは、1287年に建てられた、こちらの聖フランチェスコ教会(Chiesa di San Francesco)です。

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 この近くで見かけたのがこちらのプレゼーペ(presepe)(記事はこちら)です。

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 照明によって、場面が昼から夜に切り替わると、暗闇の中に聖家族が浮かび上がり、より厳かな雰囲気があります。

 わたしたちがアメーリアの町を訪れたのは、今年の1月29日から31日にかけてです。ふつうは、各家庭でも教会でも、1月6日の主顕節(Epifania)(詳しくはこちら)を過ぎると、プレゼーペは片づけるのですが、こんなふうに、1年中、プレゼーペを設置している場所も、時々あります。

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 こちらが、先の聖フランチェスコ教会の回廊(chiostro)です。この回廊の一角には、考古学博物館(Museo Archeologico)があります。

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 博物館には、とても興味深い展示が数多くあったのですが、その目玉はこちら、ジェルマーニコのブロンズ像(la statua bronzea di Germanico)です。この人物や像をめぐっては、とても興味深い話がありますので、また後日ご紹介できたらと思います。早く知りたいという方は、イタリア語で詳しく説明したページがこちらにあります。

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 こちらは、マルコーニ広場(Piazza Marconi)。町の中心に、中世の面影が残る一角です。正面に見える建物は、Loggia del Banditore(訳は「布告役人の開廊」)。かつては、ここから、市民を前に通知を読み上げていました。

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 町の高みには、大聖堂(Cattedrale)とTorre Civica(訳すと、「市の塔」)が並んでいます。大聖堂は大きくて全体は写真に納まらず、塔の後ろに辛うじて、その先端が顔を出しています。十二角形で高さが30メートルを超えるこちらの塔は、12世紀に都市の自由の象徴として建てられたものです。

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アメーリアの町の城壁を囲むように、流れる川、Rio Grande沿いは、環境を守る自然公園であると共に、すてきな散歩コースになっています。川を遡ると、中世に築かれたダム、La Para(上の写真)を見ることができます。

 さて、アメーリア周辺には、みごとな常設のプレゼーペ(il presepe permanente)を見られる場所が二つあります。

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 その一つは、アメーリア郊外にあるお告げの聖母修道院(Il Convento della S.S. Annunziata)。

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 こちらのプレゼーペでは、生まれたばかりの幼子イエスに、東方の三博士が貢物を捧げています。

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 砂漠を旅し、砂漠に宿る三博士の一行を描いた場面もあります。

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 こちらでは、ようやく三博士が聖家族の宿る場所までたどり着き、面会を目前にした様子が再現されています。制作者はスペイン人のJuan Marì Oliva。様々な素材を巧みに使って、東方の三博士の旅や、幼子イエスとの出会いを、美しく独創的に描き上げています。

参考資料・リンク / Riferimenti bibliografici & Web
- "Umbria. AMELIA e il territorio. Pianta della città” (Servizio Turistico Associato dell’Amerino”
- "Umbria. CARTINA REGIONALE 1:200.000 e guida turistica con 12 piante di città” (Touring Club Italiano)
- Soprintendenza per i Beni Archeologici dell’Umbria – La statua di Germanico

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-12-22 01:04 | Viaggi in Umbria | Trackback | Comments(12)
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Commented by Acui at 2010-12-22 10:03 x
本当に丘が町になっていますね!
とても可愛らしいです♪
イタリアは街並み自体が絵みたいで本当に毎回見いってしまいます。
あまり美術には興味が持てない私でも、さすがに素通りできない美しさで、今年の夏スウェーデンに帰る際に予算があればヨーロッパ周遊したいです…
Commented by ムームー at 2010-12-22 10:24 x
なおこさん
イタリアの街並みの美しさには感激しますわぁ。
大聖堂や聖母修道院の歴史ある建築にも見とれています。

>幼子イエスに、東方の三博士が貢物を捧げています。
こういうのを見ると厳かな祈りを捧げたくなりますね。
素敵です~
見せていただいて良かった~
Commented by milletti_naoko at 2010-12-22 16:54
Acuiさんへ

町自体が城壁にぐるりと囲まれていて、石造りの家が立ち並ぶ町並みは、趣があります。高い丘の上にあるので、特に町の高い場所からは、眺めもとてもいいんですよ。

スウェーデンにもすてきな場所がたくさんあるのでしょうね。せっかくだから、足を伸ばして、どこか他に一国でも訪ねられたらいいですね。わたしたちの友人フランコは、次回はノルウェーで巡礼の旅をしたいそうです。
Commented by milletti_naoko at 2010-12-22 17:06
ムームーさんへ

アメーリアは歴史の長い町なので、町を歩くだけで、いろいろな時代のさまざまな建築様式を見ることができて、おもしろいです。大聖堂は町の高い位置に、聖母修道院は美しい緑の中にあって、残念ながら中には入れなかったのですが、みごとな外観(大きいので迫力もありました)と周囲の眺めを楽しむことができました。

世界のプレセーペ展に行ったことが何度かあります。残念ながら、写真は撮らなかったような気がしますが、黒い木彫りの人形が皆すらりと背の高いアフリカのプレセーペや、町も衣装もきらびやかなポーランドのプレセーペなど、それぞれの国によって、同じ場面の表現法や人物の描き方が異なるものの、やはりそれぞれの国の人々の信仰が深く感じられて、興味深かったです♪
Commented by かや at 2010-12-22 23:20 x
こんばんは☆
うわ~、丘が町になっていますね。
こういう風景はヨーロッパらしいというか、イタリアらしいというか・・。
日本でもたまに丘の上が住宅地になっていたりしますけど、バブル期の住宅建設ラッシュの遺産のようなもので、風情は無いですよ(笑)

凸d(^ー^)応援pochi!
Commented by milletti_naoko at 2010-12-22 23:45
かやさん、こんばんは!

丘の上に町があるのは、どうやら日本のお城が山の上にあるのと同じで、近隣の町や国々の攻撃から守るという目的もあったようで、そのために、町も城壁でぐるりと囲まれています。ペルージャやシエナの町は、傾斜の急な丘の上に建っているため、町の中心街にふもとから上がるためのエスカレーターがあったりもするんですよ。

いつも応援をありがとうございます!
Commented by galleriaarsapua at 2010-12-23 05:47
naokoさん、こんばんは。
こちらにも早速遊びにこさせてもらいました。
イタリアの津々浦々を旅されているんですね。
こういう旅は私も惹かれます。
過去の記事もゆっくり見せてもらいますね。
アプピ、アプアナの記事も見せてもらいました。
勉強不足でもし間違っていたらお恥ずかしいのですが行かれた所はどうやらカッラーラではないかも。
マッサの上の方じゃないかな??と。。。まあ、マッサ、カッラーラというから普通はわかりませんよね。
これからも遊びにこさせて下さい。リンク頂いていきますね。
私も一票クリックさせていただきます。
Commented by milletti_naoko at 2010-12-23 17:01
Kazukoさん、おはようございます!

訪れたのがアプアーノ・アルプスの北方であることと、Kazukoさんのサイトの山の写真がわたしたちが見た山の山並みであったことから、カッラーラかなと勘違いしてコメントを書いてしまったのですが、どうやら同じ山々のちょうど裏側、東側のルッカ県を訪れていたようです。こちらこそお恥ずかしいです。

でも、その勘違いのおかげで、Kazukoさんのサイトを訪問することができました。こちらこそ、訪問・コメント・応援、そしてリンクまでありがとうございます。わたしもさっそくリンクを貼らせていただきました。

夫や友人たちのフットワークが軽いので、週末の休みでもよく遠出をして、大家族での日曜の昼食に欠けるので、姪たちからはgirandoloniと言われています。:-) (両親からの受け売りだと踏んでいます。)チンクエ・テッレやエルバ島にもまた行ってみたいし、去年買ったまま活躍していないピエモンテの旅行ガイドもありますので、近くを通りかかったときに、ぜひB&Bも訪ねられたらと思っています。というわけで、わたしも遊びに行きますね。よろしくお願いします。
Commented by Delfino at 2010-12-23 18:24 x
最初の写真、スペインのトレドみたいだなぁと思いました。
欧州には、丘の上に建てられた壁で囲まれた町っていくつもありますもんね。

同僚にAmeliaというアメリカ人がいます。町の名前だったんですね~。
彼女は見るからに丸々したアメリカ人なんですが、先祖がイタリア系じゃないか、今度聞いてみよ~っと。

あぁ、プレセーペ!!クリスマスだなぁって思います。
日本は、ケンタッキーフライドチキンや宅配ピザなどのクリスマス商戦真っ盛りです。
Commented by milletti_naoko at 2010-12-23 23:16
Delfinoさん、こんにちは!

ペルージャから車で四方に向かうだけでも、こうして丘の上に広がる町並みを、あちこちで車の窓から見ることができます。

イタリアでもクリスマス用の広告はすでに11月から配られ、先日姪たちへの贈り物を買いに行った店は、同じようにおもちゃを買いに来た人でにぎわっていました。日本では、クリスマスにピザを食べる人もいるんですね! 我が家では、義父母が、いつもの鶏の代わりに、今年は七面鳥を購入したようです。

Delfinoさんは、まだまだお仕事がお忙しいのですよね。すてきなクリスマスを! 欧米の方が多い職場なら、飾りつけやパーティもあるのでしょうか。夫の職場では昨日、職場で簡単なクリスマス・パーティがあったそうです。今日から休暇を取って旅行に出かける人がいるので、3日前に祝ったとか。
Commented by haru at 2011-01-18 21:31 x
常設のプレセーペもあるんですね。ひとつひとつ細かな所まで、とても丁寧に作られていてすごいなと思います。ああ、やっぱりこの目で見てみたい!
Commented by milletti_naoko at 2011-01-18 22:00
haruさんへ

素材をうまく生かして、独創的ですてきなプレセーぺになっていますよね。ぜひいつかご自分の目でご覧ください!
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