「ザッケローニ、日本、おめでとう!」 ~イタリアのニュース記事から2

 昨日に続いて、日本チームのサッカーアジア杯優勝が、イタリアでどのように報道されているかを、ご紹介します。(昨日の記事はこちら

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La fioritura dei ciliegi – Tempio di Toji, Kyoto 28/3/2009


 今回は、イタリアのベテランスポーツ記者でかつEurosportイタリア版の編集長であるStefano Benziが、今回の日本優勝とザッケローニ監督の活躍をどのように評価しているかを、ご紹介します。

 “Sono contento per Zaccheroni e per il Giappone” – Yahoo! Italia Sport, EuroSport.com

 題は直訳すると、「(わたしは)ザッケローニと日本のために、うれしい(うれしく思う)」で、英語で言うと、ちょうど”I’m happy (glad) for Zaccheroni and Japan.”です。contentoは「満足で、うれしい」気持ちを表す形容詞だからです。この言葉、だれかが試験に受かったり、就職が決まったり、その人にとっていい知らせがあったときに、”Complimenti! Sono contento per te.”「おめでとう! わたしは君のためにうれしいです。」(話し手が女性の場合は、”Sono contenta”と言います。)といった具合に、祝意の気持ちを込めて、使われることが多いので、ブログの記事の題では、「おめでとう」と訳しています。

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 Benziは記事冒頭で、まずザッケローニ監督に、祝辞と賛辞を送っています。

 「私はアルベルト・ザッケローニのアジア杯での優勝を、まったくもって本当にうれしく思っています。野心に富むものの完全に一新する必要のあった代表チームの監督に当たってからわずか数か月、しかも、意思疎通や相互理解、そして適応が難しく、その困難が克服しがたいものと思われたであろう状況の中で、ザックはただ、自らが完全に掌握していた唯一の共通言語、どこであろうと意思の疎通が可能な言語、つまり、サッカーという言語が語られるに任せた。」(「  」内は石井訳。以下も同様。)

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 その後、ザッケローニ監督が、若い力を信じ、また投資をして、技量ある選手たちをうまくまとめていったことを認め、実際のオーストラリア戦での、監督の采配を賛辞と共に、説明しています。

 「延長時間に入り、オーストラリアの経験が差を見せるだろうと思われたまさにそのときの、ザッケローニ監督の判断が、勝利をもたらすものとなった。長友のクロスパスと李忠成のゴール。李は、韓国人の一家に生まれながら、日本チームでプレイすることを選んだ選手であり、ザッケローニ監督自らが、ぜひ侍の一員にと要望した選手だった。この李忠成が、代表チームにおける2度目の出場で、自らの人生の中で最も重要なゴールの一つとなるであろうゴールを決めたのだ。」

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 記事の最後には、記者自身の感慨も込められています。

 「正直言って、ザックの涙にうるんだ瞳を見ていると、彼のイタリアにおける最後の監督業が人生で最も幸せな時期と呼べるものではなかったことを知っているだけに、わたしまで、いくばくながら感激した。それと同様、このアジア杯、(イタリア・ヨーロッパでは)不当にも完全に過小評価されているものの、実際には飛躍的な成長を見せたアジア杯を観戦して、感激した。(中略)再び、資金がたくさんあるだけではだめだということを教えてくれた。どう金を投資するかを知っている必要がある。そして、若者に投資すれば、決して間違うことがない。

 今日、日本チームには、3、4人の世界レベルの選手がいて、有能な監督がいる上、平均年齢は23歳だ。そして、さらに重要なことは、楽しむこともまた知っているということだ。つまるところ、サッカーで、これ以外にさらに望むことがあるだろうか。」

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 今回いろんな記事を調べていて、後の祭りなのですが、この記事を見つけたサイトでは、アジア杯の決勝戦を、イタリアからもオンラインで見ることができたらしいことも、分かりました。

 サッカーにはふだんからあまり興味がないので、わたしもザッケローニ監督のことはこれまでほとんど知らなかったのですが、今回いろいろな記事を読んでいて、監督としてすばらしい人物であるのはもちろん、謙虚でかつ真摯で、誠実な人物だという印象を受けました。

 見かけた記事の中に、日本人としてはとてもうれしいコメントがあったので、ご紹介します。東京で取材した記事のようですから、日本の皆さんはすでにご存じかもしれません。

”Calcio, Zaccheroni: Italia-Giappone? Magari in Conf. Cup” – RepubblicaSPORT NEWS Tokyo, 18:16

 記事の最初で、日本とイタリアの親善試合の可能性について語っているところは、日本の新聞にも確実に載るでしょうから置いておいて、なんだかいいなと思ったのは、インタビューに答えるザッケローニ監督の、次の言葉です。

 「イタリアへの郷愁? 自分の母国だから、郷愁を感じるのは当然ですが、日本は、わたしが居合わせることのできた最高の場所です。ここでは、人々が、常に成長を目指して突進しています。」「わたしが日本で最も人気のあるイタリア人かって? それは分かりませんが、人気などを考えているわけではありません。わたしには果たすべき使命があって、そのために、ここ日本にいるのですから。」

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 今夜のイタリア、TG2のニュースでは、今回のアジア杯でも大活躍を見せた長友選手の、チェゼーナからインテルへのレンタル移籍が正式に発表されたと、テロップに書かれていました。オンラインにも、以下のような記事が見つかりました。下の記事には、「インテルチーム全員が、長友を歓迎している」とも書かれています。

”Ufficiale: Nagatomo è dell’Inter” – Il Sole 24 Ore, 31/1/2011

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 桜と庭の写真はすべて、一昨年3月28日に、京都の東寺(とうじ)で撮影したものです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-02-01 00:05 | Giappone | Trackback | Comments(11)
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Commented by bianchi_saitoh at 2011-02-01 23:57 x
なおこさん、嬉しい記事ありがとうございます。
ザックの謙虚な人柄は日本人にフィットしたかもしれません。
ただ、これも1つの通過点にすぎず、めざすトコロは高く、監督にかかるプレッシャーは大きくなることでしょう。

最後に長友のインテルへの移籍は本当に驚いた。ユベントスに行くと思っていたので・・・。
監督のレオナルドはカシマでプレーしていたので日本人に対する理解はあると思います。
すごいメンバーの中で短い間ですが長友の頑張りにエールを贈りたいです。
Commented by ゆん at 2011-02-02 01:29 x
なおこさん、嬉しいニュースを色々とありがとうございます。
今日はこちらでも長友選手の移籍ニュースに湧きましたよ^^
私は夫と一緒に全試合をTV観戦したのですが、確かに長友選手は、どしろーとの私が見てもすばしっこくて、ずーっと走り続けていて凄かったです。
身体が小さい分、大柄な選手はやりにくい相手なのだろうなとも思います。


先日、ある解説者が、有能な監督はいくらでもいるだろうが、これほど日本チームと相性の良い監督(=ザック監督)はかつていなかった、と言ってました。

あ、私サッカー全然詳しくありません。
Jリーグにはまるで興味はないし、オフサイドもよくわかりませんが、日本代表の試合だけは真剣に見てしまうにわかファンです(笑)
Commented by かや at 2011-02-02 04:40 x
こんばんは☆
「ザック・ジャパン」アジア杯優勝!!
疲れて寝ていたのでリアルタイムでは見られなかったのですが、VTRで見ても感動でした。
特に、李忠成選手のジャンピング・ボレーシュートは鳥肌モノでしたね。あのシーンで、あんな漫画のようなシュートを決められるなんてすごすぎます。

ザック・ジャパン、ディフェンダーが多いとか、批判されることもありましたけど、勝てば官軍ってやつですね。
ザック・ジャパン、アジア杯優勝おめでとう!\(^o^)/

凸d(^ー^)pochi!

※本ブログ「かやのうち」で、富山県からの帰りの話を書きました。
Commented by milletti_naoko at 2011-02-02 06:24
bianchi_saitohさんへ

今日買ってざっと読んだ新聞には、今勝っているために懐の潤っているインテルとミランがいい買い物をしたと書かれていたように覚えています。サッカーはあまり見ないわたしでも、最近のインテルの躍進ぶりはニュースで耳にも目にも入ってきます。ぜひとも、新たなチームでもまた頑張ってもらいたいものです。

いろいろ記事を読んでいると、やはり心とサッカーでコミュニケーションは成り立つものの、言葉の壁は大きいのだなとつくづく感じました。1週間でもいいから、ザッケローニ監督に日本語を、日本人選手たちにはイタリア語を教えたい気になってしまいました。
Commented by milletti_naoko at 2011-02-02 06:28
ゆんさんへ

わたしもサッカーはど素人で、ワールドカップとテレビニュースのサッカーの話題を見る程度なので、ゆんさんと同じです。だから、見る人が皆思わず画面に引き込まれるような、感動するような、すばらしい試合であり、かつ、すばらしい活躍だったのだろうなと想像します。

ザッケローニ監督と日本の若手選手たち。まだまだ試練は多いと思いますが、今の喜びと互いへの信頼・尊敬を忘れずに、これからも躍進していってもらえたらと思います。
Commented by milletti_naoko at 2011-02-02 06:32
かやさん、こんばんは!

後から、インターネットでイタリアからも試合中継を見られたと知ったときは悔しかったですが、ツイッターを見ながらの応援もそれはそれでおもしろかったです。李選手のシュートは、わたしもいろんな角度から撮影したものをインターネット上で見ました。本当にすばらしいシュートでしたね。

いつも応援クリックをありがとうございます!
Commented by ayakaze0109 at 2011-02-02 07:52
なおこさんへ

こんにちは!ワールドカップの時も感動しましたが今回もすごかったんですね…って私全然しりませんでした…くやしすぎます。

イタリアにいると日本で起こっている事に疎くなってしまっているみたいで、なおこさんはどうやってアンテナを敏感にはっているかおしえていただきたいくらいです…反省…。
Commented at 2011-02-02 07:54
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2011-02-02 17:30
彩さん、こんにちは!

イタリアでは悲しいくらい報道がされていませんでしたよね。優勝の翌日新聞に載ったくらいで、スポーツニュースは知りませんが、普通のテレビニュースでは、「さすがに監督がイタリア人だし何か言うか」と思ったのに、優勝の当夜と翌日でさえ、まったくアジア杯に触れていなかったので、残念でした。

日本のニュースを時々見るようなことをマメにしているわけではないのですが、ツイッターを使うと、日本で皆の関心を集めているようなできごとはかなりよく分かりますよ。
Commented by mayumi-roma at 2011-02-02 21:05
なおこさん、
先日はご訪問とコメントをありがとうございました。
なおこさんはペルージャにお住まいなんですね。
夫の実家がペルージャなので、私もよく行くのですよ。
(本人はペルジーノだと言いますが、実際は北イタリア出身です)

なおこさんは、丁寧にイタリアのことを説明されて、イタリア語についても懇切丁寧、正確に書きとめられているんですね。
真面目な方だな~と感心しています。

日本でイタリア人が活躍するとわけもなく嬉しいですよね。
なんていうか、私、イタリア生活が25年以上なもので、普段はイタリアとイタリア人に文句たらたらなんですが、不思議なもので、日本人にイタリアの悪口を言われると腹が立つ・・みたいな愛着心も持っているので!

日本サッカーは世界レベルでいうとまだまだですが、今後にかなり期待が持てそうですよね。
頑張って欲しいです。
Commented by milletti_naoko at 2011-02-02 23:50
まゆみさん、こんにちは。

こちらこそ、訪問とコメントをありがとうございます。杏さんの旅行の様子を知ることができて、とてもうれしかったです。

ローマは大きい町だけあって、ペルージャと比べると、暮らしていて文句がついつい出てくることも多いのではないかと、生活の苦労をご察しします。25年もイタリアに住まれているなんて、大先輩ですね! 北イタリア出身でもperuginoとおっしゃるだんなさまもまたすてきです。

イタリアに住み、日本語を教えていると、日本を中国と区別できない人や、自殺や捕鯨問題ばかり知っている人にも会えば、漫画や武道などきっかけはそれぞれにせよ、日本文化が大好きで憧れる人、こうした両極端な人によく会います。これは日本におけるイタリアも同じで、この捉え方の2極分化は、それぞれの国におけるメディアの取り上げ方を反映していると思うのです。それで、もっと幅広いイタリア像を届けたいなと考えて、記事を書き始めました。それが、最近夫に、個人的なことを書きすぎると、言われるようになって、その点では少し自重しています。また時々おうかがいしたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
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