滞在許可証よもやま話4

 イタリアにお住まいで、身分証明書をお持ちの皆さん、5年から10年への延長手続きをする際には、二度手間を避けるため、滞在許可証を持参しましょう。

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Corso Vannucci, Palazzo dei Priori, Fontana Maggiore – Perugia 26/04/2010


 昨日、ペルージャ市役所から、自宅に文書が届きました。「お持ちの身分証明書(Cartà d’Identità)の有効期間が、5年から10年に延長になったので、有効期間中に、市役所担当課ないしは出張所で、延長手続きをしてください。」とありました。

 そのとき、ひょっとしたら、滞在許可証(permesso di soggiorno)がいるかもしれない、と思いはしたのですが、書面には何も書かれていないし、以前から、「身分証明書を携帯していれば、滞在許可証やパスポートを常時持ち歩く必要はない」と聞いていたので、結局は持たずに、自宅に近い市役所の出張所を訪ねました。

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Panorama di Perugia verso la Chiesa di Sant’Angelo 26/04/2010


 この出張所が、今日はかなり混んでいて、かなりの人が待っていました。入り口近くに、ちょうどペルージャ市の市民へのサービスを説明したパンフレットが置いてあったので、暇つぶしにめくっていると、「窓口での平均待ち時間は7分」と書いてあります。もう長いこと待っているらしい年配の方にそれを言うと、「君も知っているだろうけど、ここはイタリアだからね。7分と書いてあっても、17分、いや、27分かかるかもしれない。」という返事が返ってきました。

 幸い約7分待った頃に、わたしの番が回ってきました。市役所から来た文書を見せ、身分証明書を提示して、さあ、これで延長手続きは終わり、と思ったら、係りの女性から、「滞在許可証は?」と言われました。「そんなこと言われても、文書には滞在許可証が必要だなんて書いてないし……」と答えるわたしに、パソコンの画面をのぞいていた女性は、こう言いました。

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Panorama di Perugia verso la Chiesa di San Pietro     26/04/2010


 「あなたの滞在許可証は、市役所のデータでは、2005年に有効期限が切れたことになっているのよ。」

 「でも、2007年に結婚の手続きで、次の滞在許可証を提示したはずだし、去年の冬には、日本免許のイタリア免許への書き換えの手続き(記事はこちら)にあたって、市役所のわたしのデータを一部更新してもらったし、そのときには、今も有効な滞在許可証も持っていたのに、何も言われなかったのだけれど……」

 「とにかくそれは別の窓口であって、わたしたちに見せに来たわけではないでしょう。滞在許可証を更新するたびに、居住地のある市役所に、新しい許可証を提示しなければいけないのよ。」

といった具合で、残念ながら、身分証明書の延長手続きは、また次回、滞在許可証も持参して、ということになりました。

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Panorama di Perugia verso la Chiesa di Santo Spirito 26/04/2010


 幸い時間に余裕はあるし、出張所がそれほど遠いわけではないので、まあいいのですが、それにしても、不思議です。というのは、

1.昨年末に市役所で、わたしに関するデータを更新してもらったときに、係りの人は、滞在許可証の有効期限が切れていることについて、何も言わなかったのです。そのとき言ってくれれば、現在も有効な滞在許可書証は持っていたというのに。

 ちなみに、データの更新は、「結婚の際に提示した戸籍の翻訳を使って、出生地を新たに記載する」というものでした。というのは、日本の証明書類には、運転免許証にしても、パスポートにしても、出生地の記載が一切ないのですが、イタリアでは、運転免許証にこの記載があり、イタリア免許に変更するには、「出生地」の証明が必要だったからです。(記事はこちら

 ただし、この「出生地の更新」は、本来わたしが結婚したときに市役所側がしておくべきだったのが、結婚したのが教会で、式を執り行った神父さんが書類に「出生地」をきちんと書いていなかったため、市役所側も、更新をし忘れたということです。責任のたらい回しの感はぬぐえませんが。

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Acquedotto, Palazzo Gallenga, Mure Etrusche – Perugia 26/04/2010


2.身分証明書を取得したとき、「滞在許可証を更新するたびに、新しい許可証を見せに来るように」とは、言われなかったし、そのときくれた紙にも書かれていません。以来、居住地は変わっていませんが、市役所から、「市役所のデータ上、滞在許可証の期限が切れているので、新しい許可証を提示するように。」という連絡も、一度も受けていません。(記事を書いた翌日、イタリア内務省のサイトに、住民登録をしている外国人は、滞在許可証を更新するたびに市役所に届け出る義務がある、と書かれているのを発見しました。下の追記をご覧ください。)

3.どの役所でも、すべてデータはコンピュータ管理されているはずなのに、ペルージャ警察署からペルージャ市役所に、更新の連絡が行っていない上、また市役所側から、警察側に「期限の切れた滞在許可証を持つEU圏外の外国人がいる」という連絡もないようです。ということは、滞在許可証が切れたまま、イタリア国内に残っている人がいても、身分証明書さえ有効期限内であれば、イタリア国内に平気でいられるわけです。これは、ペルージャの場合だけかもしれませんが……

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Arco Etrusco – Perugia   26/04/2010


 というわけで、身分証明書の有効期限が切れるまでに、滞在許可証を持って、市役所の出張窓口を訪ねるべく、現在、滞在許可証を探しているところです。コピーは手元にあって有効期限は、2012年7月。このところ、勉強部屋の改築やら日本語の試験の準備やら、ブログやメルマガのネタになりそうな記事の切り抜きや旅行情報のパンフレットの山積のおかげで、恥ずかしながら、本物の滞在許可証が迷子になっています。これを機会に、たまりたまった紙の山を、しっかり整理するつもりでいます。

 大学の授業や試験にしても、2005・2006年度の授業や試験問題のプリントがまだあったりするのです。幸いおかげで、今月半ばに、当時授業に通った女学生に、当時の試験問題で受験させることができたのですが、そうかと言って、そういうわずかな可能性のために、何もかも取っておくわけにもいかないので、少しずつ、プリントや書類の山を片づけていくつもりです。語学留学時代のノートやプリントもまだあって、自分のイタリア語学習の軌跡も分かるし、メルマガで使えるかと思うと、処分するのに気がひけるのですが……

*追記(2月24日)
 遠い昔に語学留学時代の同級生から、身分証明書があればパスポートや滞在許可証を持ち歩く必要はないと聞き、以来いろんな人から同じようなことを聞いたことがあるのですが、今回の件をきっかけに、インターネットで調べてみると、身分証明書だけではだめで、滞在許可証も常に携帯する必要があるようです。イタリア政府や警察がこの件について明言しているページはまだ見つかっていないのですが、新たに何か分かり次第、こちらに情報を追加します。

 イタリア内務省(Ministero dell’Interno)のサイトに、以下のように書かれているのを発見しました。
「滞在許可証の更新から60日間以内に、市役所の戸籍課の職員に、新しい滞在許可証のコピーと共に、居住地を届け出る義務がある。この届出を行わないと、市の住民名簿から抹消されるおそれがある。」
(該当説明のあるページはMinistero dell’Interno - Immigrazione – Stranieri e anagrafe 。 “E’ importante sapere che:”という項の最後の段落に記載されています。)

 こうやって内務省のサイトに書いてあっても、警察も市役所も外国人住民に何も言わなければ、この義務の行使が徹底するはずもないと思うのですが、とりあえずこのブログを通じて、読者の皆さんに、この義務の存在をお知らせします。ツイッターでイタリア在住の方に尋ねると、「フィレンツェにいたときは、毎年更新に来るようにとの手紙が届いていたような」というお返事をいただく一方、わたし同様に「滞在許可証の更新のたびに市役所に行く必要があるとは知らなかった。」という方もいらっしゃいます。他の町にお住まいで、ここではこうだという例があったら、教えていただけると幸いです。
 
Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-02-23 23:24 | Sistemi & procedure | Trackback | Comments(10)
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Commented by ムームー at 2011-02-24 11:33 x
なおこさん
一度にすまなかったのですね、あちらのミスでしょうに。

お役所って連携にもなっていなくて窓口が都度変わります、
一度で出来るようにして欲しいと何度も思いました。
文書も丁寧ではないですし、意味不明な事が書かれていてわかりませんね。

片付けにくいものもありますね、多くの資料がおありでしょう。
ぼちぼちなさって下さいませ~

美しい町並みに感激しています~

Commented by milletti_naoko at 2011-02-24 16:33
ムームーさんへ

「君も知っているだろうけど、ここはイタリアだからね。」というおじいさんの言葉ではありませんが、イタリアに長く住むうちに、日本だったらないだろうなと思うような役所の連絡不足や仕事の遅さ・ミス、不親切にも慣れ、多少のことには目をつぶるようになりました。ですから逆に、免許証書き換えの際の「出生地」の件では、市役所の対応の親切と迅速さに感動しました。

ペルージャの町には、すてきな散歩道がたくさんあるんですよ。学生として中心街に住んでいた頃は、よく世界中から来た友人たちと、あちこちを歩いたものです。13世紀に大噴水(Fontana Maggiore)が(1枚目の写真)が築かれたとき、噴水の水は近くの山の泉から引かれたのですが、その水の送水路(acquedotto)が、最後から2枚目の写真に写っています。下方に見える、長く伸びる細い小道がその送水路なのですが、地面より少し高い位置にあるので、散歩をすると、家々やその庭を上から眺めることもできて、道沿いの家々も趣があって、学生の頃には、お気に入りの散歩コースでした。
Commented by bianchi_saitoh at 2011-02-24 23:00 x
なおこさん、この種の手続きってストレートにパスする人いないんじゃないですかね!
以前にスペインに留学する人の話を聞いたのは日本にあるスペイン大使館の段階から何度も行くコトになった話や向こうの大学の手続きの苦労を言ってました。
なおこさんもイタリアに行く時は同じようなコトありましたか?

ステキな風景ですね。
一枚目の噴水の場所は教会の前にあったような気がするんですが記憶があいまいで・・・。
高低差がいい具合にこの景色を演出してるんですね。

Commented by milletti_naoko at 2011-02-24 23:16
bianchi_saitohさんへ

幸い日本のイタリア大使館に、同じ用件で何度も足を運ぶ必要はありませんでしたが、イタリアではかつてのクラスメートや現在の同僚に尋ねると、何か書類が足りなくて、何度も警察署に足を運んだという人が大勢います。係員にも態度の悪い人が多くて、そちらの情報提示が不足しているのだろう、と思い、腹が立つことも、よくあります。

おっしゃるとおり、大噴水は、ペルージャの大聖堂の前にあります。天気のいい日は、見晴らしもとりわけすばらしく、散歩がより楽しいんですよ。

Commented by ank-nefertiti at 2011-02-25 00:28
naokoさん、こんばんは!
大変ですね、本当に・・・
フィレンツェに暮らす友人たちもこの手続きやら、滞在許可、そして個人事業主としてPVAを開くのにもいろいろと面倒でヒーヒー言っていました。
こういう話を聞くと、なんのかんの言ってまだ日本のお役所はまとも?なんて思ってしまいます。
滞在許可証、はやく見つかるとよいですね!

ペルージャも春が近いんですね^^
東京は明日19度まで気温があがる!と天気予報で言っていました。
でもね、またすぐに気温が下がるみたい。。。
ジェットコースターに乗っている気分です。
Commented by milletti_naoko at 2011-02-25 02:24
杏さん、こんばんは!

みんなが社会生活をより便利に、快適に送れるためのはずの手続きなのに、イタリアでは、必要な書類が分からなかったり、役所の対応が悪かったり、遅かったりすることが、よくあります。そのため、いろいろな手続きのために、悪戦苦闘することになります。日本の役所は、わたしの知っている範囲で言うと、何から何まで、市民へのサービスがきめ細かくて、親切だし、対応も迅速だと思います。ペルージャで、警察側の間違いのために届いた書類について説明を聞くために、列に並んでいたら、目の前の警官たちが、わたしの目前で長々と休暇についておしゃべりをしていた、などという失礼なこともあります。

それが、杏さん。ペルージャは昨日から急に寒くなって、昨日も今日も最高気温が4度、最低気温は氷点下。天気はいいものの、日中は北風が吹き荒れていたんですよ。わたしも、「ジェットコースターに乗っている」、まさにそんな気分です。
Commented by mayumi-roma at 2011-02-26 06:58
naokoさん、滞在許可証、コピーではダメですよ。
本物を早く見つけてください。
基本的に、滞在許可証は常に携帯されることが義務付けられています。
もっとも市内で持ち歩く方は、駐在でいらしている方くらいですが。
本当は私たちも常に携帯しなければならないんですよ。

特に、日本へ里帰り、あるいはEC圏の旅行の際は必ず、滞在許可証の本物をもっていなければダメですよ。
いつもチェックがあるわけではありませんが、私はロンドンから帰国の際、経由地のフランクフルトで、ローマ行きの飛行機に乗るトランジットの時に提示を求められました。
ドイツのイミグレーションに!
コピーだったため、通さないと言われましたが、イタリアで鍛えられた舌を使い、イタリアの免許証も見せ、強引にトランジットのイミグレを通過しました。

あと、滞在許可証を所持していなかったため、フュミチーノの出国イミグレーションで足止めされた友だちもいました。
泣いたそうです。
だからってダメでしたけど。
Commented by mayumi-roma at 2011-02-26 06:59
 続きです。

彼女は、サルデニアの空港でも(ローマからだったのに)、滞在許可証を持っていなかったため、サルデニアに入れないと言われて大変な目に遭いました。
イタリア人の夫と娘も同伴していて、いくら説明してもダメだったそうです。
身分証明があっても、滞在許可証を持っているとは限らない、と言われたそうです。

外国では、自国のパスポートとともに大切なのが滞在許可証です。
早く見つけてくださいね。

あと、自分も含めて色々な話を総合すると、女性の係官が特に意地悪なようです。
私は、イミグレーションではなるべく男性の係官のところを通るようにしています。
Commented by milletti_naoko at 2011-02-27 03:18
まゆみさん、こんばんは。

ご親切にいろいろありがとうございます。まゆみさんも、ふだんはコピーを持ち歩かれているんですね。わたしの場合は、紛失したり盗まれたら大変だというのが、現物を持ち歩かない一番の理由です。でも、イタリア国外に出るときや飛行機を利用するときだけは、必ず現物を携帯しています。国を出るときには滞在許可証の携帯、あるいはそのまま国外に出る場合には提出をと、どこかで聞いたように、読んだように覚えているからです。(つづく)
Commented by milletti_naoko at 2011-02-27 03:19
インターネットで書かれているものをざっと検索してみると、「身分証明書があっても、滞在許可証の所持が義務か義務でないか」については、いろいろ意見が分かれるようで、残念ながら、まだ警察やイタリア政府のサイトの中に、関連する言及は見つけられていません。唯一、法的根拠を挙げていた人の言葉によると、イタリア国内にいる場合には、身分証明書があれば、EU圏外の出身であっても、「危険人物、疑わしい人物に限って、滞在許可証の所持が義務になる」ようです。ただ、実例を見ると、アルバニア人女性と一緒にいたイタリア人男性が、警官に車を止められ、女性が身分証明書だけで滞在許可証を持っていなかったために、警察署に拘束された、という実例もあるようで、確かに何かの取調べの際に、滞在許可証がないと、「疑わしい」とみなされても文句は言えないため、やはり、自分自身のために、実物を常に携帯した方がよさそうだ、という結論にたどりつきつつあります。


日本語教師・通訳・翻訳家。元高校国語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより


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