イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

初夏のポルヴェーセ島2

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 こうしてポルヴェーセ島(Isola Polvese)の北の端まで来ると、トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)の他の二つの島が、遠くに小さく見えます。

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 左手に見えているのは、マッジョーレ島(Isola Maggiore)。小さな中世の町並みや博物館、おいしいレストランがあり、うさぎとキジがたくさん住んでいます。右に見えるミノーレ島(Isola Minore)は個人所有なので、訪ねることができません。

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 昼食の時間帯になったため、西岸沿いの小道を通って、ポルヴェーセ島の南、港近くにあるレストランに向かいました。道沿いには、背の高いアカシア(acacia)の木が立ち並び、白く美しい花をたくさん咲かせています。そうして、アカシアの木の下を通ると、忙しく働くミツバチの羽音が、にぎやかに聞こえてきます。

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 この写真は、島の北の端の階段を下りる手前にある見晴らしのいい場所から、撮影したものです。右の方に見えるのは、石造りの町並みと湖の眺めの美しいモンテ・デル・ラーゴ(Monte del Lago)の村です。

 ところで、写真の手前に見える白っぽい木が何だかお分かりになりますか。綿帽子に載せて、種を四方に飛ばす準備の整ったポプラ(pioppo)の木です。

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 モンテ・デル・ラーゴの町は、島の東に見えたのですが、綿帽子でいっぱいのポプラの木は、島の西岸にもたくさん生えています。そこで、ポプラの木の下を歩くと、綿帽子が雪のように敷きつめられていました。

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 道はやがて森を出て、イトスギ(cipressi)キョウチクトウ(oleandro)が交互に並ぶ中を進んで行きます。夏になって、白やピンク、赤のキョウチクトウの花がいっせいに咲くときに、この通りを歩くのは、本当にすてきです。ただ、今回は、昨年剪定しすぎたために、枯れかけている木もいくつか見かけました。

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 左に見えるのは、聖ジュリアーノ教会(Chiesa di San Giuliano)で、右手には、中世の城塞(Fortezza medievale)があります。城塞のある角を曲がると、道は湖の南岸を進むことになります。

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 こちらの黄色い建物に、わたしたちが到着後すぐに予約をしておいたレストラン、Ristorante Isola Polvese(その名も「ポルヴェーセ島」!)があります。

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 ポルヴェーセ島では、パンを始めとする食材を売る店がないこともあり、メニューは、肉料理が中心の大地のコース(Menu di Terra)とトラジメーノ湖で摂れる魚料理を中心にしたトラジメーノ湖のコース(Menu Trasimeno)の二つの中から、どちらかを選んで食べることになります。いずれも飲み物代抜きで、一人分18ユーロです。

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 こちらは前菜。コイ、carpa reginaの卵の載ったブルスケッタ。なかなかおいしかったです。

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 プリモは、魚入りのトマトソースであえた、ストリンゴッツィ(stringozzi)というパスタです。

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 とにかくおいしいのが、こちらのセコンドで、コイ(carpa regina)に香草をたっぷりつめこみ、ポルケッタ風にオーブンで焼いたものです。料理名も、そのまま、Carpa regina in porchettaです。わたしの大好きな料理の一つで、湖周辺の他の店でも食べたことがあるのですが、このポルヴェーセ島のレストランのものが、味がしっかりきいていて、一番おいしいような気がします。

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 おいしい食事と共に、湖の美しい眺めも楽しみながら、食事をしました。

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 食後は、レストランから島の東岸まで散歩をしました。島の南東には、サッカーなどの競技ができる広いグランドがあります。湖岸まで行くと砂浜があり、まだ5月だというのに、砂浜や草原に寝そべって、日光浴をしている人もいました。

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 港を発つフェリーから撮影したポルヴェーセ島とその港です。今回は写真に収められませんでしたが、自然が豊かなポルヴェーセ島には、さまざまな鳥や動物たちが住んでいます。森の中では、リスに似たしっぽの長い動物も見かけました。

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 今度は、キョウチクトウの花が咲きほこる頃に訪ねたいなと思い、名残を惜しみながら、ポルヴェーセ島を後にしました。

*追記(2018年): 今は店の経営者が変わり、メニューもサービスも以前とは異なるものとなっています。

関連記事へのリンク / Link per l'articolo correlato
- トラジメーノ湖、ポルヴェーセ島の散歩 / Passeggiata all’Isola Polvese (3/4/2010)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by かや at 2011-05-21 01:52 x
こんばんは☆
すごく綺麗な湖面の色ですね~☆
キジって日本の鳥のようなイメージがあるんですけど、そちらにもいますか。
僕の住んでる所でも、田舎のほうに行くと「ケーン!ケーン!」とキジの甲高い声が聞けますよ。

コイ料理とパスタが美味しそうですね。湖が綺麗なのでコイも美味しいんでしょうね。

凸d(^ー^)応援pochi!
Commented by ムームー at 2011-05-21 10:16 x
なおこさん
おはようございます。
キジとうさぎがいるなんて素敵ですね。
レストランのお食事も美味しそうですねぇ。

湖が見えるレストラン素晴らしいですわ。
眺めがいいですね。
琵琶湖を眺めながら食べるカフェも出来ていますが
やはり景色がいいと気分よくすごせます。
Commented by milletti_naoko at 2011-05-21 16:46
かやさん、おはようございます☆

日本のものかと思っていた鳥や花をイタリアで見て驚くことが時々あります。キジの声がそんなに近くで聞こえるところにお住まいなんですね。コイ料理、香草の味がしっかりきいていて、それはおいしかったです。

応援のポチをありがとうございます!
Commented by milletti_naoko at 2011-05-21 16:48
ムームーさん、おはようございます。

琵琶湖を眺めながら食べられるカフェもあるんですね。眺めがいいと、それをうれしく思う喜びと共に食べるので、食もはずむし、いっそうおいしいですよね。
Commented by bianchi_saitoh at 2011-05-22 11:57 x
なおこさん、素敵な島ですね。
季節がいいのか空の色が爽やかです。

ポプラの綿毛ってけっこう飛ぶんですよね。ドイツW杯の時もスタジアムに飛んできているのが映ってました。
今、ウチはしいの木の落葉で大変です。幹の直径で1mはある大木です。
掃除をしても翌日同じようになってます。新芽と生え変わるまでダメですね。

レストランのテラスからの景色和みます。
のんびりと一日をこんな素敵なトコで過ごしたいなァ~。
Commented by milletti_naoko at 2011-05-22 23:48
bianchi_saitohさん、こんにちは。

湖はペルージャから30分ほどのところにあります。車で近くを通りかかるときでも、天気や空の色によって、色が変わるものの、たっぷり水をたたえた広い湖はやはりいつも美しくて、見るたびにうれしくなります。

しいの木の葉は今の季節に散るんですね! 我が家でも、うちからかなり離れたスタジアム近くにあるポプラ並木から綿帽子がたくさん飛んでくるので、最近は掃除が大変です。

いつかぜひご家族でウンブリア州にいらして、島での散歩と食事を楽しんでくださいね。
by milletti_naoko | 2011-05-20 15:54 | Umbria | Comments(6)