トイレの恐怖

 と言っても、幼い頃に聞いた「赤い紙」や「青い紙」が登場する怪談の話ではありません。外国などで、トイレのドアの開け方が分からず、「ひょっとして、わたし、このままトイレに閉じ込められて、出ることができないのではないかしら」と、心を襲う恐怖のことです。わたしだけかなと思ったら、他にも同じ思いをした方がいることを知ったので、記事として取り上げることにしました。

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 たとえば、国際空港でよく見かけるこちらのトイレのドアのノブ。入るときは、時間もないし、他のことに気を取られたりして、あまり考えずに、とりあえずドアを閉め、鍵を閉めます。

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 ちなみに、このタイプのドアを、外から開かないように閉めるためには、下の黒い長方形の部分を90度、右なり左なり(ドアのどちら側が開くかによります)に回す必要があります。そういうことは、いろいろ操作していて、「あ、これできちんとドアが閉まる!」と分かるのですが、いざトイレから出ようというときになって、ドアが開かなくて困ったことがあります。90度回転させた部分を元に戻しただけでは、ドアが開かないからです。

 一度、フィウミチーノかマルペンサか、とにかくどこかの国際空港で、飛行機の搭乗時間が迫っているときに、トイレに入って、さあ出ようと思ったら、どうやってドアを開けたらいいのかが分からなくて、それは焦ったことがあります。「このまま開け方、出方が分からなくて、飛行機が飛び立ってしまったらどうしよう!」と、不安に駆られました。

 幸い、いろいろドアのノブをいじっているうちに、開け方が分かってほっとしました。ノブの上に少し突き出た部分を、指で押さえながらドアを開ける必要があったのです。

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 トイレのドアをこうやって開閉するシステムを使用している場所は、イタリアには多く、たとえば、我が家の近くにある映画館、Giometti Cinema(上の写真)のトイレの扉も、こういうしかけになっています。写真は、12月にディズニー映画、ラプンツェルを見たとき(記事はこちら)のものなので、季節はずれではありますが。皆さん、初めてのトイレに入るときは、十分にご注意ください。

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 ちなみに、先ほどのドアのノブの写真は、トイレではなく、ラッツィオ州ヴィテルボ(Viterbo)の温泉、Terme dei Papi(上の写真、記事はこちら)の更衣室のドアのものです。

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 初めて入るトイレでは、手を洗うのに、どうしたら水が出るかが、すぐ分からなくて困ることもあります。たとえば、この蛇口は、上の部分を押さえると水が出てくるのですが、センサーの前に手をかざすと、センサーが手の存在を感知して、そこでようやく水が出てくる場合もあれば、足元にペダルがあって、それを踏んで水を出す場合もあります。

 本当は、ドアの開閉や水道は、使う人が見てぱっと分かるように設計されていないといけないはずなのですが、デザインにこだわるからか、また外国では慣れていないこともあって、こういう分かりにくく、使いにくいトイレの鍵や水道に、時々遭遇します。

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 こんなふうに、見てすぐに仕組みが分かると、まったく問題がないのですが、イタリアでは、開け方の分かりにくいドアに時々遭遇します。ドアに鍵がさしてあって、開閉が簡単そうに見えるのに、これかと思った方向に一度だけ回しても開かないということもあります。一度、エミリア・ロマーニャ州の温泉町のレストラン(記事はこちら)で、店から出る間際に、夫や友人と別れて、地下にあるトイレに入ったときは、何度も左右に鍵を回したものの、長い間トイレのドアを開けることができず、しかもトイレがドアの上下に隙間もない完全な密室だったので、「このままトイレから出られず、だれも来ず、空気がなくなって、ここで死んでしまったらどうしよう。」と本気で焦りました。

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 こちらは、ペルージャのパルティジャーニ広場(Piazza Partigiani)です。アッシジやトーディなど、ウンブリア州の他の町に行くバスは、この広場にあるバス・ターミナルから出ている場合が多く、このターミナル構内にあるトイレは、無料で、便利です。ただ、このトイレのドアも開け方が分かりにくく、鍵を左に3度回す必要があります。二つある女性用トイレのうち、一方にはドアにだれかがイタリア語でそう親切に書いているのですが、もう一つには書いていませんので、利用される際には、ご注意ください。

 数年前に、ポルトガルを旅行したときは、古くてたてつけの悪いドアが多く、別の意味で、物理的に非常に開きにくいドアにたくさん遭遇し、「このままトイレから出られなかったらどうしよう!」と不安に思ったことが何度かあります。

 皆さん、特に異国で、初めてのトイレに入るときは、開閉の仕方を理解してから、ドアを閉めるようにしましょう。入るときには考えず、出たいときになって困ることが、わたしも多いのですが……

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-05-26 18:07 | Viaggi | Trackback | Comments(12)
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Commented by ゆん at 2011-05-27 16:54 x
あるある!と思いながら読みました。
入る時に開け方を確認しておくなんて、私には絶対無理無理(笑)

一番上の写真、なおこさん空港のトイレの中で撮るなんてやるなあ・・・
と思って読んでおりましたが、更衣室のドアだったのですね。
まだこのような形状のドアには私は出会っていないと思いますが
おかげで今後遭遇しても万全の対応で望めそうです。

Commented by ムームー at 2011-05-27 17:42 x
なおこさん、わかります、その思い。
スーパーでもわかりにくい鍵もありますし、少しお洒落なお店のトイレって何故あんなふうな鍵にするのかと思いますわ。
開かないとあせりますよね。
最近トイレの出口の方向すらわからなくなります。
今からトイレに行くからと言うか、娘と同じ時に行きますの。
情けないでしょう、とほほほ
Commented by milletti_naoko at 2011-05-27 18:09
ゆんさん、おはようございます♪

同じような思いをされたことがあるんですね! ツイッターにも日本語・イタリア語で同じことを書いたら、すぐに数人のイタリア人男女、日本人女性から、トイレのドアが開かなくてひどくこわい思いをすることが時々あり、中には、必ずだれかと一緒に行って、開け方が分かりにくい場合には、鍵はかけずに他の人にドアの前に立ってもらうようにしているという用心深い人もいました。わたしの場合は、たいてい急いでばたんと入って鍵をかけて、出るときになって、さあどうしようと困ることが多いのですが…… 

最初に写真で掲げたタイプのドア、イタリアではかなりよく見かけますので、ご注意くださいませ。
Commented by milletti_naoko at 2011-05-27 18:14
ムームーさん、おはようございます♪

ということは、日本にもやはり、開け方の分かりにくいドアが存在するんですね! ドアのデザインも大切かとは思いますが、ことトイレに限っては、だれが見てもすぐに開け方が分かることが一番肝心だと思います。中には一人で入るわけだし、もし閉じ込められて、だれも近くにいないと、とんでもないことになりますから……

出口の方向が分からないのも、本当は出口が分かりやすいつくりにしなければいけないような気がします。以前に大学の授業の課題図書として、日常生活で使うものは、「頭をあまり使わず、見てぱっと分かるようでないといけない」ということを具体例や科学的根拠と共に説明した本を読んだのですが、そのとおりだなと思います。
Commented by mitch at 2011-05-28 03:58 x
はじめまして。アメリカからコメントです。
いやー、この話にはちょっと驚きました。なにしろこの夏家族(5歳の子供含め3名で)でイタリアをあちこちうろつきますので、怪談のように怖い話です。私は人生を日本とアメリカで長く暮らしていますが、この両国ではトイレの恐怖に出くわしたことはありません。基本的に単純に設計されていると思います。イタリアという国は聞けば聞くほど”奥深い”ですね。なぜそんな複雑な設計にする必要あるのか不思議です。国際観光国家ですから、よく問題が発生していないのが不思議ですね。これだけは注意しようが無いので困ったことです。入るときに研究したらそれだけで10分かかってしまい、トイレの意味がなくなりますね。
参った参った。
Commented by milletti_naoko at 2011-05-28 05:07
mitchさん、はじめまして。

イタリアでは、開け方が分かりにくいドアに加えて、壊れている、あるいは壊れかけた錠が放置されている場合もあり、さまざまな理由で、トイレの鍵がすぐに開かなくて恐怖を感じたという人が、他にもいるようようです。ただ、実際にはむしろ、開け方がすぐに分かるトイレの方が多いので、ご安心ください。

すみません。何だかせっかくの旅行前に、よけいな心配事を増やしてしまったようですが、ご家族で旅行であれば、複数で常にトイレに行けば万一何かあってもすぐに対応できるかと思います。どうかせっかくのイタリア旅行を、十分に楽しんでくださいね。
Commented by gianca at 2011-05-28 08:57
レストランのトイレの鍵が開かなくなって閉じ込められ友人に電話しお店の人に壊してもらって出てきたことがあります。本当に怖いです!もし、電話がなかったら閉じ込められたまま?
電波が届かない所だったらなんてことを考えるとあの時は電話通じるところでよかったと思います。
Commented by milletti_naoko at 2011-05-28 20:47
giancaさんは、本当に閉じ込められてしまったことがあるんですね。それはそれは、さぞかし怖い思いをされたことでしょう!!
イタリア人女性でも、一度ひどく怖い思いをしてからは、錠を必ず入る前に確認して、疑わしい場合は、鍵は開けたままで友人に前に立ってもらうとコメントをくれた人が何人かいました。携帯電話を持っていない場合や電波が届かないことも多いでしょうし、閉じ込められるのが子供やお年寄り、イタリア語の分からない外国人の場合もあるでしょうし、やっぱり事が起こる前に、観光大国としては、トイレの施錠の安全性・利便性の確認・点検をする必要がある気がします。
Commented by mith at 2011-05-29 02:47 x
一つトイレについて質問です。
イタリアの大都市では、有料トイレが存在する(例えば駅や繁華街などで)と聞きますが、こういったところでは基本的には鍵の問題はないのでしょうか?また小銭を持ってないと入れないのでしょうか?
日本の場合は、デパートやファッションビルなどいたるところにトイレがあり街中では問題ないのですが、イタリアもその辺は同じでしょうか?
Commented by milletti_naoko at 2011-05-29 06:19
mithさんへ

わたしが怖い思いをしたトイレには無料のトイレが多いのですが、有料でも、開き方の分かりにくいドアというのは、皆無ではないと思います。イタリアではデパートやファッションビルに該当するものもありますが、無料トイレがあっても、日本ほど整備されていなかったり、数が多くなかったりする場合が多いかと思います。駅によって、トイレが有料だったり無料だったりしますし、同じ駅のトイレでも、たまたま清掃係、お金の徴収係がいないと無料で入れることもあったりします。博物館や美術館のトイレも、無料の場合もあれば、小銭を払って入る場合もあります。やはりある程度の小銭は常に残るようにしておいた方が、安心だと思います。町中でトイレに行きたいとき、わたしたちの場合は、よくバールに行って、コーヒーやジュースを飲んだり、菓子パンを食べたり、あるいは水を買ったりして、トイレを借りるようにしています。
Commented by ルナ at 2011-06-04 10:21 x
日本でも開け方の分からないトイレの鍵があります…新しいファッションビルのトイレです。トイレに入った瞬間きれいでオーッと思います…個室の中もきれいで長居したくなりますが出られないと困ります…入って鍵をかける時は無意識なのですが開ける時につまみもなく平らなのでどうやって開けるのか悩みます…その前にトイレットペーパーのホルダーもオシャレ過ぎてどうやって紙を出すのかわかりません…水を流す時もどうやるのか…で鍵の開け方も分からず…閉じ込めたくてわざとそんな作りにしたのかとも思えます
Commented by milletti_naoko at 2011-06-04 18:16
ルナさん、おはようございます♪

問題は、トイレの設備を作るときに、優先するべき事項が優先されていないということだと思います。トイレは中も個室で誰にも助けを求められない場合が多い上、店のトイレなどはたまにしか入らないので、初めて入った人でもすぐに鍵の開け方、水の流し方、トイレットペーパーの取り方が分かることが一番大切なはずです。なのに、デザインを優先するあまり、本来は悩む必要がなくさっと用を足せるはずの場所で、頭を使ったり怖い思いをしたりすることになるんですよね。関係者の方々には、よく考えていただきたいものです。
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