今君は美しい

 昔話の桃太郎ではありませんが、昨日の朝は、夫は庭仕事に出かけ、わたしはアイロンがけに励みました。前日は、ひどく暑い1日で、日本語を教えている語学学校の教室の大きな南向きの窓から、太陽がいっぱいに差し込んで、触ると窓ガラスが熱いほどでした。生徒さんと二人で、「窓を開けたほうが空気が動いて、しのぎやすいんじゃないか。」、「わたしは、これだけ日が差していたら、外の方が絶対に気温が高いから、窓を開けたら、暑い空気が入ると思うんだけど……」と、暑さしのぎの対策を練ったほどです。

 前日はそれだけ暑い1日で、午後帰ると、家の中も非常に暑かったので、アイロンがけは、翌日の早朝にすませることにしました。そういうわけで、昨日の朝、家中の窓を開け放して、外の涼しい空気を取り入れながら、アイロンをかけていると、夫が外から帰って来ました。温室に花が咲いているから、撮影をするために、カメラを取りに来たと言うのです。

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 夫が写真に撮ろうとしていたのは、こちらのサボテンの花でした。年に1度しか花が咲かない上に、咲いた花も1日、2日ほどですぐに枯れてしまうそうです。

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 めしべを中心に、か細いおしべたちが長く広く伸びて、じゅうたんを広げたようになっていて、こうやって虫たちが訪れて、花粉が受精しやすいようになっているんだ、と夫が教えてくれました。

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 花は、外から見ても、鮮やかなピンク色に包まれていて、あでやかです。

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 香りもするからと聞いて、近づいてみました。確かに何か独特の匂いはするのですが、「いい香りとは言えないような。」と評すると、夫は、そのとおりだと、笑っていました。

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 『みにくいアヒルの子』ではありませんが、このサボテンも、1年の大部分は、花もなく、とげが多いだけなので、美しいと感嘆する人はまれだと思います。こんなにきれいな大輪の花が咲くことを、知らない人が多いのではないかと思います。わたしも何年もこの家に暮らしていたのに、花が咲いているところは、昨日初めて見ました。

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 人にも、動物にも、植物にも、それぞれの時期があり、特徴があって、ぶかっこうに、そして、とげばかりに見えるときがあっても、やっぱり何か光るものを秘めているのでしょう。

 時に、人の言動に傷つきながら、でも、とげがあるように見えて、本当は優しい大きな花が、心が隠れているのだと、信じられますように。時に、自分を情けく思いながら、それでも、わたしだけが咲かせることのできる花があるのだと、自分を大切にしていけますように。今、最高に美しい姿を見せてくれているサボテンの花を思い浮かべながら、そう心に祈るのでした。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-05-28 22:50 | Fiori Piante Animali | Trackback | Comments(8)
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Commented by クロちゃん at 2011-05-29 07:11 x
なおこさん、おはようございます。♪
サボテンの花はこんなにも大きく美しいのですね。
確かに普段は地味な印象を受ける植物ですが、短い間だけパァッと見事に花を咲かせる姿は観る人に何かを教えてくれていそうです。
何故か、チューリップの「サボテンの花」という歌を思い出しました。(^^)/
Commented by ムームー at 2011-05-29 19:32 x
なおこさん
そちらもやはり暑いのですね、窓を開けると心地よい風が
入る時はいいのですが、真夏は熱風が入り暑く感じますね。
サボテンの大きなお花、神々しくて綺麗ですねぇ。
感激しますねぇ~
素晴らしいものをたくさん持ちながらも一番良い時を
待つのですね。
なおこさんのお話、素晴らしいですねぇ~
Commented by milletti_naoko at 2011-05-29 21:37
クロちゃん、こんにちは♪

コメントを拝見して、どんな歌かなと思って聞いてみたら、ドラマ、『ひとつ屋根の下』の主題歌にもなった曲なんですね。もともとはチューリップの、それも1975年の歌だとは知りませんでした。YouTubeで初めて全曲を歌詞を読みながら聴いて、いい曲だなあと思いました。ドラマの主題歌として聞いていたときは、題名が「サボテンの花」だということも知りませんでした。彼女が傷ついたのは、一見とげのあるサボテンのような彼の言動にでしょうか。そうして、置いていった花が春になって花開く―― 悲しいけれど、いい歌ですね。クロちゃんのおかげで、久しぶりに懐かしい歌を聞き、新たな発見がありました。ありがとうございます!
YouTube - サボテンの花/チューリップ【歌詞付き】
http://www.youtube.com/watch?v=SV2wUu0Nnbk
Commented by milletti_naoko at 2011-05-29 21:40
ムームーさん、こんにちは!

とげのたくさんある背の高いこのサボテン、いつも温室にあったのですが、こんなに美しいあでやかな花を咲かせるとは、思いもしなかったので、よけいに感激しました。

すばらしいなんて、ありがとうございます。分かっているけれど、思ってはいるけれど、難しいなと、試練の前でたじたじになることが、時々あるんです。
Commented by Delfino at 2011-05-30 00:50 x
なおこさんの最後のことば、ステキですね。こういう先生に教わる生徒さんは、ラッキーですね。

サボテンは、好きだという人の少ない植物ですが、水分補給も美容にもいい植物だし、花もきれいなんですね。
実もたべられるし、多機能で役立つ植物ですね。

それぞれの時期。。。いつかなぁ。
この3年くらい着地点を見つけられずにいます(笑)
Commented by かや at 2011-05-30 03:28 x
こんばんは☆
素晴らしい、綺麗で大きな花を咲かせましたね~☆
サボテンで大きな花を咲かせるものって、1日2日でしぼんでしまうものが多いのでしょうか。
以前、クジャクサボテンというサボテンを育てていたことがあって、鮮やかな赤色の花を咲かせたんですが、丸1日ぐらいしか咲かないんですよね。月下美人も1日咲くか咲かないかぐらいですよね。
一応、種で増えることもできるんでしょうか?不思議です。

凸d(^ー^)pochi
Commented by milletti_naoko at 2011-05-30 05:30
Delfinoさん、こんばんは♪

今わたしたちが教えている生徒さんは、わたしより年上。軍人さんで、秋から東京の大使館勤務が決まっている方なのですが、責任感が強く、それでいて優しくて気のいい方で、日本でも、夜間学校で日本語を学んで、広くいろいろな日本の方と知り合うことができたら、と言っています。本人は、「大使館」という肩書きで敬遠されることを心配しているのですが、わたしは、イタリア人男性ということで、妙な偏見や先入観なしに、日本の方が生徒さんとつきあってくださったらな、3年間の日本滞在が、実りの多い、心に残るものであってくれたらな、と今から何だか少し心配しています。地震や原発のこともあって、不安もあると思うのですが、使命感を持ち、少しずつしっかり日本語を身につけていっています。

会社での人間関係が大変だと思いますが、経験も熱意も力量も十分にあるDelfinoさんは、少しずつ今の会社でもなくてはならぬ存在になっていらっしゃることと、わたしは確信しています。夏休みまであと少し、どうか無理だけはされずに、頑張ってください。いつかお会いできるとうれしいです。
Commented by milletti_naoko at 2011-05-30 05:33
かやさん、こんばんは☆

夫からは、実は花が一晩しか咲かず、翌朝にはもうしぼんでしまうのだと聞きました。種ができるように、と夫もいろいろ考えてはいましたが、種から育てるには、やはり年数もかかるようです。だからこそ、また花が一際美しく思われるのでしょうね。

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