イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

花のカステッルッチョ

 7月5日は、ペルージャのはるか南方にあるカステッルッチョ(Castelluccio)を訪ねました。

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2008/6/26

 ウンブリアの誇る、おいしいレンズマメ(lenticchie)の産地であるカステッルッチョでは、除草剤を散布しないため、例年、6月中旬頃から、赤・青・黄など色とりどりの野の花が、耕された畑一面に咲いて、とても美しいのです。

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2008/6/26

 丘の上に見えるのが、カステッルッチョの町。野を彩る赤い花は、ヒナゲシ(papavero)の花。

 以上2枚の写真は、2008年6月26日に撮影したものです。ちょうど花が一斉に美しく咲いている時期で、しかも天気がよかったので、まずは、こちらの写真を使って、ご紹介しました。

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2011/7/5

 7月5日、曇り空の下、雨という天気予報を気にしながら出かけたカステッルッチョは、赤や青に彩られてはいましたが、花の見頃までは、あと1週間待つ必要がある(夫の予測)という状況でした。

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 レンズマメやサラミなどの特産品を売る店や、レストラン、ホテルなどは、ほぼ駐車場付近に集中しています。わたしがゆっくりアイゴを運転して、午後1時頃に到着し、まずはレストランで腹ごしらえ。

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 それから、人が少なく、けれど、花に彩られていそうな場所を選んで、散歩をしました。

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 一面に咲く黄色い花。

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 ところどころに、ピンクの美しいナデシコ(garofanino)が、群生していました。

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 一つひとつの花をよく見ると、こうして花弁が、粉雪のような白い斑点で飾られています。

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 青い花は、ヤグルマギク(fiordaliso)で、ところどころに、ヒナゲシの赤やフランスギクの白い花も見えます。

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 途中、こちらの給水場で、冷たくおいしい清水を調達。散歩のときはいつも、水道水で満たした500mlのペットボトルを、持って出かけます。

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給水場(牛たちにとっては、水飲み場)のすぐ傍らでは、牛たちが、こうしてのんびりとくつろいでいました。

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向こうの木々の下をよくよく見ると、馬たちが、木陰で涼を取っています。

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 標高が高いので、7月上旬になってもまだ野バラ(rosa canina)が、咲いています。

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こうして、しばらく美しい野山を歩いたあと、ペルージャへの帰途につきました。帰りは、夫が運転しました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by goodroads at 2011-08-05 19:20
こんばんは
キレイだなぁ~こういう風景はきっと「絵本」の中だけなんだ!!って小さい頃よく思っていたものです・・・

「絵本」の世界って本当にあるんだなぁ!!って大人のTomも感じました。
そして、空もヨーロッパだなぁ・・・・って思います。

女子日本代表が、サッカーW杯ドイツ大会で優勝したことに、日本国中は騒いでいますが~その愛称が「なでしこジャパン」
なでしこ、初めて見ました・・・実は(笑)
野ばらも情感ありますねー
Commented by milletti_naoko at 2011-08-05 21:31
Tomさん、こんにちは。日本にも美しい風景がたくさんありますが、こちらの風景にはまた独特の色合いや広がりがありますよね。

それは、すばらしい! さっそく日伊の記事をいくつか読んでみました。7月11日以来、2週間ほど旅行で家を離れていて、テレビもインターネットも長い間見なかったので、まったく存じなかったのです。

自生のgarofaninoの花は、夫の好きな花で、花弁の色も形もさまざまで、ほのかにいい香りがします。伊和辞典にはないし、ずっと日本語名が気になっていたのですが、最近になって、他の方のブログや各国語のWikipedia、Google immagineなどの活用で、どうも「なでしこ」のことらしいと分かりました。野ばらの季節は主に5、6月なのですが、ピンク色の花がかわいらしいので、とても好きです。
Commented by ムームー at 2011-08-05 21:57 x
なおこさん
何と素晴らしい景色なんでしょうかぁ。
お伽の国のようなお花畑に趣のある家々が見えて
ため息が出ます~
お花が群生してるなんて素敵。
牛さんも優雅におすごしですねぇ~
何もかもがゆったり~いいなぁ。
Commented by milletti_naoko at 2011-08-05 22:31
ムームーさん、こんにちは。

夏は過ごしやすく、花や緑がそれは美しい場所ですし、冬は屋根の上に高く雪が積もり、一面が真っ白になって、それは美しいんですよ。

ただ、冬は深い雪に閉ざされる上、生活に必要な食材を得るには、この高い山のふもとにあるノルチャの町まで車で繰り出す必要があるため、買い手を探したまま、空き家になっている家も多くあります。
Commented by gianca at 2011-08-05 23:00 x
なんてきれいなんでしょう。
私が訪れた時はまだ花が咲いていなくて....。この景色を見たくて花の咲いている時期にいつか訪れたいと思っています。
車の運転大変でしたね。お疲れ様です。
Commented by boratu at 2011-08-05 23:15 x
こんばんは。先日は御訪問ありがとうございます^^

素晴らしい景色ですね。憧れの風景です(´∀`*)
給水場のお写真が特に好きです。
日本とは気候も風土も違うから似て異なる絵になってますね。
北海道だともしかしたら近い景色を見れるかもしれませんが。
でも小高い丘に家々が集まる光景は日本では見られないでしょう。
うーん・・・イタリア行きたい(^_^;)
Commented by milletti_naoko at 2011-08-05 23:56
giancaさん、カステッルッチョにいらっしゃったんですね! 花の時期は比較的長いのですが、毎年かなりずれもあり、「見頃の時期を推測するのは不可能」とこちらのサイトには断言してありますが、一方、毎年少しずつどういう花が咲き始めているかを、刻々と写真で紹介していますので、花の咲く時期を知るいい目安になるかと思います。
http://www.castellucciodinorcia.it/italiano/fioritura_castelluccio_2011.html
こちらのページからは、数箇所に設置されたwebcamの映像も見られます。
http://www.castellucciodinorcia.it/italiano/webcam_castelluccio.htm
ありがとうございます。わたしが行きがけのんびり3時間かけて(バール・トイレ休憩含む)運転した道、夫が運転した帰りは2時間あまりだったので、びっくりしました。
Commented by milletti_naoko at 2011-08-06 00:01
boratuさん、こちらこそ、コメントとご訪問をありがとうございます。

京都の新緑も美しいのですが、それとは趣のかなり異なるイタリアの緑にも、独特の魅力がありますよね。暑いさなか歩いているときに出会うこういう給水場では、冷たくおいしい水を好きなだけ飲むことができ、水も補充できて、何だか砂漠でオアシスを見つけた旅人の気持ちが分かるような気になります。いつかぜひイタリアにいらしてください。
Commented by ayakaze0109 at 2011-08-06 08:31
なおこさーん!すごく奇麗です!癒されました・・・!こんなに素敵な景色が自然にできてしまうこのイタリアの自然にいつも感動します。アートですよね・・・。カステルッチョ、初めて聞きました。ぜひいってみたいです!!!

そして今更ながら、カレー熱を届けていただき、ありがとうございました!
Commented by milletti_naoko at 2011-08-06 16:15
彩さん、いつかぜひ行ってみてくださいね。ピティッリャーノから車で3時間ほどだそうです。こういう景色は人間の営みと自然が共に生み出したもので、たとえばヒナゲシやヤグルマギクは、耕された土地に群生するようです。カステッルッチョの平地は広く、耕されていない部分も多いのですが、そこには花がほとんどありませんでした。
Commented by momo_capricci at 2011-08-06 18:10
素敵なところですね~!こんなところをのんびりと散歩したいなぁ。
有元葉子さんの著書にイタリアのレンズ豆畑の事が書かれていて、夏、見渡す限りの豆畑の傍らで水着を着たカップルが日光浴していた、というのを読みました。とてもイタリアらしいエピソードですけれど、こちらの写真をみていたらそうしたくなる気持ちがわかる気がします。
可愛らしい花々を見ているだけで心が洗われますね!
Commented by milletti_naoko at 2011-08-06 20:16
こんにちは。わたしたちも日光浴こそしませんでしたが、草原にのんびり寝そべって、空を流れる雲や山並みを眺めたり、美しい花を楽しみながら、散歩したりしました。
by milletti_naoko | 2011-08-05 10:27 | Umbria | Comments(12)