花のマリッティメ・アルプス3

 7月18日月曜日は、前日に激しい雨が降ったためか、幸い朝から快晴でした。

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 朝食のあと、ジェッソ川(Torrente Gesso)の支流、谷間のジェッソ川(Torrente Gesso di Valletta)を車で遡りました。

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 テルメ・ディ・ヴァルディエーリ(Terme di Valdieri)にある植物園を訪ねようと考えたのですが、この日に限って、鍵を預かる観光案内所の係員が病欠だったため、閉園で、入ることができませんでした。仕方なく来た道を引き返したのですが、せっかくですから、少し離れた無料駐車場まで、ゆっくりと散歩を楽しみました。

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 昼食は、サンタンナの村まで戻る途中にある、こちらのレストラン、チリエージャ・メルカントゥール(Ristorante Ciriegia Mercantour)(リンクはこちら)で食べました。(l とrを間違えたわけではありません。イタリア語でサクランボはciliegiaですが、なぜかこの店の名はciriegiaなのです。)サンタンナの博物館の人から、「店主は変わり者だけれど、食事はおいしい。」と勧められたからです。

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夫は当地のチーズとポレンタを、わたしは鮎をオーブンで焼いたものを食べました。つけあわせの野菜に、デザート。どれもおいしかったのですが、この店でとりわけすばらしいのは、

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何と言っても、店のテラスからの眺めではないかと思います。アルプスの山並みや、勢いよく流れる美しいジェッソ川を、目で楽しみながら、食事をすることができました。

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 昼食後は、サンタンナ・ディ・ヴァルディエーリ(Sant’Anna di Valdieri)村のホテル(記事はこちら)に戻って、部屋で一休み。それから、村のライ麦生活・環境博物館(Ecomuseo della Segale)を訪ねました。博物館の名と内容を示す絵が、写真右手の家の壁に見えますが、博物館があるのは、写真左手の建物です。

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 ライ麦(segale)は、冬は深い雪に覆われる寒さの厳しい土地でも、育てることができるため、この地域では昔から村人が協力して、栽培・収穫し、大切な生活の糧となっていました。この生活・環境博物館では、ライ麦の歴史やその農耕に使われた道具を始め、ライ麦とライ麦にまつわる村人の農作業や暮らしについて、さまざまな興味深い展示がありました。

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 ライ麦を育て、収穫し、脱穀する作業の映像を見て、厳しい労働に、女性も参加していたのを知って、驚きました。ライ麦は、パンの外にも、ビールを作るのにも使われ、その麦わらは、帽子や椅子、ミツバチの巣箱など、さまざまな生活用品の素材としても、活躍しました。

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 ライ麦のわらは、この地方で、古来家の屋根として使われており、村の周辺には、こうしたわら屋根の家の集落の跡が、今も残っています。

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Tetti Bartola/Tait Bartòla (1054m)

 この博物館のあるサンタンナの村には、今は住む人のない古い集落を訪ねて歩く散歩道があります。散歩道には、ところどこどに、地方の自然の特色やかつての暮らしを説明する看板がありました。1054mの高みにあるこの集落、Tetti Bartolaには、20世紀初頭には、まだ70人ほどの村人が暮らしていたそうです。最後に残った女性が村を後にしたのは、1960年。下方にある村からは離れているために、ライ麦やマメ、野菜などを栽培し、自給自足で生活をまかなっていたということです。

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 集落のはずれには、村人が共同で使っていたと思われる窯がありました。案内には、「パンを焼くのに必要な釜が集落に一つしかないことから、人々が互いに譲り合い、協力し合ういい関係にあったことが分かる。」と書かれています。

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 さらにひたすら山を登って、博物館や宿泊先のホテルのあるサンタンナの村が、こんなに小さく見えるところまで、たどり着きました。これが、二つの集落を結ぶ道の最高地点(1280m)です。道は、ここから、ようやく下り道になります。

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 すばらしい見晴らしや花に励まされながら、果てしなく続くように見える道を、歩いて行きます。

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Tetti Barlau/Tait Bariao (1190m)

 午後4時半にサンタンナ村を出発し、二つ目の集落、Tetti Barlau (1190m)にたどり着いたのは、午後7時頃でした。20世紀初頭には、まだこの集落に、30人余りの村人が暮らしていて、最後まで残った家族が村を去ったのが、1970年代の終わりだと、案内に書かれていました。

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 屋根や壁が崩れた家も多いのですが、こんなふうに、まだわら屋根や壁がしっかり残っていて、かつての暮らしの様子がしのばれる家もありました。ホテルでの夕食は、7時半からであり、疲れてもいたので、この後は、急ぎ足で山を駆け下り、午後7時過ぎに宿に到着しました。

LINK
- ghironda.com – Bar Ristorante Ciriegia Mercantour
- park.it – Museo della Civiltà della Segale

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-09-07 16:29 | Piemonte | Trackback | Comments(6)
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Commented by クロちゃん at 2011-09-08 07:06 x
なおこさん、おはようございます。♪
素敵な景色を眺めながらの食事。古の道と、興味をそそらせる雰囲気です。
みどころ満載の旅ですね。(^^)/
Commented by ムームー at 2011-09-08 09:19 x
なおこさん素敵な所ですねぇ~
藁屋根の集落のあとがあるなんて素晴らしいです、藁屋根は
日本独特のものだと思っていました。
釜があったり生活していた様子がわかり興味がありますわ。
集落が見える景色って好きなんですよ、ここではどんな人が暮らしどのような生活をしてるのか考えるだけで楽しいですね。
Commented by Yuka at 2011-09-08 12:25 x
本当に合成のように素敵な景色ですね。係りの人が病欠で閉園とは何とも残念ですが、植物園に入らずともといった壮大な景色でうらやましいです!
Commented by milletti_naoko at 2011-09-08 15:04
クロちゃん、おはようございます♪
晴れた日はとにかく眺めがよく、山も川もとりわけ美しく見えて、うれしかったです。この古の道、集落までの長く急な登り坂を、かつては村人が何十キロもある重荷を背負って歩いていたとか。
Commented by milletti_naoko at 2011-09-08 15:15
ムームーさん、つい半世紀前までは、人々が暮らしていたのに、今はだれも住まないこういう集落を、山を歩いていると、時々見かけます。かつては、馬やロバに乗り、あるいは長いことあるいて移動し、電気や水道がなくても生活できていたのに、文明化が進むと、高い山の中にあり、車道から遠く、電気・水道がないため、住む人がいなくなってしまったのです。でも、イタリアのわら屋根の家は、このピエモンテで初めて見かけました。ライ麦の博物館には、ほかにもわらを使った生活用品がさまざまあって、貴重な素材をできるだけ使っていこうという暮らしの知恵が感じられました。
Commented by milletti_naoko at 2011-09-08 15:19
ゆかさん、この日はそれは天気がよくて、日光が強く、手前と後方で日光の当たり方が違ったので、確かに合成写真のように見えますね。この日、植物園に行ったのは、前日に長時間山を歩いていて疲れていたため、夫が「植物園を訪ねるのは晴れた日の朝が理想的」と言ったからなのですが、残念ながらこの日は閉園で、翌日雨の中を訪ねることになりました。でも、晴れた空の下では、何もかも眺めがすばらしかったです。
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