ベファーナが来る!

 明日、1月6日は、カトリック教で主顕節(Epifania)の祝日であると同時に、ホウキに乗ったおばあさん、ベファーナ(Befana)が、よい子に靴下いっぱいのお菓子を贈ってくれる日でもあります。

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 というわけで、我が家でも姪っ子たちのために、こんなかわいらしい靴下につまったお菓子を用意しました。お菓子を食べたあとは、愛らしい動物つきの靴下を、足に履いて、暖かく過ごすことができるというすぐれものです。

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 裏には、かわいい星型のすべり止めまでついています。

 ところが、学校が休みなので、今日も我が家の階下にある義父母宅を訪れた姪っ子たちが、明日は他の親戚の家に行くので、うちには来ないと言うではありませんか。しかも、日曜日も用事があって、来られないとか。ベファーナが来るのは今晩のはずなので、今日は靴下を渡せません。贈るのは、かなり先のことになりそうです。

 「今日うちに帰ったら、靴下を準備しなきゃ。」と姉娘。トーディの自宅では、明日の朝にちゃんと靴下いっぱいのお菓子を受け取れるはずです。

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 1月6日は、前の晩に靴下を用意してぶら下げておくと、子供たちの住む家をベファーナが訪れ、いい子にしていればお菓子を、悪い子だったら木炭を、靴下にいっぱいつめるのだ、と子供たちは聞かされています。

 どうもクリスマスのサンタクロースと話が似ているなと思った方もいらっしゃることでしょう。最近でこそ、アメリカ文化や広告を通して、「クリスマスには、サンタクロースが子供たちに贈り物をする」と教える幼稚園や親も増えてきたようですが、たとえば、リミニの友人は、幼い頃、贈り物はベファーナからだと信じていたそうです。また、ウンブリアでは、「クリスマスの贈り主は幼子イエス(Gesù bambino)」だと聞いて育った人が大勢います。かつては、同じイタリアでも、地方によって贈り主や贈り物を受け取る日が違っていたのに、最近では、アメリカ文化や商業主義の影響で、贈り主はサンタクロースと画一されていきつつあります(リンクはこちら)が、幸い、ベファーナの贈り物は1月6日であるため、ベファーナはサンタクロースと共存しています。

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 では、なぜベファーナは、子供たちにお菓子を贈るようになったのでしょうか。中でも有力なのは、次の説のようです。

 幼子イエスに贈り物を運ぼうと、旅を続けていた東方の三博士が、道に迷って、老婆に道を尋ね、一緒にベツレヘムまで来てほしいと頼んだものの、老婆は依頼を断ります。あとで後悔した老婆は、かごに菓子をつめて、博士たちを探しましたが、見つけることができません。そこで、老婆は、道で出会うすべての子供たちに、幼子イエスがその中にいることを願いながら、菓子を贈るようになりました。(詳しくはこちら

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アメーリア郊外の修道院の常設プレゼーペ 29/1/2010(記事はこちら

 この東方の三博士が、長旅の末に、幼子イエスのもとを訪れ、礼拝した日を記念するのが、1月6日の主顕節(Epifania)で、この日がイタリアで国民の休日となっているのは、そのためです。Epifaniaという単語は、「(神の人前への)出現」を意味するギリシャ語、エピファネイアを語源としているのですが、老婆の名前、Befanaも、この同じギリシャ単語を語源としています。

 イタリア語は、俗ラテン語が、長い歳月の間に発展・変容を遂げてできた言語ですが、母体となるラテン語には、ギリシャ語からの外来語が多く、また、古典ラテン語から俗ラテン語へと変容を遂げる過程で、語頭の母音が欠けたり、pの子音がbやvに変わったりする現象は、数多く認められています。

 それはさておき、今日は、YouTubeで見つけた、楽しいベファーナの歌をご紹介します。



 この歌を、メルマガ第72号でイタリア語学習教材として取り上げて、問題や訳、解説も添えていますので、興味のある方はご覧ください。(リンクはこちら)昨年は1月5日の晩に、子供たちの前で、夫が書き下ろしたベファーナ物語の劇を上演したのですが、上述のメルマガには、その劇の脚本と日本語訳へのリンクも付してあります。

 昨年末、Luciana Litizzettoが、テレビ番組中に読み上げたサンタクロースへの手紙の中で、「ひどい政治を行った政治家たちには高い罰金を贈りましょう。」と言っていました(下記リンク参照)が、今の政界には、ベファーナから木炭しかもらえないような困った政治家が多いのが、残念です。

LINK
- Wikipedia日本語版 - 公言祭(主顕節)
- Cado in piedi – La Litizzetto scrive a Babbo Natale: porta nuove labbra alla Santanchè - video

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-01-05 15:07 | Feste & eventi | Trackback | Comments(6)
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Commented by ぷー at 2012-01-06 05:54 x
なおこさん、あけましておめでとうございます!
ベファーナの靴下、こんなにたくさんの種類が売ってあったんですね。知らなかった〜。
この時期にナポリの実家に滞在すると、義両親が夜中に私たちの枕元にお菓子ギッシリの靴下を未だに置いてくれます。もう40に近いのに〜。かわいいでしょ。うふふ〜。
後でLuciana Lizzettoのビデオ、夫と一緒に見てみますね。
Fazio の番組ですよね。わたしたちもよく見ますよ。
こういう、政治、政治家、宗教を風刺するコメディアンって、欧米には多いけど、日本ではウケない種類のお笑いでしょうか?
日本で今こういう風刺をすれば、イタリアに負けないくらいの数の政治家が槍玉に挙げられることでしょうね。
お気楽に日常をブログにすることしか出来ませんが、日本もイタリアも、どうにか、もっとよい状態に変わって欲しいと、実は毎日ギリギリしていまーす。

なおこさん、今年もよろしくお願いします!
Commented by milletti_naoko at 2012-01-06 07:34
ぷーさん、あけましておめでとうございます! お義父さんとお義母さんから、靴下の贈り物なんてうらやましい! それにお二人の気持ちが何だか温かいですね。久しぶりに帰って来てくれたのがうれしくてたまらないのでしょう。
"Che tempo che fa"も"Ballarò"も、後の部分はともかく、「LitizzettoとCrozzaが登場する部分だけは絶対見逃せない!」と、火曜と日曜の晩は9時10分前からテレビ前に陣取っているわたしです。こういうお笑い、日本でもあればきっと受けると思うのですが、テレビ局の方が、政局から圧力がかかって流せないのかもしれませんね。日本にもイタリアにも国にしっかりしてもらいたいものです。モンティ政権、わたしはまだまだ期待しています。
ぷーさん、こちらこそ、今年もよろしくお願いしますね。
Commented by ムームー at 2012-01-06 10:07 x
なおこさんおはようございます。
ホウキに乗ったおばあさんは色々なお顔に色々な服を着ていますね。
靴下にお菓子可愛いですね、子供達は嬉しい日なんですね。
どちらの国も政治家たちの悪行、取り上げて欲しいですわ。
もみ消したりは常套手段なんですよねぇ。
Commented by かや at 2012-01-06 21:52 x
こんにちは☆
ベファーナ・・・知らなかったんですけど、靴下にお菓子を詰めるということで、やはりサンタクロースを連想しました。
日本では靴下にプレゼントという話も最近は聞かなくなりましたが、おそらくプレゼントのオモチャに大きなものが増えたためなのかもしれません。
ただ、赤い靴にお菓子の入った菓子箱(?)はクリスマス前になるとスーパーマーケットなどで売られてはいます。

サンタクロースからプレゼント、ベファーナからお菓子と、両方もらえたほうが嬉しいでしょうね。
凸d(^ー^)pochi
Commented by milletti_naoko at 2012-01-07 00:51
ムームーさん、こんにちは。世界中のどこでも赤白一色のサンタクロースと違って、ベファーナの場合、確かに描く人それぞれが自由に想像力を働かせられるところがいいですよね。
思いがけず、今朝は夫からチョコレート・コイン入りのかわいいベファーナ人形を贈ってもらい、ミサのあと、教会で売っていたお菓子入りのおしゃれな靴下を買って、お義母さんに贈りました。
現代の日本やイタリアで、水戸黄門や暴れん坊将軍が活躍してくれたなら!
Commented by milletti_naoko at 2012-01-07 00:53
かやさん、こんにちは。
イタリアの子供たちにとっては、クリスマスにベファーナ、日本の子供たちにとっては、クリスマスにお年玉。この時期は子供には楽しみが多いですよね。

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