かみは長い友だち

 車でスーパーに買い物に行ける今でこそ、トイレットペーパーを買うのは、そう問題ではありませんが、かつて学生として、ペルージャの中心街のアパートに、自分ひとりで、あるいは他の人たちと一緒に暮らしていたときは、買い物時にひどくかさばるので大変でした。学生とは言え、買い物に行く時間は惜しいもので、たくさんの食料品と一緒に買ったり、できるだけロール数の多い商品を買ったりしていたため、トイレットペーパーが、よけいに荷物になったわけです。それでも、買いに走る回数が少なくてすむようにと、以前は、10個入りの商品を安売りを利用して購入することが多かったように覚えています。

 それが、ペルージャで、3軒目の共同アパートに暮らし始めてから、ロール数が多ければ、長く使えるものではないということを、学びました。女性が4人、一人ひとり個人部屋(camera singola)を持って住む、この共同アパートには、それはそれは、しっかりとやりくりをするプッリャ出身の社会人女性が一人いました。バリッラ(Barilla)のパスタが、あるスーパーで割引、というときには、お一人様10箱までなら、その10箱まで、お得な値段で買い置きをする彼女からは、教わった暮らしの知恵がいろいろあります。トイレットペーパーやボイラーの点検料金など、全員が利用するものについては、費用を分担していたのですが、このアパートに長く暮らす彼女は、いろいろなメーカーの、さまざまなロール数入りのトイレットペーパーを購入しては、それぞれがもつ日数を記録して、なんと、10個入りのロールペーパーよりも、四つ入りの太巻きのものの方が、はるかに長く使えることを発見したのです。そう言われて、見比べてみると、ロール数の多いものは、ロールが小さいことは当然として、芯も太く、紙がかなりゆるく巻いてあります。逆に、ロール数が少ないものは、紙がきっちりと、しかも分厚く巻いてあります。

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 このあと、引っ越して、小さな小さなワンルームのアパート(monolocale)に、一人で暮らし始めてから、いろいろなメーカーのこの手のトイレットペーパーを試してみて、長く使える上に、値段もお得なのは、こちらのRotoloni Reginaだという結論に至りました。下にはイタリア語で、「普通のロールの2倍以上の長さ」(意訳です)と書かれていますが、実際、大割引だったので購入した10個入りのロールペーパーよりも、4ロールのReginaの方が、ずっとずっと長持ちしました。Reginaは、イタリア語で「女王」を意味します。トイレットペーパーの女王ということでしょうか。

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 このRotoloni Reginaを生産する企業は、WWFの環境保全運動を支援しています。そのためか、外装についているシールを一定数集めて送ると、全員に、環境に優しいプレゼントがもらえるようなキャンペーンを、時々実施していります。集めたシールが多いほど、いい品物がもらえるのですが、このトイレットペーパー、あまりにも長続きするため、短いキャンペーン期間中は、一番小さい品物がもらえる6枚だけしか、たまったことがありません。去年は、たとえば、シール6枚と引き換えに、太陽光で充電できるミニライトを、受け取りました。(上の写真)

 現在、イタリアで放映中の、このトイレットペーパーの広告が、それは楽しいので、YouTubeのリンクをご紹介します。30秒あまりのごく短い広告で、イタリア語は、宣伝文句が一瞬画面に現れるだけなので、イタリア語がまったく分からなくても、楽しんで見ることができます。



 タイトルも、瓶に入れて海に託されるメッセージ、「Message in a bottle」をもじって、「Message in A Roll」(ロールの中のメッセージ)とするなど、遊び心が感じられます。情報として添えられた英語の一文、「(今の)王子たちは、昔の王子たちとは違います。」もいいし、何より、コマーシャルの映像全体が、最近、ディズニーの映画にもなった、『グリム童話集』の童話、『ラプンツェル』の、いいパロディになっています。(映画については、下記リンク参照)

 わずか14秒のこちらの続編も、とてもいい味を出しています。



 こちらも、言葉が分からなくても、十分に楽しめます。広告中唯一の言葉は、最後に入る宣伝文句、「決して終わることがない。」(Non finiscono mai.)だけです。頼りにならない王子にはやきもきしますが、ひとりで塔から脱出してしまえるお姫さまがいい。

 ちなみに、イタリア語で、トイレットペーパーはcarta igienicaで、直訳すると、「衛生用の紙」です。ところ変わると、品物の呼び方も変わるのが、おもしろいです。

*追記(1月24日)
 この記事の題では、Reginaの広告とラプンツェルの話を念頭に置きながら、「紙」と「髪」をかけている(和歌で言う「掛詞」)のですが、題そのものは、かなり昔の日本の育毛剤の広告から思いついたものです。わたし自身が幼い頃の広告で、若い方にはご存じない方もいることと思いますので、以下にYouTubeで見つけたコマーシャルの映像を載せておきます。わたしが覚えていたのは、二つあるうち、後半の広告(30秒目以降)です。



LINK
- 「映画、『ラプンツェル』」(ディズニー映画、『塔の上のラプンツェル』を見た感想)
- 『Rapunzel - L'Intreccio Della Torre』(イタリア語版の映画DVD)
- 『塔の上のラプンツェル』 (日本語版の映画DVD)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-01-24 13:15 | Altro | Trackback | Comments(6)
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Commented by かや at 2012-01-25 03:43 x
こんばんは☆
日本では、近年、ティッシュペーパーの箱詰め商品の箱1つ1つがだいぶ薄くコンパクトになってきましたよ。
中身を圧縮して入れることで、同じ量でも箱が小さくなり、お客さんも買いやすい、というわけです。
でも、トイレットペーパーは相変わらずのような気がします。昔よりは1ロールの量は増えているのかもしれませんが…。1ロールで従来の2倍とかっていうのは見たことがないです。
1ロールの量が2倍なら場所を取らずに済みますし良いですよね。
CMも面白いですね。

凸d(^ー^)pochi

Commented by koba at 2012-01-25 13:04 x
絶妙の組み合わせですね。衛生用の紙とミニライト。最近のエコで一定の時間が経つとトイレの照明が切れる所に出会います。最初はあわてましたが?その後からミニライトを携帯するようになりました。いろんな場所で役に立ちます。尚、落とさないように長い紐もつけてます。
最近の日本では、究極のトイレが多く、使用前使用後全自動ですね。頭髪はかつらの宣伝が多いですね。いずれも贅沢の限りに思えます。頭髪は輸入し電力の元も輸入ですしね。需要があるということでしょうね。
Commented by ゆん at 2012-01-25 14:19 x
なおこさん、こんにちは~^^

トイレットペーパーも奥が深いですねえ。
ロール数が多ければいいってもんじゃないですよね。主婦としては非常に興味深いお話です^^ それにしても、使える日数をチェックした女性、凄いなあ。近くにいたら、私も色々教えてもらいたいです。

CMも全部拝見しましたよ~ 面白いですね。

髪は長~い友達です、私 このCMで髪の漢字を覚えました^^
Commented by milletti_naoko at 2012-01-25 16:14
かやさん、こんばんは。箱詰めのティッシュパーパーって、便利ですよね。日本ではどのスーパーにもあるのに、イタリアでは見つからず、あればいいのにと思う商品の一つです。ティッシュペーパーもこちらでは紙がぶあつく固いので、鼻をかむとき、鼻に優しくないんですよね…… ティッシュペーパーの箱まで、どんどん小さくなっているんですね! やっぱり家に一定数備える必要がある品は、かさばらない方が、買うにも置き場所を見つけるにも便利ですよね。

応援のポチをありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2012-01-25 16:25
kobaさん、実は、2年ほど前に、Reginaのポイント・シールと引き換えにもらったのは、小さな小さな携帯用のミニライトだったんですよ。小さいのに明るくて重宝しているのですが、肝心な部分ではないものの、チェーンなどに通せる部分が壊れてしまって、残念です。日本の究極のトイレについては、家庭用のものでも、イタリアの友人で、感動して、その最先端ぶりを、日本旅行のドキュメンタリー映画で紹介した人さえいます。使用前使用後全自動とはすごいですね! こちらでも時々自動化されたトイレがあるのですが、照明は、まだ必要なうちに消えてしまって困ることが多い一方、水洗のしくみが分からず、立ち往生してしまうことが時々あります。手を洗う水も、手をかざしていいのか、上から押せばいいのか、はたまた、下にペダルがあるのか、とまどったり…… 特に店や空港のトイレは、飛び込みで使う人もいるのだから、見てすぐ使用法が分かるようなデザインにしてほしいものです。話がそれましたが、照明が切れたとき用にミニライトの携帯とは、これも生活の知恵ですね。
Commented by milletti_naoko at 2012-01-25 16:31
ゆんさん、おはようございます! イタリアの商品に関しては、ロール数が多ければいいものではないと分かったのですが、日本の商品では、また事情が違うかもしれませんね。

「髪は長~い友達」、日本の高校で国語を教えていた頃は、「昔こんなコマーシャルのフレーズがあってね」と言いながら、「髪」という漢字を教えていました。「長」とは少し形が違うので気をつけるように、と注意しながら。もう20年も前の幼い頃の広告なのに、フレーズも、それがどう発音されたかも、しっかり頭に残っているのがすごいですよね。このYouTube映像のコメントを見たら、声が永井一郎さんだと書かれていて、またびっくり。ガンダムのナレーター、さざえさんの波平さんの声を担当された方が、こういう仕事もされていたとは!
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