イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

かじかむ手足もZazで躍動

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 今週は、イタリア全体が冷凍庫化しつつあります。ペルージャでは、今日も1日中、ほとんど絶え間なく雪が降り続けています。

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Perugia 4/2/2012 13.55

 日中は暖房をつけていることが多いものの、我が家の集中暖房システム、termosifone(下記リンク参照)の暖房効率は今ひとつで、朝起きると室温が13度前後という日が続いています。そういうわけで、最近は朝も数時間、暖房を入れるようになったのですが、昨日はふと気づくと、家じゅうのラジエータが冷たくなっています。日本と違って、修理に頼んでも、すぐに来てくれるわけではないので、週末に向かって、ますます寒くなるというのにどうしよう、と慌てました。

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 それで、家事をあれこれ片づけていけば、体も温まり、家の中も片づいて一石二鳥とばかりに、掃除を始めました。そのとき、せっかくだからと、前日届いたフランス語学習副教材キット、第2弾のCDたちの中から、1枚選んで聞くことにしました。

 それが、こちらのZazのアルバム、『Zaz』なのですが、1曲目を聞き始めたとたんに、まったく知らなかったこの歌手とその歌に、すっかり魅かれてしまいました。同じアルバム内でも歌によって、メロディーや歌い方が違って変化を楽しめる上、どの歌もテンポがよくて、声に伸びと張りがあって、リズムや演奏も本当にすてきなんです。まだフランス語は勉強を始めていないので、言っていることはさっぱり分からないのですが、聞いているだけで、何だか体じゅうにエネルギーがわいてきて、踊り出したいような気分になります。というわけで、以後は寒さも忘れて、歌を聞きながら、音楽に乗りつつ、家事を片づけていきました。


 耳から聞いても分からないのに、たとえばこの歌の題、『Les Passants』を見て、意味はイタリア語だとle passantiだろうと推測がつくのが、姉妹関係にある言語を学ぶありがたみかと思います。

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Appunti della lezione della Filologia romanza 14/5/2004

 大学の授業で、俗ラテン語から、どんなふうに発展・変容を遂げて、ロマンス諸言語に変わっていくかを学んだとき、フランス語もラテン語も知らないわたしはとても困ったのですが、今は、そのときに学んだ知識、たとえば、「俗ラテン語からイタリア語に変容する過程で、語末の子音が脱落した」とか、「フランス語はロマンス諸言語の中でも、進化の著しい言語であって、母音の変容がはなはだしいために、つづりと発音の不一致が激しい」とかいう知識が、フランス語の学習に役立ってくれるはずだと、確信しています。教えてくださった先生は高齢で、疲れるからか、授業中、フランス語やラテン語の単語に言及するときも、立ち上がって板書をされることはまれでした。その上、試験勉強のために家で勉強しなければいけない本の中には、フランス語で書かれた論文をいくつも含むものさえあったのです。この授業を受けたのは2004年で、上の写真は、授業用のわたしのノートです。写真を撮るために、ページをめくりながら、「読み返したら、フランス語の勉強のヒントが見つかりそうだ」と思いました。

 日本のアマゾンのサイトには似たCDが多いのですが、わたしが買ったのと同じ曲が収録されているのは、アメリカからの輸入盤です。

 わたしはアマゾンイタリアのサイトで、フランス版を、12.16ユーロで購入したのですが、今記事を書くために、再びサイトを訪れると、同じCDが13.83ユーロに値上がりしていました。

 というわけで、昨日からアズナヴールは早くもお箱入りとなり、Zazばかり聞いて、楽しく家事作業に勤しんでいます。歌自体、Zazの方にずっと魅かれる上、フランス語も内容はさっぱり分からないものの、言っている言葉が音声として聞き取りやすいのです。夫は早くも耳にタコができ始めたようでありますが…… 

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Perugia 4/2/2012 16.25

 ちなみに、心配していた暖房なのですが、帰宅した夫が見に行って、すぐに暖房が入るようにしてくれました。どの部屋のラジエータも、下の部分がなぜか冷たいままなのですが、とりあえず家は温めてくれるので、助かりました。

CD情報へのリンク / LINK per i dettagli del CD, "Zaz"
- Amazon.co.jp – Zaz (Import, From US)
- Amazon.it – Zaz

関連記事へのリンク / Link per gli articoli correlati
- 窓が涙を流す日は / Quando piangono le finestre (termosifoneとは)
- 今年はパリとフランス語 / Nel 2012 studierò il francese! (25/1/2012)
- 赤い彗星と地球規模化 / Charles Aznavour (シャルル・アズナヴールでフランス語に耳慣らし)(31/1/2012)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by クロちゃん at 2012-02-05 07:00 x
なおこさん、おはようございます。♪
そうそう、冷蔵庫じゃなくて冷凍庫がぴったりの表現です。(*^_^*)
秩父の我家の朝は氷点下8℃~9℃が続いています。
ついに昨日はトイレの水まで凍ってしまいました。
私も冷凍庫の中で暮らしています。(^^)/
Commented by bianchi_saitoh at 2012-02-05 14:21 x
なおこさん、Zazの曲歌詞はまったく分かりませんが出だしでポルトガルのファド?のような哀愁感がありましたがバックはイスタンブールのような・・・。

フランスの歌手でクレモン・ティーヌがここ何枚かのアルバムで日本のアニメをカバーしたのを発表してます。
ボサノバっぽい曲調でバカボンの曲は日本でCMでも流れてました。
もし日本のみならアマゾンJPからなら手に入るかも・・・。
結構いい曲ありますよー!
Commented by yuzuko at 2012-02-05 16:29 x
なおこさん、こんにちは。
ZAZ、初めて聞きました。
なんでもつい最近まで、パリのモンマルトルでストリートミュージシャンをしており、エディット・ピアフを中心に歌っていたとのこと。
唄のノリというか、声もエディット・ピアフに近いように思ってしまいました。
フランスでのピアフは、日本では、美空ひばりといったところでしょうか。
歴史に残る名歌手。
フランス、そしてイタリアと、オペラ、POPS、ジャズ、ミュージカルなどあらゆるジャンルで、層の厚さを感じます。
雪とシャンソン。
これまたいいですね~~~

Commented by milletti_naoko at 2012-02-05 20:20
クロちゃん、こんにちは。それはまた寒いですね。トイレの水まで凍るなんて! 家の中までそんなに寒いのかと心配です。こちらでは、水曜・木曜の最高気温が零度で、以後少なくとも、最高気温だけは氷点下ではなくなりそうなので、早く寒さが去ってくれますようにと祈っています。雪景色はきれいなので、見ていてうれしいのですが、道路も凍結しがちなので、喜んでばかりもいられません。どうかお風邪などお召しになりませぬよう。
Commented by milletti_naoko at 2012-02-05 22:15
bianchi_saitohさん、わたしもファドに似たメロディーの曲があるなと感じました。歌だけを収録したYouTubeの映像がなかなか見つからず、景色がフランスではないのですが、きれいなので、まあいいかなとリンクを載せました。そう、わたし、実はCDを選ぶときに、真っ先に日本で売れているフランスの歌手やアルバムを、日本のアマゾンで確認しました。対訳があったり、『紅の豚』の歌があったり、あるいはアニメのシャンソン・バージョンがあったりと、本当に、魅力的な商品は多いですよね。ただ、アマゾン日本からイタリアに取り寄せると、送料が高い上に、通関税が高く、イタリアではさらに受け取り時に、通関手数料を払う必要があるのです。いつかまた日本に帰ったときに探してみたいと思います。
Commented by milletti_naoko at 2012-02-05 22:18
Yuzukoさん、わたしが買ったCDの中には、実はエディット・ピアフの1枚もあるんですよ。日本の美空ひばり……亡き母が大ファンでした。聞いて見るのが楽しみです。ジャズやオペラ、ミュージカルまで手がけるとはすごいですね。わたしが取り寄せたのは、シャンソンの名曲集です。雪にシャンソン、確かにいいとりあわせですね。
Commented at 2012-02-07 07:17 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2012-02-07 17:00
鍵コメントの方へ
ありがとうございます。すてきな映画のようですね。イタリアでも公開されて、DVDがあるかどうか、調べてみたいと思います。そちらも、すてきな1日を!
by milletti_naoko | 2012-02-04 19:37 | Francia & francese | Comments(8)