大好きDon Matteo

 わたしも夫も、テレビをそれほど見るほうではないのですが、Don Matteoシリーズだけは、この数年、毎回楽しみにして、見逃さないようにしています。

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Immagine da “Gubbio nei luoghi di Don Matteo”

 主人公は、カトリック教の神父、ドン・マッテーオ。ドン(Don)は、イタリア語で、神父の名前につけて呼ぶ敬称です。黒に身を包み、ボクシングもチェスも強く、何でもできるドン・マッテーオが、グッビオの町で起こるさまざまな事件を、解決していきます。

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Palazzo dei Consoli, Gubbio 21/11/2009

 舞台となるグッビオ(Gubbio)は、ウンブリア州の誇る、歴史ある美しい町の一つです。『ドン・マッテーオ』シリーズを見るたび、町並みや風景があまりにもきれいなので、時々、番組の景色に誘われて、ペルージャから車で1時間ほどかかるグッビオの町に繰り出しては、散歩を楽しみます。

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Gubbio 21/11/2009

 シャーロック・ホームズであれば、レストレード警部にあたる警察の面々、教会でドン・マッテーオを助けるナタリーナやピッポなど、皆それぞれに個性豊かで人間味にあふれ、すぐに何かしでかしてくれるので、見ていて飽きません。

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Gubbio 19/9/2010

 そして、ドン・マッテーオが苦境に陥った人や罪を犯してしまった人を、励ましたり戒めたりするために口にする言葉に、はっとすることがしばしばあるのです。ドン・マッテーオ自身の言葉であったり、古人や書物からの引用だったりするのですが、この言葉が心に響くことが多くて、それが、わたしがこの番組が好きな理由の一つだと思います。

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Chisa di San Giovanni Battista, Gubbio 19/9/2010

 グッビオは、10年前にも、当時通っていた語学学校の旅行で訪ねたことがあるのですが、ドン・マッテーオを見始めてからは、ドラマに出てくる建物や場所が目に入るたびに、うれしくなります。たとえば、こちらの教会は、ドン・マッテーオが教区司祭を務める教会で、ドラマにも頻繁に登場します。ただし、ドラマの撮影では、外部にはこの教会、内部を撮影するときには、他の教会が利用されているそうです。

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Palazzo Pretorio & Piazza Grande, Gubbio 19/9/2010

 一方、こちらは、ドラマで警察署として使われている建物です。撮影したときは、夕日を浴びて、建物が茜色に染まり、その向こうに、白い月が小さく見えていました。ドラマには、この広場もしばしば登場し、パトカーが乗りつけたり、ドン・マッテーオが自転車で走ったり、バールの前でドン・マッテーオと相棒(?)の警察官、チェッキーニ准尉がチェスに興じたりしています。

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Palazzo dei Consoli & Piazza Grande, Gubbio 19/9/2010

 このドラマの最新シリーズ、第8シーズンである『Don Matteo8』が終了したのは、昨年12月のことです。

 では、なぜわたしが、今頃ドン・マッテーオの記事を書くのかと言うと、先月、夕方仕事から帰って、ソファーに座り、テレビを見ていた夫が、偶然、その数分後から、ドン・マッテーオの第1回シリーズ、『Don Matteo』の第1話が放映されることを発見したのです。わたしも夫も、このシリーズを見始めたのは、つい2、3年前の話で、初放映2000年の第1回シリーズは、見たことがありませんでした。それで、わたしも食事のしたくを放り出して、テレビの前に座り、二人で仲よく並んで見始めました。すると……

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Panorama dalla Piazza Grande, Gubbio 19/9/2010

 ドン・マッテーオが、神父として初めてグッビオを訪れたときの様子や、他の主な登場人物との出会いが興味深いのはもちろんのことですが、10年以上前の撮影だけあって、誰もかれも本当に若いことや、まだリラが使われ、公共の場所での喫煙がまだ禁止されていないことに、新鮮な驚きを感じました。

 以来、毎週月曜から金曜にかけて、毎晩放映される『Don Matteo』を、できるだけ見るようにしています。たとえ見逃しても、翌日の昼の時間帯に前夜と同じ回の再放送があります。チャンネルは地上デジタル放送のRai Premiumで、毎日毎週微妙に変わる番組の時間帯は、Raiの番組案内表(リンクはこちら)で確認することができます。

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Teatro Romano, Gubbio 19/9/2010

 最新シリーズでは、チェッキーニ准尉は、自分からドン・マッテーオからヒントをもらおうと近づいていくのですが、この第1回シリーズでは、ドン・マッテーオが、「職業上の秘密だ」としぶる警察側に、「無実の教区民を救おう」としつこいくらい食い下がっていくなど、いろんな点で、登場人物の人間関係や力関係が、長年の間に変わっているのがおもしろいです。

 興味があれば、皆さんもぜひご覧ください。おととし発行したメルマガ第26号(下記リンク参照)では、次の『Don Matteo7』の予告映像を、イタリア語学習教材として利用しています。



参考資料・リンク / Riferimenti bibliografici & web
- AA.VV., “Gubbio nel luoghi di Don Matteo”, Grafiche Diemme, 2006.
- Gubbio – Turismo e Cultura(グッビオ観光情報)
- Gubbio – Gubbio nei luoghi di Don Matteo(町のすてきな写真がいっぱい)
- it.wikipedia – Don Matteo
- Rai Premium – Guida film e programmi

関連記事へのリンク / Link per gli articoli correlati
- グッビオに鐘響く / Gubbio, giorno prima dei Ceri
- なぜか人気の日本刀 / A Gubbio si vende la katana giocattolo!
- 思い出の学校1 / Urbania & Centro Studi Italiani
- イタリア語学習メルマガ第26号 「ペルージャ死者の市、Don Matteo7」 

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-02-06 16:28 | Umbria | Trackback | Comments(18)
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Commented by yuzuko at 2012-02-07 07:31 x
ボクシングもチェスも強い神父さん。人間味あふれる設定で、面白そうですね~
何年か前、ミラノに向かう飛行機の隣の席が、日本人の神父さまでした。
「余白の旅」を書かれた井上洋二神父(遠藤周作さんと深い親交を持たれた)のご友人というか、同僚?の神父さまでした。
「いや~~、井上くんは、酒好きでね~~~」とおっしゃりながら、行く間中、その神父さまは、ワインを飲んでいらっしゃり、
とても気さくな方で、神父さまのイメージが変わった想い出です。
Commented by ゆん at 2012-02-07 13:33 x
ドン・マッテーオ 初めて知りました。
刑事コロンボにシャーロック・ホームズ、ポワロにメグレ警視・・・海外の推理ものドラマは大好きでよく見ていましたから、もしこの作品を日本で見れたら、私もなおこさん同様にかじりつきで見てしまいそうです♪
動画も拝見しましたが、とっても面白そうです。
日本語音声で見てみたいなあ~
Commented by milletti_naoko at 2012-02-07 17:03
Yuzukoさん、飛行機の隣の方と、おしゃべりを楽しまれたとはすてきです。遠藤周作さんは好きで、何冊も読みました。そのお友だちのお友だちですから、きっとすてきな方だったのでしょうね。
Commented by milletti_naoko at 2012-02-07 17:07
ゆんさんも推理もの、お好きなんですね! わたしはホームズやペリー・メイスン、ブラウン神父が好きでよく見ていました。ドン・マッテーオは推理ものに、コメディー(時にどたばた)や人生訓、グッビオの町の魅力などが、いろいろからんでいて、昨夜も夫と笑いながら見ました。動画まで見てくださったんですね! イタリアブームに乗って、いつか日本でも放映されたらいいなと思います。
Commented by くみこ at 2012-02-08 03:45 x
私は逆に4年くらい前までは見ていたのですが、子供がTVを見るようになり、寝かせにいってそのまま寝ちゃったりするようになって最近は見てないんです。このドラマを見て、ここ行きたい!!とテロップでcomune di Gubbioという文字を見つけて、いつか行きたい!と思ったものです(まだ行けてませんが・・・)
友達のご主人が顔も性格も似てるので(会った事はないのですがブログで見て)勝手にドンマッテーオと呼んでます(笑)
Commented by ぷー at 2012-02-08 06:36 x
ああ、そういや最初はウフィチャーレの人が(テネンテでしたっけ?)、「だめだめ、ドン・マッテーオ。あなたには言えない」ってなノリでしたね。
放映最初の頃は時々見ていました。
「San Luca diceva...」というのが妙にツボに嵌ったりしていましたよ。「さすがイタリア。ドラマの締めの部分に聖人の訓話が来るのね〜」という感じで。
でも日本でもウケそうに思いますが、どうでしょう?
推理もの以外でも、イタリアのドラマで日本で当たりそうなのって結構あったように思うんですけど(何年か前、お金持ちの奥様ばかりが顧客の美容院を舞台に繰り広げられるドロドロドラマがありました。余りのtelenovellas ぶりに、「こんな馬鹿なの見るなっ」と夫に嫌がられ見なくなったので、最後はどうなったのか知りませんけど。美容院の主人は確かStefania Sandrelliでした)。
おっと、脱線しそうなのでこの辺で失礼しまーす。
Commented by ムームー at 2012-02-08 11:21 x
なおこさんこんにちは。
刑事コロンボ、ペリー・メイスンなどなじみの名前があって嬉しいですわ。
時代が変われば町並みや流行も違い楽しいですね。
笑いながら見れるなんて素敵ですねぇ~
Commented by milletti_naoko at 2012-02-09 02:27
くみこさん、そうですか! うちでは、もともとあまりテレビドラマは見ないのですが、夫がモンタルバーノのファンで、モンタルバーノがあるときだけは、毎回見ていました。数年前、ドン・マッテーオの存在に気がついたのは、ほんの偶然だったのですが、一度見てはまってしまいました。顔も性格もドン・マッテーオに似たご友人が、いらっしゃるなんて! 機会があれば、ぜひ一度、グッビオに足を運んでみてくださいね。
Commented by milletti_naoko at 2012-02-09 02:38
ぷーさん、「だめだめ、あなたには言えない。」と言うのはcapitanoで、それは今も昔も変わらないのですが、最初は「だめですよ~」と渋っていたmarescialloが、第1回シリーズの途中で、すでに逆に、ドン・マッテーオに助けを求めるようになっていく、その変容ぶりが、なかなか興味深いです。わたしはこの警察官たち、まじめで愛すべき人たちで、いい味出してるなと思って見ているのですが、実際に警察で働かれるぷーさんのだんなさんは、どんな思いでご覧になるのかな(見られないのかも)と、なんとなく興味深かったりもします。『ドン・マッテーオ』は、単なる推理物ではなくて、チェッキーニやナタリーナ、ピッポのようなずっこけ役がいたり、人情や人生訓がからんだりしていて、いわゆる推理物よりも、時代劇の『水戸黄門』に通じるものがあるような気がします。いろんな意味で幅広く楽しめるので、日本でもきっと受けると、わたしも思いますよ。おっしゃるドロドロドラマは、残念ながらしりませんが…… San Lucaに限らず、ふっと適切な名言が頭に浮かぶというのはすごいですよね。脚本を書く人の造詣もかなり深そうです。
Commented by milletti_naoko at 2012-02-09 02:42
ムームーさん、こんばんは。お~、ムームーさんも、コロンボやペリー・メイスンをご覧になっていたんですね! 刑事コロンボは、両親が見ていたのを一緒に見ていただけなのですが、それでも、「うちのカミさん…」という口ぶりを今もしっかり覚えています。ペリー・メイスンは2か国語放送を英語で聞いて、耳を鍛えようと思って見始めたのですが、かなりはまりました。テーマ曲が懐かしいです。推理ものなのに、笑いの要素があるって、不思議ですよね。笑わせたり、息を飲ませたり、感動させたり、内容がてんこ盛りなので、見ていて飽きないのだと思います。
Commented by gianca at 2012-02-09 21:35 x
私もDon Matteoが大好きでGubbioの街を訪れた事がありました。
街並みも好きで、クリスマスに訪れてみたいと思っているのですがなかなか機会に恵まれません。
Don Matteoがイタリア語教材っていうのはかなり楽しんで勉強できそうですよね。
Commented by milletti_naoko at 2012-02-09 23:47
giancaさんも、Don Matteoがお好きなんですね! Gubbioの町も風情があってすてきですよね。1日かけてゆっくり回るくらいの見所があると思うのですが、ペルージャからだと近いため、かえって日帰りになって、町の散策が中途半端になってしまうのが残念です。が、おかげで次にまた行く口実ができるのかな……?

ナタリーナの言うことはたまに聞き取りにくいことがありますが、基本的には設定がイタリア中部のウンブリアであり(夫に言わせると、でも、バールの主人がトスカーナ出身らしき俳優に演じられていたりするそうです)、イタリア全国出身の警察官が集まるカラビニエーリの警察署では、標準語が話されるので、イタリア語の教材としてはうってつけだと思います。Raiに持ちかけてみようかしら……
Commented by まいりく at 2012-11-25 20:23 x
子供のころテレンスヒルが大好きで、最近になってTVドラマで未だ活躍中と知り再燃中です・・・(笑) Don Matteo、日本語で見れないかなぁ。と探していたらこのブログに出会いました!
彼のイタリアでの人気はどんなモノなんでしょうか。。73歳にして未だカッコイイ・・・私はどことなく品のある2.5枚目っぷりが他の誰にも真似できない名優だと思うのですが、イタリアに住んでいらっしゃるとどう思われるのでしょうか。始めての書き込みでたいへん不躾ですね。すみません。
Commented by milletti_naoko at 2012-11-26 07:41
まいりくさん、はじめまして。テレンス・ヒルって、もう70代なんですね! ドン・マッテーオは何でもできて、心が温かく、強く賢く頼りになる神父さんです。テレンス・ヒルのファンや人気については知りませんが、ドン・マッテーオはとても人気があるので、これだけ回を重ねています。イタリアでは、他の俳優とペアを組んだどたばたアクション映画でよく知られているようで、たまにこういう昔の映画が、テレビで放映されています。わたしもドン・マッテーオ自体は大好きですが、あんまり俳優さんがどうとは考えたことはありませんでした。最近は、森林や動物を守る役で、別のドラマの主人公にもなっていたので、まだまだ現役ですよ。
Commented by まいりく at 2012-11-27 07:41 x
なおこさま。丁寧な返信をいただき、感激です。ありがとうございました!そうですか・・・活躍中とのこと本当嬉しいです。どちらもぜひ観てみたいと思います。となると、言葉の壁ですよね~。
イタリア語は美大時代に専行しましたが難しく挫折した記憶が・・・原語で見られるようにいつかはリベンジしたいですね(^^)。
ブログ、これからも観させていただきたいと思いますので大変だと思いますが頑張ってください!!
Commented by milletti_naoko at 2012-11-27 17:11
まいりくさん、どういたしまして。ドン・マッテーオシリーズも、現在、新シリーズの制作中とのことですから、テレンス・ヒルの活躍は、まだまだ続くと思います。ドン・マッテーオは、殺人などの事件が起きて、それを警察と協力して、ドン・マッテーオが解決するというふうに、話の筋が決まっている上、人物の行動パターンも毎回ほぼ同じですし、言葉があまり分からなくても、映像や人物の表情、言い方や身ぶりから、言っていることや話の内容を追いやすいと思います。家族や仕事仲間、友人どうしの会話もあれば、職場や公の立場での話もあるので、イタリア語の勉強にもなるはずです。

ありがとうございます。わたしの方も、もしまいりくさんがブログをお持ちなら、お礼も兼ねてご訪問しようと思ったのですが、二つともリンクからどこにも行けません。よろしかったら、次回は有効なリンクを教えてください。
Commented by まいりく at 2012-11-28 22:40 x
なおこさま
たいへん失礼しました。ブログはなく、しかしただ聞きたい衝動を抑えきれず(苦笑)メールアドレスでおくっております!!
今出演中のun passo dal cieloもスケールの大きい美しい画像で(you tubeのショートカットですけど)、TVで観れるなんて・・・いいですね(^^)=3。マッテーオもそれほど長く放映されているとは、よほど視聴者やスポンサーに恵まれているのだなと思います。そんなイタリアが魅力的に思えてなりません。5度ほど訪れていますが子供が産まれてからは渡伊出来ておらずで・・・。次行くときは、ぜひグッピオやドロミテも訪れてみたいと思います。
Commented by milletti_naoko at 2012-11-29 07:21
まいりくさん、そうですか! 残念ながら、メールアドレスにはリンクが飛ばないようです。『Un passo dal cielo』も風景がきれいですよね。イタリアではドラマと言うと、なぜか殺人も多い推理物の放映が、海外制作にせよイタリアのものにせよ多いのですが、ドン・マッテーオは、脇役に個性があって、ドン・マッテーオの人柄がよく、時々恋物語がからめてあったり、グッビオの町が美しかったり、いろんな点で楽しめるので、人気が高いのではないかと思います。シャーロックホームズに似て、殺人より推理に焦点が置かれているし、ああ、これはすらばらしいと思わず思うような名言を、さらりと口にするのも感動的です。新シリーズは本当は今年の9月からだったはずなのに、遅れているのですが、楽しみです。グッビオ、本当に美しい町ですよ。ぜひ訪ねてみてください。ドロミテも、もし夏に長い旅行ができるようであれば。
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