大地の恵みと招かれざる客

 昨日、3月13日火曜日の朝は、お義母さんが野菜畑で、青野菜を収穫し、わたしにも、こんなにたくさん、分けてくださいました。

f0234936_1143954.jpg

 左に見えるのはカリフラワー。イタリア語では、cavolfiore。今回は、青々としたみごとな外葉がいっぱいについているので、分かりにくいのですが、摘み立てのカリフラワーを見て、「白い花いっぱいのブーケみたい」と、感嘆することがよくあります。緑の外葉も、太い筋だけ取り除けば、青菜として、ゆでておいしく食べることができます。カリフラワーは、花も葉も一緒にゆでて、パスタの具にしたり、オリーブオイルと塩で味つけしたり、オムレツにしたりして食べます。カロリーが高くなりますが、花に衣をつけて、揚げてもおいしいです。

 右手に見える小さな青い葉は、カブの若葉で、これを、お義母さんはbloccolettiと呼んでいます。ホウレンソウと同じ要領で、さっと熱湯でゆでて、食べることができます。

f0234936_1153588.jpg

 味に癖がないので、わたし一人のときは、ゆでた青菜に、しょうゆをかけて食べるのですが(これで、かつお節さえあれば、言うことないのですが)、義家族は、カブの若葉に限らず、フダンソウ(bietola)でも何でも、青菜は、ゆでたあとに、オリーブオイルにニンニクで香りをつけ、炒めて、塩・こしょうで味をつけて食べるので、夫と二人で食事をするときは、夫の大好きなニンニク(aglio)をみじん切りして、炒めてから、食卓に出すようにしています。

f0234936_1162939.jpg

 昨日の朝、のんびりと台所で、前夜洗って乾いた食器を片づけていて、こちらの御仁を台所の壁に見つけてぎょっとしました。『みなしごハッチ』や『みつばちマーヤ』の影響かもしれませんが、わたしは蜘蛛(ragno)は苦手です。芥川龍之介の『蜘蛛の糸』は名作だと思うけれども、触るのも嫌です。

 うちの夫は、蜘蛛であれサソリであれムカデであれ、慈悲心に富むというか、富みすぎるというか、家の中で見つけると、かならずそっと箱に入れて、外に放してやります。その影響で、殺すのもどうかという気持ちと、下手に逃げられて、蜘蛛の行方が分からなくなり、びくびくしながら台所に入るのも嫌だという気持ちから、結局、そのまま、蜘蛛を放っておくことにしました。

 すると…… 蜘蛛さんと来たら、朝から、夕食後に夫が外に放してくれた午後9時過ぎまで、ずっと同じ場所にいすわり続けていたのです! それも、壁にかけたエプロンと手ぬぐいの間、ゴミ箱の近くという非常にやっかいな場所なので、わたしは昼食や夕食を準備する間じゅう、時々蜘蛛を気にしては、目をやっていました。昨晩、夫がようやく外に放してくれたときには、思わず歓声を上げました。

 冬には、虫たちが、暖かい屋内へと入り込むことがたまにあるもので、この冬も、カメムシが入ってきて、ぶんぶん飛び回ったことが、何度かありました。幸い、サソリやムカデを壁に見つけることは、この冬に限ってはありませんでした。こういう虫を見つけた場合、わたしは自分では対処できず、夫は外に放してやるので、義父母が言うように、結局はまた、屋内に戻ってくるのだと思います。


 ものごころつくまで、横浜・札幌・東京と、あまり虫に縁のない場所で育ったわたしは、以後は、日本でもイタリアでも、自然の多い中で暮らすようになったものの、いまだに虫が苦手です。でも、うちの中に入ってきてくれるとうれしい虫もいます。

f0234936_1171714.jpg

 それは、こちらのテントウムシ(coccinella)。イタリアでは、幸せをもたらすと言われているテントウムシ、この冬は、よくうちの中で見かけました。

リンク
- 青空文庫 - 芥川龍之介、『蜘蛛の糸』
- Amazon.co.jp - 芥川龍之介、『蜘蛛の糸・杜子春』 (新潮文庫)
↑↑ 芥川の作品では、『杜子春』や『鼻』も好きです。人間心理の観察が鋭く、描き方が本当にうまい。

Articolo scritto da Naoko Ishii

 この記事いいなと思ったら、応援の1クリック(↓↓)をお願いします。
Cliccate sull'icona (↓) se vi piace il blog.
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
NihonBlogMura Blog Ranking

こちらのランキングもクリックをお願いします↓↓ ありがとうございます!
Cliccate anche su questa icona. Grazie!

Ninki Blog Ranking

by milletti_naoko | 2012-03-14 17:18 | Gastronomia | Trackback | Comments(11)
トラックバックURL : http://cuoreverde.exblog.jp/tb/17310124
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by pochidora at 2012-03-15 02:13
なおこさん、こんにちはー♪カリフラワーって新鮮なうちなら葉っぱも食べれるんですかっ!?知りませんでした。カブの若菜もシンプルながらとってもおいしそうですー。イギリスではなかなか青菜系のお野菜が食べれないので、うらやましいです=3
なおこさんも蜘蛛がお嫌いですね!?私も本気で苦手ですっ!特にデカイのはとりはださえたつかも!旦那さんはやさしいんですねー。私なら「とっとと外に追い出すか、殺すかしてくれーー!」と逆切れしているかも知れません(笑)(でも、自分では決して手を汚しません。)
てんとう虫は、確かにかわいいですよねー。同じ生き物なのに、どうしてこんな違いが生まれるのでしょうね?
Commented by クロちゃん at 2012-03-15 07:10 x
なおこさん、おはようございます。♪
私も蜘蛛は「ギョッ」としますよ~。
自然の中で育った私は子供の頃に大きな蜘蛛を手でつかまえて噛まれたことがあります。(^^ゞ
それ以来、蜘蛛はダメ~となっています。

でも、自然の中からの来客が多いのは嬉しいものです。
Commented by koba at 2012-03-15 07:30 x
虫愛でる姫にはならず。
おはようございます。相性でしょうか。家の外には限りない虫が居「どきっ」としますがよく見ると、それなりに生きているのが伝わり、殺生はできませんね。野菜の青虫は殺しますが。ほんの一畳ぐらいの菜園にも季節の物が育ち、食卓を楽しませてくれます。
芥川も鴎外もいいですね。何度読んでもいいですね。漢籍の時代の人の作品は不思議とすーと入ってきます。旧字体ですと特に忘我になり、本の世界に遊んでおられます。
Commented by milletti_naoko at 2012-03-15 15:14
pochidoraさん、おはようございます♪ カリフラワーの葉が食べられるのは、お義母さんから教えていただきました。食べ物のない時代を経験されているためもあって外葉を食べようと考えたのかなとも思うのですが、食べてみるとなかなかおいしいんですよ。カブの若葉も、若い葉から春のエネルギーをもらえるようで、うれしいです。

イギリスは寒いので、特に冬は新鮮な青菜を食べるのが難しそうですね。きっとそれで、北国の人はジャガイモをたくさん食べるのでしょう。冬も青野菜が食べられるのは、ありがたいです。

大きい蜘蛛は、幼い頃母の実家で見かけるたび、ぞっとして鳥肌が立ちました。蜘蛛はともかく、サソリやムカデ、calabrone(猛毒性のある大きく黄色いスズメバチ)は、殺してほしいと思うのですが、虫にやさしい夫であります。日中ムカデに驚いて、義母に助けを求めたこともあります。今朝もフタツボシテントウが、こうしてパソコンに向かっている窓のカーテンにたたずんでいます。どうかいいことありますように。
Commented by milletti_naoko at 2012-03-15 15:17
クロちゃん、おはようございます♪ クロちゃんも蜘蛛は苦手なんですね。大きな蜘蛛に噛まれたとは! 蜘蛛も生きるために必死だったのでしょうが…… 来客が多いほど自然に囲まれた中で暮らすのは、ありがたいことだと感謝しています。1年の一時期、花粉症には悩まされるものの。
Commented by milletti_naoko at 2012-03-15 15:32
kobaさん、おはようございます! 『虫愛づる姫君』、あの話を平安時代に書いた作者には、人並みならぬ洞察力とユーモアがあると思います。「毛虫だってかわいいわ。だって蝶になるんだもの。」と言うだけでなく、「お葉黒なんていや。」など、当時固有の美的意識や慣習に、姫君像を通して、疑問符を投げかけているような…… kobaさんも、虫は殺さない優しいお方なんですね。昨晩、聖フランチェスコの伝記を読んでいたら、ちょうど聖人が、特に小さな生き物を愛し、蜘蛛の巣を見て、その美しさと蜘蛛の家造りの巧みさに感嘆した後、蜘蛛が蝿を捕らえて食べるのを見て、激しい嫌悪感を覚え、けれどそれを「神の摂理」と、克服するくだりがありました。蜘蛛が悪役にされがちなのは、こうしてわなをしかけ、他の虫を食べるためかもしれませんね。(つづく)
Commented by milletti_naoko at 2012-03-15 15:32
kobaさんへ(上からの続きです。)

鴎外もいいですよね。特に史伝が好きで、『高瀬舟』は現代人にも問題を突きつけて、考えさせ、教えてくれるところが多いと思います。漢文の素養のあった作家と言えば、中島敦の『山月記』が大好きです。以前にも書きましたっけ。高2の国語の教科書の定番で、何度も教えたのですが、読むたびに、リズムと作品の奥深さを感じました。よく高3の現代文の教科書にあった『舞姫』はどうしても好きになれません。「石炭をば早や積み果てつ. 」雅で響きの美しい文章は好きで、主人公豊太郎の使命感と苦悩も分からなくはありませんが、エリスに対する仕打ちがひどすぎるし、彼女の運命が悲しすぎる。自分が一人の女性の人生を狂わせるむごいことをしておいて、悲劇の主人公ぶって、憂愁にふけるのではない、と大学の文学講読の授業で、読みながら腹を立ててしまいました。これに限らず近代文学って、男性作家に書かれたものが多いので、女性の視点から見ると、これはどうかと思う作品は多々あるのですが。
Commented at 2012-03-15 23:10 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2012-03-16 00:00
鍵コメントの方へ
母国文化に刷り込まれての思い込みが、意外に多いことを、海外に暮らしていると、痛感します。我が家にある数ある聖フランチェスコの伝記の中には、ジョットのフレスコ画に、言葉を添えたものもあるんですよ。恥ずかしながら、高群逸枝さんのお名前は初めて知りました。機会があれば、ぜひ読んでみたいと思います。
Commented by ぷー at 2012-03-16 06:49 x
こんばんは。
都会ッ子で、虫という虫が大の苦手なのですが、実は蜘蛛だけ大丈夫です。触ることは出来ませんが、そばにいても平気です。
多分、朝か夜か覚えていないけど、蜘蛛をやっつけるのは縁起が悪いという言い伝えのせいだと思います。
ところで、虫が大の苦手のせいで、カフカの「変身」を吐く思いで読んだことを今思い出しました(高校の時の夏休みの課題図書でした…。ちなみに夫はカフカ大好きっ子…て本文から関係なくてスミマセン)。
Commented by milletti_naoko at 2012-03-16 07:27
ぷーさん、こんばんは。蜘蛛だけ大丈夫とは、すごいですね。わたしは蜘蛛がとりわけ苦手です。同じ台所に蜘蛛がいると思うだけで、1日中落ち着きませんでした。だったら、何とかしなさいというところなんですが…… わたしもそういうことわざ、聞いたことがあります。蜘蛛は益虫で害虫を食べるから大切にしなければと、かつて日本で職場の先輩に言われたこともあります。

カフカの『変身』は、何だかひどくやりきれないけれど、名作だと感じつつ読んだように覚えています。大学でドイツ語にはまって、ドイツ文学はいろいろ読み、特にヘルマン・ヘッセとミヒャエル・エンデが好きでした。あの「巨大な毒虫」というのが、一体どんな様相だったのか。わたしは主人公の内面を追うのに必死で、幸い、外見がどういうふうに見えたかまで想像して気分が悪くなるほどまでには感受性が豊かではありませんでした。でも、「毒虫って、いったいどんな?」と疑問には思いました。カフカが好きなイタリア人のだんなさんって、おもしろいですね。見た目や触感が苦手で、日本人の癖に、イカやタコや貝が食べられないわたしが言えることではありません。


日本語教師・通訳・翻訳家。元高校国語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより


by なおこ

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

Chi scrive

Naoko Ishii
Insegnante di
Giapponese & Italiano
Interprete Traduttrice
IT-JP-EN Fotoblogger
Pellegrina @ Perugia
Umbria, Italy

Per Lezioni, Servizi di
Interpretariato,
Traduzioni, contattate
via email.

- CV e contatti
- Twitter
- Facebook
- Instagram

I miei articoli su Japan-Italy Travel On-line↓↓
Perugia Lago Trasimeno Assisi Montefalco Oli d’Oliva & Trevi Gubbio Piediluco Terremoto Centro Italia

Mio articolo su
Huffingtonpost.jp
- Tre settimane dal Terremoto Centro Italia   

*Giù in basso
Categorie in italiano


Copyright©2010-17
Fotoblog da Perugia
All rights reserved

イタリア、ペルージャ在住。
日本語・イタリア語教師、
通訳、翻訳、ライター。

イタリア語・日本語の授業、
産業・会議通訳、観光の
同行通訳、翻訳、イタリア
旅行・文化・イタリア語に
ついての記事執筆など
承ります。メール
お問い合わせください。

- 履歴・連絡先
- ツイッター
- フェイスブック
- インスタグラム
- イタリア語・イタリア文化情報サイト
- イタリア語学習メルマガ
- 多言語オンライン辞典
- イタリア天気予報
JAPAN-ITALY Travel On-lineメルマガに執筆↓↓
- 連載魅力のウンブリア



画像一覧

最新の記事

悲しみから喜び、映画 『Sa..
at 2017-12-11 22:28
誕生祝いとイタリア乳がん検診
at 2017-12-10 19:33
日々の奇跡に気づく目を、瞑想..
at 2017-12-09 19:10
曲芸ネコと水鏡
at 2017-12-08 23:57
定期検診でうろうろ、イタリア..
at 2017-12-07 23:32

記事ランキング

タグ

(618)
(529)
(336)
(296)
(220)
(196)
(166)
(158)
(148)
(142)
(138)
(120)
(115)
(103)
(93)
(92)
(88)
(69)
(52)
(33)

検索

以前の記事

2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
more...

カテゴリ

Famiglia
Feste & eventi
Film, Libri & Musica
Fiori Piante Animali
Francia & francese
Giappone
Gastronomia
Giappone - Italia
ImparareL2
Insegnare Giapponese
Inteprete Traduzioni
Lingua Italiana
Notizie & Curiosita
Poesia, Letteratura
Regno Unito - UK
Ricordi
Sistemi & procedure
Viaggi
Abruzzo
Emilia-Romagna
Lazio
Liguria
Marche
Piemonte
Puglia
Toscana
Trentino-Alto Adige
Umbria
Valle d'Aosta
Veneto
Via di Roma (RI-RM)
Cammino S.Benedetto
Via degli Dei(BO-FI)
Cammino di Santiago
Vivere
Altro

ブログジャンル

日々の出来事
語学

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

最新のコメント

Sabioさん、温かいお..
by milletti_naoko at 18:45
この映画は、残念ながら見..
by ayayay0003 at 10:56
なおこさん、お誕生日おめ..
by pintaro23 at 10:44
アリスさん、こちらこそい..
by milletti_naoko at 06:36
まさみさん、ありがとうご..
by milletti_naoko at 06:34

お気に入りブログ

A piece of P...
フィレンツェ田舎生活便り2
彩風便り 
花が教えてくれたこと
イタリア・絵に描ける珠玉...
Facciamo una...
VINO! VINO! ...
SOL LUCET OM...
文殊の綴り絵
カッラーラ日記 大理石の...
黒い森の白いくまさん
イタリアの風:Chigu...
dezire_photo...
梨の木日記
PASQUARELLIの...
フィレンツェのガイド な...
ローマより愛をこめて
日々是呼吸
田園都市生活
英国発!美は一日にしてならず
Mrs.Piggle-W...
ひっそりと生きる
Osteria TiaL...
リカのPARIS日記♪
イタリアちゅうねん
トンボロレースと日々のこと
コントリ!(コントラバス...
IL PARADISO ...
アリスのトリップ
毎日の楽しいを集めてハッ...
ボローニャとシチリアのあ...
カマクラ ときどき イタリア
Can of Good ...
トスカーナの海より リボルノ編
ととやふくろう
40代の悪あがき日記
ミセス サファイア 静け...
小さな窓から
斗々屋ふくろう

外部リンク