復活祭が近づいて

 今年は、今日、4月6日金曜日が、カトリック教会における聖金曜日(Venerdì Santo)です。聖金曜日には、キリストの受難・死を記念して祈り、イタリア各地の教会で、十字架の道行き(Via Crucis)が行われます。

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Celebrazione della Passione del Signore, La Verna 22/4/2011

 昨年の聖金曜日は、ラヴェルナで、主の受難を思い起こす典礼に参列しました。(下記リンク参照)

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 今日の午後は、夫と義弟と共に、ミジャーナの改築中の家を見に行きました。家の前のテラスと階段が、着々とできあがっています。

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 屋内も、前回、セメントを流し込む予定であった場所には、すでにセメントの床ができあがり、今は、別の部屋にセメントを流し込む準備が整っています。

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 連日の雨風で、散った桜の花も多く、周囲の地面は、花びらに覆われていました。

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 最後の晩餐のときに、イエス・キリストが十二使徒の足を洗い、弟子たちに、「あなたがたも互いに足を洗わなければならない」と告げたことから、聖木曜日(Giovedì Santo)の教会のミサでは、洗足式(Lavanda dei piedi)が行われます。聖木曜日であった昨日、わたしたちの教区教会では、12人の子供たちの足を洗ったのですが、義弟の住むトーディの教会では、十二使途を装い、白い布をまとった大人たちの足を洗ったそうです。

 ちなみに上の写真は、この聖木曜日の洗足式ではなく、わたしたちが昨年10月に、リエーティからローマのサン・ピエートロ大聖堂までの巡礼を達成(下記リンク参照)した晩に、ローマの巡礼宿で行われた洗足式です。宿を運営するボランティアの人たちが、その日ローマに到着した巡礼者全員の足を、順に洗ってくれました。

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 ひどく天気が悪いのですが、夫は、こういう天気こそ、イエスが受難の死を遂げた日にふさわしいと言います。今日は、聖金曜日であり、かつ4月6日。わたしは、ペトラルカの詩を思い起こしました。

 Era il giorno ch’al sol si scoloraro
 per la pietà del suo Factore i rai,
 quando i’ fui preso, et non me ne guardai,
 ché i be’ vostr’occhi, donna, mi legaro.
(Canzoniere III)

 あれは、日の光さえ、
 創造主の苦しみのために、色を失った日。
 ちょうどその日のことだ。無防備だったわたしが、
 あなたの美しい瞳に魅せられ、恋の虜となったのは。
(石井訳)

 これは、イタリアの14世紀の詩人、ペトラルカの代表作、『Canzoniere』の中でも、特に有名な詩の冒頭です。恋する女性との出会いを語るにしては、暗澹とした空気に満ちているのは、この日がちょうど聖金曜日であったからです。そして、3行目に「無防備だった」(non me ne guardai)とあるのは、主の受難で心がいっぱいで、恋に対する防備にすきがあったということです。以後、詩は、「この日に、わたしの苦しみ、恋の病が始まったのだ」と続いています。苦しみを引き起こすことが多い恋であったとは言え、その対象である女性との出会い、恋に落ちた瞬間を、イエス・キリストの受難と死、聖金曜日に重ねて詠んだ詩であることが、授業で習ったときから、とても印象に残っていました。ペトラルカは、ダンテ、ボッカッチョと並んで、イタリア語の3人の父(tre padri della lingua italiana)の一人と称される文人です。

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 ミジャーナから帰宅すると、家中に、復活祭のパン(Torta di Pasqua)をオーブンで焼く独特の香りが満ちていました。わたしたちの留守中に、お義母さんが材料を準備し、義弟がパンをこねたようです。

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 わたしたちの教区教会では、明日土曜日の午後3時から7時まで、食べ物の祝福が行われます。今日焼き上がった復活祭のパンは、ゆで卵、ヴィンサントと共に、明日教会に運ばれて、祝福を受け、復活祭の当日の朝食となるのです。

参考資料 / Riferimenti bibliografici
- Francesco Petrarca, “Canzoniere” (I Meridianani, a cura di M. Santagata), Mondadori, 2004.
- C. Segre & C. Martignoni, Testi nella storia. La letteratura italiana dalle origini al Novecento 1. Dalle origini al Quattrocento, Scolastiche Bruno Mondadori, 2000.

関連記事へのリンク / Link per gli articoli correlati
- 聖金曜日のラヴェルナ / Venerdì Santo alla Verna (22/4/2011)
- ローマ到達 / Arrivo a Roma dopo il cammino da Rieti (21/10/2011)
- 復活祭のパン / Torta di Pasqua (22/4/2011)
- 復活祭 / Pasqua (4/4/2010)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-04-06 23:59 | Feste & eventi | Comments(8)
Commented by ムームー at 2012-04-07 10:39 x
なおこさんお家がどんどんと仕上がって行く様子、ワクワクしますね。
重厚な感じのお家が素敵です。
なおこさんの所でこうして教えていただいて私も少し色々な意味がわかりますわぁ。
単に復活祭~って思っていただけでした。
嬉しいです~ありがとうございます。
夫の昼ごはんの準備をします、野菜の煮込みにしょうかなぁ。
お母様が作られたパン美味しそう~
Commented by pochidora at 2012-04-07 16:03
なおこさんー、こんにちはー。いつもなおこさんのブログを読むと、なんか素朴ですごく温かい生活にほんわかしてしまいます。イースターですね♪♪伝統がまだまだ色濃く残っているんですね。ロンドンとは大違いです。義母さんが焼いてくれたパンも、キッチン(?でしょうか)の素朴な感じも、思わずなーんかほっこりしてしまいますね。都会の生活もいいですが、こんな風に伝統を重んじる生活にも憧れてしまいます。いつかお互い行き来できたらいいなー♪♪
Commented by milletti_naoko at 2012-04-07 18:55
わたしこそ、ムームーさんの説明のおかげで、京都の寺社では、今でも昔の慣習や儀式がずっと行われていることなど知ることができて、興味深かったです。卵、チーズにラードを使っているので、カロリーは気になりますが、復活祭のパン、おいしいんですよ。
Commented by milletti_naoko at 2012-04-07 19:04
Pochidoraさん、こんにちは♪ わたしこそ、Pochidoraさんのブログで、ロンドンでの日本人会(?)の楽しそうな集いやおいしそうなお店について読むのが、楽しみです。イタリアではまだまだ政治においても宗教においても、カトリック教会の影響が色濃い点があり、教会や教皇の政治的干渉が問題になっています。テレビニュースで時々ローマ法王についてのニュースがあったりもするんですよ! イタリア市民の教会離れが進み、信者でも教会のミサに毎週通うわけではないという人も多いようですが、我が家の場合は、義父母がとても信仰心に篤く、今は亡き義母の兄は、カトリック教の神父でした。わたしもいつかお互いに行き来できたらうれしいです♪♪
Commented by かや at 2012-04-07 20:25 x
こんにちは☆お久しぶりです。
去年の復活祭からもう1年なんですね。
復活祭のパン、ふっくらとしていて美味しそうです♪

凸d(^ー^)pochi!
Commented by milletti_naoko at 2012-04-07 21:28
かやさん、こんにちは。1年経つのは早いですね。と言っても、今年の復活祭は去年より、2週間ほど早いのではありますが。夫は昨日、焼きたての復活祭のパンを、食べたそうにうらめしそうに眺めていました。
応援のポチをありがとうございます!
Commented by 更紗 at 2012-04-08 00:04 x
お家の中の写真、未完成で内装もまだだから、わらのベッドを置いたらそのままハイジになった気分ですね~♪ 
ところでイタリアにも桜の木があるんですね、今のところ旧市街では見当たりません。3月末に日本を発ったので今年は見逃しました・・・。
Commented by milletti_naoko at 2012-04-08 02:54
更紗さん、ハイジのアルプスの家、懐かしいです。ローマなどには日本のピンクの桜も植わっているようですが、ペルージャ近郊の桜は、花よりもサクランボ目当てに植えた純白の桜が多いんです。中心街の近くにも、緑がさりげなく隠れているところが意外とあるので、散歩をしてみたら、見つかるかもしれませんよ。
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