2012年 08月 11日
試練のあとに
行きはリフトで上ったものの、それからさらに山を登り、そのあとはリフトの出発点まで、道を迷いつつ、歩いて山を下ったため、その時点で、わたしはかなり疲れていました。
友人たちの中にも、やはりもう疲れたという人がいて、そのためキアナーレ(Chianale)を散歩したときには、村の隅々までくまなく歩く「お元気組」と、中心街や主な観光名所だけ訪ねて、あとは座って休む「お疲れ組」に分かれて行動しました。ただ、上の写真で教会の前を歩くお元気組の3人が、このあと、村の外れを歩きに行ったまま、いつまで待っても戻らないので、わたしたちも途中から、お元気組の散歩に、参加しました。
午後5時頃、キアナーレを後にしたわたしたちは、車で、カステッロ(Castello)に移動しました。東西に長いカステッロ湖(Lago di Castello)の、これまでは西のほとりで宿泊したり、リフトを利用して山を歩いたりしていたのですが、カステッロの集落は、湖の東端のダム堤防がある側にあります。
この日、7月31日火曜日の宿は、駐車場から20分歩いた森の中にあると聞いていました。そこで、駐車場で、1泊に必要なものを大きなリュックサックにつめ込んで、宿へと向かう準備をしました。
登り始めた道の奥に、もう山小屋が見えて、「ああ、こんなに近かったのね。」とほっとしたのですが、わたしたちが宿泊する山小屋は、かなり急な山道を、ひたすら登りに登ったところにあったのでした。
カステッロ(Castello、1590m)から、宿泊先、山小屋、Rifugio Grongios Martre(1745m)までの高低差は155m。ふだんから苦手で、つらく感じられる登り坂が、この日はことさらに長く、厳しく感じられました。前日の長距離ドライブと、当日のそれまでの散歩で疲れていた上に、背中には寝袋入りの大きな重いリュックを背負っていたからです。
それでも、木々の間から見える、山並みや湖に励まされ、
道の傍らに見つかったラズベリー(lampone)の茂みに歓声を上げたりしながら、少しずつ山を登って行きました。先の方からは、一行唯一の子供、エリーアが、「まだ着かないの? こんなに遠いところ、行きたくない! どうしてこんな宿を選んだんだよ。」と嘆く声が聞こえてきます。(3~7枚目の写真は、翌々日の朝、山を下りた際に撮影したものです。)
どんなに果てしなく続くように思える坂道も、一歩一歩歩き続けていけば、必ず目指す場所にたどり着けます。先を歩くマヌエーラに、「登り道が大変なだけ、目的地に着けたときの喜びも大きいのよね。」と励まされながら、登って行きます。
宿までの標高差や距離を知ったのは、後になってからの話で、このときは、「20分と聞いていたのに、45分歩いても、まだたどり着けない。」と、いったいどのくらい遠いのか、見当もつかなかったので、ようやく宿が見えたときには、本当にほっとしました。
そうして、この宿が、この地域独特の石と木を使った造りで、外装がすてきだった上に、
夕食に趣向が凝らされていて、どれもこれも本当においしかったので、うれしかったです。こちらは、この日の夕食の前菜です。ズッキーニの花の中には、ひき肉や野菜がつめてありました。
パン粉と共に、ヒナゲシの種(semi di papavero)をいっぱいにまぶし、油で揚げた牛肉も、とてもおいしかったです。サラダの野菜は、山小屋の前にある畑で採れたものです。
部屋の壁も床も、木の板で覆われています。ベッドの上に、寝袋を広げて、眠りました。
唯一残念だったのは、わたしたちの泊まった部屋だけは、急に宿泊にあてられることになったため、準備ができておらず、たとえば他の部屋にはあったドライヤーがなかったり、部屋の隅のソファーや椅子が、宿全体の物置と化して、たくさんの布団やタオルでふさがっていたことです。初日だけならそれでもいいのですが、宿が気に入って、2晩泊まり、わたしたちも皆と同じ料金を払ったのに、2日目もやはりソファーも椅子も布団でいっぱいで、物を置く場所がないので、困りました。
宿代は、寝袋を使って眠ったためか、サイトには一人一泊、朝食・夕食込みで、55ユーロとあるところが、50ユーロでした。宿を営む夫婦、ルーカとライラはとてもいい人たちで、ヴァラーイタ渓谷やマイラ渓谷の登山情報に加えて、いい宿やおいしい店についても、いろいろ教えてくれました。
疲れ果てたあとに、待っていた山登りはとてもつらかったのですが、登ったあとに、こんな温かい宿とおいしい夕食が待っていてくれて、とてもうれしかったです。
Rifugio Grongios Marte
Fr.Villaretto - 12020 Pontechianale (CN)
Tel. : +39 3400692705
Email: grongiosmartre@gmail.com
Sito : Rifugio Grongios Martre - HOME
FB : Facebook - Rifugio Grongios Martre
お元気組と、お疲れ組ですか(笑)
登りはリフトを使っても下りは歩いて下ることって結構あると思うんですけど、意外に疲れるんですよね。
山小屋もステキな外観ですね。
美味しいお食事が食べられて良かったですね。
凸d(^ー^)pochi!
友人が、地の利がいいからと予約した宿で、当の本人も食事がこんなにおいしいとは思いもしていなかったので、驚いていました。応援のポチをありがとうございます。
1枚目の画像、この構図は私好みです。d(-。∂)good!!
どんなに長い道のりも一歩一歩、歩いていればいつか着きますね。
そして、歩いた時間の分、喜びも大きいでしょう。(^^)/
わぁ~歩く時間が随分違ったのですねぇ。
でも途中で見られる景色やお花に励まされて良かったですわぁ。
お宿も食事も素晴らしい~
こういうのを食べてみたいですわ、イスが使えないのは
困りましたね。
素敵な写真ばかりです~
お料理もよくって清潔な宿って、ポイント高いですよね〜。
でもこんなにシーツを置かれてたなら、50ユーロから更に5ユーロ引いてもらえなかったのかしら…。なんて。
このシーツの山はちょっと…ですね。
ピエモンテでは私たちも似た感じの町を散策しましたよ。
アチコチ雰囲気が似てるところが多いんでしょうね。
ピエモンテは食べ物も美味しくてしかも安いのでいいですね〜。
昨日無事にドロミテから戻ってきました。
散々歩いた後に、更に宿まで45分歩いたとはさぞかし疲れたことでしょうね~!でも、お友達も言っていたように、目的地に着けた時の感動は何よりもですよね^^!
お宿もアットホームで良い感じですね~。
お料理もオリジナリティが溢れていてどれも美味しそう!!
パン粉とヒナゲシの種で揚げた牛肉は珍しいですね?!
この辺りの郷土料理ですか?!
この内容で一泊、朝食・夕食込みで50ユーロとは嬉しいですね^^!