「直子の訪伊日記Ⅰ 出発編」

 1年間イタリアに語学留学をしようと、退職し、日本を発って、わたしがイタリアで暮らし始めたのは、2002年4月3日。今からちょうど11年前のことです。数か月前、片づけをしていたら、こんな懐かしいものが出てきました。

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 受け持っていたクラスの生徒たちに、「こういう理由でイタリア留学を決めて、こんなふうに1年を過ごそうと考えているんですよ。」と伝えるために書き、

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 離任式の日に皆に贈った、このクラスの思い出集に、綴じ込みました。

 「直子の訪伊日記Ⅰ 出発編」

 1年の予定が、11年経った今も、イタリアに住んでいるため、結局「Ⅰ 出発編」で終わってしまったのですが、今日は、自分自身があの頃を振り返るために、そして、どなたかの参考になればと思って、この訪伊日記に書いてあることをご紹介します。

イタリア
 1999年の夏休みに、アイルランドで共に過ごしたイタリア人のクラスメートたちの温かさと陽気さ、人生を楽しもうとする姿勢に魅かれたのが、イタリア語学習のきっかけです。
言葉や文通、実際の旅を通して、その文化に触れるにつれ、行って学んでみたいというあこがれが、どんどん深くなりました。また、自分が言葉や古い文学、いろんな人との交流に強い関心を持っていることに気づきました。
 生徒や先生方と共に学ぶのも楽しく充実していたのですが、自分の興味と力が最も向いている方向で、精一杯学んでみたい気持ちが、だんだん大きくなりました。

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<今後の予定>
2002年
4月 3日 松山 → 関空 → ミラノ
      4/4、4/5は、「こころ」や「山月記」、「人間失格」の愛読者であるイタリア人
      の友人に、ミラノの町を案内してもらいます。
4月 6日 ミラノ → ウルバニア
4月 8日 ウルバニアの私立語学学校、Centro Studi Italiani
  │   (チェントロ ストゥーディ イタリアーニ)で学ぶ
9月21日
      ホームステイ先
      (プライバシー保護のため省略)

10月1日  ペルージャ外国人大学のイタリア語イタリア文化コースで学ぶ
  │
2003年
3月31日

 就学ビザが最長1年間、2003年4月2日までなので、4月に帰国する予定です。もしイタリアの大学に正規あるいは単科留学したい場合には、東京のイタリア大使館で4月~7月にかけて申請の手続きなどを行わなければなりませんし。

ウルバニア
 Centro Studi Italianiを選んだ理由は、
1.言葉とともに文化に関する授業(イタリア文学、イタリアの経済など)が学べること、
2.人情が温かく治安のよい小さな小さな町にあること、
3.ホームページや英独米の提携校から、先生方が熱心ですばらしいことがわかること……です。

ペルージャ
ペルージャ外国人大学は数千人の外国人が学ぶところです。文化を深く学べることにくわえて、いろんな国から来た人たちと共に学ぶことができるのもとても楽しみです。「イタリア語イタリア文化プロモーション学科」、「国際コミュニケーション学科」などの学位取得課程も気になります。

 1月末に通信教育の「イタリア語上級」を終えたのですが、読み書きはともかく「聞くこと、話すこと」はまだまだなので、まずは向こうで言葉をしっかり身につけモノにしたいと思います。
 1年間を通して、イタリア語イタリア文化のさまざまな側面を学んだあとで、イタリアの大学で、あるいは日本の大学院で学ぶか、仕事をするか考えたいと思います。

これから
 日本の古典の世界(とくに平安時代)を向こうの人に知ってもらい、日本の人には、日本人は知らないけれど、すばらしい伊文学の作品を紹介するようなことができたら…という漠然とした希望はあるのですが。お世話になっているすてきな先生方、それではArrivederci!(またお会いしましょう)

TOSHIBA Dynabook M3/275PRH
 イタリアで日本の情報を手に入れたり、日本の人と日本語でメールをやりとりしたりできるように、世界保証のあるこのノートパソコンを購入しました。メールアドレスがあったら教えてくださいませ。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 以上です。

 今、書き写していて、どうやら、クラスの生徒だけではなく、上司・同僚の先生方にも、職員室のレターケースにでも入れて、あいさつに代えていたようだという気がしてきましたが、記憶はさだかではありません。

 旅立つ前の予定はこうだったけれど、実際に留学してみたら、どうだったのか。これまでにも、いろいろな記事に少し触れてはいるのですが、今後は、当時の留学生活やイタリア語・イタリア語文化の講座などについても、意図的に、少しずつ書いておきたいと考えています。

3/4/2013 - Sono passati undici anni da quando ho cominciato a vivere in Italia!

- Qualche mese fa ho trovato una mia lettera. Fino al marzo 2002 ho lavorato come insegnante nella scuola superiore e la lettera era indirizzata agli studenti della mia classe e ai miei colleghi.

- "Mi piacerebbe far conoscere la letteratura classica del Giappone agli italiani e insegnare ai giapponesi le opere letterarie dell'Italia"; alcuni di questi desideri si sono esauditi in qualche modo, ma vorrei provare ancora di più!

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- Un po' per festeggiare questo anniversario, finalmente abbiamo mangiato (e per farlo prima abbiamo spezzato) il bellissimo uovo di Pasqua; è anche molto buono!

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- あれから10年 / Dopo 10 anni (4/4/2012)
- 思い出の学校1 / Scuola di Urbania (2/12/2011)
- 滞在許可証3+仕事の現状と抱負 / Università per Stranieri di Perugia (21/11/2010)
- 重要3000語で95% / Lezioni di italiano (3/12/2012)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2013-04-03 23:23 | Ricordi | Trackback | Comments(12)
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Commented by oliva16 at 2013-04-04 19:24
一生懸命さが伝わるメッセージ。
生徒さんや先生がたも、お別れは寂しくても応援してくれたのでしょうね……。
Commented by milletti_naoko at 2013-04-04 21:35
Olivaさん、ありがとうございます。もし日本に残っても、必ずしもクラスを持ち上がれたり、同じ学校に残れたりするとは限らなかったというのも、まだ2年生を終えたばかりの教え子たちとの別れを決意して、この年に退職して留学に踏み切った理由の一つなのですが、優しい生徒たち、先生方の温かい言葉や笑顔が、本当にありがたかったし、今もありがたいです。
Commented by ぴかろ at 2013-04-05 00:51 x
わあ!読ませていただいていてなんだか、わくわくふわふわした気持ちになりました!
それと、11年も前のものであるにも関わらず今日なおこさんが書かれたような雰囲気すらするのは、なおこさんが今も好奇心をたくさんお持ちだからなのかな。
私もいろいろな形で「今」を残しておきたいなーと思いました!
Commented by lucien518 at 2013-04-05 01:03
きっと息子と同い年の生徒さんですね(1984年生)。まだ高校生だったころが昨日のようですが、もう社会人として数年たっています。思い返すと高1、高2の担任の先生はうっすら覚えていますが高3のときの先生のお名前が...出てきません。生徒さんたちとはSNSなどで交流はありますか?
Commented by milletti_naoko at 2013-04-05 01:52
ぴかろさん、ありがとうございます。何だか校庭の地面にでも埋めたカプセルから見つけたようで、不思議ななつかしい気分になりました。記憶はいつのまにか、自分の中であいまいになったり、脚色したりしてしまうもので、ああ、あのときはこんなことを考えていたのか、書いたのかと、自分で読んでびっくりしました。何かに自分の思いやしたことを残しておくことって、大切だなとわたしも思いました。ぴかろさんは、ブログをつづることで、ある意味それを実践されていると思いますよ。

お優しい言葉をありがとうございます。今は、もっともっとフランス語が分かって、旅や現地の方との会話が楽しめるようになればと思っています。
Commented by milletti_naoko at 2013-04-05 01:55
lucien518さん、大きい息子さんがいらっしゃるんですね! 以前は時々メールや手紙をやり取りしていたのですが、最近は、フェイスブックのおかげで、昔の教え子たちの近況がよく分かり、言葉もしばしば交わせるようになりました。それぞれの職場や家庭で精一杯に頑張っている皆の様子を見るにつけ、心からうれしく頼もしく思う上に、わたしも頑張らなければと思う今日この頃です。
Commented by とすかーな at 2013-04-05 05:39 x
11年前のものを大切にとってあったのがすばらしいですね。
留学します、していますという時は、一生懸命情報を書きますけどあとで見るということが少ないですもんね。

こうやって留学していた時の様子を、拝見できるとこちらまで留学した気分になりますし、イタリアに来たばかりの自分の状況と比較して、焦らなくても大丈夫と安心できるかも(笑)
また、ときどき書いてくださ~い。
Commented by milletti_naoko at 2013-04-05 07:31
とすかーなさん、新しい土地で暮らし始めるときは、特にそれが外国となると、覚悟の上でも、旅行とは違って、いろいろと大変ですよね。はい、また少しずつ、忘れてしまわないうちに(意外とすでに忘れていることも多いのです!)、書いていきたいと思っていま~す!
Commented by sara at 2013-04-06 14:50 x
なおこさん こんにちは

なおこさんがイタリアに行かれるまでの状況を記録されている日記と、イタリア留学のきっかけを読ませていただいて、なおこさんの気持がよく伝わりました。
生徒さんとのお別れはお辛かったと思いますが、こうして日記で見れて懐かしく宝物ですよね。
文化の違う所では最初は大変だったと思いますが今はもう慣れておられて素晴らしく思っています。
これからもまた書かれてください^^楽しみにしていますね。

Commented by milletti_naoko at 2013-04-06 17:15
Saraさん、こんにちは。お優しいコメントをありがとうございます。自分でも、初心を、あの頃の気持ちを思い返すような気持ちで、書き写してみました。

幼い頃から父の仕事、成人してからは自分の仕事で、数年ごとに転勤を繰り返し、引越や転校・転勤のたびに、悲しい思いをしていたのですが、おかげで新しい土地に順応する能力は培えたかもしれません。文化の違いには今も驚くこと、とまどうことがありますが、幸い、義家族も異国の文化の風習が違うことに理解があるので、こちらでの生活にも、日本の食生活や文化も持ち込みつつ、慣れることができました。
Commented by KAYOKO HASHIMOTO at 2017-04-07 06:54 x
直子さんの訪伊日記まだ持っているよ。イタリアの絵がとても記憶に残っています。
アイルランドへの多国籍ツアーのこと、イタリアへ行くことへの決断、その時の記憶は鮮明です。
職員住宅を出るときの寂しさも。
周囲の人から、「どうしてイタリア行きを止めなかったのか!」て言われましたが、私は大賛成でした。
イタリアで活躍されている石井ちゃんの様子を伺い、私も幸せのお裾分けを頂いています。
Commented by milletti_naoko at 2017-04-08 00:56
先生お久しぶりです。つい土居先生とお呼びしたくなってしまうと言う… ありがとうございます。まだ持っていてくださったんですね。そう言えば、そもそもアイルランド行きを決めたのも、先生からこの夏の予定を聞かれたことがきっかけだったような…… 当時は本当にお世話になりました。父には猛反対され、安定して敬われもする職業であるために、周囲の方からしたら、かなり驚くような決断で、今自分で考えても思い切ったことをしたなとは思うのですが、あのときは心にまったく迷いがありませんでしたし、今もいろいろありますが、イタリアに来てよかったなと思っています。先生がきっと裏で糸を引いてくださった、音楽専攻の22Rの子たちの歌と手紙には、心底感動しました。生徒たちにはどうしてという思いも多かったと思うのですが、あんなふうにお互いを応援しながら別れて、今もいろんな形で連絡を取り合えているのも、先生のおかげだと思います。そんなふうに先生におっしゃった方もいたのですね。教頭先生には賛成どころか後押しされて、かえってびっくりしたことを覚えています。よく考えると、(遠方の方との)結婚のために退職する女性の先生は少なくなかったので、理由だけがかなり特異だったのでしょう。ありがとうございます。まだまだ自分の道をどちらへと迷いながら切り開いているところですが、頑張ります。先生もどうかお体を大切に、お元気でお過ごしくださいね。だんなさまによろしくお伝えください。最近ヤフーメールがなかなか開かないため、とりあえずこちらにお返事します。森長ご夫妻にも先生方にも、いつかお会いできる日を楽しみにしています♪


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