日本健闘、惜敗するもイタリアで絶賛

 イタリア時間では、昨晩の真夜中から、ブラジルで、日本対イタリアのサッカーコンフェデ杯の試合が行われました。Rai1およびRaiHDでは、この試合関連の放映が、午後11時20分に始まり、わたしは、番組開始から、テレビの前に座り込み、イタリアの解説者やサッカー関係者が、日本代表をどう評しているのか、イタリア代表は、どんな気持ちで試合に臨もうとしているかを知ろうと、耳を澄ませました。

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Immagine presa dal sito di Ansa.it

 すでにイタリアのオンラインニュースで、FIFAランキングではイタリアが8位であるのに対し、日本は32位であると知っていましたが、一足先にワールドカップへの切符を手にし、自国出身の監督が率いる日本代表を、イタリア側がどう評価しているのが気になっていました。さらに、夫もわたしもワールドカップでもなければサッカーの勝敗を気にすることはまれで、日頃サッカーの試合を見ることが少ないので、試合が始まる前に、見どころを聞いておきたいと思ったからです。

 記憶をたどりながら書いていますので、不確かな点もあると思いますが、うれしかったのは、試合前のインタビューや解説で、監督から解説者までが皆、ザッケローニ監督の、チームを育てる技量と人柄を称え、日本代表の技術力の高さ、速さとチームワークなどを賞賛し、この監督と日本代表の組み合わせは、イタリア側にとって、非常に手ごわい敵となるだろうと言っていました。イタリア代表はブラジルの暑さと湿度の高さに順応できず、体力的に厳しい状況に置かれているという言葉もありました。また、イタリアは引き分けで終わっても、とにかく土俵に残れるのだということ、イタリアもいいチームができあがっているので、FIFAランキングから見ても、いい試合にすることはできるだろうとも言っていました。

 最近、改築中の家の前で、排水溝を設置する作業が始まったため、炎天の酷暑が続くペルージャではありますが、夫はほぼ毎日、仕事を早めに切り上げて、午後2時過ぎに帰宅しては、昼食後に、照りつける太陽の下行われる作業を見に行っています。それで、すっかり疲れている夫は、試合が始まる真夜中前には睡魔に襲われ、就寝したのですが、ここで寝てくれてよかったと、本人のためにも思います。

 試合開始後、30分ほどの間の試合は、サッカーに詳しくないわたしが見ても、日本が優勢で、イタリアが押されているのがよく分かる状況だったからです。さらに、まずはイタリア側が口をそろえて誤審と言うファウルの判定がきっかけで、日本側が最初の1点を、続いて、みごとな連携プレーで日本側が2点目を手にしたからです。テレビでも試合の会場でも、イタリアの解説陣は、全員が、「いくら引き分けでいいからと言っても、この戦いぶりはひどい。」と嘆いていて、こんな試合ぶりを夫が見ていたら、ストレスがたまり、翌朝仕事があると言うのに、途中で席を立つこともできなかったでしょう。日本代表の守りの強さとチームワーク、技術力については、試合前から言われていましたが、この30分ほどの間は、日本チームを、さらに、disciplinati、 organizzazioni、sacrificarsiという言葉で称えていました。「(規律や言われたことに)従順に、素直に従うことができ」、「統制が取れ、全体を見すえて、行動に移すことができること」、「(チーム、社会などのために)献身的な行動をすること」日本人や日本社会が、イタリアに比べて、こうした特質に優れている場合が多いのは、サッカーに限らず、社会生活のさまざまな側面で、あるいは一個人の行動にも、認められることが多いと思います。

 前半41分目、ようやくイタリア代表側が反撃に転じ始め、解説者は皆、ほっとしながらも、「どうしてここまで追い込まれる前に、最初から、こういうプレイが見せられなかったのか。」と嘆きます。

 後半では、最初、イタリア側がめざましい動きを見せ始めたのに対し、日本代表の統率に乱れが見え、「やはり完璧なプレイや陣形を長い間保ち続けるのは、さすがにこのチームでも難しい。」という声が聞こえます。途中で、今度は日本に不利な誤審が、イタリアに得点をもたらします。やがて日本側も態勢を持ち直し、最後の最後までどう決まるか分からない、いい試合が最後まで続くのですが、チームの連携と統率の美しい日本チームと、バロテッリを中心に得点を入れようと核はあるものの、それぞれにすばらしいものを持つであろう選手たちの、しかし全体の統制がうまく取れていないイタリア代表という印象を、サッカーをよく知らないので、見当はずれかもしれませんが、わたしは持ちました。

 残念ながら、3対4という結果で、試合には負けてしまいましたが、日本代表は、自分たちの長所を十分に発揮して、すばらしい試合ができていたと思います。試合後のインタビューや解説では、プランデッリ監督が、「前半でうまく戦えなかったのは、ブラジルの暑さと湿度の高さに選手が苦しんでいたためだろう。」とし、特に対戦相手の日本代表には言及していなかった(試合直後のRai1で見られたインタビューは、全インタビューのうち、ごく一部かもしれませんが)だけで、あとは、イタリア代表の選手も解説さも、日本代表の戦いぶりとチームの技術力を絶賛していました。前半での苦戦ぶりについてインタビューを受けた選手二人のうち、一人は、「暑さと湿度の高さで、最初は息をするのも苦しかった」ことにも言及しましたが、どちらも、「日本代表の技術力が高く、守りが堅くて、なかなかボールを自分たちのものにすることができなかった。」と、日本の選手たちが非常に優秀である(bravi)と繰り返していました。選手の一人、また、解説者の一人も、何とか勝つことができたのは、「土壇場に追い込まれて、絶体絶命に思えるようなときでも、最後まであきらめず、希望を持って戦い続けることができた」からであり、さらに「運がよかった」(fortunati)という言葉を使っています。ザッケローニ監督に対するインタビューも、続いて放映されました。「日本代表は、それぞれが本当にいいプレイをして、完璧と言えるような試合ができたのに、負けてしまったのは、やはり、イタリア代表の方が、技術力がはるかに勝っているからでしょう。せっかくすばらしい勝負をして、負けには値しなかったのに、敗北を喫した日本代表の選手たちのことを思うと、ただただ残念です。」この言葉を聞いて、ブラジルの会場のイタリアの解説者は、「イタリアの方が技術力が勝っていたなどということは決してないので、ザッケローニ監督は、謙虚な人ですね。すばらしい人柄だと分かりますよ。」と言っていました。

 勝ちは勝ち、負けは負け。とは言え、日本は負けても、それはすばらしい試合、イタリアを感嘆させ、学ばなければいけないところが多いと思うような試合ができていたと思います。わたしも感動して、夜遅くはありましたが、この試合をイタリア側がどう評するかすべて聞いておきたいと、朝2時半に、話題がブラジル・メキシコ戦の結果に移る直前まで、ずっと番組を見ていました。また、イタリアの選手にしても、ザッケローニ監督にしても、勝っても、また惜しくも勝利を逃しても、相手チームの長所を認め、称えることができる態度というのはすばらしいし、こういう謙虚さが、相手に倣ってさらに成長を重ねなければという気持ちが、よりすばらしい選手としての活躍や監督としての指導につながっていくのではないかと思いました。日本代表の皆さんも、ザッケローニ監督も、手に汗を握り、感動のできるすばらしい試合を、本当にどうもありがとうございました。今後のさらなる活躍が楽しみです。

 そのうち、この試合に関するイタリアでの報道を精選し、イタリア語学習の教材として、メルマガでご紹介するつもりでいますが、今回は、主として日本のオンラインニュースの関連記事へのリンクを挙げておきます。

関連記事へのリンク
- Fifa.com – FIFA/Coca-Cola World Ranking
- ja.wikipedia – FIFAランキング
- FNN -サッカーコンフェデ杯 日本、イタリアと大接戦の末惜敗
- nikkansports.com -日本3-4イタリア/コンフェデ杯詳細

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2013-06-20 17:17 | Giappone - Italia | Trackback | Comments(2)
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Commented by bianchi_saitoh at 2013-06-21 00:59 x
これでなおこさんもサッカー、いやカルチョにチョットに引き込まれたでしょうか(笑)。

アズーリのコンディション不足、モチベーション低下的なのは前日のビーチトレーニング?を観て初戦の勝利を差し引いてもそんなところでしょう。
香川が言っていた通り2-0から決めきれなかったところがすべてではないでしょうか。一瞬の判断もありますがイタリアの得点した時間帯、もっと言うと2試合の日本の失点の時間帯に問題があります。
シチュエーションはともかく一流チームはそこの駆け引きがうまいです。
現時点ではザックの進んできた道が正しかったと、そしてこれから目指す道が見えていることを願います。
Commented by milletti_naoko at 2013-06-21 16:46
bianchi_saitohさん、試合前に体調を整えるのが難しかったということは、イタリアでは、日本・ブラジル戦で、度重なる移動の直後で日本には苦しかったという説明も、何度か聞かれました。湿度の高い暑さには、日本チームの方が慣れていたとは思いますし、途中で雨さえ降りましたが、やっぱり、いろいろある中で、できるだけ万全を期して臨むのも、勝負のうちではないかという気がします。

テレビの解説や選手や監督の話を聞くと、確かに「勝たずに引き分けに持ち込めばいい試合であったこと」、「無理に押して、あとの肝心の試合で、ファウルのために出場できない選手が増えては困ること」はイタリア代表の頭にあったようですが、それでも、イタリア側が、戦い方の違う、互いの連携のみごとで正確な日本チームに、前半の初めに圧倒されていたのは確かで、万一やる気が低かったとすれば、そういう驕りや士気の低さは、国の代表として問題だと思います。いろいろなサッカーの戦い方があり、試合の流れがあることを互いに学ぶこともできて、ザッケローニ監督の言うように、今後の肥やしになるいい経験、試合ができていたと思います。これからの活躍がますます楽しみですね。
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