イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ

 テラスのバジリコがすくすく育ち、緑の葉がいっぱいになったので、昨日はペスト・ジェノヴェーゼを作りました。

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 摘んだばかりの新鮮なバジリコを使ったので、色もきれいですが香りもよくて、緑にたくさんのエネルギーをもらった気がします。

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 前回は、ウルバーニアのイタリア語学校の料理教室で習ったレシピで作ったのですが、今回は、分量を決めるのに、インターネットを参考にしました。ジェノヴァの伝統の味が再現できそうなサイトと、ふだんから料理の強い味方になってくれているサイトで、ほぼ同じような分量を載せているので、次の二つのページの分量を目安にしました。

- Mangiare in Liguria – La ricetta del Pesto Genovese
- GialloZafferano – Pesto alla Genovese

 バジリコ50g、ニンニク二かけというのは、二つのレシピに共通なのですが、リグーリア料理のページには、たとえばオリーブオイルはコップ1/2杯で、チーズは大さじで数えるというふうに、コップやさじへの盛りかげんで量が変わってきそうなので、分量は、体積や重さできちんと指定してあるGialloZafferanoのページを参考にしました。ちなみに、このレシピで紹介されている材料の分量は以下のとおりです。

材料
ニンニク二かけ、塩一つまみ、エクストラヴァージン・オリーブオイル100ml、バジリコの葉50g、すりおろしたペコリーノ大さじ2杯(約30g)、松の実大さじ1杯(約15g)、すりおろしたパルミジャーノ・レッジャーノ 大さじ6杯(約70g)

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 前回はきちんとすり鉢を使ったのですが、我が家のすり鉢はなぜかコルク製で、松の実もニンニクもあまりよくすりつぶすことができなかったので、今回は、最近買ったばかりのミキサーを使うことにしました。

 上の二つのページにあるのは、すり鉢を使って作る手順です。リグーリア料理のサイトには、最後に、

「何かと慌しい今日では、おいしいペスト・ジェノヴェーゼを作るのに、ミキサーも使いますが、一番いいのは、今も変わらず、「昔ながらの」作り方です!!!」
(Oggi, nell’era della fretta, per fare un buon Pesto Genovese si usa anche il frullatore, ma la migliore soluzione è sempre quella… “all’antica!”!!!)

とあります。料理の先生からも、ミキサーでも作れるけれど、手作りの方がおいしいと聞き、お義母さんは、いつもミキサーにかけて作っています。

 ただ、そう書いてはあっても、ミキサーで作るときの手順は説明がないので、ミキサーでの作り方が詳しくわかるページはないかと探していたら、次の映像を見つけました。



 ミキサーは使っていますが、コメントを見ると、19世紀生まれの、ジェノヴァでトラットリーアを営んでいた女性から教わったレシピだとあります。材料を入れる順番が分かりやすく(イタリア語が理解できなくても、映像を見れば分かって理解できることが多いはずです)、そうして、少しこってりめに作っておいて、瓶や深皿に移したあと、上をオリーブオイルで覆えば、冷凍庫に入れなくても、長持ちするという教えに、なるほどと思いました。ビデオの最初には、バジリコは、葉がしげり続けるように、花や種ができないように、てっぺんの葉を使うことという説明もあり、この説明に従って、バジリコの葉を摘みました。

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 おかげで、とてもおいしいペスト・ジェノヴェーゼができあがりました。ただ、分量については、「600gのパスタに味つけするための」とはあるものの、パスタの分量は乾燥かゆであがってからのものか、何人分か分からなかったので、結局、ページにあるとおりの分量でそのまま作ったら、とんでもない量のペストができあがりました。そこで、余った分は、ビデオの教えのとおり、二つの瓶に入れて、上をオリーブオイルで覆いました。ちなみに、ここでいうオリーブオイルは、すべてエキストラ・ヴァージンのオリーブオイルのことです。うちでは、我が家で収穫したオリーブを、近所の方と持ち寄って、搾油所で絞って作ったオリーブオイルを使っています。

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 リグーリアや南仏で、ペスト・ジェノヴェーゼを、ラザーニャの具にしたり、ピザやオープンサンド、サラダの上にかけていたりしたことを思い出しつつ、他にもいろいろな料理に使ってみようと思って検索したら、こんなページも見つけることができました。

- greenMe – 12 modi per utilizzare il pesto alla genovese al di là della pasta

 ちなみに、ジェノヴァ風ペスト(pesto alla genovese)ではなく、ペスト・ジェノヴェーゼ(pesto genovese、「ジェノヴァのペスト」)と呼べるペストを作るには、正確に言うと、チーズは、パルミジャーノとペコリーノを使う必要があるのですが、今回は、冷蔵庫にあったグラーナ・パダーナだけを使って作りました。それで、記事の題は、「ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ」となっています。ちなみに、わたしはうっかりして、ミキサーに塩を入れるのを忘れてしまったのですが、それが幸いしました。と言うのは、グラーナに塩気が多いために、塩を加えなくても、ペストに十分な塩味が効いていたからです。

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Ho fatto il pesto alla genovese
con le foglie del basilico che cresce sulla terrazza.
E' molto buono e ci carica dell'energia del verde!
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*追記(9月1日)
 上のレシピはすべてイタリア語で書かれていますが、すり鉢を使う作り方は、GialloZafferano.itに、たくさんの写真つきの手順説明があり、ミキサーを使う作り方も映像があるため、イタリア語が分からなくても、だいたい手順が分かると思います。ミキサーを使う際には、チーズは、他の材料すべてがだいたい均一に混ぜ合わさったあとで、加えることだけご注意ください。ビデオでそう説明しているのですが、映像だけではチーズだと分かりにくいかもしれませんので、追記として書きました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by クロちゃん at 2013-09-01 07:54 x
なおこさん、おはようございます。♪
自然の恵みは最高のごちそうです。o(*^▽^*)o~♪
いよいよ猛暑の季節が終わり、食欲の秋に突入だー。(^○^)/
天高くクロちゃん肥ゆる秋かな…。
今日も元気にがんばろう。(^^)/
Commented by suzu-clair at 2013-09-01 14:40
おいしそうですね~!
新鮮なバジリコで作られたお料理は、
色も香りも、格別ですね☆
本当に、自然からのエネルギーをたくさんもらえそうです。
本場イタリアの伝統のお味、
私も味わってみたいです♪
Commented by milletti_naoko at 2013-09-01 16:01
クロちゃん、おはようございます。太陽の光で緑いっぱいのバジリコ、香りもよくておいしかったです。本当に自然の恵みはありがたいですよね。

日本でもようやく猛暑が過ぎたんですね! 秋になるとおいしいものもたくさんですよね♪ クロちゃんにとってすてきな秋になりますように。
Commented by milletti_naoko at 2013-09-01 16:25
すずさん、おっしゃるとおり、新鮮なバジリコの味も香りもたっぷりで、おいしいです♪ 材料は、イタリアでは身近な食材が多いのですが、日本ではかなり高い値段になってしまいそうですね。いつか食材が手に入ったらぜひ試してみてくださいね。(二人分ならレシピの3分の1、4分の1の量で十分です)
Commented by ムームー at 2013-09-06 09:02 x
なおこさん
おはようございます。
いい香りが~新鮮な素材でシンプルなお味って
素敵ですねぇ、こういうのが好きですわぁ。
庭の片隅に何やら香草があるのに使いきれていません。
こんな風にしたいなぁ~♪
いつもありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2013-09-06 15:59
ムームーさん、おはようございます♪ 緑と香りいっぱいの、ジェノヴァの伝統のペスト、とてもおいしいです。以前、手ですりつぶそうとしたときは、すり鉢の素材が柔らかいのでニンニクも松の実もつぶれてくれず、時間と苦労のわりにできが今ひとつだったのですが、ミキサーを使うと、あっという間にたくさんできたのでびっくりしました。

こちらこそいつもありがとうございます♪
Commented by patata at 2013-09-07 05:04 x
なおこさん、こんばんは。
とっても美味しそうなペストですね。バジリコの写真驚きました。
太陽を良く浴びて、とっても大きく、そして長く(!)育ったんですね、そして綺麗な緑色!!!
なおこさんは、オリーブオイルも自家製のものを使われているのですね、とっても羨ましい!!
ピッツァもぺストが加わるだけでぱっと鮮やかになりますね、とっても美しそうですね^^

私は今年は義母の手作りのペストを食べましたが、やはりバジリコの味がよく効いていて、購入するものとはこうも違うのか!と驚きました。
我が家は、テラスでバジリコを種から育ててみたのですが、うまく育ちませんでした、残念です。。。
Commented by milletti_naoko at 2013-09-07 15:38
Patataさん、おはようございます。ペストの本場でお義母様が作るペスト、おいしいでしょうね。幸いうちにオリーブの木がたくさんあるので、自家製(他の近所の方のオリーブの実が混ざっているのですが)のおいしいオイルを使うことができて、ありがたいです。これはプロヴァンスの店で出たピザなのですが、プロヴァンスでは、ペスト(南仏では呼び名と材料が若干違うようdす)をピザやオープンサンド、サラダの味つけなど、思いがけない料理にいろいろと使っていて、びっくりしました。これがなかなかおいしくもあったのです。

やっぱり新鮮なバジリコを使った作りたての、保存料などをいっさい使わないペストは味が違いますよね。緑を育てるのは、難しいですよね。来年はきっとうまく育ちますように。
by milletti_naoko | 2013-08-31 16:28 | Gastronomia | Comments(8)