イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia 日本語教師・通訳・翻訳家。元高校国語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより

秘蔵のフィレンツェ2、ドゥオーモI

 洗礼堂の次は、ドゥオーモを訪ねました。

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Cattedrale di Santa Maria del Fiore, Firenze 19/10/2013

 今回特別に、入室し撮影することができたのは、聖具室です。

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Sagrestia

 扉の上部の、ルーカ・デッラ・ロッビアの手になる陶器の装飾も美しいのですが、

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 とりわけ貴重なのは、聖具室内部の戸棚に施された嵌め木細工です。イタリアで初めて遠近法を取り入れた嵌め木細工で、ルネサンス時代の傑作です。

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 一般公開されていないのは、枢機卿の更衣室として使われているためで、わたしたちが入ったときは、衣装係らしき人が衣装をたたんでいるところでした。

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Orologio, Paolo Uccello, 1443

 教会では他にも、ウッチェッロ作で、針が反時計回りに動き、針がぐるりと回ると、真夜中ではなく日没時間を指すというこちらの時計や、

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Giudizio Universale, Giorgio Vasari e Federico Zuccari, 1572-1597

クーポラの内側に描かれた、ヴァザーリとツッカリによるフレスコ画、

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Monumenti equestri, Andrea del Castagno e Paolo Uccello

アンドレーア・デル・カスタンニョとウッチェッロの手になる騎馬肖像画についても、説明がありました。教会側面の壁を飾る絵は、通常、宗教画であることが多いのに、そこにあえて、戦いでフィレンツェに勝利をもたらし、その隆盛の基盤を築いた指揮官の騎馬肖像画を配しているという説明が、印象に残りました。

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Dante e la Divina Commedia, Domenico di Michelino, 1465

 意外な発見ができて、うれしかったのは、この『神曲』を手にしたダンテの絵に出会えたことです。政争に敗れて、フィレンツェを追われ、生存中には二度とその地を踏むことのなかった偉大な詩人が、死後、遺功を認められ、その姿と作品が、こうして大聖堂の壁に配されていることを知って、感慨深かったです。

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Cuspide della Porta della Mandorla

 いったん、ドゥオーモを出てからも、外装について、説明がありました。この下にある扉が「アーモンドの扉」と呼ばれるのは、扉の上に配された高肉彫りで、天使に囲まれた聖母が配された空間が、アーモンド(mandorla)の形をしているからだそうです。

 ドゥオーモの名は、日本語に訳すと、「花の聖母マリア教会」。先ほどの内部の時計の下にも、そして、この扉にも、大切な場所に、聖母の絵や彫刻が配されています。

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 このあと、フォトブロガー一行は、ドゥオーモ付属美術館へと移動しました。と言っても、総勢13名のうち、この日、招待に応えて参加したフォトブロガーは、わたしを含めて6名で、奥さん同伴の人が一人、今回のブロガーへの秘宝公開の企画・実行に当たって、さまざまな役割を果たし、当日同行した人が6人です。ブロガーの希望は、19日よりも26日に集中し、さらに、申し込んだもののキャンセルした人もいたそうです。招待メールには、1日15名までで、情報は部外秘とあったので、わたし一人で参加したのですが、そういうわけで、あらかじめ頼んでおけば夫も同伴することができたようです。1日中、フィレンツェですばらしい体験をすることができたのですが、夫も参加できるかと尋ねなかったことだけが心残りでした。

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Porta del Paradiso, Lorenzo e Vittore Ghiberti, 1425-1452

 美術館で最初に訪ねたのは、サン・ジョヴァンニ礼拝堂の東側に配置されていた扉、ギベルティ作の天国の門です。

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 細部にまで趣向が凝らされ、脇に配置された人物像も、衣装やポーズ、頭にかぶる帽子などが、一つひとつ違っています。

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Pietà di Michelangelo, 1547-1555

 それから、階段を上り、ミケランジェロの未完のピエタ像の説明を聞きました。依頼を受けての制作ではなく、自らの墓を飾る像として手がけたもので、聖母やマグダラのマリアと共に、後ろから死せるキリストを支えているのは、ミケランジェロ自身だそうです。

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 ミケランジェロが聖母の背中に置いた左手がひどく大きいので、ガイドさんに「ミケランジェロの手はこんなに大きかったんですか。」と尋ねると、まだ未完成で、左手は大ざっぱに形を作っただけで、細かく彫る作業を始めていないので大きいのだとのことでした。

 息子の亡骸を優しく支える聖母の、表情としぐさにも注目してくださいと、説明がありました。

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 このあとは、ドゥオーモなど、広場の建造物やその内部の芸術作品の修復作業を行うという工房、Bottega dell’Opera di Santa Maria del Fiore(写真左手)を訪ねたのですが、残念ながら閉まっていたため、昼食休憩の会場へと移動しました。

Evento per Fotoblogger a Firenze 2 19/10/2013

- Cattedrale di Santa Maria del Fiore & Galleria, tante meraviglie!

-- Visita esclusiva alla Sagrestia, armadio intarsiato del Rinascimento

-- Affreschi della Cupola, Cuspide della Porta della Mandorla, Porta del Paradiso, Pietà di Michelangelo e ancora...

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 秘蔵のフィレンツェご招待1 / Fotoblogger a Firenze 1 (19/10/2013)
- 秘蔵のフィレンツェ3、ドゥオーモII / Fotoblogger a Firenze 3 - DuomoII (28/10/2013)
- 大聖堂クーポラ登り、フィレンツェ4 / Fotoblogger a Firenze 4 - Cupola del Duomo (31/10/2013)
- イタリア語学習メルマガ第18号 「ダンテ『神曲』、ferragosto」
- イタリア語学習メルマガ第20号 「イタリア語の歴史とダンテ」

Riferimenti web
- facebook – mimulus – Il Grande Museo del Duomo apre ai blogger! 19 e 26 ottobre 2013: eventi per foto/travelblogger!
- Opera di Santa Maria del Fiore・Firenze – Cattedrale di Santa Maria del Fiore. Capolavori d’arte in Duomo
- Opera Magazine - Paolo Uccello e il suo orologio… Controcorrente! (16/10/2013)
- Museo dell’Opera di Santa Maria del Fiore, Firenze – Il patrimonio artistico
- it.wikipedia – Cattedrale di Santa Maria del Fiore
- ja.wikipedia - サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ムームー at 2013-10-22 10:27 x
なおこさん
おはようございます~
おおお~ため息が出ます、素晴らしいですねぇ。
なおこさんの目線での写真に感激や感想によってわかりやすく
身近に感じる事が出来ます。
何もかもが芸術ですねぇ~素晴らしいなぁ。
ご主人様もご一緒できたのですねぇ~
素敵なご紹介ありがとうございます♪
Commented by milletti_naoko at 2013-10-22 18:16
ムームーさん、おはようございます♪ ドゥオーモの赤屋根のクーポラは、どこから見ても絵になるし、洗礼堂もですが、内部も細部まで考えて、装飾がされているんだなと感動しました。説明のあとに、ゆっくり写真撮影をできるのかなと思ったら、そうではなかったので、時計も騎馬肖像画も遠くからレンズで撮影しました。他のブロガーさんは皆、ニコンやキャノンの大きい重いカメラに大きなレンズをつけていて、撮られた写真の細部までの美しさにため息が出ます。外国人ブロガーはわたし一人で、あとは皆イタリア人だったので、日本人としては日本のカメラメーカーの活躍をうれしく思いました。

わたしとしては小さいカメラの利点を活かして、数多く写真を撮り、美しいドゥオーモや洗礼堂を紹介して、日本の皆さんに感動を共有していただけたらと思ったので、ムームーさんのコメント、うれしいです! いつもどうもありがとうございます♪
Commented by ayayay0003 at 2013-10-22 21:56
なおこさん、こんばんは。
なおこさんの写真で、本物の天国の扉を拝めるなんて感激です~.
配偶者もいっしょに行くことができるなんて、イタリア的ですね。
でも、いっしょに来ればよかったと言うやさしいなおこさんが私はいいなあ、いいご夫婦だなあと感じます。(*^_^*)
日本製の高価なカメラの活躍も同感です。

Commented by milletti_naoko at 2013-10-22 23:55
アリスさん、こんにちは。喜んでいただけて幸いです♪ 次回はぜひご自分の目でご覧ください。この美術館は入場料さえ払えば、だれでも入れるはずですし、最近は、ドゥオーモやそのクーポラ、洗礼堂、美術館など、広場の建築物は、すべてが「大きな一つの博物館」(Il Grande Museo del Duomo)であるととらえ直し、入場は、24時間10ユーロの統一切符で、すべてを訪ねられるようになったそうです。

夫と義弟は、「聞いてみればいいんじゃない」と言ったのですが、わたしが、「席は15席だけで、情報は漏らさないこととあるし。」と問い合わせなかったんです。当日、主催者からは、「ここはイタリアだからねえ。融通は利くから、聞くだけでも聞いてみればよかったのに。」と言ってもらいました。

日本人としてはやっぱり、カメラの分野では、プロというか愛好者の間で、日本のカメラに人気があるのはうれしいですよね♪
by milletti_naoko | 2013-10-21 16:07 | Toscana | Trackback | Comments(4)