イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ベファーナと初ピッツァ

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 ペルージャ郊外には、今日、1月4日の夕方に、一足早くベファーナがやって来ました。

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 イタリアでは、1月6日の主顕節(Epifania)は、国民の祝祭日です。この日は、東方の三博士が、長いながい旅のあと、ようやく幼子イエスに出会って贈り物をしたと言われる日で、この日をもって、長いクリスマスのお祝いの時期も終わります。街頭や各家庭、教会などに飾られていた、クリスマスツリーやプレゼーペ、イルミネーションも、この祝日の後には片づけます。

 1月6日は同時に、子供が1年間よい子にしていれば、ベファーナおばあさん(Befana)がホウキに乗ってやって来て、靴下いっぱいのお菓子を贈ってくれる日でもあります。

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 久しぶりに、2歳のかわいい女の子のいる友人夫婦を訪ね、お菓子いっぱいの袋を抱え、ホウキに乗ったベファーナを贈ると、とても喜んでくれました。お母さんは、どうやってベファーナについて説明したらいいだろうと困っていたところで、幼いマーリカにとっては、初めて受け取るベファーナの贈り物だそうです。

 粘土やお絵かき、パズルなどでいっしょに遊んでから、記念撮影をしました。最初は恥ずかしそうに照れていたのに、最後は別れを惜しんでくれて、うれしかったです。

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 ベファーナおばあさんが、どうして主顕節の日に、子供たちにお菓子を贈るようになったかには、いろいろと説があります。中でも有力な説をもとに、夫が数年前にすてきな物語を書き上げ、皆で上演しました。興味のある方は、次のリンクからご覧ください。ごく短い物語の日本語訳と劇の写真があります。

- 『ベファーナ物語』 前編

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 ちなみに、冬に子供に贈り物をするのは、今でこそイタリア全国でサンタクロース(Babbo Natale)だと言われるようになりましたが、夫や友人たちが幼い頃には、ペルージャではクリスマスに幼子イエスが、ブレーシャでは12月13日に聖ルチーアが、リミニでは1月6日にベファーナが贈り物をすると言われていて、そう信じていたそうです。(詳しくはこちら

ジャンニ・モランディが、「ベファーナ」が来ると歌う、楽しいメロディーの歌に、愛嬌のある絵が添えられた映像をご紹介しましょう。


 おととしのメルマガで、この歌をイタリア語学習教材として取り上げていますので、興味のある方はご覧ください。(リンクはこちら

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 夕食には、今年初めてのピザを食べました。夫が腕によりをかけて作った初ピッツァ、下はカリッと焼けているのに、中の生地はふんわりとしていて、とてもおいしかったです。

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Arriva la Befana già a Perugia

a casa di amici per una bimba adorabile
Mi ricordo del teatrino del gennaio 2010
canticchio “La Befana Trullallà”
Per cena la prima pizza dell’anno
fatta nientedimeno da un re magio
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LINK
- LA VERA STORIA DELLA BEFANA di Luigi Milletti

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by クロちゃん at 2014-01-05 08:44 x
なおこさん、おはようございます。♪
ほうきに乗ったちょっと愛嬌のある魔女さんは、ベファーナというんですか。
ほのぼのとした楽しい雰囲気が伝わって来ました。
さあて、いよいよ正月休みも終わりです。
今年もたくさんの笑顔で行きましょう。(^^)/

Commented by milletti_naoko at 2014-01-05 08:50
クロちゃん、ベファーナ人形もいろいろあって、選ぶのも楽しいです。日本ではお年玉、イタリアではベファーナと、どこでも、子供が、クリスマスに続いて新年にうれしい贈り物が受け取れるのは、大人が新年の喜びを何らかの形で子供に伝えようとしたからでしょうか? 子供たちにはとっても楽しみな行事の一つです。

日本では正月3が日も終わりましたね。イタリアでも6日で、クリスマスや新年のお祝いに終止符が打たれます。そうですよね。たくさんの笑顔で行きましょう♪
Commented by ムームー at 2014-01-05 09:50 x
なおこさん
おはようございます。
>クリスマスツリーやプレゼーペ、イルミネーションも、この祝日の後には片付けるのですねぇ~
歴史の重みを感じますわぁ~
プレゼント素敵、喜ばれたでしょう。
ピザも美味しそう、こちらで食べてるのははて?って
思うようなものなんです。
色々な行事に楽しく見せて貰っています。
Commented by ayayay0003 at 2014-01-05 14:33
なおこさん、1月6日に主顕節というものがあること初めて知りました。そして、このひょうきんな魔女さんのことも…*何でもケジメをつける日というものがあるのですね!私も、今日、御供えのお餅を片付けました!本来は、15日くらいまで御供えしておくのですが、最近は5日か6日に片付けて水餅にして食べてしまいます。
ご主人がつくられたピザ、シンプルで美味しそうですね(^-^)。上にのっている具は、玉ねぎとオリーブ?ですか?(*≧∀≦*)
Commented by milletti_naoko at 2014-01-06 02:02
ムームーさん、思いや祝い方は多少違っても、新しい年が訪れる頃、日本でもイタリアでも、長い間お祝いをするというのはおもしろいですよね。ベファーナ人形、「ホウキに乗ってる! きれい!」と、とても喜んでくれてうれしかったです。

ピザは、イタリアでも、ピザ屋では丸いピザの方が多いですが、家庭でよく焼くこういう厚い長方形のピザを食べることもあります。玉ねぎのピザ、好きなので、おいしかったです。

わたしも京都の伝統あるさまざまな行事を、ムームーさんに教えていただけてうれしいです♪
Commented by milletti_naoko at 2014-01-06 02:08
アリスさん、イタリアではこのカトリック教の祝祭日が国民の祝日でもあって、クリスマスのお祭りの最後をしめくくり、子供が楽しみにしています。うちの姪たちもかなり大きくなったのですが、義父母たちも、「今年はもういいのではないか」と言いながら、購入したそうです。日本も七草に鏡開きといろいろなおめでたい行事が続きますよね。ああ、おもち、おいしそうです!

夫のピザの具は、玉ねぎとケッパーです。ふだんは玉ねぎにはセージを添えるのですが、外が雨だし暗いしで庭に取りに行かず、ケッパーで代用したようですが、なかなかいい組み合わせだと思います。玉ねぎのピザ、あっさりとしているし、カリカリした玉ねぎの甘みが好きなんですが、昨晩のピザ、おいしかったです♪
Commented by Masami at 2014-01-06 02:51 x
なおこさん、こんにちは!

我が家の方はBresciaに近いと言うこともあり、聖ルチアがクリスマスよりも主になるのですが、ウンブリアの方ではベファーナの存在が大きいのでしょうか? ベファーナの贈り物をもらって女の子が喜んでくれたとは、良かったですね♪
ベファーナの歌は初めて聞いたのですが、軽快でいいですね(^^)

ご主人様の作ったピザ、美味しそうですね~^^
上に載っているのは玉葱ですか?!
私も久し振りにピザが食べたくなりました(笑)
Commented by milletti_naoko at 2014-01-06 05:01
まさみさん、こんばんは。そうすると、ブレーシャ周辺は、今でも聖ルチアの方をクリスマスよりも大きなお祝いなんですね! アドリア海岸やリッチョーネでは、かつては子供が贈り物を受け取れるのはむしろ1月6日にベファーナからで、存在感が大きかったそうですが、ウンブリアでは一番大切なのはクリスマスで、つい数年前までは幼子イエスが贈り物をくれると言われていたそうです。夫からは、年で一番いい贈り物を子供に与えるのは、誕生日ではなくクリスマスだと聞いたこともあります。このベファーナの歌、何とも言えず、リズム感がありますよね。音楽やジャンニ・モランディの歌い方もですが、しっかり脚韻が踏まれていたりもします。

今回のピザは文句なしにおいしかったですよ~ そうです。玉ネギです。外食と言うと、ピザ屋ばかり行きたがるので、最近は、わたしが食べたいようなところにもたまには行かないのなら、ピザ屋には同行しないと、ピザ屋ストライキをしているわたしです。ならばと(?)自分で作ってしまいました。まあ、改築にお金もかかるので、意地の張り合いではあっても、お金も節約できてよしとしましょう。
Commented by fusello at 2014-01-06 19:23
naokoさん、こんばんは☆
玉ネギのピザ、美味しそう♪
昨年の夏に食べた「玉ネギのフォカッチャ」が最高だったので、「玉ネギのピザ」のお味も想像出来る、う~ん今すぐ食べたい!

それからケッパーは塩漬けのものですか?
お土産に買ってはくるものの、スパゲッティやドレッシングに使用するだけの私、こんな風にトッピングするという手もあるんですね!
Commented by milletti_naoko at 2014-01-07 02:57
Fuselloさんがお食べになった玉ねぎのフォカッチャは、基本的には玉ねぎのピザとここで言っているものとほぼ同じだと思います。イタリアの家庭やパン屋で焼く長方形のピザは、同じpizzaとは呼んでも、かなり厚みがあります。ほんのり焼けた甘い玉ねぎ、おいしいですよね。わたしも大好きです♪

ケッパーは塩漬けのものです。イタリアのピザ屋では、ケッパーが具になっている場合もよくありますよ。ニンニクと塩漬けのケッパーを細かく刻んで少し炒めてから、トマトとじっくり煮込み、パスタのソースにしたり、そうして作ったソースの中で薄切りの肉を料理してピザ風肉料理にしたりもします。うちの夫は塩漬けケッパーが大好きなので、大喜びです。
Commented by patata at 2014-01-08 05:56 x
なおこさん!新年のご挨拶遅れてしまいすみません。
あけましておめでとうございます、今年もどうぞ宜しくお願い致します。

ベファーナが終わると、やっとクリスマスが終わり学校、仕事始めというイメージがあります。
ご友人のお嬢様マーリカちゃん、笑顔がとっても素敵、かわいいですね~!なおこさんも素敵です!

旦那様が腕を振るわれた ピッツァ、とっても美味しそうですね!上に乗っているのは玉ねぎと黒オリーブでしょうか??
ピッツァ美味しいですよね…大好きです。なおこさんのピッツァを見て、私も食べたくなってきたので、夫に提案してみようと思います^^
Commented by milletti_naoko at 2014-01-08 18:44
Patataさん、いえいえ、明けましておめでとうございます。新年はどこかでお会いできると、とてもうれしいです。こちらこそ今年もどうかよろしくお願いします。

おっしゃるとおり、べファーナの翌日から仕事開始で、イタリアの社会人も、「明日からまた仕事が始まると思うと気が重い」という正月病の人が多いようですね。マーリカちゃん、とってもかわいいです。小さい子供は人見知りしたり泣いたりすることも多いのですが、彼女はしばらくすると笑顔で一緒に遊び始め、わたしたちが帰ると知るまでは、終始楽しそうな顔をしていました。

うちは夫がピザに目がないので、外食と言えばピザ屋で、うちでもわたしにピザを作ってほしいとよくおねだりする上、時々自分でも作っています。具は玉ねぎとケッパーです。ふだんは玉ねぎにはセージ(salvia)を合わせるのですが、この日は寒い雨の日で、外には取りに行かず、うちの中にあるケッパーで間に合わせました。玉ねぎのピザ、大好きなんです。Patataさんが作られるピザ、おいしいでしょうね。だんなさまも、きっと喜ばれることでしょう♪
by milletti_naoko | 2014-01-04 23:44 | Feste & eventi | Comments(12)