アパートでの共同生活

 ペルージャ外国人大学の学士取得課程を卒業して、夫と暮らし始めた2005年の秋までは、共同アパートを転々としていました。

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Università per Stranieri di Perugia 14/8/2013

 半年のホームステイのあと、初めて住んだ共同アパートは、外国人大学で同じクラスに通っていた日本のお友達が、空いている部屋があるからと、紹介してくれました。彼女以外は、アラビア圏の男子学生ばかりという不思議な同居生活ではありましたが、男性たちも皆、少なくともわたしたちには礼儀正しい人ばかりです。大学が目の前にあり、近くてそれは便利だったのですが、ウンブリア・ジャズのときには、アパートの前の広場で、大音響でコンサートの練習が繰り返され、家の壁が音で揺れるような気さえしました。なかなか居心地がよかったこのアパートから引っ越すことになったのは、新入りのやはりアラビア人学生が、アパートに大勢の学生を招いて、大音響でパーティを開いたり、皆に共通の空間で煙草を吸ったり、これまでにはなかった迷惑な行動が重なる上に、注意しても、自分の権利だと息巻くばかりだったからです。

 夏に文学の授業で知り合って親しくなった、スペイン女性の一人が、だったら、わたしが国に帰ったあと、このアパートに来ればいいと、勧めてくれました。Corso Cavourにあるそのアパートには、すでにこの友人を訪ねて、何度か行ったことがあり、住人の顔も知っていました。外国人大学からは少し遠くなりましたが、新しいアパートは、住人が4人ともすべて女性である上に、新しい同居人たちとは、すでにいっしょに映画を見たり、コンサートに出かけたりしたこともあったので、安心感がありました。以前の大学に近いアパートは、本当は出たくなかったのに、やむなく後にしたのですが、今考えてみると、そのおかげで、夫と出会うことができたのでした。と言うのも、この新しいアパートに住む唯一のイタリア人女性は、ウンブリア州庁に勤めていて、夫の友人と特に親しく、夫のこともよく知っていたからです。わたしと夫がつき合うようになったのは、彼女が糸を引いてくれたおかげです。(下記リンク参照。これが、「せい」ではなく「おかげ」と言えるように、仲よく暮らしていきたいのですが、はてさて。)彼女と、ナポリに恋人がいて、毎晩長い間恋人と電話で話すドイツ人学生と韓国からの留学生は、わたしがこのアパートに来てから、このアパートを去るまで、ずっと一緒にいたのですが、皆気のいい、優しい性格でした。できることならずっと暮らしていたいこのアパートを去ることになったのは、契約の関係で、全員がアパートを出なければならなくなったからです。

 このあと見つけたVia Fonti Coperteのアパートは、大学からは遠いのですが、家賃が安いのが魅力でした。同居人3人が皆イタリア人で、しかもうち二人が社会人で、落ち着いた生活が送れそうだとも思いました。同居した女性たちは皆気のいい人たちばかりで、うち一人は、買い物の達人で、買い物や暮らしの知恵をいろいろ教えてくれました。ただ、家賃は安いのですが、大学は歩いて40分と遠く、家のたてつけもひどくて、部屋のガラスだったか、よろい戸だったかが壊れていて、修繕を頼むように夫に言われたことを覚えています。大家さんがアパートのすぐ下に店を構える肉屋さんで、毎晩、眠ろうとするのに、階下の巨大な冷蔵庫の立てる音と、前の道路を絶え間なく走る車の音に悩まされました。週末は、たいていはだれか、あるいは複数の同居人の恋人が泊りがけで来ていて、にぎやかでした。わたしはたいてい、夫と二人で、卒業後で二人でしばらく暮らした田舎の家へと向かっていました。騒音や遠さは気にならなかったのですが、問題なのは、同居人中二人が大変な喫煙家で、窓のない台所で、朝も晩もたばこを吸っては、台所と家中を煙で満たし、家のたてつけにも問題があったので、ドアのすき間から煙が入り、わたしの部屋まで煙が充満したことです。夏は窓を開け放せばいいだけの話なのですが、冬はそういうわけにもいきません。それで、今度は、中心街にあるワンルームアパートに引っ越しました。

 さまざまな国出身の学生たちが、バルセロナで共同生活を送る映画、『スパニッシュ・アパートメント』を見て(下記リンク参照)、「掃除するのは、どうせわたしだけなんだから。」という女子学生の言葉や、時々お泊りに来る同居人の恋人たちなどを見て、かつてのアパートでの共同生活を、なつかしく思い出しました。

 金曜の朝から日曜まで留守にしているため、昨日と今日のこの記事は予約投稿にしています。コメント返しや皆さんのサイトへの訪問、遅くなりますが、必ずしますので、今しばらくお待ちください。

関連記事へのリンク
- 出会いのきっかけ
- 西仏アパート映画その2

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2014-01-18 23:59 | Ricordi | Trackback | Comments(8)
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Commented by kazu at 2014-01-19 01:25 x
なおこさん、こんばんは。一連のお話を読んで、フィレンツェにプチ留学していたときのことを思い出しました。私は短期間だったし大家さんと二人の静かな生活で恵まれていましたが、クラスの人たちは、なおこさんが経験されたようなことで皆苦労していました。引っ越しする人もいたし、母国へ帰る人から住む場所を譲り受けたりして、そんな話を毎日のように聞かされました。あの人たちも、今のなおこさんのようにその頃を懐かしんでいるだろなと思うと、皆に会いたくなります。私はクラスの皆さんからよくして頂くばかりで何もお返し出来ずに帰国しましたが、いろんな苦境はその後の糧になっていると思います。ちなみに私の苦境は、アパートのお風呂のお湯が少ししか使えなかったことと部屋が寒かったこと。些細なことで笑われそうですが、週末一泊旅行をしてホテルのバスタブに浸かって思いっきりシャンプーが出来たことが幸せでした。これも懐かしい思い出です。
Commented by Yuccolina at 2014-01-19 05:13 x
なおこさんこんにちは!!

常識もさまざまな多国籍の人達との共同生活、大変なことが色々とありますよね。
なおこさんも経験されたパーティーで騒ぐ人達や、喫煙の問題など。。
私もロンドンで学生をした時に、ハウスシェアをしました。
やはり深夜型パーティー好きな人がいたり、宗教上の食べ物のことで制限を受けたり(イスラムの人に豚肉を同じ家で食べられるのは嫌だと言われたり)色々あったなあと懐かしく思い出しました。
わたしもこのl'appartamento spagnoloという映画見てみようかなあと思います!!
いつも貴重な情報をありがとうございます(*^o^*)
Commented by Masami at 2014-01-19 08:10 x
なおこさん、こんばんは。

なおこさんが旦那様と出会うまでは共同アパートを転々とされていたのですね~。私もソムリエ時代の最初の頃に約1年間共同アパートに住んだことがあるのですが、ずっと年下のイタリア人男性が同居人だったのですが、部屋に鍵がなく、何とも落ち着かない夜を過ごしたのを覚えています(苦笑)

なおこさんの場合は、色々とご苦労もあったと思いますが、
ルームメイトがご主人様を引き合わせくれたなど、
共同生活に懐かしく楽しい思い出が一杯なのですね!

『スパニッシュ・アパートメント』、面白そうですね♪
ゆっくり映画を観たいな~っと思っていたところなので、こちらの映画を探してみたいと思います^^


Commented by ayayay0003 at 2014-01-19 12:02
なおこさん、
留学されてからは、激動の人生を歩まれていますね(* >ω<)
私には、なおこさんが映画の主役のように感じながらこの記事を拝見させて頂いています(*⌒∇⌒*)勿論、なおこさんの人生では、なおこさんが主役なので当たり前ですが…*
なかなか多国籍の方たちと接する機会さへ少ない私には、夢物語のような気持ちさへしますよ♪
日本は、やっぱり島国なので、陸続きで隣国と接するイタリアとは随分感覚的にも違うと思います(^-^;それに都会と違って私の住んでいるところは田舎なので、中国人や英語の先生をしている外国人くらいなので余計にそう思うのかもしれません(^-^)
留学生だったお話、ご主人との恋愛話、私にとっては本当に夢物語です♪そして、これからイタリアへ留学する方にとってはまたとない素晴らしい情報だと思いますよ。(^-^)
Commented by milletti_naoko at 2014-01-20 05:42
かずさん、大屋さんがいい方でよかったですね♪ 楽しいことも、困ったこともいろいろありましたが。今となっては、思い出です。クラスの皆さんが優しかったのは、かずさんの人柄があってこそのことだと思いますよ♪

イタリアで冬が寒くて、お風呂のお湯が使えないというのはよく分かります。もともと一般家庭では、浴槽に使うことを前提としていないので、お湯の温度もそれほど高く設定されていないし、この週末泊まった山の宿でも、友人がシャワーを浴びた直後にシャワーを浴びていたら、すぐに水に変わって困りました。わたしも温かくて心地よい、日本のお風呂がなつかしいです~
Commented by milletti_naoko at 2014-01-20 05:46
Yuccolinaさん、こんばんは! ロンドンでの留学生活、ハウスシェアでは、やっぱりいろんなことを体験されたことでしょうね。わたしもイスラム系の人と暮らしたことがあるのですが、同じ家で豚肉を食べられるのも嫌だなんて! たとえば食べる時間をずらしてくれなら分かるのですが、そこまで言われるとは大変でしたね。わたしが出会ったイスラム教の人たちは、海外では若さもあって羽目をはずすのか、時々は豚肉を食べたり、ワインを飲んだりさえしていました。 機会があればぜひご覧になって、感想を教えてください♪
Commented by milletti_naoko at 2014-01-20 05:51
まさみさん、そうそう、部屋に鍵がないアパートというのも、時々ありました。同居人が男性だと、それは気になりますよね。人生塞翁が馬。本当に何がどういう結果につながるか、わたしたちには見えなくて、不思議ですがおもしろいですよね。わたしたちの結婚をつかさどった神父さんは、「遠く離れた国に生まれた二人がこうして出会って結ばれたのも、実は神が考えてのことなのだ」とおっしゃっていました。

この映画、機会があれば、ご覧ください。前日の記事に書いた『屋根裏部屋のマリアたち』も、とっても楽しい、すてきな映画でしたよ!
Commented by milletti_naoko at 2014-01-20 06:00
アリスさん、ヨーロッパはやっぱり国境が少しずつなくなりつつあるのだと思います。外国との接点が多い点では、東京も同じことが言えそうですが、愛媛ではまだまだ外国の方と接する機会は少ないのでしょうね。わたしも日本で知り会った外国の方と言えば、言語の先生や学んでいた高校に来た留学生くらいだったような気がします。

縁あって結ばれた相手がたまたまイタリアの人だったというだけの話で、だから特別どうということはないのですよ。海外に出てしばらく暮らすと、日本のよさも問題点も、日本に暮らしているだけのときとは違って、客観的に眺めることができるようになります。他の文化と接することも、そうして改めて自分が日本人だと気づくことや日本文化を発見することも意義あることと思います。ですから、留学や旅行はぜひ若いうちにしてほしいと思いつつ、まずはしっかり自分の国の文化を知り自国語がきちんと話せ、自分というものを持ってから、海外への冒険へと繰り出した方が、得るものも多いし、危険も少ないのではないかと考えています。


日本語教師・通訳・翻訳家。元高校国語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより


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