同業者敵対よりも助け合い

 わたしが最初、アイゴの修理費の見積もりを、ディーラー以外には頼まないつもりでいたのは、ディーラーが一番信頼できるのではないかと考えていたからでもありますが、他の業者に見積もりを頼んだら、嫌な顔をされそうだし、他の業者が見積もりのために車を見に行くにも、問題があるのではないかと考えたからです。

 トヨタのディーラーにすでに運び込まれている事故車の見積もりを、他店で出してもらうには、移動に牽引が必要な事故車を、わざわざ他店まで運んでもらう必要があり、万一、見積もりの修理費に差がなく、結局トヨタに修理を頼むことになったら、その牽引・移動費用をむだに払わなければいけないのではないかと、思っていました。これまで、自損事故を起こしたことがないので、日本でもイタリアでも、こういう場合どうなるかについての知識がありません。夫も義家族も、ディーラーで修理すると高くつくからと、いつも行きつけの自動車修理店に、修理を依頼しています。

 それが、今回、修理を頼むことに決めた店を勧めてくれた同僚のアフガニスタン人の先生によると、店はトヨタのディーラーのすぐ近くだし、整備士はただでディーラーに車を見に行って、見積もりを出してくれるはずだと言うのです。その場で、つまり相談をした学校の廊下で、さっそくその整備工場に電話をしてくれたのですが、後からわたしが店の方に連絡して見積もりを頼み、車を見てもらうために、一緒にディーラーを訪ねる日時を打ち合わせて、「トヨタの方に、電話で他社に見積もりを出してもらうために訪ねてもいいかどうか聞く必要がありますよね。」と言うと、車はわたしのものなのだから、そういう許可を取る必要はないとのことです。それでも、ディーラーに電話をして、午後5時半頃、他店の整備士と共に、見積もり作成のために、車を見に行きますと、連絡しておきました。

 自動車整備店は、特にこんなふうに店が互いにすぐ近くにある場合には、客の取り合いも少なくなかろうし、嫌な対応をされるのではないかと心配しながら訪ねたのですが、今回修理を頼んだ店の方、ジュリアーノさんが年配であることもあってか、ディーラーの整備工に知人も多く、トヨタの店の中で、まず和やかな、友好的なあいさつを交わしていたことに、驚きました。わたしがそれで驚いた、心配していたんですがと言うと、「collegaですからね。」という答えが返ってきました。collegaは、イタリア語で、「同僚、仕事仲間」を意味する言葉です。さらに、ジュリアーノさんは、最初は見積もりを出すために、紙と鉛筆を手に、壊れた車の内部を見て、修理や新たに購入することが必要な部品を書き連ねていたのですが、近くを通りかかった整備士さんが知り合いで、質問をすると、たまたまこの方が、実際にディーラーの見積もりを出すために作業をされたらしく、ていねいに一つひとつの質問に答えてくれた上に、ディーラーが必要な部品や作業に必要な時間を、それぞれの料金と共に詳しく記載した明細のコピーまで渡してくれたのです。わたしとしては、事故車を見る前に、この紙をジュリアーノさんに渡してほしいと頼みたかったのはやまやまだったのですが、頼む度胸がなくてあきらめていたので、とても助かりました。

 ペルージャ、サン・シストのぺルジーナのチョコレート工場の向かいにあるトヨタのディーラーは、ジュリアーノさんの工場から車で5分ということもあり、事故車をディーラーから工場に移動するのも、無料でお願いできるそうです。金曜日に、トヨタに見積もりを出すための作業代を支払いに行ったときも、別の店に頼むと分かっても、「collegaですから、お互いに協力し合っているんですよ。」と、笑顔で対応してくれて助かりました。142ユーロだったはずの作業代が、240ユーロになっていたことだけが曲者なのではありますが。

 今回、こういう経験をしたのは、まだ新車購入3年以内で、トヨタが事故車を無料で牽引して、近くのディーラーまで運び込んでくれるというサービス期間内だったために、とりあえずは、このサービスを利用して、崖から落ちた車を、ディーラーに運び込んでもらったからです。というわけで、こういう運び込まれた事故車を、他店が見積もりを出すために見に来るという珍しい事態が発生したわけですが、こういう場合に、日本やイタリアの他の店では、どんな対応をするのか、何だか気になっています。

関連記事へのリンク
- いよいよ修理依頼 (22/5/2014)
Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2014-05-21 22:59 | Altro | Trackback | Comments(4)
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Commented by ジーナ at 2014-05-22 04:54 x
なおこさん、ご無沙汰しています。
かなり久しぶりにブログを訪ねてみると、とんでもない姿の車の写真が…何事かと驚き、なおこさんやご主人が事故に遭われたのかと過去の記事をいくつか遡ってみたのですがそのような内容を見つけることが出来ず…大丈夫ですか?もし車の破損が随分前のことなのであれば今更なコメントで大変申し訳ないのですが、私も以前日本で事故に遭ったとき、写真の車の状態よりも見た目はもっと軽い事故だったのにも関わらず首と腰に鞭打ちの痛みを抱えることになってしまった経験があるので、心配になってしまいました。
Commented by Masami at 2014-05-22 19:09 x
なおこさん、こんにちは♪

まずは無事に修理に至ることになり、本当に良かったですね!
それにしても私も確かに「collegaですからね」とディーラーと自動車整備店が助け合うというのには驚きましたが、でも反面、何だかとっても嬉しくなりました!イタリアの仕事の仕方には日本と比べて足りないな~と思うことも沢山ありますが、でも、こういう柔軟な助け合い精神は嬉しくなりますよね。でも、ここLombardiaでもそうなのかな?人によるのかな?と私もとても気になりました(笑)
Commented by milletti_naoko at 2014-05-26 20:40
ジーナさん、お久しぶりです。車の破損はひどかったのですが、幸い、わたし自身は全身、特に上半身のムチ打ち症や打撲の痛みだけでした。肩や腰、上半身が何だか以前に比べてひどく固くなったとは最近感じていて、時々首の痛みなどが戻っていたのが、先週1週間リュックを背に歩き続けたら、別の意味でいろんな痛みはあるものの、事故の後遺症的な痛みが今のところはすっかり取れて、うれしく思っています。お優しいコメントをありがとうございます♪
Commented by milletti_naoko at 2014-05-26 20:42
まさみさん、驚いたことに、時々お互いに何かを頼み合うことさえあるのだそうで、同業者どうしでこうして協力してくれたことは、わたしにとってはありがたかったです♪
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