草花で赤く彩り染め上げる ~Florario d'Abruzzo2

 今月は、3日間、アブルッツォの元修道院で、植物を使って、布を染めると同時に、草や葉、花の形も布に写し取る技術を学んだのですが、皆の顔が一番輝き、一番歓声が上がったのは、

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Corso di stampa naturale su tessuto Florario d’Abruzzo
Foto dell’Ostello sul Tratturo 14/8/2014

美しい紅色に染まった布を、開いているときでした。

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 布を赤く染めるには、乾燥させたセイヨウアカネ(robbia tinctorum)の根を使います。染める準備ができた布を入れて、60~75度で煮立てれば、きれいな赤になるけれど、水温がそれ以上に高くなると、レンガのような茶色になってしまうので、注意が必要だと教わりました。

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 そして、日本のヤエムグラ(Galium spurium var. echinospermon)の親戚である、この セイヨウカワラマツバ(caglio、学名Galium verum L.)の根も、アカネ同様に、赤い染料になるということで、講座の最終日には、村はずれの野原に、このヤエムグラを探しに行きました。 

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 細くて長い根は、地面の中にある上に、途中で切れてしまいやすいので、掘り出すには注意が必要です。

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 こうして掘り出した根も、この日、布に模様を描き出すのに、使いました。イタリア語でcaglioと言うと、チーズを作るために牛乳を固める凝乳酵素(レンニン)を指すことが多いのですが、この植物は、かつては、赤い染料として利用されると同時に、凝乳する(cagliare)ためにも使われていたため、俗名をcaglioと言うそうです。

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 たとえば、アブサンで染めたこちらの黄色い布の中央部分には、赤い細い線で描かれた模様がいくつかありますが、これはすべて、ヤエムグラの根を置いていたところが、赤くなっているのです。
 
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 乾燥したアカネの根を1時間半水に浸しておいたあと、布を入れて、60~75度で2時間煮込み、布が真紅に染まりました。

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 赤色の魔法で、どの布もきれいに染まり、皆が自作のできばえを喜んでいました。こんなふうにセーターに、葉や根を使って、きれいに花を描いた作品もあります。

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 早く乾くように外に干しながら、他の人の染め上げた布を見て、感嘆し、勉強します。

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 わたしも今回の自分の作品の中では、アカネの根で染めたこの布が、一番気に入りました。わたしもヤエムグラの根を使っています。目を凝らされると、赤い細い線がいくつか上下に走っているのがお分かりかと思います。

✿Rosso - Robbia, Caglio & Passione✿
Corso di stampa naturale su tessuto Florario d'Abruzzo parte 2
con Michela Pasini e Sheila Rocchegiani
@ Ostello Sul Tratturo, Navelli (AQ), Abruzzo

Bel colore rosso grazie alle radici di robbia e di caglio.
In campagna abbiamo raccolto diverse piante
per tingere e decorare i tessuti.

関連記事へのリンク
- 草花で布を彩り染め上げる / Corso di stampa naturale su tessuto Florario d’Abruzzo
- 茜色はアカネの色 / Rosso di Robbia & Rosso di Akane
↑↑ イタリア語でrobbiaと呼ばれる植物が、赤い染料として用いられることは知っていたのですが、今回記事を書くにあたって、このrobbiaの和名が「セイヨウアカネ」であることを調べ、そうして初めて、植物のアカネを用いて染めた色を、茜・茜色と呼ぶのだと知りました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2014-08-25 23:41 | Viaggi in Abruzzo | Trackback | Comments(6)
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Commented by ayayay0003 at 2014-08-26 14:09
なおこさん、こんにちは^^
なおこさんが染められた布の色は本当に素敵で、こうして染められた過程を拝見していても、そのときの喜びの気持ちが伝わってきて私まで嬉しくなりました(^-^)
アカネという植物の根で染められているのですね~♪温度管理が60~75度というのが難しそうですね!お料理する時、特にお菓子やパンを作るときには温度管理が大切なので分かるような気がします(*^_^*)
そうやって大切に丁寧に染められた布は愛着もわくでしょうし、宝ものですね~☆植物採集から始まっているというのも、素敵です。
私もいつの日かなおこさんに教えていただきたいなあ・・・なんて夢をちょっぴり抱いてしまいました(*^_^*)
ほんとうに素晴らしい体験をされましたね♬
Commented by toto at 2014-08-26 19:19 x
なおこさん、こんにちは。
根っこが染料になると聞いたことがありましたが、どうやって使うのか謎でした。ダイレクトに一緒に煮たり、そのまま乗せたりするんですね! びっくりしです! アカネで染めた赤を見て初めて、「茜色の空」という表現そのものなんだなと感動しました。
私もいつの日かなおこさんに教えていただきたいなぁ・・・。
Commented by milletti_naoko at 2014-08-26 20:38
アリスさん、ありがとうございます。絹は羊毛に比べて色が移りにくいので、開いたばかりのときに比べると、今はかなり色が薄く淡くなっているのですが、わたしにはお気に入りです♪

微妙な温度の違いで、色がすっかり変わってしまうそうで驚いたのですが、確かに料理でも、ちょっとした温度が大切ということもありますよね。

自然が豊かで、花染めに使える花や草、木が多いのも、ナヴェッリが会場になった理由のようです。庭に咲く色とりどりの花を見ながら、布にはどんなふうに色や形が残るだろうと想像して楽しみつつ、自宅で染めてみるには、大鍋や媒染剤作りに必要なものなど、そろえる品が多く、本もしっかり読んで勉強したいので、サンティアーゴから帰って腰を押しつけてからの方がいいかなとも考え中です。

遠方で、車で訪ねるには度胸が要りましたが、本当に参加してよかったと思いました♪
Commented by milletti_naoko at 2014-08-26 20:52
Totoさん、そうなんです! わたしも、robbia(セイヨウアカネ)の説明を調べていて、初めて、日本語の「茜色」や「茜さす」という言葉が、セイヨウアカネの親戚で、日本で古来染色に使われていた多年草、アカネで染めた色に由来していると知って、びっくりしました。しかも、アカネという名前そのものが、乾燥すると「赤」くなるその「根」から、そう呼ばれるようです。このことも記事に書き加えようかと思いつつ、長くなりすぎるので、今回は割愛しました。わたしも初めて、「茜色」とはなるほどと、思いました。今では日本でも、在来のアカネよりは、セイヨウアカネを染料とすることが多いと知って、少し残念です。

まずは、本を読んだり、試行錯誤を繰り返してみて、どういう手順を踏み、どう草花を置けばどういう仕上がりになるのかを、しっかり勉強したいと思います。わたしが教えられる域に達せるまでは、まだまだ歳月がかかるので、Totoさん、Rosso di RobbiaやSheilaの講習がイタリア各地でいつあるか、ぜひ気をつけていて、参加してみてください。
Commented by nagisamiyamoto at 2014-08-27 10:43
なおこさん、おはようございます
今回の染物教室でなおこさんはご自宅で使う物にも役立てるおつもりなのでしょうね。自分で染め上げたものなら愛着もわきますし、好きなように作れますからね。あ、そんな簡単なものではないのでしょうか・・・適温とかおっしゃっていましたもの。
なおこさんのご自宅や近辺には沢山のお花がありますから、可能性は無限大ですね。

Commented by milletti_naoko at 2014-08-27 18:25
なぎささん、こんにちは。裁縫ができれば、もっともっとできることや作れるものが多くなるのですが、野の花や草で飾り彩った布というのは、きれいにできなくても、そうやって創ったというだけで、環境にも体にも優しい上に、目と心にとってうれしいので、あれこれ作ってみたいなという想像はふくらみます。白い暖簾や浴衣を染めてみたいなとか、技術がないので、すでにできた白い天然素材の布で作ったものを染めるのはどうだろうと考えたりしています。緑や花は周囲に多いので、いろいろ試してみるのが楽しみです。
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