イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

これは何だ

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 先週土曜日に、夫とスペッロ郊外の緑の中を歩いていると、最初は道端に一本、こちらの棒のようなものが見つかり、そのときは、何かの交通標識かしらと思ったのですが、歩いていくと、こんなふうにいくつも並んで足っていたり、

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そのうちのいくつかは倒れていたりします。それで、ようやく植物らしいと気がつきました。夫に、「こんな植物は初めて見た」と言うと、「名前は覚えていないけれど、あちこちに生えているよ」とのことです。

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 やはり散歩中に見つかった、こちらが実がなったところだと教えてくれました。

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 実がすべて赤くなったものもあります。

 オレンジの棒のような状態にせよ、棒の先に実がぎっしり実った様子にせよ、わたしが持っていた植物の概念を揺り動かすような、不思議な姿となりをしています。

 気になって、夫の持つ植物図鑑を調べてみて、2冊目でようやく名前が分かりました。イタリア語名は、Gigaro scuro、学名はArum maculatum L.です。本の説明に、「Velenosa!」とあり、英語でこの植物を紹介するYouTube映像も見つけたのですが、毒があるので、ご用心ください。本によると、中欧や南欧に見られるとのことです。



 この植物が有毒であることを夫は知っていたので、わたしが触ろうとしたら、注意はしてくれたでしょうが、キノコに限らず、野山には毒のある植物も生えているので、気をつけなければいけないなと、改めて思いました。草花染め講座でも、野山に採集に出かけたときに、先生たちが、「毒がある植物もあるので、知らない植物は、わたしたちに聞いてから触るように」と言っていました。

E' una pianta strana e buffa che abbiamo trovato durante una passeggiata sabato scorso.

Stasera finalmente ho scoperto il suo nome dopo aver consultato due guide delle piante: Gigaro scuro, Arum maculatum L. E' VELENOSA! Quindi fate attenzione!

LINK
- it.wikipedia – Arum maculatum

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by nagisamiyamoto at 2014-08-30 07:05
なおこさん、こんばんは
うわ・・・見るからに私は『これ、危ないやつだ』と思いました。でもこの鮮やかな色は、不思議に惹かれて触ってしまう人もいるかもしれません。危険ですね!茸もそうなのですが、食べれそうな物が即効性の嘔吐をもよおすものとか、食べれなそうな物が意外に美味しい茸だったりしますもの。植物は注意しないといけませんね。
Commented by ayayay0003 at 2014-08-30 08:43
おはようございます^^
色鮮やかで、何、何?という感じで思わず触ってしまうかもしれませんね^^;毒があるようなものは得てして目立つ存在ではあるかもしれません~(*_*)こちらでは見かけないものなので、こうして紹介いただくと毒であってもなんだか得した気分になります♪
日本はこれからキノコのシーズンですが、けっこう毒キノコを食べて中毒になる事件が多発するので注意しないといけません!ちなみに家の近所の山にもたくさん生えてますが採って食べようと思ったことは一度もありません(笑)
Commented by kazu at 2014-08-30 16:00 x
なおこさん、こんにちは。これって日本では多分イタリアンアルムと呼ばれているのではないですか。以前、我が家の庭ではイングリッシュガーデンの真似事をしていたのですが、犬が食べてはいけない植物が結構あることが分かり、その時にいろいろと調べました。カラーや百合や、何だか球根類も食べてはマズイと分かったのですが、その時の資料を引っ張り出してみて、この植物のことも分かりました。もしかしたら、一番上の写真、カラーのように回りに包み込む葉っぱがあったのではないですか。違うかな。動画を見ると、黒い斑点が葉にあるのが、この植物の特徴のようですね。それで、maculatoなんだ。イタリア語名もちょっと怖い感じでがします。何でも名前が付く由来があるから、調べてみれば面白いものですね。
Commented by suzu-clair at 2014-08-30 22:04
オレンジの棒のような植物、変わっていますね!
そして、Arum maculatumという学名の植物(どうもこちらでいうカラーと同じ属のようなのですが、日本では分布していないのか、和名はないようです)、
動画の説明を聞くと、
かなりの毒性を持っているようですね!

確かにちょっと怖そうな雰囲気を醸し出しているものの、
実が完全に色づく前の色の感じは、
こちらでいうナス科の植物やトウガラシの仲間の色のつき方にも似た雰囲気があるので、
思わず触ってしまう人もいるかもしれませんね。

見るからに危険そうな外見のものはまだしも、
中には、とてもきれいで、
観賞用としても流通している植物でも、
軽度であっても毒性のあるものって、意外と多いのですよね。

鑑賞するだけなら人体に大きな影響のないものも多いので、
過度に神経質になりすぎる必要はないと思うのですが、
根などに毒があって水つけした花瓶の水などを子供やペットが誤って飲まないように注意が必要なものなどもたまにありますし、
植物の特性を知ることは、
大切ですね。

Commented by kazu at 2014-08-31 00:58 x
追伸
あっ、一番上の写真は赤い実が落ちた後なのですね?
Commented by milletti_naoko at 2014-08-31 05:09
なぎささん、さすが! 危ないとすぐに見抜かれましたか。「これは危ない」と皆が判断できればいいのですが、特に子どもや動物は、近づいたり触ったり、そうして触った手や前足を口に持って行ったりする可能性もあるので気をつけなければいけませんね。
Commented by milletti_naoko at 2014-08-31 05:12
アリスさん、そう言えば、よくアニメで見かけるような赤に白い斑点のあるキノコも、きれいですが、毒キノコです。自然には、美しいもの、おいしいものも多いけれど、一見きれいだけれど毒のあるものもあるので、気をつけないといけませんね。日本でもキノコ中毒の事件が多いのですね。イタリアでも毎年かなり多くの方が命を落としたり、命の危険にさらされたりしています。慣れているからと過信して、あるいはキノコをよく知る知人に見てもらってから食べたのに、一家が病院に運び込まれ、何人かは亡くなったという事件もあって、本当に注意が必要です。
Commented by milletti_naoko at 2014-08-31 05:20
かずさん、ありがとうございます。イタリアンアルムで検索して、画像で絞り込んでみて、たぶん日本ではこう呼ぶのではないかと思います。おっしゃるように、カラーのようにまわりを包み込むものがある絵が、イタリア語版のウィキペディアのページに出ています。そうです。斑点があるからmaculatumなんです。かずさん、鋭いですね。語源にも触れようと思いつつ、macchiatoやImmacolata Concezioneまで引き合いに出して、俗ラテン語からイタリア語への変化を説明していたら(CUL→CL→CH)、長くなるし話が逸れると考えて、割愛しました。一番上の写真は、実が実る前なのではないかと、思うのですが、はてさて。
Commented by milletti_naoko at 2014-08-31 05:24
すずさん、植物ってこんなものという概念を覆すような植物に、散歩中にふと出会って、興味深かったです。実が緑から赤へと色づいていくのは、森でも畑でもよくあることなので、うっかり触ったり食べたりする人や動物もいそうで、心配です。

毒と言えば、夾竹桃の毒もかなり強いそうですよね。こちらではよく観賞用に植えられているのですが、まれに毒があると知らずに、料理に使って死亡する方もいるようなので、植物の特性には、本当に気をつけなければいけませんね。
Commented by patata at 2014-09-05 21:07 x
この植物、私、山で見かけていたら、触っていたかもしれません・・毒があるとは・・・驚きです。
きのこ=毒持ちの種があると、知っているので、まず疑いから入りますし、触ることも滅多にありませんが、考えてみれば植物にも毒がある種があるのですよね。
トレッキングを最近良くするので、うっかり触らないように気をつけなくてはいけませんね!やはり植物図鑑は必須ですね。買わなくては!!勉強になりました。ありがとうございます!
Commented by milletti_naoko at 2014-09-07 05:51
Patataさん、草花染めの講座でも、ピエモンテでも自然の草花についていろいろ教わったのですが、たとえばクロッカスによく似た猛毒を持つ花もあって、犬が食べて毒に当たることもあるし、こういう植物に触った手をうっかり口や目に持っていく可能性もあって、気をつけなければいけないなと、私も改めて感じました。
by milletti_naoko | 2014-08-29 23:39 | Fiori Piante Animali | Comments(11)