ピザと食の衛生・安全

 ピザは、きちんといい材料を選んで作るべきように作ればおいしい健康食だけれどもという前置きとともに始まった昨晩の報道番組、『Report』が、イタリア各地で、いかに健康を害する恐れのあるピザや品質の悪いピザが多く作られ、消費されているかを、詳しく取り上げていました。

f0234936_20362584.jpg

1.いったんピザを焼き始めると、そのまま翌朝までいっさい釜を掃除しないで、次から次へと焼き続ける店が多い。小麦粉やトマトなどの具が落ちて焦げついて真っ黒になった部分にも、こうして焦げついた部分から立ち上がる黒い煙にも発がん性があって、後から入れられたピザの表面が黒い煙に触れたり、裏面に黒い焦げがこびりついたりすると、そうした部分が、発がん性のある有害物質を含むようになる。

2.オリーブオイルではなく、ヒマワリ油、大豆油など安価な油や、パーム油など、健康によくない油を利用する店が多い。

3.健康を害し、栄養もほとんどない小麦粉、farina00を使うピザ屋が多い。

4.こうした小麦粉の健康への悪影響を抑え、ピザを消化しやすくするためには、24時間、48時間など長時間発酵させる必要があるのに、30分、1時間といった短い発酵のあと、すぐにピザを焼く店が多い。

5.本当に質のいいモッツァレッラやトマトは、イタリア国内では、値段が高いからとなかなか買い手が見つからず、海外に輸出されてしまい、具として品質の悪い安い食品を使う店がある。

6.ベネチアでは、冷凍されたピザの生地を使う店が多く、しかもそれをメニューや店頭に明示せず、記載があっても、あまりにも小さい字で書かれている上、きちんと自分たちで生地から焼いている店と同様の値段をつけているため、まじめな業者が迷惑を被っている。

7.ピザを持ち帰るための箱が、再生紙でできていると、かつて印字に使われていたインクなどの成分がピザに染みこみ、健康に害があるため、再生紙で作ったピザ箱の使用は禁止されている。にも関わらず、現在使用されているピザ箱では、再生紙を利用したものが最も多い。健康に害のない、法のとおりに作られた箱は、紙の表層を破っても内側は白いが、違法な再生紙を使った紙箱は、表層を取り除くと、内部は灰色がかったベージュ色なので、すぐに見分けがつく。

 幸い、イタリアのピザ屋は、そういう困った業者だけではなく、客の健康や食品の質に気をつけて、材料を選び、調理法も工夫しているピザ屋も多いのだということと、そういう店や職人さんの例も、いくつか説明されていました。イタリア在住の方は、次のRai3のホームページから、番組のピザに関する部分をすべて見ることも可能ですし、イタリアにお住まいでなくても、下にあるトランスクリプトを読むことが可能です。興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

 消費者のわたしたちが、値段や化学物質でごまかしたおいしさではなく、ピザ屋がどんな材料を使い、どんなふうにピザを焼いているかに、もっと関心を持って店を選ぶことで、少しずつ、本当にいいピザ屋だけが残るように、そして、どのピザ屋も健康にいい、真においしいピザ作りを目指すようになればと願っています。

***********************************************************************
Dal sito di Report: "La pizza fatta con ingredienti giusti fa bene. Invece da Napoli a Roma, Milano, Venezia, Firenze, spesso non è digeribile e talvolta, può contenere elementi cancerogeni. [...]"

Noi consumatori scegliamo attentamente e intelligentemente le pizzerie che privilegiano la qualità in modo che sopravvivano solo quelle virtuose.
***********************************************************************

LINK
- Rai3 – REPORT – NON BRUCIAMOCI LA PIZZA
- Corriere.it – Report. Come mangiare un a pizza non contaminate. Un estratto dell’inchiesta “Non bruciamoci la pizza” messa in onda su Report domenica 5 ottobre su Rai3 di Bernardo Iovene

Articolo scritto da Naoko Ishii

 この記事いいなと思ったら、応援の1クリック(↓↓)をお願いします。
Cliccate sull'icona (↓) se vi piace l’articolo.
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
NihonBlogMura Blog Ranking

こちらもクリック↓↓ ありがとうございます!
Anche su questa icona. Grazie!

Ninki Blog Ranking

by milletti_naoko | 2014-10-06 23:01 | Gastronomia | Trackback | Comments(13)
トラックバックURL : http://cuoreverde.exblog.jp/tb/23074386
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by ayayay0003 at 2014-10-07 13:29
こんにちは^^
今日の記事を拝見して、う~んどこの国にも程度の差はあるけど
このようないいかげんなものを出すお店があるんだな・・・と思いました~^^;
日本では一時、賞味期限切れのものや、お客さんが残したものの使いまわしを出してたことがバレて廃業したお店もありました!
やはり私たち消費者(お店のお客さん)も、本物を見分ける舌や目を持ち、こういうお店を繁盛させないようにしないといけないと思います。
Commented by nagisamiyamoto at 2014-10-07 14:16
なおこさん、おはようございます。
記事を読んでびっくりしました。そんなことがあるんですね。
確かにピッツェリアは美味しいお店とそうでない観光客向けのところがありますが、そこまでずさんなことが起きているとは。
イタリアはそれでもメディアがすっぱ抜く力があるのが救いだと思います。消費者に対して店の選択を提案する番組はとても重要ですね。
私もいろいろお店をブログで紹介してきましたが、こういうことも考えてお伝えするべきだと思いました。
貴重なお話をありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2014-10-07 15:55
アリスさん、日本にもそういう店があるんですね! 氷山の一角ではないことを祈ります。わたしも、懐と相談しながらも、店や料理・商品の質を見定めて、よいものを選ぶように、消費者も気をつけなければいけないと、つくづく思いました。
Commented by ムームー at 2014-10-07 16:12 x
なおこさん
こんにちは。
そちらでもそういう事があるのですね、
お国が変わってもやっぱり消費者をばかにしたいうな
商法があるなんて、こちらも有名な所でも
ずさんなことをしていました。
こちらは安心していますのに、日々口にする物は
なおさら怖く感じますね。
なおこさんがこうして発信されますとそちらに
お住まいの方々は参考になっていいですね。
良く吟味して買うのに、ほいと何も考えずに
買うことがありますの、これからも良く見て買いますね。
いつもありがとうございます。


Commented by milletti_naoko at 2014-10-07 16:24
なぎささん、おはようございます。夫や義弟は、以前からピザ屋で使われる小麦粉の質や発酵時間にこだわり、時々「これはモッツァレッラの代替品だ」と嘆くことがあったのですが、今回の報道で、どうして小麦粉の種類や発酵時間が大切なのかが改めてよく分かりました。記事には書きませんでしたが、カンパーニアのモッツァレッラ工場が利便と経費節約のため、カンパーニア州の牛からとれた牛乳ではなくドイツから輸入した牛乳を使っているとか、イタリアで最も消費の多い冷凍ピザのメーカーが、箱に明記されていないけれど実はドイツの企業であるとか、他にもびっくりするような情報が多々ありました。ただ、カンパーニア州は、違法な産業廃棄物のための土壌汚染で、野菜や酪農製品の安全性が危惧される地域があるという報道を以前見たこともあります。わたしも、イタリアでは、メディアが環境汚染・食の問題や汚職など、日本では産業界や政界の圧力でかき消されてしまいそうな情報を調べて報道してくれるのがありがたいと思います。(つづく)
Commented by milletti_naoko at 2014-10-07 16:25
なぎささんへ(上からの続きです)

本当に質のいい材料を使うとどうしても値は上がり、それでも良質の、健康にいいおいしいピザを作ろうという店や職人さんも、きっと番組で紹介された人たちばかりではなく、イタリア各地に多いであろうことが慰めです。ちなみに、フィレンツェで、質のいいトマトやチーズ、オイルを使い、十分に発酵させたおいしいピザ、la signora pizzaだと高い評価を受けているピザを焼いている店は、番組ではどこか明記されていませんが、なぎささんの記事で見覚えがあり、今写真で店内の様子を見比べてみたのですが、中央市場新1階のピザ屋ではないかと思います。(ReportのHP内の映像の52分40秒目から)値段は高いけれど、質もよくおいしいということなのですね。こちらこそ、いつもありがとうございます♪
Commented at 2014-10-07 16:27 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2014-10-07 16:29
ムームーさん、消費者の信頼を裏切って、そんなふうに売り上げの向上ばかりを考える企業が日本にもあるのですね。困ったものです。経済危機の折でもあり、安いものをとつい考えてしまいますが、特に自分たちが口にするものに関しては、よく気をつけなければいけない、消費者自身が身を守るべく行動を起こしていかなければいけないとつくづく感じました。こちらこそ、いつもありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2014-10-07 16:34
鍵コメントの方へ

大切な食文化や健康を守る大切さをつくづく感じます。それと同時に、ピザなどの食品に限らず、質よりも安さを求めがちな風潮や自分の姿勢も省みました。こちらこそありがとうございます。わたしも、すてきな美しい写真と風景を時々訪ね、応援をさせていただきますね。そちらもどうかすてきな秋を、日々をお過ごしくださいませ。
Commented by Kei at 2014-10-07 21:53 x
こんばんは♪
ピザ、好きなんだけどなぁ~~~。
そちらでは本格的なピザ屋さんがたくさんありそうなのに、残念な話ですね。
日本は衛生面では厳しく見られていそうですけど、個人のパン屋さんとかもしっかり気を配ってほしいですね。
う~ん・・・・でも、ピザが食べたくなってきました(笑)
凸ぽち!

Commented by kazu at 2014-10-08 17:48 x
ピザにこんなことがあるなんて驚きました。イタリアではピザがとても安いので、さすが本場だと思っていましたが、考えてみると、素材にこだわり美味しいモノを作ろうとすると、余りにも安価な値段設定は出来ないですよね。イタリアではピザが大きいし、一人では食べ切れないので注文することはさほどないのですが、昨年食べたナポリのピザは美味しかったので、このようなニュースは残念です。どうかすると、ピザの件は氷山の一角かも知れないと勘ぐったりします。日本でも星付きの老舗店の産地偽装があったり、この手の話題には事欠きませんが、真面目なお店もいっぱいあるのに、こんなことが公に報じられると、いい迷惑ですね。
Commented by milletti_naoko at 2014-10-08 22:32
Keiさん、良心的においしいいいものを提供しようという店もきっと多いはずで、これを機会にそういう店を選ぶ意識を、皆が持っていく必要があるかなと思いました。ピザがお好きなんですね! わたしたちも昨晩、久しぶりに食べました。ポチをありがとうございます♪
Commented by milletti_naoko at 2014-10-08 22:37
かずさん、日本でわたしたちが見かけたピザの値段はおそろしく高かったので、たとえよい材料を使っておいしく焼いたピザでも、日本に比べると値段は安いと思います。日本では100円ショップ、イタリアでも中国製などの安いものと、とかく品質よりも値段で商品を選ぶ傾向も、不況下ではあり、店も生き残りのために価格を下げて競争しようとしたのか、儲けを上げようしたのか、動機はさまざまでしょうが、そういうときこそ、体にも味覚にもいいおいしいものを作って、値段ははっても質で勝負をしてほしいものです。"Non bruciamoci la pizza"と、題が一人称複数になっているのは、単に業者の責任とはせず、消費者も含めて、イタリア人である、イタリアに住むわたしたちがピザを、そうして健康を守ろうということだろうと、夫が言っていました。昨日初めて行ったピザ屋で、裏面が焼けていなかったのでほっとしました。まあ7時過ぎで、わたしたちが1番乗りだったためでもあるのでしょうが。
<< 湖に沈む夕日と昇る月 無事帰宅しました >>