かぜをひいています

 「かぜを ひいています。」を
 「かぜが ふいています。」と
混同して間違えた生徒さんに聞かれて、雨は、
「あめが ふっています。」と言うんですよと答えながら、
日本語もなかなか難しいなと改めて思いました。

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 イタリア語では、外国語学習において、こんなふうに、まだしっかり身についていないためにおかす間違いをerrore、知っているのにうっかり口が滑ってしまうような間違いをlapsusと言います。

 今でもわたしが時々やらかすうっかり間違いに、mezzogiorno「正午」のつもりでmezzanotte「真夜中」、あるいはneve「雪」のつもりでnave「船」と言ってしまったり、あるいはその逆方向に言い間違えてしまうというのがあります。それぞれの言葉の意味はちゃんと認識しているので、日本語で意味を聞かれれば、決して間違えることはないと思いますし、日本語を教えたり、通訳の仕事をしていたりといった、神経を集中させて仕事に取りかかる場合にはこういう間違いをすることはなく、こうやって間違えるのは、たいてい夫や友人と、のんびりと気楽に話をしているときです。ですから、そうやって気を抜いていることも、もちろんこういう間違いの理由でしょう。言ったあとですぐに自分で気づいて言い直すこともあります。こういうlapsusの原因は、どうも脳における記憶のしまい方に関連しているようです。たいていの辞書には、日本語の辞書であれば五十音順、欧米の言語の辞書であれば、アルファベット順に、言葉が並んでいますし、整理ダンスの中には、衣類がたとえば靴下なら靴下、セーターならセーターというふうに、衣服の種類ごとに分類されていると思うのですが、わたしたちの脳内の記憶では、いろいろな言葉は、音声によって、つまり音声の似たものどうしが近くに来る形で、収納されているそうです。ですからたとえば、お気に入りの青い靴下を選ぶつもりが、部屋が暗くてうっかりしていて、近くにあった黒い靴下を取ってしまうということがあるように、話している途中でmezzanotteという言葉を脳が保存場所に探しに行く際に、リラックスしていると、間違って近くにあって音の似ているmezzogiornoを間違って引き出してしまうのだと思います。

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 写真は、庭で見つけた秋の色と、うちの窓から見えたきれいな夕焼けです。

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In giapponese
'かぜをひいています' (kaze o hiiteimasu) significa 'Ho il raffreddore', ma
'かぜがふいています' (kaze ga fuiteimasu) vuol dire 'Tira il vento'.
Tramite un errore del mio allievo mi sono accorta della somiglianza delle due frasi.
Invece, i miei lapsus (conosco ciascuna parola bene, ma mi sbaglio per disattenzione) sono questi: dico 'neve' quando voglio dire 'nave' e 'mezzogiorno' al posto di 'mezzanotte'.
Dicono che nella memoria i vocaboli sono classificati a seconda dei loro suoni. Per questo, quando sono rilassata, pesco una parola simile ma sbagliata invece di quella giusta che si trova vicino... penso.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2014-11-08 20:09 | ImparareL2 | Comments(6)
Commented by ayayay0003 at 2014-11-09 15:42
こんにちは^^
よく似た音声の言葉が隣同士に仕舞われているなんてことを今まで考えたことはありませんでしたが、海外旅行でたまにしか使わない英語を話すときにそうした間違いをしたことそう言えばあります。単語が出てこなくて出てきた言葉はよく音声は似てるけれど全然違う意味の言葉だった!後でまちがいに気付いて顔から火が出る思いをした時もあります(笑)
言葉というのはそう言う風に考えるとなかなか面白いとも言えますね~(^^♪
なおこさんのお庭の紅葉は本当にキレイですね(*^^)v
お家の窓とは・・・大変素敵な夕焼けです♪
Commented by milletti_naoko at 2014-11-09 23:07
アリスさん、こんにちは。同じような間違いを、アリスさんも英語でされたことがあるんですね。心理言語学の授業で、記憶のしくみと外国語学習の関係について学んでいるときに教わったように覚えているのですが、おもしろいですよね。別の授業の参考図書では、人間の記憶や脳というのはファジー機能を備えていて、疲れているときには、自分がなすべきことの指令や知覚があいまいになって、たとえば、ジョギングの後疲れていた女性が、Tシャツを洗濯機に入れるつもりがトイレの便器に放り込んでしまった例を挙げていました。「白くて大きな丸い穴に入れる」と、疲れで認識や指令・行動がニアミスをおかしているという例だったような気がします。百日紅の花は終わりましたが、こうしてきれいな紅葉が楽しめてうれしいです。うちは西に小高い丘があって、日の入りは見られないのですが、こんなふうに色づいて美しい雲が見られることが時々あります♪
Commented by chie*co at 2014-11-10 09:41 x
'かぜをひいています'
'かぜがふいています'

わずかな違いが大きな違いですね~~
何も考えずに使ってましたが・・
言葉を学ぶって難しいですね・・
新しい気づきです・・
ありがとうです~♪

今日も・・素晴らしい1日になりますように・・
そして・・明日も・・ ず~っと ず~っと・・=*^-^*=~thanks!!
Commented by milletti_naoko at 2014-11-10 23:36
chie*coさん、日本語を母語として話すわたしたちには当たり前の違いも、初級の学習者には似ていて難しいので、やっぱり外国語の学習というのはなかなか難しい、けれどだからこそ、勉強も教えるのもやりがいがあると思います。わたしがいろんな外国語を勉強してつまずくところも、ネイティブにとっては簡単というところも多く、自分も勉強するので、同じように頑張っている生徒さんの苦労もよく分かる気がします。どうかすてきな秋の日をお過ごしくださいね。
Commented by Makitalia at 2014-12-02 23:39 x
初めまして!
~neve「雪」のつもりでnave「船」~
イタリアに住みもうすぐ3年が経ちますが、私も上のような分かっているのに言い間違いがあって、、、“記憶のしまい方”、なるほどなぁぁって、勉強になりました。
ちなみに、座り心地が悪い時やお尻の筋肉が痛い時、「sedere…お尻」を「sedia…椅子」とたまに言い間違い、夫に笑われています。
こちらの記事も、他の記事も、とっても興味深いので、私のブログにリンク張らせていただいてよろしいでしょうか?
Commented by milletti_naoko at 2014-12-03 01:29
Makitaliaさん、はじめまして。そんなの知っているはずなのに、どうしてこんな言い間違いをという言葉がついつい口から出てしまうことってありますよね。sedereとsediaになると、そもそもsediaがsedereから派生した語のようで形と音が似ている上に、意味的関連もありますから、ついつい間違えてしまうのもさもありなんという気がします。リンクはぜひどうぞ。ありがとうございます。わたしもMakitaliaさんのブログに近いうちにおうかがいしますね。
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