この野草食用それとも有毒か、ウンブリア野草講座

 野や畑に自然に生えてくる野草や花の中には、おいしく食べられて、健康にいいものがいくらもあるけれども、うっかり口にしては命に関わるものや健康を害するものがある。世代から世代へと長く受け継がれてきた暮らしの知恵を広く伝え、せっかくある自然の恵みをもっと享受しよう。

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Lezione, “Erbe campagnole” del prof. Aldo Ranfa, Spello (PG) 15/4/2015

 そういう趣旨で、今週4月15日水曜日から19日日曜日まで5日間にわたって、スペッロで、「味わうスバージオ山、学ぼう農村の草・山の味」(意訳です。原題はSubasio con Gusto. Rassegna delle erbe campagnole e dei sapori montani) が開催中です。

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Spello & Monte Subasio 16/4/2011

 スペッロは、アッシジを中腹に抱くスバージオ山の裾野にある美しい村で、ペルージャから、南東に車で約30分ほど向かったところにあります。

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Passeggiata da Spello ad Assisi attraverso il Subasio 16/4/2011

 4年前には、夫たちとスペッロからスバージオ山を越えてアッシジまで歩きました。その後も、スペッロからスバージオ山を登ったことがあるのですが、少し町を離れると、道がすぐに緑や花に包まれる、散歩がうれしい場所です。

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Dalla Lezione, “Erbe campagnole” del prof. Aldo Ranfa 16/4/2015

 おとといと昨日の晩は、ペルージャ大学のランファ先生(冒頭の写真)が、野草の活用の歴史から説き始め、ウンブリアに自生する野草について、食用の場合は食べ方や効用、有毒な場合はどんな害があるか、そうしてそのいずれについても見分け方などを、詳しく教えてくださいました。古来、食糧不足になると、食べられる野草についての本を著す人が現れたとか、第二次世界大戦中にイタリアで戦った米兵たちが、イタリアの食べられる野草についての手引書を持っていたとかいう話も、興味深かったです。

 見たこともないし、教わったのはいいけれど、見分けるのがひどく難しそうなよく似た野草が多い中、わたしでも知っている野の花もあります。たとえばこちら、ヒナゲシ(papavero)は、種が食べられるのは知っていましたが、葉や花も食べられるそうです。知っている花と言えば、なんと自生のプリムラの葉も食べられるそうです。

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 最近わたしがよくご紹介しているアリウム・ネアポリタヌム(aglio napoletano、左の写真)も、なんと根や葉が食べられるそうです。ただ、花がきれいなので、わずかな根や葉を食べるために、根を掘り起こしたり葉をむしる気にはなれません。他の野草についても、根が食べられるものについては、「翌年以降のために、すべて収獲しないで、必ずいくつか残しておくこと」と、先生が言っていました。

 一方、キンポウゲ(ranuncolo)の仲間は、概して有毒だということです。キノコに限らず、野草や草の実も、毒があるものを間違って口にして、救急病院にかつぎこまれたり、命を落としたりする人が後を絶たないようですから、やっぱり山歩きなどのときに、うかつに何でも食べてしまわないように気をつける必要があります。

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 初日になくなってしまいましたが、いくつかの主な野草について、写真や見分け方、食べ方や効用などを説明した小冊子も、もらうことができました。

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- amazon.it - Aldo Ranfa, “Piante amiche e nemiche dell'uomo”, Terre, 2014

 話が興味深いし、見分けて活用することさえできれば、健康に役立ち、しかも料理をおいしくしてくれる草花が多いので、このランファ先生が著した本も、会場で購入しました。題名の適切な日本語訳は、本を読んでみないと正確には分かりませんが、意味は、『人間の役に立つ植物と害のある植物』ということです。amico「友だち」、nemico「敵」という名詞はご存じの方も多いと思いますが、この本の名前では、この2語が、植物(piante)を修飾する形容詞として使われています。

 本にはいろいろな野草についての説明が詳しく書いてあります。説明に添えてあるのが、写真ではなくて、白黒のスケッチであるのだけが、ちょっと残念です。

 毎朝8時から授業があるので、午後9時から11時までのこの講座に通うのは大変だったのですが、興味深く役立つことがたくさん学べたので、無理をしてでも参加してよかったと思っています。夫がぼく一人でも行くよと乗り気なおかげです。土日も、実際にスバージオ山を歩きながら、こうして学んだ野草を実際に探したり、見つけたりする学びのトレッキングが予定されています。

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Subasio con Gusto. Rassegna delle erbe campagnole e dei sapori montani
@Spello (PG), 15-19 aprile 2015

- Interessanti le Lezioni , "Erbe Campagnole" del prof. Ranfa.
Sorpresa, si possono mangiare pure i fiori di papavero e malve, le foglie di primule.
Buone anche la radice e le foglie di aglio napoletano! Ma amiamo i suoi fiori, quindi continueremo ad ammirarli invece di gustarli.
- Invece, sono velenosi il ranuncolo, l'elleboro e il latte di gallina.
- Foto anche delle passeggiate da Spello ad Assisi dell'aprile 2011
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Info Evento
- Pro Loco IAT Spello – Subasio con Gusto dal 15 al 19 aprile 2015

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- スペッロからアッシジへと歩く旅1 / Passeggiata sul Monte Subasio, da Spello ad Assisi 1 (16/4/2011)
- スペッロからスバージオ山へ / Passeggiata sul Monte Subasio, da Spello alla Madonna della Spella (7/9/2014)
- スペッロでお散歩1 / Passeggiata a Spello 1 (9/1/2011)
- スペッロでお散歩2 / Passeggiata a Spello 2 (9/1/2011)
- 電車でおでかけ / Viaggiare in treno in Umbria (5/1/2011)
↑↑ 今回ご紹介したスペッロは、アッシジやフォリンニョ、スポレートなど、他のウンブリアの歴史ある美しい町同様、Trenitaliaの電車で訪ねることができます。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2015-04-17 23:56 | Fiori Piante Animali | Comments(6)
Commented by ayayay0003 at 2015-04-18 07:12
おはようございます^^
野草で食べられるものは、日本にもたくさんありますよね♪
よもぎやわらび、ぜんまいなど特に今の時期に多いような気がします。
↑のようにわかりやすいものはいいけれども、中には毒があるもの、例えばトリカブトのように結講どこにでも生えているものもあるので気をつけなければいけません(>_<)
そして、もっとも怖いのがキノコの類ではないでしょうか?
これまた、美味しいのもこの類なので困ったものですね!
キノコで命を落とす人が多いそうです(・。・;
私は、知識がないので決してキノコだけは採取しないと決めています(笑)
本当は、自然に生えてる食べられるキノコはとても美味しいそうですが・・・
ちゃんとした知識を持ってから野草は、食べたらよいですね(^-^)
Commented by suzu-clair at 2015-04-19 00:34
野草講座、とても面白そうですね。
昔から人々が培ってきた自然の恵みを活かす知恵、
現代を生きる私たちがもっと知って役立てていけば、
より健康的な暮らしが可能になりそうですね☆

植物は観賞用として目を楽しませてくれるだけでなく、
私たちに栄養や生命力をくれる働きをもっているものも数多くあることを思うと、
本当にありがたい存在で、
まさしくイタリア語で言うところの、
amicoであったりもする側面もありますね。
もちろん、人体に有害なものもあるわけですが、
そうした性質をよく理解して、
自然と共生・共存することこそが、
本来のありかたなのだろうなと思います。

なおこさんのお仕事、
朝8時から授業があるのですね。
そして夜遅くまで講座に通われたとは、
本当に頭が下がります。
ご一緒に学ばれるご主人がいらっしゃることは、
心強く励みになりますね☆

スペッロという村、
とても美しいですね☆
Commented by milletti_naoko at 2015-04-19 18:26
アリスさん、そうですよね。日本でも春・秋の七草、ツクシをはじめ、野の恵みを大切にいただく慣習がありますよね。有名なもののほか、一般には知られていない、お年寄りが長年の経験で知っている野草というのがあって、そういう野草については、こういう会などによって伝えていかないと、せっかくの知識・文化財産・風習が失われてしまうということで、こういった催しが最近は各地であります。いつも参加したいなと思いつつ、別に用事があったりして機会を逃していたので、今年はようやく参加できてうれしかったです♪

やっぱり一番命に関わる事故が例が多いのはキノコのようですが、野草や木の実でも命を落とす場合があるらしいので、気をつけなければいけません。知らないものには手を出すなというのが、やっぱり鉄則のようです。ちなみに、キノコはイタリアでは、毎年各地で安全にキノコを楽しめるための講座が開かれています。
Commented by milletti_naoko at 2015-04-19 18:32
すずさん、たとえば同じ野草も、場所が少し離れれば方言での呼び名が変わったり、利用の仕方、料理の仕方が違ったりするなど、野草そのもの以外についても興味深い発見がいろいろとありました。戦争や凶作などで食糧が不足するときに、とくにこの野草の知識が大切になってきたようですが、実は薬に代用できるような野草あり、健康増進や精神を安らげるのに役立つ薬草ありで、サラダをよりおいしくしたり、季節の味を楽しんだりする以外にも、やっぱりこういう教えを学び、伝えていくことは大切だなと思いました。

今回は講座の開催場所があまり近くない上、夜遅いので、今夫といっしょに行っておかないと、もう通えないかもしれないと思い、参加しました。もともと興味があるからなのですが、いい経験になりました♪ スペッロ、村も野山も美しいところなんですよ。
Commented by Makitalia at 2015-04-22 04:41 x
こんにちは!
パパヴェロの葉や茎が食べることができるなんて!!ますます、愛おしくなりました(笑) 私の友達の旦那さんも、野草やキノコの詳しい本を熟読されていて、この前もタンポポの葉と蕾をいただきました。
パパヴェロは、やっと4月17日に近所で咲いているのを見つけましたが、翌日、ジェノヴァ方面に向かっていると、道路わきに沢山咲いているのを見かけ、思わず「わぁぁ!!」と喜んでしまいました。
その近所のパパヴェロは、その二日後、増えているかなと楽しみに見に行ったら、他の雑草と一緒に無残にも刈られていて、非常にショックを受けました。そうションボリしていると、夫が、小学校が近いので、雑草が育ってくると、蛇が出てくる可能性があるから、と言われ、それもそうかもね。。。と、それでもやっぱりショックでした。
毎日お忙しそうですが、お体お大事に!!
Commented by milletti_naoko at 2015-04-22 04:49
まきさん、こんばんは♪ 食べられると講演で聞いたのは葉と花で、種を食べられることは以前から知っていたのですが、茎はさあ、どうでしょうね。タンポポそのもののにも食べられる部分があり、似たような葉や花のものにも、食べられるものやそうでないものが多くて、見分けがかなり難しそうです。

そちらでもヒナゲシが咲き始めたんですね。わたしも週末にトーディ近くで見かけてうれしくなりました。5月が本格的なヒナゲシの季節だと思いますので、どうかまきさんがたくさんヒナゲシの花を楽しむことができますように。我が家では毎年庭や野山で見つけたヒナゲシの種を集め、今庭で、そうやって集めた種から育ったヒナゲシがそろそろ花を咲かせる準備を始めているところなので楽しみです。いろんな色のヒナゲシがあったので、さてどんな色の、模様の花が咲くことやら。ありがとうございます。まきさんもどうかお元気でお過ごしくださいね。
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