2015年 07月 07日
狼の遠吠え聴きに歩く夜
それが、土曜日の晩、ラッツィオ州の小さな村、コッレパルド(Collepardo)の博物館が主催した催し、Wolf Howlingの目的です。
まずは博物館内で、散歩の概要について説明を聞いたあと、
狼の生態を、アニメーションを使って、分かりやすく語ったこちらの映像を見ました。参加者の中に小さい子どもが数人いたので、こういう映像を選んだとのことですが、大人が見ても興味深く、学ぶことが多かったです。
車で、森の中を通るサイクリング・コースがある場所、Fontana La Machiaまで移動し、それから皆で暗い森の中を歩きます。時々指示に立ち止まっては、狼について、たとえば、最後まで妻に添い遂げる点で、ほかのどの動物よりも誠実であること、アブルッツォで2年間に報告があった狼による家畜への被害報告のうち、ごく一部が本当に狼によるものであったことなど、狼についてさまざまな話を聞きました。
狼の骸骨を見ながら学ぶ機会もあり、狼の骸骨を自らの手に取って、眺めた参加者も何人かいました。
この晩は、周囲に住む狼の頭数や位置を確認するための調査が予定されていて、その調査をきっかけに、夜間散歩が催されました。調査では、音響装置を使って、録音された狼の遠吠えを再生し、15~20分間静かに待ち、そのあとさらに遠吠えの再生を3度行いました。待ち時間の間は、耳を済ませて、付近の狼がこの遠吠えに応じるかどうか、応じた場合には、その方向や位置、頭数の見当をつけます。幸い、最初の再生に応じて、近くの山から狼の群れ、別の方角から、一匹狼の遠吠えが、かなりはっきりと長い間聞こえました。わたしも初めて狼の吠える声が聴けてうれしかったのですが、吠える声は、胸が破れた人が泣くようで、何だか悲しげだという印象を受けました。
「狼は、特に集団で行動する狼の場合には、人間を襲うどころか、むしろ人間を非常に恐れている上、遠吠えは数キロメートル先から聞こえるので、まったく危険がない。」と、散歩の途中に主催者の先生たちから聞いていたので、安心して散歩をし、遠吠えに耳を傾けることができました。狼が再生音に遠吠えで応じたのは、実は最初の再生のときだけで、続く3回の再生は空振りに終わりましたが、狼たちが遠吠えをあやしく思うからか、2度目以降は返事をしないことは、よくあるのだそうです。
この週末は、薬草講座の最後の授業があったので、コッレパルドに行き、休み時間にこの夜間散歩のことを知り、狼に常々興味があった夫がぜひにと言うので、わたしもいっしょに参加しました。解散は午前1時頃と遅くなりましたが、とても興味深い体験ができてうれしかったです。参加費用は10ユーロで、博物館による啓蒙活動支援にあてられます。実は、わたしたちは、2週間前にも、この博物館が主催する「五感を試し蛾を観察する夜の森散歩」に参加しています。そのときは人数が少なくて、森の静けさや動物の鳴き声や動きに注意深く耳を傾けながら歩いたのですが、今回は大人数だったので、おしゃべりは控えるようにという指示はあったものの、やはりにぎやかな散歩になりました。
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Abbiamo ascoltato l'Ululato dei Lupi aCollepardo! 4/7/2015
Il bosco di notte è un'aula magica per imparare
la vita dei lupi, ascoltare e osservare la natura.
Grazie mille allo staff dell'Ecomuseo di Collepardo
per un'esperienza unica.
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関連記事へのリンク
- 薬草と巡礼の村、コッレパルド / Cammino di San Benedetto – Collepardo
- 薬草講座で山登り / Corso introduttivo al Riconoscimento ed Uso e delle Piante Officinali, Collepardo
狼ですかあ~(>_<)
日本狼は、すでに絶滅してますから、そういうイベントはヨーロッパならではですね(^-^)
内心、危険はないのかしら?と思いましたが、
「狼は、特に集団で行動する狼の場合には、人間を襲うどころか、むしろ人間を非常に恐れている上、遠吠えは数キロメートル先から聞こえるので、まったく危険がない。」というくだりを読んで、知らないことがまたひとつ勉強になったな!と思いました。
薬草講座も素敵ですが、このような遊びごころ満点のイベント、なんか微笑ましい気持ちになりましたよ!
いつも読み逃げですみません・・。
狼の遠吠えを聞く夜歩くコース、去年Lago di Barrea付近で元オオカミセンター職員だったグループの一人とでするつもりでしたが、結局グループの皆で夕飯始めるのが遅くなり(子連れなのに夜10時)実現しませんでした・・。
今度機会があったら参加して見たいです。
このごろ、家の周りの野生動物のことを考える機会が多く、
自分の身近なところに、
普段気づかないさまざまな動物たちが、
厳しい野生の中で生き抜こうとしていることを思っていたところなので、
こういうイベントはとても興味深く、うらやましいです。
五感を研ぎ澄ませて動物の鳴き声や自然の中の音や空気を感じてみると、
いろんなことを発見できそうですね。
人間だけでなく、
私たちが生きる世界にはさまざまな生き物が生きていること、意外と普段の私たちは忘れがちな気がします。
↓の、パソコンの調子、その後いかがですか?
うまく機能してくれないと、
お仕事にもさしつかえますよね。
そちらは、すでに猛暑なのでしょうか?
一時的な暑さだといいのですが。
日本も、今年は梅雨明けが遅れそうと言われていますが、
そのあとの暑さがどうなるか、
気になるところです。
「平年並み」という言葉も、
今ではどれが「平年」なのかわからないような異常気象が多くなっていますが、
大きな被害などの出ない穏やかな夏となることを願いたいですね。
狼の遠吠えを聴こうという提案、わたしたちも以前にも聞いたことがあって、夫はずっと参加したがっていたので、念願がかなってうれしそうでした。夜遅いのは、時間帯が今回のものと近いので、狼自体が一番呼び声に反応しやすい時間帯ということなのでしょうね。機会があれば、ぜひ参加してみてください。『もののけ姫』などジブリ作品が好きなお子さんたちですから、きっと楽しんで参加されることでしょうし、こういう散歩に子供のときに参加する意義はとても大きいと思います。
森の中で耳を澄ますと、ヤマネ(ghiro)というリスに似た動物の鳴き声がよく聞こえました。ちょうど求愛の時期なのだそうです。
ありがとうございます。今天気予報を見ると、なんとまもなく雨が降って、気温が若干下がる(と言っても夜9時の気温が29度)とのことですが、まだまだ暑い日が続きそうです。雨ニモ負ケズ…夏ノ暑サニモ負ケズの心意気で行きたいところですが、暑さにも寒さにも弱いわたしです。日本で学校にはエアコンがなかったものの、家にはあったので、心地よく暮らせるように環境を管理する日本の暮らしに体が慣れてしまっているからでしょう。異常気象、本当に世界各地の天気がおかしくなっていますね。どうか今年は大きな被害がなく、皆が安心して暮らせますように。