ノートルダムとナポレオン3世発注の彫像

 こちらは皆さんご存じの、パリのノートルダム大聖堂の写真です。写真の右手、緑の木々の間に、右手に何かを高々と掲げているブロンズ像が隠れています。ナポレオン3世が彫刻家に制作を依頼したこの彫像がだれのもので、どうしてこんなに目立たない隅に置かれているか、お分かりになりますか。

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Cathédrale Notre Dame de Paris  15/6/2012

 パリ観光周遊オープンバスの2階から撮影した写真なので、手前にバスの手すりが写っています。

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12/6/2012

 こんなふうに、大聖堂の正面からかなり外れた場所にあるのです。おかげで、この彫像が写っている写真は、ほんの数枚しかありません。

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14/6/2012

 鐘楼の上から見ても、セーヌ川のすぐほとりにあり、あえて目立たない場所に置かれています。なぜでしょう。

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Prof. Alessandro Barbero @ Festival del Medioevo, Gubbio

 Raiの歴史番組が好きで、よく見るのですが、中でもこのアレッサンドロ・バルベーロ先生の話は、切り口もおもしろく、聞かせる語りで、興味深いです。昨日、中世祭り開催中のグッビオを訪ねた理由はいろいろありますが、この先生の話を生で聴けるめったにない機会だからというのも、その理由の一つです。この彫像については、昨日の先生の講演中に話があったのです。

 「知っていなければ庭の緑と紛れてだれも気づかない場所にある」と、講演でも言われていましたが、確かにわたしも、この彫像にはまったく気づかずにいました。実際近くから撮影した写真は一枚もありません。

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 彫像は、カール大帝(742-814)のものです。カール大帝は、フランス・ドイツを含み現在のヨーロッパの多くの国にまたがるまでにフランク王国の領土を広げ、死後その領地が神聖ローマ帝国となったこともあり、後にフランスやドイツで帝国に君臨したナポレオン3世やナチスの指導者をはじめ、仏独の多くの政治家や歴史家から、「我が国の偉大な王」という評価を受け、為政者たちが、彫像を作り、あるいは、フランスのナチス親衛隊、SSの名称を、シャルルマーニュ(Charlemagne、「カール大帝」のフランス語名)とするなど、政治的にも利用してきたそうです。

 ナポレオン3世(1852-1870)が皇帝として君臨していたときに発注した彫像は、けれども、でき上がったのは、フランスが共和国となってからでした。彫刻家が報酬を請求するものの、共和国としては、カール大帝の彫像など設置したいという思いもなく、彫像を受け取らず支払いもせずにいたのが、最終的には仕方がないと判断して、報酬を支払って買い受けたものの、共和国としては「大帝」の像を目立つ場所に置くわけにもおかず、それでこんなふうに、あっても気づかれない場所に像が建つことになったそうです。

 グッビオの中世祭りでは、ほかにもいろいろと興味深い話を聞くことができました。

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 中世祭りは、10月4日日曜日までで、今日、2日金曜日からは、中世の市、Mercato Medievaleも始まりました。

 講演やコンサート、中世の書籍の販売など、中世祭りの催しもまだまだ続きます。中世に興味のある人は、ぜひこの週末にグッビオを訪ねてみてください。10月4日は、アッシジの聖フランチェスコを記念する祝祭日であり、聖フランチェスコも中世に生きた聖人だということで、4日には聖フランチェスコに関する講演も二つあります。

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Vicino alla Cattedrale di Notre Dame di Parigi,
c'è la statua di Carlo Magno nascosta tra gli alberi,
perché era voluta e commissionata dall'Impero di Napoleone III,
la Francia repubblicana pagò lo scultore a malincuore
ma certo non voleva collocarla in un luogo importante.
Molto interessante il discorso del prof. Alessandro Barbero,
ieri al Festival del Medioevo​ e anche quelli degli altri autori.
Sempre a Gubbio oggi è iniziato anche il Mercato Medievale.
Festival & Mercato del Medioevo fino a domenica 4 ottobre!
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参照リンク / Riferimenti web
- Corriere.it – La sfida di Carlo Magno e il destino dell’Europa. I cantastorie dipinsero il suo regno come un’età dell’oro Gli storici francesi e tedeschi si contesero la sua eredità – Barbero Alessandro (17/10/2004)
- Festival del Medioevo - HOME
- Mercato Medievale di Gubbio

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
Notre Dame de Paris
- ノートルダムの塔の上から1 / Dal campanile di Notre Dame – Parte 1 (14/6/2012)
- ノートルダムの塔の上から2 / Dal campanile di Notre Dame – Parte 2 (14/6/2012)
Gubbio, Assisi & San Francesco
- グッビオ中世祭り / Festival del Medioevo @ Gubbio (1/10/2015)
- 大好きDon Matteo / Gubbio & Don Matteo (6/2/2012)
- アッシジと聖フランチェスコ、JITRA連載第3回 / Assisi & San Francesco (26/6/2015)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2015-10-02 23:59 | Francia & francese | Trackback | Comments(0)
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