イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

死者の日、死者のソラマメ

 今日、11月2日は、イタリアでは死者の日(Giorno dei Morti)、亡くなった人を追悼する日(Commemorazione dei defunti)です。この日の前後に、お墓参りに行く慣習があり、ペルージャでは、中世から続く大規模な市、死者の市(Fiera dei Morti)が、今年も11月1日から5日まで開催されます。(詳しくは下記リンク参照)

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 この時期に食べる特別なお菓子があって、その名をfave dei mortiと言います。直訳すると「死者のソラマメ」で、ひどく物騒な名前なのですが、それは、死者の日前後に食べられて、ソラマメの形をしたビスケットだからでしょう。ソラマメは、古代ギリシャ時代から、死に関わる儀式で用いられていたそうです。アーモンドをたっぷり使ったこの「死者のソラマメ」は、インターネットで調べてみると、地方によって、大きさや形がかなり異なるようです。

 今年は夫が、初めてのこの死者のソラマメ作りに挑戦しました。

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 おとといの夕方、買い物中から、夫は作る気満々でアーモンドを探したのですが、あまりに高いので、そのときは、すでに焼かれた死者のソラマメを購入しました。そうして、帰宅してから、うちにアーモンドがあるのを発見し、真夜中前にやる気になったらしく、急に菓子づくりを始めたのです。

 手前にあるのが店で買ったもの、奥に見えるのが夫が作ったものです。歯ごたえが柔らかい程度に焼き上がり、色が白いのがペルージャでよく見かける死者のソラマメなのですが、ふくらし粉が入っているため、夫の予期以上に大きくなってしまい、さらに、うちのオーブンは火力が強いため、少々焼けすぎてしまいました。でも、カリッとした歯ごたえで、砂糖も控えめで、甘すぎることもなく、おいしかったです。上の写真は、昨日、大家族の昼食で皆で食べたあと、まだ残っていたものです。

 義父母と義弟夫婦は、週末にお墓参りを済ませたのですが、わたしたちは日曜の大混雑・大渋滞を避けて、今日の夕方に行きました。お世話になった、今は亡き伯父・伯母、そうして、わたしたちの結婚式を執り行った神父さんに、感謝の気持ちと共にあいさつをし、どうか皆が安らかでありますようにと祈りました。

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Fave dei Morti fatte con le mani del mio maritino
ieri al pranzo domenicale. Buone buone :-)
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参照リンク / Riferimenti web
- Ansa.it Umbria – Inaugurata la Fiera dei Morti a Perugia. 600 stand fra Pian di Massiano, centro storico e Fontivegge (1/11/2015)
- PerugiaToday – Benvenuti alla Fiera dei Morti: la novità di P. del Bacio ed è già boom di visitatori (1/11/2015)
- Visit Perugia – Ricette Tipiche – Fave dei Morti

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 死者のソラマメ、死者の市 / Fave dei Morti & Fiera dei Morti (31/10/2010)
- イタリア語学習メルマガ第26号 「Fiera dei Morti a Perugia、 Don Matteo 7」 (7/11/2009)
- 死者の日に、甘いマカロニ / Macceroni Dolci per il Giorno dei Morti (1/11/2010)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2015-11-03 08:02
おはようございます^^
死者の日というのは、多分初めて知る行事です。
イタリアにもお墓参りをする習慣があったんですね!
今までは、ないものと思ってたので、失礼しました(・。・;
先人に感謝の意を示すのは宗教、国が違ってもあるのは当たり前のことでした。
空豆のビスケット、形が可愛いし、美味しそうですね♡
手作りのものは、ほんとにイイですね(*^_^*)
アーモンドの粉は、日本でも値段が高騰していると思います。
Commented by milletti_naoko at 2015-11-04 03:27
アリスさん、こんばんは。そうなんです。イタリアでも、11月1日の諸聖人の日と2日の死者の日の前後には、お墓参りに行く人が大勢いますが、もちろん、この時期だけではありません。うちの義父母はお墓に花を絶やさぬようにと、年中頻繁にお墓参りをしています。わたしたちも時々行くのですが、必ず他にもお参りの人たちに出会います。

ソラマメのビスケット、おいしいですよ♪ 夫は最近は、年末年始に食べるウンブリア伝統のヘビ型のお菓子、セルペントーネをよく手がけるようになったのですが、幸いその際に使ったアーモンドが残っていました。夫はアーモンドの粉ではなく実を挽いて使っています。
Commented by patata at 2015-11-04 22:54 x
なおこさん、お久しぶりです^^ お元気ですか?
トップの画像、変更されたんですね(気付くのが遅かったかな…?)素敵なお写真ですね♡

死者のソラマメ、最初、タイトルを見たときは、野菜のソラマメのことかと思ったのですが、お菓子なんですね!!見た目も、材料にアーモンドを使っているところも、なんとなく、シエナのリチャレッリに似ている!!と思いました。

死者の日は、お墓参りに行くだけでなく、伝統的なお菓子があることは、知りませんでした。
また、こうして、伝統を続けておられる、旦那様のご家族、素敵ですね♡

日本人であるし、日本の伝統的なことも勉強しなくてはなぁ…となんだか襟を正す思いです。気付きをありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2015-11-05 07:42
Patataさん、お久しぶりです♪ 肩は相変わらずですが、元気で過ごしています。

ソラマメは名前と形だけで、材料はアーモンドなんですよ。そうそう、味も見かけも、おっしゃるようにシエナのリッチャレッリによく似ています。死者の日はいろんな郷土のお菓子が各地にあるようで興味深いです。

こちらこそ、いつもありがとうございます♪
by milletti_naoko | 2015-11-02 22:47 | Gastronomia | Comments(4)