2016年 01月 05日
荘厳な砂のプレゼーペと主顕節、ベファーナのお話
光で夜の町やその静けさを巧みに表し、建築物を、細部までていねいに仕上げています。
エミリア・ロマーニャ州のアドリア海岸の砂浜では、例年、地図に記された7か所で、砂でつくったプレゼーペが展示されます。(下記リンク参照)昨日お話ししたトッレ・ペドレーラをピンクで下線で示しています。ベッラーリア・イジェアマリーナは、その少し北方にあります。
プレゼーペの中心となる幼子イエスの生誕場面では、育ての父となる聖ヨセフ(イタリア語ではジュゼッペ)の表情が優しく、両手を差し伸べる様子にも、愛情深さが感じられます。イタリア語でaureolaと呼ぶ、円形をした後光が、幼子イエスだけではなく、左右で見守る二人の頭の上にもあるのが興味深いです。
天使の像も、聖家族の上方に置かれることが多いのに、ここでは、聖母マリアの耳元で、ふざけて笛を吹いているように見えるのですが、それはわたしの気のせいでしょうか。
吐く息で幼子を温めていたという牛とロバの人形を、我が家ではいつも横たわるイエスの枕元に置くのですが、このプレゼーペでは、場所があることもあってか、牛とロバを離して、それぞれ左手、右手に配していました。牛の左下では、ウサギがのんびり葉を食べ、すぐ近くにかわいい子猫もいます。
幼子の生誕を祝おうと、星の光に導かれて長い旅を続ける東方の三博士は、明日、1月6日に、ようやくイエスに出会い、贈り物を捧げることができたと言われています。そのため、1月6日は主顕節(Epifania)と呼ばれ、イタリアでは、このカトリック教の祝祭日が国民の祝日でもあり、12月8日から始まったクリスマスを祝う期間の最終日でもあります。
3年前に、ここでこうして砂でプレゼーペをつくる様子を撮影した映像を見かけました。4分28分と長いのですが、どんな過程を経てつくられるか、どれほど大変かがよく分かりますので、興味のある方は、ぜひご覧ください。
さて、1月6日の前夜である今晩は、よい子には、ベファーナおばあさんが靴下いっぱいのお菓子を贈ってくれることになっています。ベファーナ(Befana)という名前と主顕節を意味するEpifaniaという語は、よく似通っていますが、それもそのはず、どちらもギリシア語の単語、epiphaneiaを起源としているのです。そして、ベファーナは、東方の三博士との出会いをきっかけに、子供たちにお菓子を贈ることになったのです。
詳しくは、次のリンク先の記事から、お好きなものを選んで、お読みください。
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Molto bello anche il Presepe di Sabbia di Bellaria Igea Marina.
Affettuoso il viso di San Giuseppe,
mi sembra un po' birichino
l'angelo che suona vicino all'orecchio della Madonna
ma forse mi sbaglio... (nella terza immagine dell'articolo)
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 『ベファーナ物語』 前編
- 『ベファーナ物語』後編
- LA VERA STORIA DELLA BEFANA
- イタリア語学習メルマガ第35号「L'Epifania e Befana(2)~なぜベファーナが子供たちにお菓子を贈ることになったのか」
- イタリア語学習メルマガ第72号「歌、『La Befana Trullalla』~ベファーナが来る」
- ほほえましい砂の芸術、リミニの浜のプレゼーペ / Presepe di Sabbia di Torre Pedrera, Rimini
砂のプレゼーペの画像、興味深く拝見いたしました。
どうやって作るのかとても気になっていたのですが、こんなに大がかりだとは思いませんでした。よくよく考えればそうなのですが。
ということで、今日でいよいよ行事はおしまいですね。
ほどなくカーニバルが始まりますが、それまで小休憩しましょうか~
砂の細工、やはり、木枠があったのですね(^^♪
でないとこのようなおおがかりな砂細工を崩れずに維持するのは難しいかな(・・?とは思ってました!
でも、大がかりで大変な作業ですね!
機械も使い、大人数で土台の用意をする様には驚きました!
そして細部は、やはり彫刻を施して美しく仕上げてましたね。
モデルになる絵もあるのもよく分かりました。
ベファーナの時期、子供たちはプレゼントばかりでいいですね(^^♪
幼い頃は姪っ子が、「ああ、これで復活祭までは贈り物がもらえない」と残念がっていました。そうですね。胃も少し休ませなければ!
日本の子供たちも、今はお年玉に加えて、クリスマスにも贈り物がもらえるわけですが、イタリアでも、どうも昔、夫やわたしと同年代の友人が幼かった頃は、夫はクリスマスだけに、幼子イエスから贈り物を受け取り、リミニの友人は1月6日だけにお菓子などをもらい、ブレーシャの友人は聖ルチーアから12月13日に贈り物をもらいというふうに、イタリア各地で、贈り主も子供が贈り物を受け取れる日も違っていて、1日だけだったようです。http://cuoreverde.exblog.jp/15369046/
古今東西を問わず、子供が元旦の頃に贈り物を受け取れる慣習があるがおもしろいですよね。新年を祝い、やがて訪れる春を祈って、大人が子供たちとも喜びを共有しようとしたからでしょうか。
東方の三博士を、そういうきっかけで知られたんですね! こちらの子供たちは、プレゼーペを準備したり見たりしながら、教会のミサで聖書を読み上げるのを聴きながら、三博士について知るのだと思うのですが、日本ではなかなか機会がありませんよね。数か月前に見た、イタリアの歴史番組で、西洋の文化・科学の祖と言われる古代ギリシアが、実はいかに、天文学など多くの科学に関する知識や宗教観を、メソポタミアから学び受けているかという報道があって、大昔にそこまで進んだ文化があったのだと、わたしも驚きました。
ベファーナの歌、楽しみながら学んでくださったと知って、わたしもうれしいです♪ 日本でも松の内が今日までというのも、おっしゃるとおりで、おもしろいですね。きっとこうした行事が、自然の営みを反映しているからでしょう。
角の部分、特に難しいでしょう。
ウサギちゃんはちょっと太いと思います。
やっぱりクリスマスディナーを食べ過ぎたんですよ。
あはは、私と同じ〜〜^^;
どうでしょう?