ダンテ地獄の入り口で

  記者ですと
  ダンテ地獄の入り口で
  記者証見せて入らんとする          なおこ

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DANTE ALL’INFERNO  Walter Molino (1915-1997)
@ Museo Internazionale dell’Umorismo nell’Arte, Tolentino (MC), Marche

 イタリア語の父三人の一人とされるダンテ・アリギエーリ(Dante Alighieri)の傑作、『神曲』([Divina] Commedia)では、なんとダンテ自らが、古代ローマの詩人、ウェルギリウスや愛する女性、ベアトリーチェの導きで、地獄や煉獄、天国をめぐり歩くという設定になっています。(詳しくは下記リンク参照)

 『神曲』は、もちろん、ダンテが想像力や歴史や古代文学などの豊かな知識を駆使し、詩人としての力量を発揮して書いた虚構の作品なのですが、作品自体の中では、主人公であるダンテがその思い出をふり返って記すという形式を取っています。と言うことは、ダンテ自身が作品中で語る言葉をうのみにすれば、詩人・作家であるダンテが、文学作品に記す目的で、言わば現場記者、旅行記者として地獄に乗り込んだとも取れるわけで、そうだとすれば、地獄に堕ちる罪を犯して死んだわけでもないのに地獄に入るダンテは、入る許可を得るために、記者証を必要としたであろう、「Stampa(記者[団の一人]です。)」と言ったであろうと描かれたのが、こちらの風刺漫画(caricatura)です。

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 ウンブリア全州に雨の予報が出ていた今日、雨が降らない東へと赴き、マルケ州のトレンティーノという町を訪れたら、町中の看板で、この国際芸術ユーモア博物館(Museo Internazionale dell’Umorismo nell’Arte)があることを知り、おもしろそうだと訪ねてみました。

 かわいらしい作品や現代の時勢にも通じそうな作品など、数多くの作品がある中で、わたしが一番おもしろいと思い、感心したのが、今回ご紹介した作品です。知る人には言葉はいらない作品ではあるのですが、日本では『神曲』の内容もイタリア語もまだまだ知られていないことを思い、たまたまブログを訪ねられた方も含めて皆さんに理解していただくために、説明を添えてみました。

Museo Internazionale dell'Umorismo nell'Arte - MIUMOR
Piazza della Libertà, 18
c/o Palazzo Sangallo
1° pianoTolentino (MC), Marche
Tel : (+39)0733 969797
Email: miumor@comune.tolentino.mc.it
Web : BIUMOR - MIUMOR | Museo Internazionale dell'Umorismo nell'Arte. Recapiti & Orario
   Tolentino Musei Civici - Museo Internazionale dell'Umorismo nell'Arte

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- イタリア語学習メルマガ第18号「ダンテ『神曲』」 / Newsletter n.18 “Commedia di Dante Alighieri” (14/8/2009)
- イタリア語学習メルマガ第20号「旅行会話(出身地・趣味)、イタリア語の歴史とダンテ」 / Dante e la Storia della Lingua Italiana (4/9/2009)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2016-03-05 23:59 | Marche | Trackback | Comments(6)
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Commented by Mehreenkhan at 2016-03-06 11:00
naokoさん おはようございます。
私もイタリアのことは恥ずかしいくらい何も知らず、毎回naokoさんのブログで知識を得ている状況です。なるほど!!これは面白い解釈ですよね。罪を犯したわけではないものが地獄を通り抜けるときには記者証ですか!!そうかもしれません。一体地獄はどのようなものだったのでしょうかね。
Commented by milletti_naoko at 2016-03-06 18:06
めひりんさん、こんにちは。楽しんでくださったようで、うれしいです♪

わたしも、めひりんさんたちマレーシアゆかりのブログのお友達の記事のおかげで、マレーシア文化について、なるほど、あらそれはびっくりと、驚きながら楽しみながら、知ることができていますが、知らないことがまだまだ本当に多いです。最初はコメントをくださったのかどなただったかはっきり覚えていないのですが、最近マレーシア出身で英国在住の方とか、めひりんさんをはじめとする日本人でマレーシアにお住まいとか、マレーシアの方との、コメントやイイネを通しての交流が時々あるので、皆さんが切り取られるマレーシア文化や風景の一面がとても興味深いです。
Commented by masami-nebbiolo at 2016-03-06 20:45
なおこさん、こんにちは♪

私もなおこさんのブログではいつもイタリアの未知の世界の内容が垣間見られて、とっても勉強になっています!ダンテの「神曲」は聞いたこそありましたが、内容は全く知らずで、今回はなおこさんのブログと照らし合わせネットで内容を調べて、ふむふむと妙に納得した次第です。笑

地獄に入るための記者証とは、
本当にユーモアたっぷりの作品で、絵にも思わず引き込まれてしまいました!!

ダンテの「神曲」もなおこさんのお陰で面白い内容のように感じました。機会があったら娘と(笑)、頑張って読んでみたいです^^


Commented by fukusukesan at 2016-03-06 22:03 x
こんばんは、なおこさん。少し、ご無沙汰していました。
今日は、イタリア語検定の日でした。どうかな~と言う気持ちで受けて来ましたが。。。私のレベルでは、とても難しく。。。4級ですが。。。細かい時間を見つけて勉強したつもりが、つもりだけだったようです。。。終わった後は、ぐったりです^^どうしたら??レベルが上がるのか?勉強方法がイマイチ解らなくなりました。。。試験を意識し、細かい文法や問題ばかり解いていると、どこか楽しく無く、試験を考えずに、映画を観てみたり、辞書を眺めていると楽しい。でも、やはり文法は、大切ですよね。検定をパス出来なければ、話す事も出来ない。山登りは、中々、前に進みません。。。今日、会場を見渡すと、70位のおじいさん、おばあさんも受けに来てました^^みんな頑張ってるな~と。
Commented by milletti_naoko at 2016-03-07 01:17
まさみさん、こんにちは♪ わたしがイタリアで専門的に学んだのはイタリア語・イタリア文化教育なので、そう言ってくださると、どなたかのお役に立てているのだと分かってうれしいです。ありがとうございます。『神曲』は学校の授業では必ず出てくるはずなので、サラちゃんの教科書にもそのうち登場することでしょう。Roberto Benigniが時々全国ツアーやRaiの番組で、『神曲』中の一章を取り上げて暗唱し、解説することがあるのですが、おもしろかったり感動的だったりしますので、機会があればぜひに♪
Commented by milletti_naoko at 2016-03-07 01:24
fukusukesanさん、おつかれさまでした。おお、おじいさん、おばあさんも試験を受けられているんですね。すばらしい!! わたしの個人授業の生徒さんでJLPT、日本語能力試験を毎年受けて、今のところ合格を続けている若者ともよく話すのですが、日本の外国語検定というのは、外国語としての日本語能力試験も含めて、本当にその言語を使ったり理解したりできるかという能力を問うよりも、言語を単語・発音・作文・読解・文法など細かい項目に分解して、それぞれのできを問うという、ちょっとどうかなというつくりになっている場合が多いと思います。本当はさまざまな場面で、そういう知識を統合して、理解できるか表現できるかが大事であるのに…… ただ、確かにそれぞれの分野である程度少しずつ力をつけることは大切なので、そういう目安にはなってくれるかと思います。使うのも文法もとても大事なので、どちらも楽しみながら学べるように、今後のブログやメルマガも工夫してみるつもりでいます。
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