EU国滞在許可証申請中の帰国、入国・搭乗拒否のおそれあり~欧州留学・移住とシェンゲン協定2

 オランダ留学中、申請している滞在許可証が発行されないうちに、フィンランド航空で日本に一時帰国した方が、オランダに戻る途上、フィンランドのヘルシンキで、入国・搭乗拒否に遭われたという話の続きです。

 詳しくは、こちらの記事をお読みください。

- EU国滞在許可証申請中の帰国、入国・搭乗拒否のおそれあり~欧州留学・移住とシェンゲン協定1 (5/5/2016)

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Panorama visto dall’Aereo, Air France Parigi – Roma 16/6/2012

 入国拒否に遭われた方から、賠償金を受け取ることが可能か、どんな対応策が考えられるかという質問があり、わたしはとりあえず、「オランダが発行する滞在許可証申請中の証は、オランダでのみ有効で、フィンランドなど、シェンゲン協定に加盟する他の欧州諸国では無効なのではないでしょうか」と、イタリアの事情から推察して説明し、「他国でも有効かどうか、オランダ以外の欧州空港の出入りが可能かを問い合わせてみては」と返事をしました。この返事を受けて、ご本人が在蘭フィンランド大使館およびオランダ入国管理局に質問をされ、その結果、返ってきた回答は、やはり、「オランダで実物の滞在許可証が得られる前にもらえる、申請中だという証は、発行国でのみ有効で、他のシェンゲン国に入国することはできない」というものでした。

 すべてのシェンゲン加盟国に共通する、分かりやすい法の説明があればと思ったのですが、見つかる法律も、他の法律への言及が多くて分かりにくい上、原則的には共通の基盤があっても、「出入国管理は、基本的には、依然として各EU加盟国の権限に属している」(EU MAG 2014年6月号より引用、下記リンク参照)とのことですし、滞在許可証の目的や期限切れの古い滞在許可証の有無など、人によって事情も違ってくることでしょう。ヨーロッパ、シェンゲン協定加盟国で滞在許可証の申請中は出国を避けどうしても出国・再入国の必要がある場合は、お住まいの国の関係機関に問い合わせてみてください。万一、よいという返事があった場合でも、他の欧州諸国を中継しない、直行の航空会社の便を選ぶのが無難だと思います。テロ事件のために国境警備がさらに厳重になっているからです。

関連記事へのリンク
- EU国滞在許可証申請中の帰国、入国・搭乗拒否のおそれあり~欧州留学・移住とシェンゲン協定1 – イタリアだけではなかった! 滞在許可証申請中の出入国規制 – イタリアの場合、中継地点での入国・搭乗拒否の例 (5/5/2016)
- EU市民の家族用滞在証 / Carta di soggiorno per famiriare di cittadino UE (27/6/2012)
- EU市民の家族とシェンゲン協定2 (23/6/2014)

参照リンク
シェンゲン協定・査証と出入国管理
- 「EU内の自由移動と査証について教えてください」(駐日欧州連合代表部の公式ウェブマガジン EU MAG 2014年6月号 質問コーナー)
- Your Europe – Documents you need for travl in Europe
- European Commission – Europe without borders. The Schengen area (PDF)
滞在許可証申請中の出入国
イタリア
- EU国滞在許可証申請中の帰国、入国・搭乗拒否のおそれあり~欧州留学・移住とシェンゲン協定1 – イタリアの場合 (5/5/2016)
フランス
- フランス/パリ滞在質問箱 - 滞在許可申請中、更新中の一時帰国、フランス政府公報(SERVICE PUBLIC)より (3/5/2013)
- La Vie Simple en Provence 南仏暮らしと日々のこと - Récépisée での一時帰国 (29/9/2015)
フィンランド
- The Finnish Border Guard – FAQ about travel – Crossing the external Schengen border
関連EU法
- EUR – Lex - Regulation (EU) 2016/399 of the European Parliament and of the Council of 9 March 2016 on a Union Code on the rules governing the movement of persons across borders (Schengen Borders Code) (9/3/2016)
↑↑ Article 6 – Entry conditions for third-country nationals

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2016-05-18 23:57 | Sistemi & procedure | Trackback | Comments(2)
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Commented by London Caller at 2016-05-20 06:19 x
シェンゲン加盟国はとても大きいので
テロ事件も挑戦みたいですね。
2ヶ月前のブリュッセル爆発はいい例ですよね。
きょうのエジプト航空もテロ事件と関係があるかもしれないと思います。
Commented by milletti_naoko at 2016-05-20 16:17
London Callerさん、自国への絶え間ない爆撃で一般市民が多くの命を失ったり、突然のテロで大切な命が奪われたり、そういうことのない世の中の実現には、壁を築くよりもまず、政策や国際関係、経済や力ではなく人道的な視点に立って、見て考えて判断することが最も大切ではないかという気がしています。
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