傑作を花で描いて町彩る、Infiorata di Spello1

 色とりどりの花びらを使い、町の人々が夜どおし協力して、道や広場に、美しい大きな絵画を描いていくスペッロ(Spello)の町の祭り、インフィオラータ(Infiorata)を、今朝初めて訪ねました。

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 花びらで生み出される絵画の予想以上の美しさときめ細やかさに感嘆しました。上の写真では、左手にスペッロの石造りの町並みが描かれ、手前に二つヒナギクの大きな花が見えるのですが、このヒナギクの黄色い部分には、一つひとつのヒナギクの花の真ん中の部分だけをずらりと並べてあります。絵画の中央にはイエス・キリストの顔が大きく見えます。

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 聖家族(Sacra Famiglia)

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アッシジの聖フランチェスコ(San Francesco d’Assisi)とアッシジの町、

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ウンブリア南の町、カッシャ出身の聖リータ(Santa Rita)など、イエス・キリストや聖家族、カトリック教の聖人たちを描いた作品が多いのは、聖体祭(Corpus Domini)と呼ばれるカトリックの祝祭の前夜に、祭り当日ミサのあとの行進で歩く道に、花びらをまき散らしたり、花のじゅうたんを描いたりする慣習がイタリア各地にあり、スペッロのインフィオラータも、この聖体祭の祝いの一環として、行われているからです。

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 今日の祭りのために新たに描いたオリジナルと思われるデザインが多い中、

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こんなふうに巨匠の傑作に、新たな美しい装飾を添えて描き上げた作品もありました。

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 花は、絵画として道や広場を彩るだけではなく、街角や家の壁など、あちこちに飾られていて、中世の町並みに、いっそうの趣を添えています。

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噴水のまわりにも、白とピンクのバラが植わっています。

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 予定では朝8時までに作品を仕上げることとなっていたため、わたしたちが町を歩き始めた7時半過ぎには、ちょうど仕上げの最中だった絵画も、たくさんありました。

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 おかげで、どんな花びらを使って、どんなふうに描いていくのかも見られて、興味深かったです。

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 こんなふうにカトリック教と、直接には関係なさそうに見える作品もあり、愛や人生など、テーマはさまざまでした。

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 タンゴの情熱的な踊りと、祈るような、そして宇宙のリズムと鼓動を同じくするようなスーフィーの踊りが交互に描かれている、こちらの作品が独創性もあってすてきだなと感じました。

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 こちらの作品では、色鮮やかに花びらで描いた大きなギターの上部で、天使たちが音楽を奏でています。

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 「ゆるやかなとき」(Tempo Lento)と題されるこちらの作品は、子どもたちが自ら花を摘み描いたもので、左手の狭い空間にひしめくように並ぶ時計の中から飛び出した時計が、カタツムリの背に乗り、緑豊かで花が彩る広い空間をゆっくりと進んでいきます。時間にしばられ、時間に追われて、人生や生きがいを見失うのではなく、足取りを確かに、ゆっくりと豊かに生きていこうと語りかけているようです。

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 混んでいる場所・時間帯は、ラッシュアワーの東京都内の駅や、チョコレート祭り中の週末のペルージャのようで、人波に押されたり、あらがったりしながら進まざるを得ず、それは大変でしたが、いい思い出になりました。

 花の導きに従っての町めぐりは、まだまだ続きます。写真もご紹介したい作品も多いのですが、とりあえず今日はここまで。

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Infiorata di Spello - parte 1 29/5/2016

- Stupende le opere disegnate accuratamente
con passione e pazienza con i fiori,
bella città medievale, oggi ancora più bella.
Grazie, Spello e tutte le persone che hanno
contribuito a questa bellissima festa.
[To be continued]
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- スペッロからアッシジへと歩く旅 / Camminare da Spello ad Assisi 1 (20/4/2016)
- ウンブリア電車の旅 / Viaggiare in treno in Umbria (9/172011)
- スペッロでお散歩1 / Passeggiata a Spello 1 (9/1/2011)
- スペッロでお散歩2 / Passeggiata a Spello 2 (9/1/2011)
- バラの祭典@スペッロ / I Giorni delle Rose @ Spello (31/5/2014)
- この野草食用それとも有毒か、ウンブリア野草講座 / Subasio con Gusto. Rassegna delle Erbe Campagnole e dei Sapori Montani @ Spello (17/4/2015)
- スペッロからスバージオ山へ / Passeggiata da Spello alla Madonna della Spella (7/9/2014)

参照リンク / Riferimenti web
- it.wikipedia – Infiorate di Spello
- Infiorate di Spello - HOME
(イタリア語でfioreは「花」、infiorareは「花で飾る」という動詞で、infiorataはこの動詞から派生した名詞で「花で飾ること」の意。infiorateはその複数形です。)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2016-05-29 23:46 | Umbria | Comments(8)
Commented by ayayay0003 at 2016-05-30 07:43
花びらを使ったお祭り、なんて素敵なのでしょうか(^^♪
最近は日本でもそうした試みがあるようで、ブログでお見かけすることがありますが、私が実際目で見たわけではないので、ブログのお写真だけでも感動いたします(*^_^*)
何て細かい、絵画のような作品、どれだけの時間と生花で作られてるのかと思うと、作られた方たち、素晴らしいですね☆
また、これだけのお花の道でしょうから、香りも素晴らしいのでは?と想像致します。
スペッロと言う街は、確か、ドラマで登場した町ではないでしょうか?記憶違いかもしれませんが・・・
中世の街並みに似合うと手も素敵な作品、続きも楽しみにお待ちしています♪
Commented by セミア at 2016-05-30 11:23 x
まさか花びらでここまでの作品が創られているとは!感激しました。大きな作品ですから花びらもたくさん必要ですね。お花のよい香りが漂ってきそうです。

花びらの作品である限り、短期間しかもたず、その儚さゆえに感動も大きくなってゆくような気がします。続きを楽しみにしています♪
Commented by London Caller at 2016-05-30 20:08 x
見事なインフィオラータですね!
ええ、花びらですか?
とても思えないんです。
マレーシアでコーラムという絵画を見たことあります。
でも色の米とか砂でできた絵です。
Commented by Sabio at 2016-05-30 20:48 x
なおこさん、こんばんは。
本場イタリアのインフィオラータはさすが!素晴らしいですね。これは芸術ですね。
神戸でも毎年ゴールデンウィークに何ヶ所かで開催されており、数回見に行きましたが、スケールや描かれた絵の繊細さや表現力は、子供と大人の違いのようです。
微妙な色の花びら、多種類の花びらを使っている点も見事ですね。
素敵なものを見せて頂き、ありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2016-05-30 22:05
アリスさん、今は日本でも行われているんですね。人も多く、なかなかゆっくり見ることはできませんでしたが、新鮮な花びらが色や水分を失わぬうちに、こうして一晩かけて町の人が力を合わせて創り上げる作品たちは、それはそれは美しくて、わたしも見て感嘆しました。Twitterであげてある他地域のインフィオラータと比べて、作品の色づかいや絵の美しさが、今年のスペッロのものは格別だという気がします。

香りは近づけばきっとバラの花弁など感じられる花も多かったことと思いますが、カメラを向ける角度を選ぶ余裕も機会もないほど人が多く、なかなか香りを感じるほどには、一箇所にたたずめませんでした。ドラマで登場するのは、スペッロよりさらに南方にあるスポレートの町です。中世の石造りの町という点では共通性があります。そうそう、今年の写真を見ていたら、ドン・マッテーオシリーズで最近警察のcapitanoを演ずる俳優さんも前夜にインフィオラータ制作中のスペッロを訪ねたようで(ひょっとしたら手伝いもしたのかも)、写真を載せている人がいてびっくりしました。
Commented by milletti_naoko at 2016-05-30 22:09
セミアさん、花びらからここまでみごとな絵画が描けるとは思わず、わたしも感動しました。同じように感じてくださったようで、うれしいです♪ 子供や観光客たちと共に、町の人たちが花を集めに行く様子を撮影した写真も、会場では展示されていて、興味深かったです。

一晩かけて仕上げた作品も、昼前のミサの行進ではその上を歩くため、まさに「風の前の塵」のように姿を消してしまいます。おっしゃるように、だからこそなおさらに美しく、にも関わらず町の人々が一生懸命に協力して創り上げるために、大勢の人々が訪れる有名な祭りになったのだと思います。
Commented by milletti_naoko at 2016-05-30 22:11
London Callerさん、マレーシアは生きた色とりどりの花がきれいで、芸術作品もそれを反映してか色づかいが華やかで美しいですね。お米や砂に色をつけて描く絵画もあるんですね。いつかぜひ見てみたいです。
Commented by milletti_naoko at 2016-05-31 19:50
Sabioさん、こんにちは。神戸でもインフィオラータが行われているんですね! わたしもSabioさんのコメントをきっかけに、スペッロやイタリアの他の町のインフィオラータの絵を見比べてみました。日曜にインフィオラータが行われた町は他にもあって、Twitterなどに多くの画像があがっているからです。そういうイタリアの他の町の絵と比べても、スペッロの絵は、微妙な色のグラデュエーションもうまく表現して繊細に描いてあるところが、卓越しているように感じました。こちらこそ、コメントをありがとうございます♪
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