イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

小さくも初年収穫初梨うれし、イタリア

 「日本のおいしい梨がイタリアでも食べたい」とわたしが言い、ミジャーナにいろいろな果樹を植えようと考えていた夫がいいよと言ってくれて、昨秋は、二人で植木屋を回って、栗やアーモンド、ブドウなどの若木と共に、梨の若木も二本購入しました。

 その梨、幸水と豊水の若木には、4月、白いきれいな花がたくさん咲いて、初年度から梨が食べられるかもしれないと二人で楽しみにしていました。5月にはけれど、小さな実が三つ育っていたのは幸水だけで、豊水には実が一つもありませんでした。

 ミジャーナでは、夏は雨がなかなか降らず、野鳥がくだものをつつき、山の動物が木の幹を傷めてしまいがちなので、梨をはじめ、果樹に実がみのりますようにと、半ば祈りながら楽しみにしていました。

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 そうして、たくさんの花の中から、三つだけ育った梨の実のうち、ただ一つだけが残り、直径4、5センチと小さくはあるものの、梨らしい色合いになり、けれども、強風のためか、鳥のいたずらか、地面に落ちているのを、つい最近夫が発見しました。リンゴはまだかなり青く小さいうちに、おそらくは暴風のために落ちてしまったと思われます。

 一方、梨の方は、ふつうの幸水に比べると、四回りほど小さいものの、ちゃんと熟した梨らしい色をしています。

小さくも初年収穫初梨うれし、イタリア_f0234936_6304820.jpg

 向きを変えると、こんなふうに傷んでしまった部分があるのが、よく分かります。

 鳥がつついたのでしょうか。幸い、痛んでいるのは表層だけで、ナイフで皮を向き、傷んだ部分を取り除いて、小さく切り分けて、夫と二人で食べてみると、もう少し甘さがあればとは思うものの、なつかしい日本の梨の、あのおいしい味がしました。

 梨の実さん、元気に育ってくれてありがとう。来年は、もっとたくさん実がなって、さらに大きく育ってくれますように。

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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by London Caller at 2016-08-11 06:45 x
梨さん、来年もよろしくね!^^v
イギリスの梨の種類は、
Conference pearです。
これが一般です。
日本語でなんと言いますか?会議梨かな?^^;

>独特の装飾がなされた(布でしょうか?)天井
いやいや、石の天井です。
描かれた壁画なのです。
Commented by ayayay0003 at 2016-08-11 07:36
なおこさん、初年度から幸水が食べられるなんて日本でも難しいですよ!無事?収穫出来て、そして食べることが出来てよかったです。自分のことのように嬉しいです(^^♪
大切に食べられた様子がお写真からも伝わり、お2人の優しいお気持ちが伝わりほんわかした気持ちになりましたよ♫
家も、初年度のベリーはなりましたが、鳥さんが食べてしまい私たちの口には入りませんでした(笑)
来年は、お互いにもっと収穫が出来るといいですね♪
Commented by butanekoex at 2016-08-11 10:01
ひと足早い 秋を見せていただきました(*^^*)
ミジャーナの環境で 実が大きくなるには たくさんの障害もあるのですね。
そんな中、小さくても キズがあっても ちゃんと口にすることが出来たことは とても嬉しいことだと思います。
そんな一喜一憂が なおこさんの生活を豊かにしているのでしょう。
小さな梨を、ご主人様と少しずつ分けて食べる姿を想像し
とても微笑ましく思いました^^
Commented by milletti_naoko at 2016-08-11 15:01
London Callerさん、「来年はきっともっと」と楽しみにしています。この品種はウィキペディアによるとNational British Pear Conference in Londonで一等賞を取ったので、この名前があるそうです。ウィキペディアで見ると、フランス語ページには説明があっても、イタリア語ページには、おそらくはイタリアにも育つ在来の洋梨とよく似ていて、特に必要を感じず輸入をしないからか、該当名が取り上げられていません。こういう形の梨はイタリアでは単にpera、日本語では洋梨ということが多いと思います。

まあ石に暖色で花の絵を描いているんですね。びっくりしました!
Commented by milletti_naoko at 2016-08-11 15:06
アリスさん、そうだったんですね! それは収穫できて、さらにありがたいです。ありがとうございます♪

ベリー、残念でしたね。鳥に食べてもらうと、植物の側から言うと、より広範囲で高確率に次代を育てられるそうではあるのですが、木を育てるわたしたちの側からすると、がっかりしてしまいますよね。ミジャーナでは、おいしい実がなるサクランボが、熟す前から野鳥に皆食べられたりつつき落とされたりしてしまって、夫が憤慨していました。
Commented by milletti_naoko at 2016-08-11 15:10
butanekoさん、ミジャーナは山の中にあるので、シカが若木の幹を食べてしまったり、鳥が実をつついたりと、果物が順調に育つには、いろいろ問題があります。小さくてもちゃんとほぼ熟していて、おいしく食べることができて、本当にうれしかったです。さんざんあちこち植木屋を回り、調べて穴を掘って木を植えて、周囲を囲んで保護して水をやって、そうしてようやくできた貴重な一個、夫もなかなかおいしいと言ってくれていました。
by milletti_naoko | 2016-08-10 23:32 | Fiori Piante Animali | Comments(6)