イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

歴史を語るボタン博物館、サンタルカンジェロ・ディ・ロマーニャ

 日曜日は思いがけず、ボタン博物館で、館長さんからボタンをめぐる驚くような逸話や歴史を聞き、珍しい貴重なボタンの数々を見せてもらいました。

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Museo del Bottone, Santarcangelo di Romagna
con il direttore, il sig. Giorgio Gallavotti 25/9/2016

 ボタン博物館は、エミリア・ロマーニャ州の美しい町、サンタルカンジェロ・ディ・ロマーニャの中心街にあります。

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 なんと日本のボタンもいくつか展示されています。こちらは、19世紀末の日本のボタンで、一つひとつ手で描かれているために、似たように見えても、まったく同じ作品はないとのことでした。

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 イタリアの宇宙飛行士が、宇宙を旅したときに着ていた衣類のボタン、つまり宇宙に出たボタンも、関連機関の証明書と飛行士の写真つきで、博物館に展示されています。

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 異性を誘惑するため、権力を誇示するためなど、さまざまな目的のために、ボタンは利用されてきたのだなど、館長さんの話が興味深いので、皆で聞き入りました。

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 マリー・アントワネットを描いた、19世紀のものとされるボタンもあれば、

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 画家ピカソがココ・シャネルのためにデザインした、馬を描いたボタンもあります。

 サンタルカンジェロの町には、地下に152もの洞窟があるそうで、9月25日日曜日は、ふだんは一般公開されていない民家などの洞窟を、特別にいくつか訪ねることができることになっていました。それで、この日は朝から友人たちと、洞窟を訪ねて回り、

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このボタン博物館も、実は洞窟が目当てで訪れたのですが、おかげで館長さんからボタンをめぐるさまざまな歴史や話を聞くことができました。

 冒頭の写真は、わたしが日本人だと知った館長さんから、いっしょに写真を撮ってフェイスブックに載せてほしいと頼まれたとき、夫が撮影してくれたものです。ボタン博物館でも、日本人観光客はまだ珍しいのかもしれません。

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 ほかにもメディチ家ゆかりのボタンや手書きで模様をあしらった陶器のボタンなど、さまざまな興味深いボタンがあります。機会があれば、ぜひ足を運んでみてください。

Museo del Bottone / ボタン博物館
Indirizzo/住所: Via della Costa, 11 - 47822 Santarcangelo di Romagna
            Emilia-Romagna, Italy
            Link per la mappa / 地図へのリンク
Telefono / 電話: 339 348 3150
Orario/開館日時: Lun-Dom/月~日 10:00-12:00 / 15:00 - 18:00
 
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Museo del Bottone, Santarcangelo di Romagna 25/9/2016

- Quante storie, quante emozioni sono racchiuse nei piccoli bottoni!
Nel museo sono esposti i bottoni giapponesi dell'Ottocento, quello disegnato da Picasso per Coco Chanel, quelli che hanno viaggiato nello spazio e tanti altri molto preziosi.
Con i racconti interessanti del direttore, si apre la porta per il mondo meraviglioso dei bottoni :-)
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LINK
- I bottoni al museo - Viaticum - Immersa in un profondo viaggio: Il Museo del Bottone
- Facebook - Museo del Bottone. Santarcangelo di Romagna

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by butanekoex at 2016-09-28 07:39
なおこさん、おはようございます。
ボタン博物館という場所があることに 驚きました。
ボタンは大好きで、私は洋裁はやらないのですが 着なくなった服についているボタンは外してとってあります。
ボタンって、なんだか可愛ですよね。

展示されている19世紀の日本のボタンは、興味深々です。
その次代の日本人は間違いなく 着物を着ていたでしょう。
と、言うことは、日本を訪れた外国のかたが 日本をモチーフに作られたのでしょうか。
いろいろ想像してみるのも 楽しいことですね。
Commented by ayayay0003 at 2016-09-28 07:54
なおこさん、そう言えば、家の実母は、ぼたんが好きでした。
着なくなった洋服のボタンは、必ず取って残してたような気がいたします(^-^)
そのせいか、私も、拘りはないものの、ボタンには少し興味があるかもしれません。最近は、あまり見かけませんが、ボタンの専門店なんかもありますよね。
日本の古いボタンも展示してあって、昔の着物を着た女性が細かく描かれてるのに驚きました!
ピカソがシャネルのためにデザインしたボタンなんてあったのですね~貴重な作品を展示してると思いました(^^♪
ボタンひとつにも凄い歴史を感じます。ボタンも文化なんですね~♪
Commented by ムームー at 2016-09-28 11:06 x
なおこさん
こんにちは。
いつもありがとうございます。
ボタン綺麗ですね、日本のボタンが飾られているなんて
素晴らしいですね。
宇宙飛行士のボタンの展示もあるって素敵。
素晴らしい物を目にすると色々と思いが
膨らみますね、こちらはお天気が悪くて
秋晴れの日がありませんの。
Commented at 2016-09-28 12:26 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2016-09-28 17:02
butanekoさん、おはようございます。ボタンの世界がこんなに奥深いとは思いもよらず、びっくりしました。確かにボタンって、個性的な形や色、デザインのものもあるし、服の思い出にもなりますよね。

写真撮影に気を取られて、話をきちんと聞けていないのですが、このボタンは薩摩で作られた陶器のボタンだそうで、他にもなんと17世紀の日本のボタンもあると知ってびっくりしました。
Commented by milletti_naoko at 2016-09-28 17:10
アリスさんのお母さまもですか! わたしの亡き母もです。そうして、ペルージャの義母も着られなくなった服のボタンを箱に大切に入れて取ってあります。わたしも、こんなに細やかな絵を手で描いたボタンがあるのだと、びっくりしました。

博物館でもらった資料によると、ファシスト政権の黒シャツ隊の黒シャツのボタンや、ノルマンディーに上陸した連合軍の軍服のボタンなど、歴史の決定的瞬間に関わるボタンも多いようで、おっしゃるとおり、ボタンにも歴史が凝縮され、そうして、大切な文化の一つなのだなとわたしも感じました♪
Commented by suzu-clair at 2016-09-28 17:16
ボタン博物館というのがあるのですね!
そして、
ボタンが、歴史をたどるとそんなさまざまな目的や意味合いが込められていたりするとは、
とても興味深いです。
館長さんのお話、面白そうですね☆

考えてみれば、
その昔の日本では、着物しかなかったので、
ボタンの文化的歴史は日本では浅いのかもしれません。
西洋文化を積極的に好んで取り入れようとした織田信長の時代などの衣装が残っていれば、
もしかしたら貴重なボタンなどが見られたりするのかな、
とも思ったりしました。

洞窟の中にある博物館なのでしょうか。
つくりがとても美しく、
館長さんもおしゃれな紳士ですね。
できることなら、私も行って見てみたいくらいです^^
じっくり見れば、ボタンひとつひとつに感激してなかなか足が進まないのでは、と思うくらい、
貴重なものがたくさんありそうですね♪
Commented by milletti_naoko at 2016-09-28 17:18
ムームーさん、ありがとうございます。宝石のようなボタンや陶器のボタンなど、いろいろなボタンがある上、ボタンに秘められた歴史や逸話も聞くことができて、とても興味深かったです。日本のこんなに古いボタンがあるとは思わず、びっくりしました!

京都では今天気が崩れているんですね。ペルージャでは幸い、最近は朝晩肌寒いものの晴れた日が続いています。早く太陽が顔を出して、琵琶湖に会いに行けるといいですね♪
Commented by milletti_naoko at 2016-09-28 17:48
鍵コメントの方へ

ご愛読ありがとうございます。興味を持ってくださったようで、うれしいです。長い間お仕事を続けられていて、すばらしいですね。さっそく住所・地図へのリンク・開館日時など、詳細情報を記事末に追記しましたので、参考にしてください。
Commented by milletti_naoko at 2016-09-28 17:53
すずさん、花や香りも奥が深いですが、ボタンにも歴史やさまざまな文化、目的が関わっていると知って、とても興味深かったです。

わたしも日本は着物文化だったので、日本のボタンはあるまい、あっても最近のものだろうと思っていたので、そんなにも古いボタンがあると知って驚きました。

博物館の奥に、洞窟への入り口があるんですよ。わたしも館長さんの、ボタンへの熱意と語りのみごとさと、そうして、高齢にしてブログ・ツイッター・フェイスブックを活用する様子に感嘆しました。また時間のあるときに、ゆっくり訪ねてみたいと思います。
Commented by fukusukesan at 2016-09-28 22:06 x
こんばんは、なおこさん。ボタン博物館、素敵ですね。じっと見入ったら、一日居られそうです私^^日本では、手作り好きが結構いて、百貨店の催しでも、手作り市なんてあります。チョコチョコ作るのは、楽しいですものね。私もこの間出かけて、チェコボタンを買って来ました、白い安いブラウスに自分でボタンだけ付け替えようかと^^ビーズなんかも好きです。京都に東寺の市とか、百万遍市などが毎月あります。ウロウロして、チープな物を見つけ、手作りなんていうのも、楽しいものです。作る喜びと言うものです^^
Commented by milletti_naoko at 2016-09-28 22:21
fukusukesanさん、手作りがお好きだなんてすてきですね♪ 白いボタンに個性的なボタン、なるほど自分の手が加えられるとおしゃれの幅も創造の楽しみもぐっと広がりますね。ビーズ、なつかしいです。最近そう言えば、ビーズなどいろんな飾りを添えた衣類がこちらでも増えている気がします。

わたし自身、歴史やボタンが興味深いと思い、楽しみにしていた館長さんのためにも、優先して記事にしたのですが、かつてないほどブログ、フェイスブックのコメントや反響が、日本でもイタリアでも多いのに驚いています。
Commented by papricagigi at 2016-09-30 23:06
Naokoさん、おはようございます。
ボタンだけの博物館があるなんて、面白いですね!館長さんのお話、聞いてみたいです。一つ一つ手で描かれているこの日本のボタンって。。。いつ頃どのようにして使われていたのでしょう?実際に服に縫い付けていたのでしょうか?それとも観賞用? 小さなボタンのひとつひとつに物語があるようで、とっても面白いです!
Commented by milletti_naoko at 2016-10-02 23:19
papricagigiさん、こんにちは。わたしもこういう博物館があって、しかもこんなに貴重なボタンが多く、楽しく、歴史的・地理的・芸術的・文化的意義が多いとは思わなかったので、びっくりしました。そうやって想像するのもまた楽しいですよね。
by milletti_naoko | 2016-09-27 22:54 | Emilia-Romagna | Comments(14)