夜のペルージャ、村上春樹とイタリア村上マニアの火つけ人

 日中は暗雲がたれこみ、風が吹き荒れ雨も降ったペルージャも、今夜は風がはたりとやみ、雲の間から星が輝くのが見えました。今夜は、イタリアにおける村上春樹ブームの火つけ人とも言える、多くの作品を訳し、イタリアに紹介したジョルジョ・アミトラーノ氏が村上作品とその魅力を語る講演が、午後9時からペルージャの中心街で、ありました。日本で人気を巻き起こしていた頃に、『ノルウェイの森』を読み、落胆して以来、村上作品を読んでいなかったわたしは、イタリアを去る日本の友人が残してくれた本の中に、最近の著作を見つけ、彼女が読んでくれるくらいであれば、おもしろいのだろうと思って読んでみて、意外といいなと、昨年思っていたところでした。

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"I mondi di Murakami Haruki". Giorgio Amitrano a Palazzo della Penna
Perugia Circolo Del Lettori 28/4/2017

 上代から太宰治くらいまでの文学史は、日本の高校で国語を教えていた頃に授業で教え、鴎外や漱石などの明治の文豪や、芥川・太宰・中島敦・志賀直哉などの作品は、現代文の教科書や問題集にあったので、何度も繰り返し読み、教えたのですが、上述のような理由で、たとえば吉本ばななも含めて、現代の売れっ子作家を読むよりも、むしろ近現代の評価が確立した作家の作品を読もうと思うようになったため、村上春樹については、本を昨年読んだほか、時々インターネットで発言や書かれた言葉を読んで、意外と共鳴することが多いのに驚いてはいたものの、村上春樹がいったいどんな作品を書いてきたのか、現在日本や世界の文学界でどういう位置を占めているのかについては、ほとんど知らずにいました。かつて一度興味・関心の蓋を閉めてしまった上に、イタリアに住んでいるために、日本で人気を博す本などの情報に触れる機会が少ないためでもあるかと思います。

 それで、イタリアでこんなにも人気がある作家である村上春樹の作品について、アミトラーノ氏が、どんな魅力を感じているのか、そうして、翻訳を通して深く作品に関わった氏の口から、イタリアの知識人としての視点で、村上春樹の作品をどんなふうにとらえているのかに興味があり、また、村上作品について知りたいと思えば、最も的確な教えが得られるだろうと考えて、今夜の講演に参加しました。講演はとても興味深く、また楽しかったのですが、写真を選んだり考えて書いたりしていると遅くなってしまうので、今夜はここで筆を置きます。

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Fontana Maggiore & Duomo, Perugia 28/4/2017 23:19

 ペルージャ中心街の写真は、講演後、駐車場に戻る途中に見かけた大噴水と大聖堂です。冬は凍結防止のためか流れていない水が、まだ寒いものの春になって噴水から湧き出ていて、やはり噴水は水があった方がずっと美しいと思いました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2017-04-28 23:59 | Umbria | Trackback | Comments(2)
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Commented by ayayay0003 at 2017-04-29 10:05
なおこさん、村上春樹の翻訳本を出したイタリア人の方の講演会に行かれたのですね!
イタリア語でも出るなんて、やはり人気があるのですね!
家の主人は、好きなようで、というか、そういう話題性のあるものは、一応目を通しておきたいようで、最近の作品はよく読んでいるのを見かけます!
どちらかというと、現実離れをしたと申しますか、SFちっくと申しますか?私は苦手なのであまり読んでないのですが、今トライしたらなおこさんが仰るようにまた違った感想になるかもしれないですね!
自分の年齢によっても読む作品というのは違った見方になるのかもしれないとふと今日のなおこさんの記事を拝見して思いました☆
ペルージャの中心街の噴水、夜も趣がありますね♪
Commented by milletti_naoko at 2017-04-29 20:39
アリスさん、どちらかと言うと、外国の方の視点で、どんなふうに村上春樹の作品や日本文化と出会って、どんなふうにとらえているか、感じられているかということに興味があったのです。まだ世界的に人気が出る前に、氏が出版社に持ち込んでぜひにと出版にこぎつけ、けれども初版は売れず題名にも問題があってと、お話も楽しく、距離を置いていたわたしや、読書好きだけれどまだまったく作品を読んだことがない夫も、終始興味を持って、楽しく聞けたという点で、すばらしい講演だったと思います。

だんなさまがよく読まれているんですね! 昨夜の話の中にも現実すぎるあまりの非現実性という言葉が、村上作品を読み解く鍵として出てきました。

村上作品や作家についてだけでなく、お話を通して、なるほどといろいろ考えることも多くありましたので、感じたことを忘れてしまわないうちに、記事にしておくつもりでいます。

ありがとうございます。ふと見たふと時間のある角度からのその瞬間の美しさというのがありますよね。うまくとらえられたようで、うれしいです。
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