イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

香る花・自然の力を浴びる朝、6月24日は聖ヨハネの水

 6月24日は、カトリック教で、洗礼者ヨハネ(Giovanni Battista)を記念する日です。洗礼者ヨハネを守護聖人とする町は、フィレンツェをはじめ、イタリア各地にあり、今日はそうした各地で、聖ヨハネの日(Giorno di San Giovanni)を祝う祭りが行われます。

 また、聖ヨハネの日である6月24日が、ちょうど夏至の頃、太陽の力が最も強い頃にあたるからでしょうか。この日の前夜から朝にかけて、イタリア各地で、草花を浸した水や草花の夜露を体に浴びる習慣があります。ウンブリアでは、前夜から草花を水に浸し、一晩中外に置いておき、花の香りがいっぱいに漂い、またエネルギーに満ちたその水で、顔を洗う慣習があり、夫も幼い頃ずっとそうしていたそうです。また、ロマーニャでは、前夜に草花を濡らす夜露を体に浴びる慣習があると、友人から聞きました。詳しくは、2014年6月(ただしFBでの共有は2015年)の以下の記事をご覧ください。


 また、ラッツィオ州のコッレパルド、わたしたちが2015年に薬草学講座に通った村では、大きなかがり火がたかれ、音楽が奏でられ、盛大な祭りが催されます。この聖ヨハネの日前夜の祭りは、古くはおそらくヨーロッパ全土で行われ、夏至、1日で最も夜が短いその日の晩に、その年の農業の豊作を祈って、太陽に捧げる祭りであったのだろうと、次のコッレパルドの聖ヨハネ前夜祭を語る映像の中に、説明があります。


 というわけで、昨晩は夫がミジャーナに泊まったため、わたしが花を集めて、聖ヨハネの水(acqua di San Giovanni)を用意しました。

香る花・自然の力を浴びる朝、6月24日は聖ヨハネの水_f0234936_6374829.jpg
24/6/2017

 ラベンダー(lavanda)ジャスミン(gelsomino)のように香りのいい花をはじめ、色とりどりの花を一晩浸しておいて、今朝その水で顔を洗うと、それはいい香りがしました。一晩浸して、その鉢を外に置いておくのは、月の光が花の力を引き出してくれるからだそうです。実は昨晩は、新月(luna nuova)だったのですが、月は夜空にあったわけで、同様に効力があることを祈っています。

 この聖ヨハネの水のおかげか、今日はミジャーナから戻った夫と遅くに目的地を決めたにも関わらず、おいしい昼食を食べ、静かで涼しい山を歩き、それは美しい古い教会をたまたま訪ねることができ、さらにトラジメーノ湖の美しい夕焼けを見ることができて、それは充実したうれしい1日になりました。ありがたいことです。帰宅が午後10時と遅くなってしまいましたが、少しずつお返事やお礼をしていくつもりでいます。

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L'Acqua di San Giovanni piena del profumo, dei fiori e dei benefici dall'Umbria al Giappone, al Canada, quindi nel mondo :-)

Dal 2014 mio marito ha ripreso l'abitudine - la sua famiglia la praticava quando era piccolo - di preparare l'Acqua di San Giovanni nella notte del 23 giugno e di lavarsi il viso la mattina del 24 giugno con l'acqua profumata dei fiori e piena dei loro benefici. Anche questo anno ho preparato l'Acqua di San Giovanni, ne ho scritto sul blog e allora una mia amica, blogger giapponese che vive in Canada l'ha provata e ne ha scritto un articolo e poi gli altri suoi amici giapponesi e anche i miei amici, lettori giapponesi la stanno provando...
E' bella la diffusione del costume tradizionale così importante e bello :-)
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2017-06-25 17:32
なおこさん、聖ヨハネの水、今年は、なおこさんが用意されたのですね(*^^*)
イタリアの今の時期は、ジャスミンをはじめ、たくさんの良い匂いのするお花がありますから聖ヨハネの水が良い香りがするの想像つきますよ~(o^^o)
ほんとに、今は、良い時期ですね(^_-)-☆
Commented by paradiso-norina at 2017-06-26 23:18
こんにちは

花の浸した水で顔を洗う!
なんて素敵な慣習なのでしょう。
湯船に花を浮かべてつかるのはよくあるけどそうなるとお花の量もかかりますね。
顔用なら美瑛でもできるかも!
夏至は過ぎたけれどバラとかミントとかでやってみようかしら^^
>暑さが半端ない今年のヨーロッパ、あちこちで起きている山火事もその影響なのでしょうか、、
ペルージャが一番暑いなんて、、
お忙しいなおこさん、どうぞ体調を崩すことなく乗り切ってくださいね。
最後に、、、ご結婚10周年おめでとうございます^^
Commented by milletti_naoko at 2017-06-27 00:04
アリスさん、一晩置いた次の朝は、花の香りがいっぱいに漂い、花びらの色もきれいで、顔を洗う前から、清々しい気持ちになれました♪ 

先週の旅行中ペルージャではいっさい雨が降らず、暑い日が続いたため、義父母に水やりを頼んではいたものの、残念ながら帰宅すると、バラやエニシダはもう花がなく、思いついたのが水をやったあとだったので、ヒナゲシは花びらが散ってしまっていて、例年に比べると、花びらが少なくなりました。その代わり、暑さにも強いハーブのラベンダーやセージ、香りの良いジャスミンなど、香りもよい効果も望める花が多くなるという好結果が得られたかもしれません。キョウチクトウの花は元気ですが、有毒なので使えませんし、こういうときに、薬草や野の草についての様々な講座で学んだ知識が役に立って、ありがたいです。
Commented by milletti_naoko at 2017-06-27 00:09
norinaさん、そう言えば、湯船に浮かべるというのは、日本でもいろいろな果物などについてそういう風習がありますよね。美瑛のお庭の花たちでも、きっと香りよく美しい聖ヨハネの水ができることと思いますよ。薬草学講座では、いろいろな薬草を摘んだり成分を抽出するのに最適な、草花のエネルギーが最も高い時期がそれぞれの植物にあると学んだのですが、6月下旬は、たとえ日にちが若干ずれても、草花の生命力や効力が頂点に達するときではないかと思います。今でも十分、効果が望めるはずですよ。ぜひ試してみてください!

ありがとうございます♪ 水曜からは雨が降って涼しくなるそうで、昨夜は降るはずの雨が降らず、残念だったので、今度こそ予報が当たってくれることを祈っています。
Commented by snowdrop-momo at 2017-06-30 06:17
おはようございます。
花の夜露、温暖なイタリアならではの風習ですね。
手作りの聖ヨハネの水、香りまで伝わってきそうで、すてきです。
Commented by milletti_naoko at 2017-06-30 06:40
snowdrop-momoさん、確かに夏至の頃のイタリアは、昼が長く、日差しも強く暑いほどで、だからこそ朝露にという発想が出てきたのかもしれませんね。翌朝は水がびっくりするほど、花の香りでいっぱいなので、花のエネルギーや効用もまた水に移っているのではないかと思います。まだ夏至から日が経っていませんし、日本ではそろそろ梅雨が明ける頃でしょうから、ぜひ試してみてください。
by milletti_naoko | 2017-06-24 23:48 | Fiori Piante Animali | Comments(6)