イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

おいしい秋、京菓子・照り焼き・栗のケーキ

 個人授業で教えている若者が、9月末から日本で日本語の短期留学をしていました。昨日は、イタリアへの帰国後、初めての授業があり、日本語学校での体験を語ってくれました。さまざまな国籍の仲間と共に、日本語を学ぶのが楽しく、授業内容もよかったと、うれしそうです。クラスではどちらかと言うと、作文や会話、リスニングはできる方だったけれども、漢字については、中国人生徒にはとてもかなわず、先生でさえ、時々、板書中の漢字に自信がなくなって、中国人の生徒たちに、「これでいいですか。」と聞いたりしていたそうです。日本人学生と積極的に交流したり、わたしの授業を受けたりはしていても、もっぱら独学で日本語を勉強してきた若者なので、学校の授業が、収穫が多く、かつ楽しいものでよかったと、わたしもうれしく思いました。約1か月後に迫る日本語能力試験のN2受験に向けて、さらに頑張ろうといういい刺激にもなったことでしょう。おみやげにと贈ってくれた、京都の老舗のお菓子がそれはおいしくて、昨晩夫とありがたくいただきました。

 肩のリハビリ通院の帰りに、買い物をして、さらにケーキ屋さんに寄りました。時々、進行方向に見える太陽があまりにもまぶしくてとまどったのですが、それも関係あるのかどうか、買い物を予定していたスーパーの前では左折すべきところを、うっかり右折してしまい、ケーキ屋もうっかり前を通り過ぎてしまって、どちらについても、一度行き過ぎてから、引き返さなければいけませんでした。近場で立て続けに、二度も道を間違えたのは初めてで、自分でも不思議です。

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 そうやって、店に行くために遠回りして、しかも道を間違えてまで購入したのが、こちらの栗のケーキです。実は、この季節にこうして栗のケーキを買うのは、記憶に間違いがなければ、2年前の秋以来、3度目です。ちょうどその頃、右肩が五十肩、癒着性関節包炎を患い、痛みに夜も眠れぬほどで、何度もかかりつけ医の診療所を訪ねなければいけませんでした。専門医の診療を受けるためにも、専門医が処方した鎮痛消炎剤を購入するにも、まずは、かかりつけ医にその旨を記してもらわなければいけないからです。幸いなことに、かかりつけ医の診療所も、公立病院の診療を予約できる薬局も、同じ建物の同じ階にあります。そうして、その診療所と薬局の間に、ちょうどケーキ屋があり、2年前のあの日は、肩の痛みや何度も診療所や薬局に足を運ばなければいけない煩わしさを慰めようと、診療所と薬局を訪ねたあとに、ケーキ屋に入り、その頃が旬だった栗のケーキを見て、夫の分も購入したのです。その翌年の夏、つまり去年の夏には、幸い右肩は痛みも去って、かなり動くようになったのですが、今度は左肩がひどく痛む上に、動きが制限されるようになり、昨年の秋からは、やはり癒着性関節包炎(凍結肩)を患うと診断された左肩のために、今もカイロプラクティック院に、リハビリに通っています。半年余りでかなり回復した右肩と違って、左肩は肩や腕の動きがはるかに制限され、長い間、エプロンのひもを、背中の後ろで結ぶこともできませんでした。今はそれはできるようになったのですが、いまだに90度、特に横に腕を持ち上げることができないために、通院を続け、理学療法士に施術をしてもらってから、指示されたリハビリ運動をしています。

 おととし、去年とちょうど今の季節に、旬の栗のケーキを買って、とてもおいしかったように覚えていたので、値段が高かったのも覚えてはいたものの、同じ店で購入しました。ところが食べて見て、おいしいのは確かにおいしいのですが、値段の割にいまひとつで、妙に甘すぎるように感じました。楽しみにしすぎていたからかもしれないのですが、来年からは、このケーキそのものを買うのは避けたほうがいいことを覚えておこうと、覚え書きがわりに、写真と共にブログに記録しておきます。おいしかったおみやげの京都のお菓子は、あっという間に食べてしまって、写真がないのが残念です。

おいしい秋、京菓子・照り焼き・栗のケーキ_f0234936_62982.jpg

 リハビリからの帰りに寄ったスーパーで、鶏のもも肉を買ったので、新鮮なうちに調理しようと、さっそく今日の夕食に、照り焼き風に料理しました。照り焼きでもすき焼きでも、甘みがありすぎると夫の口に合わないため、砂糖は使わず、酒代わりの白ワインとみりん、しょうゆを、同量ずつ深皿に入れ、細かく刻んだしょうがも加えて、鶏肉とネギを数時間漬けておいてから、調理しました。夫もおいしいと言ってくれて、うれしかったです。ちなみに、先週末からは外食も含めて、夫と食べるときは、ずっとイタリア料理が続いていて、和風の料理は久しぶりでした。漬けこんだ肉の写真だけなのは、料理した肉の写真を撮る時間的余裕がなかったためです。

 ふだんは食事中はテレビを見ないことにしていて、台所にはテレビを置いていないのですが、昨日は、夕食前に居間でテレビを見ていた夫が、わたしたちの好きな推理ドラマ、『ネーロ・ウルフ』が、ちょうど夕食の時間帯に再放送されていることに気づいたので、二人で皿を手に、ソファーに腰を下ろし、夕食を食べながら、ドラマを見ました。その再放送が、今日も午後7時35分から午後9時20分までありました。それを知ってはいて、サラダなどはすでに準備しておいたのですが、漬け込んだ肉を料理し始めたのは、夫が帰宅した午後7時前だったために、さあ料理ができたからと皿に盛り、そのまま皿を持ってテレビの前へと、今日の夕食の始まりは、慌ただしかったのです。主人公をはじめとして、個性的な面々がそろうドラマは見ていて楽しいので、今週金曜まで毎日、ほぼこの時間帯に放映されるようで、楽しみです。ふだんの夕食時間に比べるとかなり早いものの、明日以降は、できるだけ番組前に夕食が終えられるようにしたいと思います。夫が改築作業や友人たちを迎えるための準備を、ミジャーナで終えて、何時頃帰宅するかにもよるのですけれども。

関連記事へのリンク
- 推理ドラマ、『ネーロ・ウルフ』 (2014/4/30)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2017-11-01 09:21
なおこさんの生徒さんの日本での滞在が良いものであったと聞いて嬉しいです~(^^♪
語学学校の内容は、モチロン大事と思いますが、外国での印象は、その国の人の態度により大きく印象が変わると思いますので、多分、生徒さんのまわりの日本人は人柄の良い人が多くいたのだとほっとしています~(^-^)
お土産の京菓子も、お気遣いがすばらしい生徒さんですね~☆
生徒さんの優しいお人柄が想像出来ます♡

栗のお菓子ですが、日本でも市販のものは、有名店のものでも、甘過ぎるものが多くて、いつも残念な感が否めないため、最近では私も余程拘りのお店のしか購入しなくなりました^^;
日持ちを考えると栗の保存は仕方ないのかもしれません!
なので、やはり、お家で季節の栗でお菓子にするのがマイブームです~(^^♪
和風の鳥料理、途中でも美味しいさが伝わりますね~♪
お家で作る料理、やはり、健康的で美味しいですね♡
Commented by milletti_naoko at 2017-11-01 17:44
アリスさん、日本はすでに何度も訪ねていて、イタリア語を学習しにイタリアに来た日本人学生ともできるだけつきあうようにしていて、日本に友人も多い若者なのですが、学校やクラスもいろいろあるでしょうし、気になっていました。満足の行く授業内容で、弱点だった作文もいろいろする機会があったようで、わたしもうれしいです。独学では、作文の大切さをわたしが執拗に言っても、どうしても間近に迫る試験の方が気になって、試験対策にすぐに効果が出るような問題集や演習ばかりしてしまうのですが、学校の授業は、中に試験対策もあるものの、日本の専門学校に入学したい人がいることもあり、総合的な日本語の力をつけていけるように、カリキュラムが組まれていたようです。12月に受ける試験は、今度は級と級の間の差が、過去2年間に比べてかなり難しいのですが、着実に力をつけてきているようで、頼もしく思いました。おいしいおみやげを贈ってくれる優しい生徒さんです。

栗のお菓子は、日本でも甘すぎる場合が多いんですねびっくりしました。アリスさんが季節の味を、材料を厳選して作られているのは、そのためなんですね。家で食べると、自分たちが好きなように調理できて、材料も選べるので、安心ですし、健康にもいいですよね。
Commented by nekodaisukiyorgos at 2018-01-31 01:00
ナオコ先生の記事どれも現地語大衆地区からの発想なので読みごたえあり、日本語レベルは私より圧倒的に上と実感。先生自身生徒一人一人大切にして"教科書"以上の日本語教育できるだけでなく、更に"郷に入っては郷に従う&言いたいことで言うべき時はきっちり言う"をいつも実行している様子、あなたの行動を目の当たりにした➡その基本信念を実行中の'17/10京菓子記事での偉い単独留学生などへも多大なる社会貢献に対し私は降参状態です!!"良い悪い何らかの形で返って来る"(今年"悪い"でも来年には"良い"となることもありうると思います)ほんの少しでもいい方向にもっていく、心の何処かにおいて日々前進&帰宅後ナオコ先生のブログ参考にさせていただきます、長文お許しを、これからもブログ更新よろしく!!
Commented by milletti_naoko at 2018-02-01 05:12
頑張っている生徒さんたちを見ると、わたしも頑張らなければと思います。いろいろ思うところがあるのですが、まずは目の前の仕事、生徒さんを大切にできればと思います。コメント、ご愛読ありがとうございます。
by milletti_naoko | 2017-10-31 22:53 | Gastronomia | Comments(4)