イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

搾油場、黄葉そして、あらびっくり

 オリーブを持ち込めるよりよい搾油場がないかと、夫があらかじめ調べていた場所を、金曜日に二人で何箇所か回りました。

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Perugia 26/10/2018

 最後に訪ねた搾油場では、わたしたちが到着したときに、ちょうど搾油機に問題が起こったらしく、皆忙しそうだったので、邪魔にならぬよう、搾油場の前でしばらく待ちました。そのときに、耕された畑の向こうに見えたポプラ並木の黄葉がとてもきれいでした。どの搾油場も今オリーブを持ち込んでいるところよりもよさそうなのですが、11月15日まではすでに予約がいっぱいとのことなので、土曜日は結局、いつもの搾油場にオリーブを運ぶことになりました。

 金曜はこの搾油場を訪ねたあと、夫が近道だろうと考えて、来た道とは違う細道を進みました。夫の車は四輪駆動ではないものの、車高が高く、出かけた先で、山中の砂利道やでこぼこ道を走ることがよくあります。しばらく走れば大きい道路に出られるだろうというあてが外れ、道はいつまでも細いままで、最初は整備された砂利道だったのに、走るうちに道のあちこちに大きな穴があったりするようになりました。いつしか道が山中に入ってしまったので、途中で引き返し、ようやく人家もそこかしこに見えるアスファルトの道路を走り始めたそのとき、妙な音がして、以後はハンドルを斜めに構えないと、車が直進しないことに夫が気づきました。

 道に迷ったか、車に何かあったかというとき、けれどもどういうわけか、うちの夫は、よっぽどのことがないと停車しません。このときも、そのまましばらく走ったあと、野菜や果物を買おうと目指していた店に到着し、そのとき車から降りて、初めて右前輪のタイヤがパンクしていることに気づきました。パンクしたタイヤがあるとき、イタリア語では直訳すると「地面にくっついたタイヤがある」(avere una gomma a terra)と言うのですが、まさにそのとおり、右前輪のタイヤがぺちゃんこで、まったく空気がない状態で、ぺったりと地面についていました。すっかり不機嫌になった夫ではありますが、ぶつぶつ言いながらも、自分でタイヤを予備のタイヤと交換できるところがえらいなと思いました。

 前の週には、豪雨の中を走っていたら、雹が当たってワイパーが壊れたところでもあり、車というのは何が起こるか分からないところがあり、だから、悪天候のときや悪路、あるいはどういう道か分からない道は、進まないようにするのが賢明だなと、わたしは改めて思いましたし、夫も今度こそ、そう思ってくれたものと、願いたいところです。行きつけのタイヤ屋まで約30分余りと遠い場所にいたのですが、直行すると、幸い店が閉まる20分前に到着できて、タイヤを見てもらえました。原因となったのが何かは特定できないけれども、かなり小さい穴が空いているだけで、買ったばかりのタイヤには、他には問題はないとのことでほっとしました。2度も立て続けに車に問題とは、運が悪いようでもありますが、事故もなく、ワイパーは新しいワイパーと交換し、タイヤも直してもらって、つけ替えることができたので、わたしは運がよかったのであって、ありがたいなと考えたいと思っています。

 夫の車は、新車購入から16年、走行距離は30万キロを超え、追突されたこともあるので、修理やエンジンの交換はしてあるものの、この日も最後の搾油場に向かう途中、エンジンが急に止まってしまい、再びかかるまでに何度も試みなければいけないという事態が発生しました。燃料タンクにはまだ燃料があるけれどもわずかしかないというときに、こういうことが起こるのは、不純物か何かが底にたまってしまうためなので、燃料が少なくなってしまう前に給油をした方がいいとは、以前に自動車修理工から聞いていたのですが、夫はそれを忘れていたようで、何とかガソリンスタンドまでたどり着いて満タンにしたら、問題が解決しました。このときも、幸い次のガソリンスタンドまで何とか走ることができたこと、このことを機に、夫が次回からは給油を早めに行うべきだと気づいて、そうすることを忘れずにいてくれるようになったのではないかと思うことにしています。

 この数日、時に暴風暴雨となる悪天候が続いているのですが、以前なら悪天候でもどこかに行きたがっていた夫も、ワイパーが壊れて恐い思いをしたからか、こういう天気のときは、車の運転は極力避けて、うちにいようと考えてくれるようになりました。昨日もちょうどミサに行こうかという時間帯に、どしゃ降りの雨になったので、行くのを断念したところです。安全を優先してくれるようになるきっかけを、一連の車の問題が作ってくれたような、そんな気もしています。

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Belli i colori di autunno anche nelle campagne di Perugia
,
i filari di pioppi con le foglie dorate,
Civitella Benazzone sul cocuzzolo della collina,
in fondo a sinistra il monte Tezio coperto dalle nuvole.
Perugia 26/10/2018
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2018-10-30 14:31
なおこさん、タイヤのパンクやワイパーの故障で、さぞや怖い思いをされましたね(>_<)
でも、そのことを教訓にご主人様が無理をされないようになったなら良い事だと思えるなおこさんは、素晴らしいです☆
道が悪い、悪天候だとそう言う事が起きやすいし、危険ですものネ!
オリーブオイルの搾油所も、そちらは、沢山あるけど、時期には予約でいっぱいのなのですね~
先日我が家のオリーブ見たら、木は少し大きくなり、実は、Ⅰコだけ残っていました!(笑)
台風シーズンを無事乗り切る事が出来てほっとしています!
オリーブは、唯一風に弱いと聞きましたから~
Commented by milletti_naoko at 2018-10-30 18:32
アリスさん、無事に問題が解決してほっとしました。
うちの夫は冒険心が強いというか向こう見ずというか、
山を歩いていても、きちんとトレッキングコースを歩かずに、
自分で歩いて行きたがり、結局は行き止まりでとんでもない
急斜面を木の枝をかき分けて進むことになったことも一度や
二度ではないので、最近はわたしはコースを進むわよと
きっぱり言い放つことにしています。
これに懲りて、これからは慎重になってくれることを祈ります。

一個だけでもこの時期まで実が残ったんですね!
確かに若木は風が大敵ですから、無事に乗り切れて本当によかったですね♪
by milletti_naoko | 2018-10-29 23:20 | Umbria | Comments(2)