2017年 03月 16日 ( 1 )

巨木・岩壁・クロッカス、眺めも美しテッツィオ山

 イタリアの山では、かつて放牧が行われていた、あるいは現在も放牧が行われているために、一定以上の高さまで登ると、高木が生えず、草原が広がり、ビャクシン(ginepro)の低木だけが、まばらに生えているということが、よくあります。おととし通った薬草学講座では、過放牧で草原と化した山が、再び森となるとき、そうした厳しい状況でも育つことができる最初の木は、ビャクシンなのだと教わりました。

 テッツィオ山も、昔は放牧がさかんで、日々家畜たちが山を闊歩し、首にかけた鈴の音が響きわたっていたそうで、今も夏には、山を歩いていて、頂上付近で牛の群れに出会うことがあります。

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Panorama dal Monte Tezio (PG) 12/3/2017 10:52

 テッツィオ山も、ある一定の高さからは高木がなくなり、ただただ草原が広がり、ところどころにビャクシンなどの低木が立つだけとなります。草原は泥だらけのときに人や動物が通るためか、大地がでこぼこで歩きにくいのですが、見晴らしがいいので、進む方向が分かりやすく、適当に近そうで楽そうな場所を選んで、歩いて行くことができます。

 この日は、トレッキング・コースの一部が、木が生い茂っていて進みにくいからと、しばらく森の上に出て、目指す方向へと草原を歩くことにしました。

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 草原でも、クロッカスの花があちこちに咲いています。

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Crochi nel bosco 11:12

 しばらく草原を歩いてから、トレッキング・コースを求めて山を下り、再び森の中に入ると、森にもクロッカスが一面に咲いているところがあります。このクロッカスたちは、きれいな桜色をしていました。

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Da destra Monte Subasio, Monti Sibillini & Monte Pennino 11:22

 トレッキング・コースを歩き、再び見晴らしのいい草原に出て、後方を振り返ると、テッツィオ山のはるか東、遠くにある山々が、きれいに見えています。右に見える横に長い台形の山は、アッシジを中腹に抱くスバージオ山(Monte Subasio)、その左手後方に連なる白雪を頂く連峰は、シビッリーニ山脈(Monti Sibillini)、そして、その左手の山はペンニーノ山(Monte Pennino)です。どの山も、何度も登ったことがあるので、こんなふうに見えると、旧友に出会えたように、うれしくなります。

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 ここまで登ると、前方にテッツィオ山の平たく長く伸びる尾根が見えます。テッツィオ山は、横に長い山なので、頂上とほぼ同じ高さの尾根が南北に伸び、尾根道から少々脇に逸れた他よりわずかに高いところに頂上があり、頂上とは別の、トラジメーノ湖が見える見晴らしのいい場所に、三つ目の十字架が立っています。

 この位置からはきれいに十字架が見え、もうかなりの高みまで登りました。ところが、このとき、十字架付近には集団で登ったらしき人がたくさんいて、大声で騒ぐのが聞こえます。友人によると、なんと山頂付近で、綱引きをしていたようなのです。

 そのため夫が喧騒を避けようとしたのか、それとも最初から予定どおりだったのかは不明ですが、この後夫が突然ひどく急な斜面を下り、森に入ってもさらに急傾斜を下り続けました。

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11:32

 眼前に現れたのは、樹齢数百年と言われる菩提樹(tiglio)の巨木です。夫は、こうした巨木や美しい木を見つけると、木が元気に過ごしていけるように、枯れ枝を払い、ツタを取り除いています。

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 山の長老、この神聖な巨木の周囲にも、クロッカス(croco)の花が咲いています。この辺りの花は藤色で、ところどころ濃い紫が入っている花弁がありました。

 巨木を眺め、敬意を払い、ゆっくり休み、友人の一人が持っていた本にあった、木と大地に捧げる祈りと踊りのような儀式を、皆で行いました。しばらくすれば、山頂付近のにぎやかな集団が去るだろうと、夫は待っていたのかもしれません。

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12:15

 最後に大きな大きな木の周りを一回りし、木にあいさつしてから、急な傾斜を再び上へと登りました。緑のきれいな苔と枯れ葉の間から、赤いキノコが顔を出しています。

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12:29

 再び森から草原に出て、上の写真に見えた尾根まで登ると、今度はこれまでとは反対側、テッツィオ山の西側のパノラマが広がり、天気がいいので、トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)がきれいに見えました。
 
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 その後、トレッキング・コースを歩いて、西の斜面をしばらく下り、古代に神殿があったとされる場所や、

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12:48

ベッルッチの岩壁(Parete Bellucci)を訪ねました。

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 岸壁には小さな洞窟があって、洞窟からの眺めに風情があります。

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 岸壁と洞窟を訪ねたあとは、再び尾根へと山を登り、先の尾根の写真でも、遠くから見えていた十字架を目指しました。テッツィオ山に建つ大きな十字架のうち、最も高い位置にあるため、三つ目の十字架(la terza croce)と呼ばれる十字架です。

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Ancora verso l'alto saliamo sul Monte Tezio,
salutiamo il Grande Tiglio secolare.
Dietro di noi i Monti Sibillini con neve,
camminiamo ancora e davanti a noi il Lago Trasimeno.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2017-03-16 18:44 | Umbria | Trackback | Comments(2)